【2023年版】京都の桜が美しい絶景おすすめスポット30選
目次
京都には、たくさんの有名な桜スポットがあります。その中でも、特に人気の高い、おすすめ桜スポットを30ヶ所一挙紹介します。
いずれも京都を代表する桜スポットとして知られているところです。
今回紹介する30ヶ所は、全てが是非とも訪れて欲しい京都のおすすめスポットばかりです。
2023年の京都の桜の満開は、平年より11日も早い3月24日でした。平年満開となる4月4日にはもうかなり散っていると見込まれます。
30選の対象エリアは、MKタクシーの営業区域である京都市以南です。
京都での桜の開花時期
桜といっても種類や品種によって開花時期は異なります。
以下は、平年の京都市内での開花時期です。
ソメイヨシノの見頃
京都での平年開花日は3月28日、平年満開日は4月5日です。
京都では概ね4月上旬に見頃を迎えます。
枝垂桜の見頃
ソメイヨシノよりやや早く開花します。
京都では概ね3月末~4月上旬に見頃を迎えます。
ただし、個体差があります。
ヤマザクラの見頃
個体によって変異が大きく、かなり幅があります。
京都では概ね3月下旬~4月中旬に見頃を迎えます。
河津桜の見頃
ソメイヨシノが開花するころに散りはじめます。
京都では概ね3月中旬~下旬に見頃を迎えます。
御室桜の見頃
ソメイヨシノが満開の頃に開花します。
京都では概ね4月中旬に見頃を迎えます。
八重紅枝垂桜の見頃
御室桜と同じころです。
京都では概ね4月中旬に見頃を迎えます。
サトザクラ(一重)の見頃
桜の園芸品種であるサトザクラのうち、一重の品種です。
京都では概ね4月上旬~中旬に見頃を迎えます。
ただし、品種により差があります。
サトザクラ(八重)の見頃
桜の園芸品種であるサトザクラのうち、一重の品種です。
京都では概ね4月中旬~下旬に見頃を迎えます。
ただし、品種により差があります。
洛中の桜おすすめスポット5選
① 京都御苑・近衛邸跡(このえていあと)〈上京区〉
見頃は3月下旬~4月中旬
- 3月下旬~4月上旬に見頃の糸桜(枝垂桜)
- 4月上旬~中旬に見頃の八重紅枝垂桜
京都随一の枝垂桜の名所
京都御苑の北西部にある近衛邸跡は、数ある京都の枝垂桜の名所の中でも、随一の人気を誇ります。
かつては五摂家筆頭であった公家の近衛邸がありました。明治維新後に近衛家は東京へと移り、邸宅はなくなりました。
今はかつての庭園以降である九条池が残るばかりですが、美しい枝垂桜が咲き誇り、おすすめです。
近衛邸跡の枝垂桜は、「糸桜」と称されます。
種類としては枝垂性の江戸彼岸(エドヒガン)で、いわゆる枝垂桜と同じものです。
枝垂桜というよりも、糸桜といった方が雅な感じがしませんか?京都御苑・近衛邸跡の桜にぴったりな名称です。
桜の下に入ると、上から糸のように下りてくるように見えます。
特定の桜の木を指すのではなく、近衛邸跡に開花する枝垂桜の総称です(遅咲きの八重紅枝垂桜は除く)。
枝垂桜は、ソメイヨシノよりも一般的に開花が早めです。
中でも、近衛邸跡の糸桜の開花は早いです。
平均的には平野神社の魁桜と同じで、早い桜はさらに早く開花しはじめます。
足利義満も愛した近衛邸の糸桜が復活
近衛邸跡の糸桜が今のように誰でも楽しめるようになったのは、明治以降のことですが、近衛邸の糸桜は、古くから記録が残っています。
近衛道嗣(みちつぐ)の日記によると、足利幕府三代将軍である足利義満に所望されて糸桜を移植したと記されています。
当時から名高い桜であったことがわかります。
それほど人気のあった近衛邸跡の糸桜も、戦前戦後には大ピンチを迎えます。
昭和の初めには近衛邸跡の糸桜はすべて枯れるなど、1955年の時点でまだ若い樹齢20年ほどの糸桜が6株残るのみという惨状でした。
以来、60年以上の歳月をかけて今の姿へと復活を遂げました。
2022年には近衛邸跡の近衛池改修工事も完成し、さらに美しくよみがえりました。
同5月には近衛邸跡休憩所もオープンし、併設されている笹屋伊織プロデュースの「SASAYAIORI+ 京都御苑」が話題になっています。
ぜひ和菓子や和スイーツを楽しみながら、近衛邸跡の糸桜を楽しんでください。
4月中旬には八重紅枝垂桜が見頃に
枝垂桜が散りはじめると、続いて八重紅枝垂桜が開花します。
やや濃いピンク色をした、八重咲きの枝垂桜です。
白色から薄いピンク色で一重の糸桜との違いは一目瞭然です。
京都では八重紅枝垂桜といえば、平安神宮や原谷苑、半木の道などが有名です。
八重紅枝垂桜は、もとも京都の近衛邸にあった桜が明治になって里帰りしたものだと言われています。
近衛邸跡以外の京都御苑・京都御所の桜
京都御苑の桜の代表は近衛邸跡の糸桜ですが、他にも素晴らしい名桜がてんこ盛りです。
まずは、近衛邸跡の糸桜よりやや早く見頃を迎える「出水の枝垂桜」。整った樹形が魅力です。
八重紅枝垂桜と同時期には、「御車還(みくるまがえし)」など、やや遅咲きのサトザクラが見頃を迎えています。
4月中旬から下旬には、「出水の小川」では多彩なサトザクラが艶やかに見頃を迎えます。
その他、京都御苑内各所では、3月下旬から4月中旬にかけてヤマザクラが順次見頃を迎えます。
京都御苑の中にある京都御所でも、紫宸殿(ししんでん)前の「左近の桜」が開花します。
桜シーズンの最初から最後まで、いたるところで桜が咲き乱れる桜のパラダイスです。
入苑情報
入苑時間 | 日中随時 |
入苑料 | 苑内自由 |
住所 | 京都市上京区京都御苑 |
アクセス | 地下鉄「今出川」より3分 |
公式ホームページ:京都御苑 | 一般財団法人国民公園協会
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② 二条城(にじょうじょう)〈中京区〉
見頃は4月上旬~中旬
- 4月上旬に見頃のソメイヨシノ
- 4月上旬~中旬に見頃のサトザクラ
美しい石垣をバックに咲く桜
二条城の桜は、例年3月中旬の寒緋桜(カンヒザクラ)からはじまります。
北大手門や東南隅櫓の前などで、濃紅色の花が開花します。
苑内に数本あり、京都を代表する寒緋桜の名所です。
続いて例年3月下旬には、鳴子門付近にある啓翁桜(ケイオウザクラ)が見頃を迎えます。
美しい石垣をバックに華やかな花を咲かせ、おすすめです。
京都でも有数の大きな啓翁桜です。
プロジェクションマッピングの二条城桜まつり
3月下旬からは、枝垂桜、ソメイヨシノなどが次々と開花して城内を彩り始めます。
二条城では、桜の開花期に「二条城桜まつり」を開催し、夜間にはライトアップを行い人気を集めています。
ライトアップでは、2017年からネイキッドによるプロジェクションマッピングが行われ、桜と歴史的建築、先進アートが融合した幻想的な空間で人気を呼んでいます。
2023年は3月17日(金)~4月15日(土)に「NAKED FLOWERS 2023 桜 世界遺産・二条城」が開催されます。
とはいえ、やはり人気を集める主役は夜桜です。
美しく咲き誇った桜が、幻想的に照らし出される姿は、見事でおすすめです。
二条城桜まつりは夜の桜ライトアップだけでなく、昼間も開催されています。
2023年は文化庁移転記念事業も兼ねており、京都の名産品展や文化体験イベントなど多彩なイベントが開催されます。
見どころは桜の園と清流園
二条城内には、実に50種300本もの桜が植えられています。
中でもおすすめなのは、城内南部の「桜の園」と北部の「清流園」です。
桜の園には、太白(タイハク)、佐野桜、雨宿(アマヤドリ)、手弱女(タオヤメ)、一葉(イチヨウ)など様々な品種のサトザクラが植えられています。
ソメイヨシノが散りはじめた頃から見頃となり、ピークを迎える4月中旬がおすすめです。
清流園では、八重紅枝垂桜や仙台屋などが見頃を迎え、桜のカーテンのようになり、人気です。
こちらも4月中旬がピークとなります。
3月中旬の寒緋桜からはじまる二条城の桜も、4月下旬にはサトザクラが散りはじめ、終わりを迎えます。
二条城について
歴史的に二条城と呼ばれる城郭は京都市内にいくつかありました。
今の二条城は徳川家康が将軍家の京都での宿泊所として、また天皇や公家を守護するために建てた城です。
実際は京都にある朝廷を見張ることが目的だったともいわれます。
日本のターニングポイントである、あの「大政奉還」が発表されたのもここ二条城で、歴史好きにも人気です。
江戸幕府の15代将軍である徳川慶喜が、京都にいる大名を集めた二の丸御殿は、今も当時と同じままに残っています。
武士の社会が京都の地で終わりを告げたのは、慶応3年(1867年)10月14日のことでした。
入城情報
開城時間 | 8:45~17:00(受付は16:00) |
入城料 | 一般 800円(二の丸御殿は別途500円) 中高生 400円 小学生 300円 |
住所 | 京都市中京区二条通堀川西入二条城町541 |
アクセス | 地下鉄「二条城前」よりすぐ |
入城料は2022年6月より改定
公式ホームページ:世界遺産・元離宮二条城二条城
NAKED FLOWERS 2023 -桜- 世界遺産・二条城
開催期間 | 2023年3月17日(金)~4月15日(土) |
開催時間 | 18:00~21:00(閉城は22:00) (通常観覧との完全入替制) |
料金 | いずれも当日券。前売券もあり 【月~木】 中学生以上 2,000円 小学生 1,200円 【金~日・祝】 中高生以上 2,400円 小学生 1,600円 4/1(土)・8(土)は別料金 |
公式ホームページ:NAKED FLOWERS 2023 -桜- 世界遺産・二条城
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③ 高瀬川(たかせがわ)〈中京区〉
見頃は4月上旬
- 4月上旬に見頃のソメイヨシノ
かつて高瀬舟が通った物流の大動脈
京都を代表する歓楽街と言えば、木屋町通。
その木屋町通に沿って流れるのが高瀬川です。
かつての物流の大動脈は、今は桜並木で目を楽しませてくれ、おすすめです。
高瀬川沿いの桜並木はソメイヨシノなので、例年3月末から開花し、4月上旬に見頃を迎えます。
街灯で照らされ幻想的な夜の高瀬川
昼の桜並木も良いですが、木屋町はやはり夜がおすすめです。
灯籠や街灯で照らし出された桜は、幻想的な美しさで人気です。
3月下旬から4月上旬のソメイヨシノの開花時期に、「下木屋町夜桜」が行われます。
四条から五条にかけての桜並木がライトアップされます。
条件がよければ、川に映る見事なリフレクションを見ることもできます。
ほろ酔い気分で桜見物も乙なものですが、毎年高瀬川にはまっている人がいるので、ご注意を。
高瀬舟と桜の絵になる景色
三条から四条の歓楽街から少し北に離れた、二条付近にある「一之船入」では、桜と高瀬舟の絵になる景色を楽しむことができ、おすすめです。
高瀬舟は、浅い川でも航行できるように底が平たく浅い舟です。
高瀬川の名前も高瀬舟にちなみます。
かつては高瀬舟で運ばれてきた物資の上げ下ろしをするため、高瀬川には二条から四条にかけて9つの船入がありました。
今も残るのは、北端の一之船入だけです。
かつて、京都を支えた大動脈としての高瀬川を偲べ、おすすめです。
高瀬川の桜並木はソメイヨシノのため、4月も中旬に入ると終わりを迎えます。
それでも、一部には遅咲きのサトザクラもあり、4月下旬まで見頃の桜を楽しめるところもあります。
高瀬川について
高瀬川は、伏見と京都を結ぶ物流用の運河として慶長16年(1611年)に開削されました。
これによって、大坂と京都が淀川を介して連結され、物流の大動脈として、1920年まで活躍してきました。
当初は川幅は5.1mほどありましたが、今は市電敷設や道路拡幅のために埋め立てられ、半分ほどの幅になっています。
源流は鴨川の二条大橋付近にあり、三条から四条にかけては、京都を代表する歓楽街の木屋町として発展しています。
幕末には、多くの藩の京都藩邸が建ち並び、様々な事件が起きました。
明治維新に大きな影響を与えた佐久間象山が元治元年(1864年)に河上彦斎らによって暗殺されましたのも高瀬川のほとりです。
幕末維新で大活躍した天才兵学者である大村益次郎が明治2年(1869年)に刺客に襲われ、約2ヶ月後に亡くなったのも高瀬川のほとりです。
新選組で有名な池田屋もすぐそこにあります。
下木屋町夜桜
開催期間 | 3月下旬~4月上旬 開花時期によって変動 |
開催時間 | 18:00~23:00 |
公式ホームページ:木屋町会WEBサイト
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④ 平野神社(ひらのじんじゃ)〈北区〉
見頃は3月下旬~4月下旬
- 3月下旬に見頃の魁桜(枝垂桜)
- 4月上旬に見頃のソメイヨシノ
- 4月上旬~下旬に見頃のサトザクラ。
桜特化型の観光スポットである平野神社
京都の二大観光シーズンは桜シーズンと紅葉シーズンです。
紅葉シーズンだけに観光客が集中する代表的なスポットが東福寺と永観堂とすれば、桜シーズンだけに観光客が押し寄せるスポットの代表が平野神社でしょう。
平野神社で桜シーズンの最初に開花する名桜が「魁桜(さきがけざくら)」。
この桜が開花したら、いよいよ今年の桜シーズンも始まりだという桜です。
夜桜を楽しむ桜茶屋でのお花見
平野神社の桜のお楽しみといえば、夜桜を楽しむ桜茶屋がよく知られます。
例年3月25日~4月20日には、大規模な露店である桜茶屋が仮設され、多くの花見客で賑わっていました。
しかし、桜の保護のために桜茶屋は2022年より廃止されました。
平野神社発祥の名桜たち
ソメイヨシノが散り始めるころから、サトザクラといわれる八重咲きを中心とした桜の園芸品種が次々と見頃を迎えます。
平野神社には、多くの由緒ある名桜たちが伝えられています。
主な平野神社発祥の桜と開花期は以下のとおりです。
- 寝覚(ねざめ) 4月上旬~中旬
- 平野妹背(ひらのいもせ) 4月中旬~下旬
- 手弱女(たおやめ) 4月中旬~下旬
- 平野撫子(ひらのなでしこ)4月中旬~下旬
- 白雲 4月中旬~下旬
- 大内山 4月中旬~下旬
- 衣笠 4月中旬~下旬
- おけさ 4月中旬~下旬
- 突羽根(つくばね) 4月下旬
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平野神社について
古くから朝廷の熱い信仰を受けてきた神社です。例祭である平野祭は、代々皇太子の奉幣を受けてきました。
桜の名所として古くから知られ、多くのサトザクラの品種の原木をはじめ、約50種400本の桜が植えられています。
4月10日には桜花祭(おうかさい)が行われ、武者や王朝姿による行列が氏子町を渡御します。
2023年は4年ぶりに例年通り開催予定です。
拝観情報
拝観時間 | 日中随時 |
拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-461-4450 |
住所 | 京都市北区平野宮本町1 |
アクセス | 嵐電「北野白梅町」より7分 |
特別夜間照明
開催期間 | 2023年3月24日(金)~4月16日(日) |
拝観料 | 境内自由 |
公式ホームページ:平野神社 HIRANO-JINJA Official web site
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⑤ 鴨川
見頃は4月上旬
- 3月下旬~4月上旬に見頃の枝垂桜
- 4月上旬に見頃のソメイヨシノ
鴨川の両岸に広がるお花見スポット
京都を南北に貫く鴨川の両岸は、京都市民憩いのお花見スポットとして人気です。
3月に入ると、まず三条大橋西詰と二条大橋西詰の河津桜(カワヅザクラ)、賀茂大橋西詰のオカメ桜が開花します。
本格的な桜のシーズンを向けるのは、3月末に枝垂桜が見頃を迎えるころからです。
四条通~五条通間の東岸や、今出川通~丸太町通間の西岸などが、美しい枝垂桜で彩られ、おすすめです。
各所にソメイヨシノの美しい桜並木
そして、4月を迎えると桜の代表であるソメイヨシノが各所で見頃を迎えます。
鴨川では、南から勧進橋付近、九条通付近、塩小路通付近、荒神橋付近などで、見事なソメイヨシノの桜並木が見られます。
地元のちょっとした桜まつりがおこなわれるところもあるなど、地元の京都市民にも愛された桜並木です。
桜で彩られる「花の回廊」
続いて、「花の回廊」として整備されている、四条付近の鴨川東岸の紅枝垂桜が見頃を迎え、おすすめです。
このあたりは、1987年に京阪本線が地下化されるまでは、京阪電車の線路敷でした。
かつては車窓から鴨川の桜を眺めることができるのが京都名物だったそうです。
もう30年以上前なので、知る人も少なくなくなってきましたが、贅沢な眺めだったと聞きます。
線路の敷地跡は、川端通や花の回廊へと生まれ変わりました。
4月下旬になっても、鴨川沿いでは遅咲きのサトザクラの見頃が続きます。
鴨川では大規模に植えられているわけではありませんが、点々とサトザクラ植えられており、遅くまで桜を楽しめます。
桜と京都タワーの絶景
鴨川でも正面通りや七条通付近では、桜の向こう側に京都タワーが見えます。
夕暮れ時には、朱く染まった夕焼け空と、ほんのりライトアップされた京都タワーの光景が見られます。
あまり知られてはいない、桜の絶景スポットです。
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① 真如堂(しんにょどう)〈左京区〉
見頃は4月上旬
- 4月上旬に見頃の枝垂桜、ソメイヨシノ、たてかわ桜(エドヒガン)
三重塔をバックに開花する枝垂桜
真如堂でイチオシの桜といえば、三重塔前の枝垂桜です。
特に名前はついていませんが、高さ30mの三重塔をバックに、毎年見事に咲き誇ります。
とても絵になる桜として、京都でも知る人ぞ知る桜です。
春日局ゆかりの「たてかわ桜」
真如堂で有名な桜といえば、本堂の南側にある「たてかわ桜」です。
春日局が、父である斎藤利三の菩提を弔うために自ら植えたと伝えられる桜です。
幹回り1mという大きな桜の木でしたが、残念ながら1958年の伊勢湾台風によって倒れてしまいました。
内陸にある京都は、それほど台風の被害はありませんが、それだけに何十年に一度クラスの台風が襲来したときは、大きな被害を受けます。最近では2018年の台風21号がそうでした。
今のたてかわ桜は、接ぎ木による二代目です。
「たてかわ」は縦皮と書きます。
幹の皮目が縦に入っていることからそう呼ばれます。
種類としては、エドヒガン(江戸彼岸)です。
しかし、2代目のたてかわ桜はやや影が薄い存在です。
2代目とはいえ、樹齢60年くらいにはなっているはずですが、あまり大きく育っていません。
樹勢も盛んとは言えず、花付きもあまりよくありません。
先代に負けないように頑張って欲しいところです。
その他、境内一円に様々な桜が開花します。
やはり目立つのはソメイヨシノです。
本堂である真如堂の正面をはじめ、あちこちで咲き誇り、おすすめです。
ソメイヨシノがピークを越えるころから、美しい新緑が萌え出します。
桜と新緑の競演が、京都でもとりわけ美しいといわれるお寺です。
真如堂について
正式名称は真正極楽寺(しんしょうごくらくじ)といいます。念仏道場として京都の女性を中心に庶民から多くの信仰を集めました
庭園は「涅槃(ねはん)の庭」といわれ、京都の東山を借景とした雄大な枯山水庭園です。
2010年に作庭された「随縁(ずいえん)の庭」はモダンな庭園です。
拝観情報
拝観時間 | 9:00~16:00(受付は15:45) 本堂周辺は日中随時エリア |
拝観料 | 通常期 大人 500円 涅槃図公開期間(2023年3月1日~4月2日) 大人 1,000円 本堂周辺は境内自由エリア |
TEL | 075-771-0915 |
住所 | 京都市左京区浄土寺真如町82 |
アクセス | 市バス「錦林車庫前」より徒歩8分 |
公式ホームページ:真正極楽寺 真如堂
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② 南禅寺(なんぜんじ)〈左京区〉
見頃は4月上旬
- 4月上旬に見頃のソメイヨシノとヤマザクラ
「絶景かな」と言いたくなる三門から見る桜
京都三大門のひとつ数えられる南禅寺の三門は、春には周囲を桜で彩られます。
三門は、藤堂高虎の寄進により、寛永5年(1628年)に大坂の陣の戦没者を弔うため再建されました。
石川五右衛門が刑死してから30年ほど経っているので、五右衛門が「絶景かな~」といったのがこの門という話しは、残念ながら伝説です。
京都三大門は、南禅寺と知恩院、仁和寺(あるいは東本願寺)です。
中でも常時公開されているのは南禅寺だけです。
知恩院の三門は不定期に公開されますが、桜の季節ではない場合が多いです。仁和寺の二王門が公開されたという話しは聞いたことがありません(東本願寺の御影堂門も同じく)。
南禅寺の三門からは、いつでも眼下に咲く桜を見下ろす絶景を楽しむことができます。
「絶景かな、絶景かな」と言わずにはおれないおすすめスポットです。
南禅寺の桜は、ソメイヨシノが主ですが、三門周辺にはヤマザクラ(山桜)も数本植えられています。
花と同時に、緑や赤、オレンジなど様々な色の新芽を出すのが美しい桜です。
桜が散り始めた頃には美しいモミジの新緑を楽しむことができ、おすすめです。
南禅寺について
京都五山の中でも「五山の上」という、京都で最も格式の高い禅寺です。
南禅寺はもともと天皇の別荘が寺に改められたものです。
京都市街が一望できる大きな三門が非常に有名です。
枯山水庭園やふすま絵なども見逃せません。
境内の奥には、「水路閣」とよばれるレンガ造りの風情のある水道橋があります。
流れているのは琵琶湖から京都に向けて引かれた水です。
今はすっかり景観に溶け込んでいますが、できた当時は景観破壊として京都でも大論争を呼んだそうです。
拝観情報
拝観時間 | 8:40~17:00(3月~11月) 8:40~17:00(12月~2月) 三門周辺や水路閣周辺は日中随時エリア |
拝観料 | 方丈庭園 大人 600円 三門 大人 600円 方丈庭園、三門以外の水路閣などは境内自由 |
TEL | 075-771-0365 |
住所 | 京都市左京区南禅寺福地町 |
アクセス | 地下鉄「蹴上」より10分 |
公式ホームページ:臨済宗大本山 南禅寺 公式サイト :: 南禅寺
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③ 哲学の道〈左京区〉
見頃は4月上旬
- 4月上旬に見頃のソメイヨシノ
思索しながら歩くのにぴったり
京都で最も有名な散策路といえば、哲学の道といっても過言ではないでしょう。
近隣に住んでいた京都学派の哲学者である西田幾多郎(きたろう)や田邊元(はじめ)が思索をしながら歩いたというのが名称の由来です。
四季を通じて気持ち良く歩ける散策路ですが、中でも桜の季節が最も美しく、多くの人々で賑わうおすすめスポットです。
ソメイヨシノを主として約500本の桜が頭上を覆い、例年4月上旬には見事な桜並木を楽しむことができ、人気です。
疎水分線が開通した1890年当時は、管理用の通路でした。風光明媚な疎水分線沿いは歩くのにぴったりで、次第に散策に訪れる人が増えてきました。
1921年に近隣に住む日本画家である橋本関雪が300本のソメイヨシノを寄贈したことが、京都でも有数の桜の名所としての始まりです。
近年は観光客による地盤の踏み固めなどによって衰えを見せており、桜並木保全の取組が行われています。
散策路の敷石は、廃止された京都市電の軌道敷を再利用したものです。
南禅寺や銀閣寺などと一緒に巡る
哲学の道が人気なのは、周囲に散在する有名観光スポットを結ぶルートにぴったりというのも理由のひとつです。
北端には、京都屈指の観光スポットである銀閣寺があり、南端には京都五山筆頭の南禅寺や永観堂があります。
途中には、法然院、安楽寺、霊鑑寺など、知る人ぞ知る穴場スポットが並び、あわせて回るのがおすすめです。
水面に浮かぶ花筏にも注目
京都に数ある桜の名所のなかでも、哲学の道の際だった特徴といえば、疎水分線という運河に沿った道という点でしょう。
川沿いの道を気持ち良く歩くことができます。
満開を過ぎ、散りはじめたころにも美しい光景と出会えることができることもあります。
疎水分線の上を覆う桜が花吹雪のように散ると、水面を覆った花びらがところどころで花筏を作ります。
場所によっては、水面がびっしりと美しい花びらで覆われます。
ソメイヨシノと同時期には、ところどころにある純白の花のオオシマザクラ(大島桜)も咲き誇ります。
ソメイヨシノが散ったあとも、4月中旬から下旬にかけて、本数は多くはないものの、関山(カンザン)などのサトザクラが見頃を迎え、まだまだおすすめです。
哲学の道について
1986~87年に建設省が選定した「日本の道100選」に、京都市内から唯一選ばれたのが、哲学の道です。
銀閣寺から永観堂付近まで、山裾を流れる琵琶湖疏水分線沿いに整備された、1.5kmの気持ちの良い散策路です。
ソメイヨシノの名所として知られており、銀閣寺や南禅寺など京都の東山界隈を巡るのにもってこいの位置にあります。
大豊神社や若王子神社、法然院など多くの寺社が建ち並びます。
見学情報
アクセス | (北側)市バス「銀閣寺道」より4分 (南側)市バス「東天王町」より6分 |
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④ 平安神宮〈左京区〉
見頃は4月中旬
- 4月中旬に見頃の八重紅枝垂桜
桜シーズン後半の主役
枝垂桜やソメイヨシノが見頃を過ぎたあと、桜シーズン後半の主役と言えば、八重紅枝垂桜の平安神宮と御室桜の仁和寺でしょう。
京都では、4月中旬に入ってもまだまだ桜シーズンが続きます。
八重紅枝垂桜は、濃いピンク色をした八重咲きの枝垂桜です。
明治になって仙台から入ってきた桜ですが、元は京都御所近くの近衛邸にあった桜です。
優美かつ豪奢な八重紅枝垂桜
平安神宮の神苑は、4つのエリアから構成されており、南神苑→西神苑→中神苑→東神苑と進みます。
南神苑、西神苑、中神苑のいずれの桜も素晴らしいのですが、なんといっても有名なのは、最後の東神苑です。
苑内の遊歩道を歩くと、あっちにもこっちにも八重紅枝垂桜が咲き、桜の雨の下を進んでいるような感覚を受けます。
平安神宮の社殿は、平安宮の大極殿を模したものです。
八重紅枝垂桜の花色は、朱色や緑など原色系の色づかいの社殿にもあうのですが、落ち着いた色の建物にもしっくりくるから不思議です。
池の周りを巡ると、色んな角度から様々な景色を見られます。
是非とっておきのフォトジェニックな景色を探してください。
平安神宮について
京都には、歴史ある古社寺がいくつもありますが、平安神宮の歴史は比較的新しいものです。
平安神宮が創建されたのは1895年のことです。
政治の中心として、熱気がうずまいていた幕末の京都ですが、明治維新後には都が東京に移り、さびれてしまいました。
京都のにぎわいを取り戻そうと平安遷都1100年を記念して建てられたのが、平安神宮です。
平安神宮は、1895年に平安奠都1100年記念祭にあわせて創建されました。厳密にいうと1101年目になっているのは、前年の日清戦争の影響です。
祭神は平安京を築いた桓武天皇で、のちに平安京最後の天皇である孝明天皇も祀られました。
京都市民全ての氏神という扱いで、10月22日の時代祭では、京都全市域から構成された時代祭行列が参加します。
神苑は小川治兵衛による作庭です。
拝観情報
拝観時間 | 8:30~17:30(3/15~9/30) 8:30~17:00(3/1~14、10/1~31) 8:30~16:30(11/1~2/28) |
拝観料 | 大人:600円 小人:300円 |
TEL | 075-761-0221 |
住所 | 京都市左京区岡崎西天王町97 |
アクセス | 地下鉄「東山」より徒歩10分 JR「向日町」・阪急「東向日」「長岡天神」よりタクシーで20分 |
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⑤ 蹴上インクライン〈左京区〉
見頃は4月上旬
- 4月上旬に見頃のソメイヨシノ
レトロな近代遺産を彩る桜
京都には、古い神社仏閣があり、古き良き日本の桜を楽しめます。
蹴上インクラインの桜は、神社仏閣などとは一味違ったレトロさが人気の秘密です。
まるで廃線跡のようにレールだけが残り、もの悲しい雰囲気を、華やかなソメイヨシノが鮮やかに彩ります。
京都でもここでしか見られない景色です。
琵琶湖疏水は、東端にある蹴上船溜まりで、北へ疎水分線が分流します。
元は疎水分線の管理道路だった道を、散策路として整備したのが、蹴上インクラインと同じく桜で人気の哲学の道です。
上からも下からも楽しめる蹴上インクラインの桜
幅が広いレールの上は、かつて京都と琵琶湖を結ぶ船を乗せた台車が行き交いました。
今は、4月上旬の桜の季節には、お花見客で大混雑します。
蹴上インクライン上を歩くほかにも、南禅寺橋の上から見下ろしたり、三条通側から見上げたり、いろんなアングルから桜を楽しむことができておすすめです。
長らく人や物資の運搬には使われなくなった琵琶湖疏水ですが、2018年に京都の蹴上(けあげ)~大津を結ぶ「びわ湖疎水通船」が復活しました。
桜や紅葉シーズンには、すぐに予約が上回る大人気を博しています。
蹴上から岡崎まで、蹴上インクラインを通る船が復活する日も来るかもしれません。
夜の蹴上インクラインは隠れた穴場スポットです。
桜シーズンの昼間は大混雑する蹴上インクラインですが、夜は訪れる人もほとんどいません。
桜のライトアップなどが行われているわけではありませんが、仁王門通りに沿った蹴上インクラインは街灯でうっすら照らし出されています。
足元はじゃり道なので、暗い夜に歩き回るには細心の注意が必要ですが、懐中電灯が必要なほどではありません。
今だったら、必要に応じてスマホのライトで足元を照らすこともできるでしょう。
ぜひ一度、昼だけでなく夜の蹴上インクラインを訪れてみてください。
いつもの蹴上インクラインとはまた違った魅力があふれています。
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蹴上インクラインについて
インクラインと言えば、本来は傾斜鉄道という意味の一般名詞です。
しかし、一般に「インクライン」と言えば、京都の蹴上にある琵琶湖疏水のインクラインを言います。
琵琶湖疎水には、もうひとつ伏見にもインクラインがありました。
区別する場合は、蹴上インクラインといいます。
大きな川のない京都は、長年水に苦労してきました。
明治維新後、さびれてしまった京都復活をかけて行われたのが、琵琶湖から水をひく「琵琶湖疏水」建設でした。
琵琶湖から京都盆地へと開削された琵琶湖疏水ですが、蹴上から岡崎の間には大きな落差があり、船はそのまま通過できません。
そのために船を乗せて線路で傾斜を下るために傾斜鉄道(インクライン)が作られました。
蹴上船溜まりから南禅寺船溜まりまでを結び、全長582m、高低差36mあります。
また落差を利用し、日本初の水力発電も行われ、京都の近代化に大きく貢献しました。
長らく物流の大動脈として活躍したインクラインですが、鉄道などの発達により利用が減少しました。
1948年に休止され、1960年には完全に廃止となりました。
今は観光スポットとして生まれ変わり、人気を集めています。
一方、伏見のインクラインは国道26号線バイパスの敷地として再利用され、ほとんど姿を残していません。
見学情報
アクセス | 地下鉄「蹴上」よりすぐ |
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⑥ 岡崎疎水(おかざきそすい)〈左京区〉
見頃は4月上旬
- 4月上旬に見頃のソメイヨシノ
船上から楽しむ岡崎疎水の桜
インクラインから西に続く岡崎疎水もまた、桜の名所として人気です。
岡崎疎水ならではの桜の楽しみ方といえば、「十石舟(じっこくふね)めぐり」です。
南禅寺船溜まりから十石舟に乗船し、夷川ダムまで往復3kmを約25分かけて巡ります。
岡崎疎水の両岸には、ソメイヨシノを中心に多くの桜が植えられており、船上から桜を楽しむことができ、京都に数ある桜スポットの中でも人気です。
船では、ガイドさんがいろいろと見どころを解説してくれたり、橋をくぐるときには屋根が下がってきたりと、お花見だけではなく、エンターテイメントとしても楽しめます。
十石舟とは、十石(2780リットル)の積み荷を運ぶ高瀬舟です。
水深の浅い川や運河で物資の運搬に活躍してきました。
京都では、伏見と京都の間を結ぶ高瀬川を中心に、物流を支えてきました。
琵琶湖疎水でも、琵琶湖と京都の間の物資の運搬に長く活躍してきました。
十石舟めぐりは事前予約がおすすめ
乗船には、当日券のほか、WEBでの事前購入ができます。
桜のシーズンには乗船場には長蛇の列ができるほど人気なので、可能であれば事前購入がおすすめです。
十石舟には屋根もあるので、多少の雨は問題ありません。
2023年は、3月18日(土)〜4月13日(木)に運航予定です。
岡崎疎水が流れる岡崎地区には、京都京セラ美術館、国立近代美術館、ロームシアター京都、みやこめっせ、府立図書館、京都市動物園が建ち並び、京都最大の文化地区です。
2020年には、京都京セラ美術館がリニューアルオープンし、注目されています。
1895年に平安遷都1100年を記念して開催された第4回内国勧業博覧会の会場となった地域を再整備しました。
十石舟からだけではなく、岡崎疎水に沿いの仁王門通や冷泉通(れいせんどおり)の歩道からも、美しい桜並木を楽しむことができます。
岡崎疏水では、毎年桜の開花シーズンにはライトアップが行われています。
2021年3月29日にMK公式InstagramによるインスタLIVEで、岡崎疎水の十石舟を紹介しました。
岡崎疎水について
琵琶湖と京都を結ぶ、琵琶湖疏水のうち、岡崎地区を流れる部分を一般に岡崎疎水と言います。
同じく桜で有名なインクラインの西端である南禅寺船溜まりから、夷川船溜まりあたりまでを指します。
岡崎十石舟
運航期間 | 2023年3月18日(土)〜4月13日(木) |
運航時間 | 9:30~16:30 |
乗船料 | 大人(中学生以上)1,500円 小学生 800円 幼児(3歳以上) 500円 |
アクセス | 地下鉄「蹴上」より7分 |
公式ホームページ:岡崎十石舟めぐり | 京りょ・京都府旅行業協同組合 公式ホームページ
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⑦ 円山公園(まるやまこうえん)〈東山区〉
見頃は4月上旬
- 4月上旬に見頃の祇園枝垂桜とソメイヨシノ
日本一有名な桜かもしれない祇園枝垂桜
京都人で見たことがないという人を探すのが難しいのが、円山公園の祇園枝垂桜でしょう。
(小学校の遠足を除けば)金閣寺や清水寺に一度も行ったことがないという京都人も案外多いのですが、円山公園は例外的です。
京都人が桜と言って思い浮かべるのは、近所の桜かさもなくば円山公園の祇園枝垂桜でしょう。
ひょっとしたら、京都どころか日本で最も有名な桜かもしれません。
祇園枝垂桜は、周囲に植えられているソメイヨシノより3日程度見頃を迎えます。
枝垂桜にしてはやや遅咲きの部類に入ります。
夜間に灯火で照らし出した夜桜を楽しむという風習は江戸時代からありました。
当時から「円山の夜桜」として知られたとおり、幽玄かつ優美な姿は今も昔も人気を集めています。
2023年は3月24日(金)~4月9日(日)に開催予定です。
3月29日(水)~4月7日(金)にはかがり火も設置されます。
京都市民が一度は経験する円山公園での場所取り
円山公園といえば、京都の一大お花見スポットです。
祇園枝垂桜の西側一帯は、お花見シーズンには夜中若者たちでにぎわいます。
朝から場所取りのためにブルーシートの上で麻雀に興じる学生の姿は、京都の風物詩でした。
しかし、桜の保護のためシートを敷いてのお花見が禁止となりました。
どこから見ても美しい祇園枝垂桜
一本桜である祇園枝垂桜は、見る方向によって枝振りが変わり、随分異なる印象となります。
いちおう正面は山側の東側で、左右に大きく腕を広げたような雄大な姿を見せてくれます。
一周くるりと回りながら眺め、好みの角度を探してみましょう。
かあなり意見が割れるのではないでしょうか。
今の祇園枝垂桜は、二代目も桜です。
初代の桜が枯死したあと、初代の種子から育てられていた苗木を1949年に植樹した桜です。
21世紀に入り、しばらくは鳥のフン害などによって元気をなくしていましたが、近年はまたかつての勢いを取り戻しています。
円山公園について
祇園界隈の東側から東山の山麓に広がる公園です。
1873年に神仏分離によって取り壊された祇園感神院(八坂神社)、安養寺の一部などの境内地を、公園として整備しました。
小川治兵衛によって作庭された池泉回遊式庭園です。園内には小川が流れ、ひょうたん池へと注ぎます。
春の桜をはじめ、四季折々の花々が美しく、京都市民憩いの場となっています。
入園情報
入園時間 | 日中随時 |
入園料 | 園内自由 |
住所 | 京都市東山区円山町 |
アクセス | 京阪「祇園四条」より10分 |
祇園枝垂桜ライトアップ
開催期間 | 2023年3月24日(金)~4月9日(日) |
開催時間 | 18:00~22:00 |
公式ホームページ:円山公園のご案内
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⑧ 祇園白川(ぎおんしらかわ)〈東山区〉
見頃は4月上旬
- 4月上旬に見頃の枝垂桜とソメイヨシノ
かにかくに碑の枝垂桜
日本最大の花街として知られる祇園一帯は、桜の名所でもあります。
特に白川沿いは、3月末から4月上旬にかけて、枝垂桜やソメイヨシノのトンネルとなります。
中でも有名なのが、「かにかくに碑」の枝垂桜です。
1955年に建てられた「祇園歌人」こと吉井勇の歌碑で、「かにかくに 祇園はこひし 寝るときも 枕の下を 水の流るる」と彫られていまあす。
「かにかくに」は何かにつけてという意味の万葉集にも用例がある単語です。
祇園白川を流れる白川は、京都と滋賀を隔てる比叡山と大文字山の間に発します。
白川の川底から採れる白川砂は、かつて庭園用の白砂として珍重されてきました。
現在は採取が禁止されているため、白川砂として流通している砂は、この白川で採取されたものではありません。
祇園白川宵桜ライトアップが復活
古い町並と美しい桜で知られる祇園白川は、桜のシーズンになると多くの人で賑わいます。
夜になると、町並みと桜が幽玄に照らし出される「祇園白川宵桜ライトアップ」が行われます。
あまりの混雑に安全が確保できないため、一時中止を余儀なくされていました。
関係者の努力により、2019年にライトアップが復活しました。ありがたいことです。
新型コロナウイルスのため2020年、2021年と中止になりましたが、2022年に復活しました。
2023年は3月30日(木)~4月8日(土)の18:00~22:00にライトアップされます。
22時と遅くまで桜のライトアップを楽しめるのもうれしいところです。
祇園白川には、ソメイヨシノ32本、枝垂桜7本、ヤマザクラ3本、サトザクラ1本があるそうです。
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祇園白川について
祇園は、かつて祇園感神社といわれた八坂神社の門前町として生まれました。
江戸時代から、大衆文化の街として発展してきました。
祇園甲部、祇園東、宮川町などが並ぶ、日本最大の花街(かがい)として全国的にも知られます。
運が良ければ本物の舞妓さんを見ることもできます。
祇園でも特に新橋通には江戸末期から明治初期の町家が残り、「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。
1976年に制度ができた当初から登録されている、全国7ヶ所のうちのひとつです。
かつては白川の北岸にもお茶屋等が建ち並んでいましたが、太平洋戦争時の強制疎開の一環として撤去されました。現在は白川南通が整備されています。
見学情報
アクセス | 京阪「祇園四条」より3分 |
祇園白川宵桜ライトアップ
開催期間 | 2023年3月30日(木)~4月8日(土) |
開催時間 | 18:00~22:00 |
見学料 | 無料 |
公式ホームページ:【公式】祇園白川桜ライトアップ
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⑨ 清水寺(きよみずでら)〈東山区〉
見頃は4月上旬
- 4月上旬に見頃のソメイヨシノ
桜の海が広がる舞台からの絶景
京都で最も有名な観光スポットのひとつである清水寺。
特に、春の桜と秋の紅葉シーズンは大賑わいします。
清水寺の人気の秘密は、やはり舞台から見る雄大な景色でしょう。
境内には1,500本の桜があり、舞台からだと桜と新緑が海のように広がる絶景を楽しむことができます。
清水寺の境内だけでなく、門前の参道を少し下ったところから見る産寧坂(さんねいざか)の枝垂桜も見事です。
京都市でも4つしかない重要伝統的建造物群保存地区に指定されている産寧坂には、歴史ある建物が多く残っています。
その町並をバックに、美しい枝垂桜が咲き誇ります。
ゆっくり楽しむなら早朝がおすすめ
清水寺では、本堂の檜皮葺屋根を葺き替えるため、2017年から本堂は素屋根で覆われていました。
4年にわたる工事が2021年12月にようやく完了し、いよいよ2021年からは50年ぶりに葺き替えられた美しい本堂と本堂を見られるようになりました。
いつも混雑する清水寺ですが、おすすめの時間帯は早朝です。京都の多くの寺社は、開門は9時頃ですが、清水寺は早朝6時から開門されています。
混雑する桜が満開の時期でも、早朝ならゆっくり楽しむことができます。
運が良ければ、舞台の上を独り占めできることも。
清水寺といえば、ライトアップもみどころです。
2023年は、3月25日(土)~4月2日(日)の開催です。
なお、3月上旬には京都東山花灯路に連動してライトアップが行われていましたが、東山花灯路は2022年で終了となったので2023年の開催はありません。
清水寺について
断崖の上にせり出した本堂は、「清水の舞台から飛び降りる」ということわざで有名です。
舞台は、クギを一本も使わず木材を組みあわせて造られています。
舞台から見る京都市街の見晴らしは最高です。
長寿、ロマンス、学問のいずれかを選んで祈願する「音羽の滝」など広い寺域には見どころがいっぱいです。
1994年には世界文化遺産「古都京都の文化財」のひとつに指定されました。
拝観情報
拝観時間 | 6:00~18:00(1/1~3/5) 6:00~21:30(3/6~15) 6:00~18:00(3/16~26) |
拝観料 | 大人 400円 小中学生 200円 |
TEL | 075-551-1287 |
住所 | 京都市東山区清水1丁目294 |
アクセス | 京阪「清水五条」より25分 市バス「五条坂」より10分 |
夜間特別拝観
開催期間 | 2023年3月25日(土)~4月2日(日) |
拝観時間 | 18:00~21:00 |
拝観料 | 大人 400円 小中学生 200円 |
公式ホームページ:音羽山 清水寺
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⑩ 高台寺(こうだいじ)〈東山区〉
見頃は4月上旬
- 4月上旬に見頃の枝垂桜とソメイヨシノ
方丈前庭の枝垂桜
見どころがたくさんある高台寺ですが、桜のシーズンは方丈前庭の枝垂桜が主役です。
枯山水式の前庭は「波心庭」と称されます。
唐門を前に、白砂で作られた砂紋と立砂で構成された美しいお庭です。
春には、前庭の西側にピンク色をした美しい枝垂桜が咲き誇ります。
今は京都を代表する観光スポットのひとつとなった高台寺ですが、実は長らく通常非公開寺院でした。
修復費用を捻出するため、1989年に初めて一般公開されました。
新しいことをどんどん取り入れる高台寺
一般公開から5年後の1994年から、京都の寺社ではじめてというライトアップがはじまりました。
今では京都のいろんな寺社で行われていますが、高台寺が最初です。
新しいことに積極的に取り組むお寺で、桜のシーズンにはプロジェクションマッピングも行われます。
夜空に浮かぶ桜との組み合わせは見事です。
2023年は3月17日(金)~5月7日(日)に開催されます。ゴールデンウィークまで開催と期間が長いのもうれしいですね。
高台寺について
豊臣秀吉の死後、秀吉の菩提をとむらうために正室の「ねね(おね)」がひらいたお寺です。
ねねと秀吉はその時代にはめずらしく恋愛結婚だったといわれています。
ねねの内助の功もあり、秀吉は農民から出世し、ついには天下人にまでなりました。
秀吉の死後、豊臣家の滅亡など世の中がさらに動く中、ねねが静かに余生を送ったのが、京都の高台寺です。
拝観情報
拝観時間 | 9:00~17:30(受付は17:00) |
拝観料 | 大人 600円 中高生 250円 |
TEL | 075-561-9966 |
住所 | 京都市東山区高台寺下河原町526 |
アクセス | 市バス「東山安井」より7分 |
春の特別夜間拝観
開催期間 | 2023年3月17日(金)~5月7日(日) |
拝観時間 | 22:00まで(受付は21:30) |
公式ホームページ:ホーム – 高台寺
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⑪ ねねの道〈東山区〉
見頃は4月上旬
- 4月上旬に見頃のソメイヨシノ
東山観光の定番コース
京都でも、有名観光スポットが密集している東山エリア。
東山巡りの第定番コースが、円山公園→ねねの道→二年坂→産寧坂→清水寺というルートです
その中でも、産寧坂と並んで美しい散策路が、高台寺前の「ねねの道」です。
きれいに整備された石畳の道を、お土産屋さんをのぞきつつ歩くことができます。
人力車を使ってみるのもよいでしょう。
ねねの道を南向きに歩くと、向こう側には、八坂の塔のてっぺんが見えます。
八坂の塔は高さ49mもあり、東寺五重塔より200年ほど古いにもかかわらず、高さは6mしか変わりません。
美しいソメイヨシノの桜並木
ねねの道の東側(山側)には、美しいソメイヨシノの桜並木があり、4月上旬には盛大に花を咲かせます。
西側(鴨川側)には、高台寺の塔頭である圓徳院(えんとくいん)、春光院の重厚な建物や、お土産やさんが並びます。
路地の石塀小路もおすすめです。
春光院は非公開ですが、門前からは、枝垂桜越しに八坂の塔のてっぺんが見えます。
意外と知られざる絶景です。
春光院は、ねねの甥であり歌人・長嘯子(ちょうしょうし)として知られる木下勝俊による創建です。
ねねの道について
高台寺の西側の道が石畳の道へと再整備された1998年に、「ねねの道」と名付けられました。
高台寺で余生を過ごした豊臣秀吉の正室北政所(きたのまんどころ)ねねにちなみます。
今では京都を代表する散策路として、人気を集めています。
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洛北の桜おすすめスポット3選
① 上賀茂神社(かみがもじんじゃ)〈北区〉
見頃は4月上旬~中旬
- 4月上旬が見頃の御所桜(枝垂桜)
- 4月中旬が見頃の斎王桜(八重紅枝垂桜)
孝明天皇奉納の「御所桜」
世界遺産であり山城国一宮である上賀茂神社は、桜の名所でもあります。
中でも、一の鳥居と二の鳥居の間にある芝生の東側には、「御所桜」と「斎王桜」という見事な桜の大木が鎮座しています。
まず、3月下旬に早咲きの蜂須賀桜や陽光などの脇役が開花し、続いて3月末からエドヒガンの枝垂桜である御所桜が開花します。
御所桜は、幕末に孝明天皇が奉納した桜です
上賀茂神社と孝明天皇といえば、文久3年(1863年)に攘夷祈願のため、上洛中だった将軍徳川家茂を引き連れて行幸しました。
天皇が将軍よりも格上であることを天下に知らしめた事件として有名です。
行幸の途中で沿道から高杉晋作が「いよっ征夷大将軍」と茶化したというエピソードも残ります。
「斎王桜」をはじめ境内各所で咲く八重紅枝垂桜
御所桜が満開の頃、南隣にある八重紅枝垂桜の斎王桜が開花します。
そして4月中旬に御所桜が散りはじめると、斎王桜が見頃を迎え、主役が交代します。
斎王桜の「斎王」とは、平安時代に上賀茂神社と下鴨神社に奉仕した皇族女性のことです。
斎王が置かれた神社は、他に伊勢神宮しかありません。
京都ではもちろん唯一です。
上賀茂神社には、御所桜と斎王桜以外にも名のある桜があります。
葵祭にちなんだ、二の鳥居前の「風流桜」、授与所前の「みあれ桜」は、いずれも品種としては八重紅枝垂桜で、斎王桜と同じく4月中旬に見頃を迎えます。
他にも、賀茂競馬(かもくらべうま)にちなんで、「むち打ちの桜」や「馬出しの桜」などが最近命名されました。
上賀茂神社について
京都で最も古い神社の一つです。
古代から京都盆地北部に住んでいた賀茂一族の氏神をおまつりしたのがはじまりです。平安京に遷都後は、都の守り神として信仰されてきました。
単に「祭り」と呼ばれた葵祭は上賀茂神社と下鴨神社の例祭です。
森につつまれるように社があり、百人一首にも詠われた「ならの小川」が流れています。
1994年には世界文化遺産「古都京都の文化財」のひとつに指定されました。
拝観情報
拝観時間 | 5:00~17:00 |
拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-702-6618 |
住所 | 京都市左京区上賀茂本山339 |
アクセス | 地下鉄「北山」よりすぐ |
公式ホームページ:上賀茂神社(賀茂別雷神社:かもわけいかづちじんじゃ)公式Webサイト
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② 京都府立植物園〈左京区〉
見頃は3月中旬~4月下旬
- 3月中旬~下旬が見頃の河津桜など
- 3月下旬~4月上旬が見頃の大枝垂桜と
- 4月上旬が見頃のソメイヨシノ
- 4月上旬~下旬が見頃のサトザクラ
早咲きの品種が続々開花
京都府立植物園では、ソメイヨシノの開花に先駆けて桜シーズンを迎えます。
130品種もの桜が順次開花する京都府立植物園では、3月上旬ごろから早咲きの寒桜(カンザクラ)や河津桜(カワヅザクラ)などが続々と開花しはじめます。
続いて3月中旬ごろにはオカメ桜や細井桜(ホソイザクラ)が開花します。
「大枝垂桜」やソメイヨシノが見頃で大賑わいに
3月末頃から見頃を迎えるのが、春の京都府立植物園の顔である「大枝垂桜」です。
高さ14m、幅20mにも及ぶ艶やかで繊細な枝垂桜です。
週末ともなると、たくさんの家族連れで大賑わいです。
4月上旬になると、桜の代表格であるソメイヨシノが見頃を迎え、例年夜間ライトアップが行われています。
夜空を楽しむ人で夜も大いににぎわいます。
2023年は3月25日(土)~4月9日(日)に開催予定です。
びっくりするくらいの品種が見られる「サトザクラ展」
ソメイヨシノも終わりつつある4月中旬に例年開催されるおすすめイベントが「サトザクラ展」です。
サトザクラを中心とした桜の切り枝が展示されます。
130種ほどありますが、これらが全て園内で採取されものというから驚きです。中にはまだバックヤードにしかない珍種も登場します。
サトザクラ展にあわせて、京都府立植物園の職員が園内の桜を案内する「桜散歩」もおすすめです。
桜をこよなく愛する職員が、楽しいウンチクをまじえつつ案内してくれます。
やっぱり図鑑で見るのと実物を見るのでは全然違いますね。
細心の研究成果や新品種の説明もあり、桜好きには超おすすめです。
2023年は4月14日(金)~4月16日(日)に開催予定です。
秋から始まった桜シーズンも5月はじめで終了
多彩な品種の咲く京都府立植物園では、びっくりするほど遅くまで桜が開花しています。
長かった桜シーズンの最後を飾るのは、花びらが数百枚あるという菊咲きの桜たちです。
ゴールデンウィーク中でもまだ美しく開花しているのを見ることができます。
京都府立植物園について
1924年に日本ではじめての本格的な公立の植物園として開園しました。
戦後は進駐軍の宿舎となって荒廃しましたが、関係者の尽力によって復興しました。
園内には12,000種もの植物が植えられており、四季を通じて入園の目を楽しませてくれます。
毎週のように展示会や各種イベントが行われ、いついっても楽しく過ごすことができます。
入園情報
休園日 | 12月28日~1月4日 |
入園時間 | 9:00~17:00(受付終了は16:00) |
入園料 | 一般 :200円 高校生 :150円 中学生以下:無料 |
TEL | 075-701-0141 |
住所 | 京都市左京区下鴨半木町 |
アクセス | 地下鉄「北山」よりすぐ |
桜ライトアップ
開催期間 | 2023年3月25日(土)~4月9日(日) |
開催時間 | 日没~21:00(受付終了は20:00) |
サトザクラ展
開催期間 | 2023年4月14日(金)~4月16日(日) |
開催時間 | 9:00~17:00(最終日は16:00まで) |
公式ホームページ:京都府立植物園
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③ 半木の道(なからぎのみち)〈左京区〉
見頃は4月中旬
- 4月中旬に見頃の八重紅枝垂桜
八重紅枝垂桜の桜並木
ソメイヨシノが散りはじめる4月中旬に見頃を迎える八重紅枝垂桜の名所が半木の道です。
実は、一部に八重ではない一重の紅枝垂桜が混じっています。
八重か一重かは近くで良く見なければわかりませんが、開花期が一重の方が早いので一目瞭然です。
全て八重紅枝垂桜を植えたはずでしたが、一部に一重の紅枝垂桜がうっかり混じってしまっていたというのが真相です。
さまざまなイベントが行われる「鴨川茶店」
毎年4月10日前後には、ちょうど半木の道の下の河川敷で、鴨川を美しくする会と京都鴨川ライオンズクラブの主催による「鴨川茶店」が開催されます。
河川敷に設けられた茶店では、煎茶と花見団子をいただくことができます。
また、ステージでは例年は地元の吹奏楽部による演奏や、チアリーディングが披露されます。
例年だと、八重紅枝垂桜は五分咲き~七分咲きくらいの開花状況です。
2020・2021年年は新型コロナウイルスの影響により中止となりましたが、2022年に復活しました。
2023年は4月8日(土)・9日(日)に開催予定です。開花がやや早い2023年はちょうど半木の道の八重紅枝垂桜が見頃を迎えているかもしれません。
4月中旬に入ると、八重紅枝垂桜が満開となります。
八重紅枝垂桜が植栽されたのは1973年で、樹齢はまだ50年程度です。
まだ若々しく元気な桜が見られます。
元々は駐車場でしたが、修景のために散策路として整備されました。
京都の桜守として知られる16代佐野藤右衛門によって八重紅枝垂桜が植えられました。
4月下旬が近づいてくると、八重紅枝垂桜は次第に色褪あはじめ、新芽が伸びてきます。
半木の道について
賀茂川の北山通~北大路通の東岸の散策路が半木の道です。
1973年に八重紅枝垂桜が植樹されて整備されました。
隣接する京都府立植物園内にある「半木(なからぎ)の森」という自然林にちなんで名付けられました。
「半木」は「流れ木」が転訛したもので、かつては賀茂川がこのあたりを乱流していました。
例年4月には「鴨川茶店」というイベントが催されます。
見学情報
アクセス | 北入口(北山通側)地下鉄「北山」より8分 南入口(北大路通側)地下鉄「北大路」より10分 |
鴨川茶店
開催期間 | 2023年は4月8日(土)・9日(日) |
公式ホームページ:鴨川を美しくする会
洛西の桜おすすめスポット6選
① 仁和寺(にんなじ)〈右京区〉
見頃は4月中旬
- 4月中旬に見頃の御室桜
遅咲きの桜の代表格である「御室桜」
京都の遅咲きの桜として、その名を全国に轟かせているのが、仁和寺の御室桜(おむろざくら)。
4月中旬に見頃を迎え、全国から多くのお花見客が集まってきます。
例年、ソメイヨシノが満開を迎えたころからちらほら開花します。
ソメイヨシノがほぼ散りかける4月半ばに御室桜が見頃を迎えます。
御室桜は、オオシマザクラ(大島桜)系のサトザクラの一種です。
品種名としては、「御室有明」と言います。
「わたしゃ おたふく 御室の桜 はなが ひくても 人が好く」と歌われたように丈が低く、眼前で花を楽しめるのが特徴です。
半八重の花が大半ですが、中には一重の花も交じります。
御室桜の向こうにそびえる五重塔が定番
五重塔をバックにした御室桜が、京都の桜のなかでも定番構図として有名です。
仁和寺の五重塔は、1644年建立です。
意外にも国宝ではなく重要文化財どまりです。
高さは36.18mと、東寺の3分の2くらいですが、京都にいくつかある五重塔のなかでも、仁和寺五重塔のファンは少なくありません。
仁和寺には、御室桜だけではなく、ソメイヨシノやヤマザクラ(山桜)も各所で開花します。
緑の桜として有名な御衣黄(ギョイコウ)は、仁和寺が発祥と伝えられています。
桜と同時期に開花するミツバツツジもなかなか見もので、京都を代表するミツバツツジスポットでもあります。
2023年3月18日(土)〜5月7日(日)は、「御室花まつり」として限定御朱印が授与されます。
同じ日程で藝術祭「御室 花まつり2023 〜文化財「仏教文化」でつながる〜」も開催されます。
仁和寺御所庭園の白書院で多様性、海外、地域の3つのテーマの展示が行われます。
拝観情報
京都にもいくつかある門跡寺院の中でも、特に格式の高いのが仁和寺です。
退位後の天皇や皇族が、代々仁和寺に入り、御室御所(おむろごしょ)と称されてきました。
優美な雰囲気の金堂は、お寺っぽくありません。
実は京都御所の紫宸殿(ししんでん)を移築したもので、貴族の住まいの特徴を伝えています。
4月中旬に見頃を迎える遅咲きの桜「御室桜」でもよく知られています。
御室花まつり期間
開催期間 | 2023年3月18日(土)~5月7日(日) |
拝観時間 | 8:00~17:30(受付は17:00) |
拝観料 (御室桜) | 大人 500円(御所庭園との共通券は1,100円) 高校生以下 無料 |
TEL | 075-461-1155 |
住所 | 京都市右京区御室大内33 |
アクセス | 嵐電「御室仁和寺」より3分 |
公式ホームページ:世界遺産 真言宗御室派総本山 仁和寺
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② 龍安寺(りょうあんじ)〈右京区〉
見頃は4月上旬~中旬
- 4月上旬に見頃のソメイヨシノと紅枝垂桜
- 4月中旬に見頃の八重紅枝垂桜
有名な石庭を彩る八重紅枝垂桜
龍安寺といえば、石庭として有名な方丈南庭です。
京都どころか日本一有名な庭園といっても過言ではないでしょう。
白砂と15個の石から成るシンプルなお庭ですが、実際よりも無限に広く感じられます。
どこから眺めても15個の石を一度にすべて見ることができないように作られています。
限りなく単純であるがゆえに様々な連想を人に呼び起こし、時には1時間以上も眺めている人もいます。
その石庭のちょうど真正面には、八重紅枝垂桜が開花しています。
4月中旬には、白砂の石庭に、艶やかな八重紅枝垂桜が彩りを加えます。
桜シーズンは石庭よりおすすめの鏡容池庭園
石庭ばかりが有名な龍安寺ですが、実は石庭に負けないかそれ以上におすすめなのが、境内の南半分を占める鏡容池(きょうようち)庭園です。
四季を通じて様々な花が咲き誇りますが、春は桜が見事です。
池のほとりを美しいソメイヨシノやヤマザクラ(山桜)が彩ります。
八重紅枝垂桜が美しい桜苑
そして、龍安寺の桜シーズンに最もおすすめするスポットは、鏡容池庭園の西側に広がる桜苑です。
ここを通らなくても境内を一周できるため、うっかりしているとここを通らずに出てしまうので注意が必要です。
頭上を見事な八重紅枝垂桜と一重の紅枝垂桜が覆い、シャワーのようです。
足下にはピンク色のじゅうたんができています。
桜苑が見頃を迎えるのは、4月中旬頃です。
龍安寺について
龍安寺は、妙心寺の境外塔頭(けいがいたっちゅう)のひとつです。
のちに応仁の乱で東軍の中心となる細川勝元が宝徳2年(1450年)に創建したのがはじまりです。
応仁の乱による焼失後の明応8年(1499年)に再建され、石庭もこのときに作庭されたと言われています。
1975年にイギリスのエリザベス女王が京都に来られたさいに龍安寺を訪問し、石庭を絶賛したため、一躍有名になりました。
1994年には世界文化遺産「古都京都の文化財」のひとつに指定されました。
拝観情報
拝観時間 | 3月1日~11月30日/8:00~17:00 12月1日~2月末日/8:30~16:30 |
拝観料 | 一般・高校生:500円※ 小・中学生:300円 ※2023年4月より600円に改定 |
TEL | 075-463-2216 |
住所 | 京都市右京区龍安寺御陵下町13 |
アクセス | 市バス「龍安寺前」より徒歩すぐ 市バス「立命館大学前」より徒歩7分 京福電鉄「龍安寺」より徒歩7分 |
公式ホームページ:大雲山 龍安寺|Ryoanji
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③ 原谷苑(はらだにえん)〈右京区〉
見頃は4月中旬~下旬
- 4月中旬~下旬に見頃の八重紅枝垂桜とサトザクラ
一度行けば誰もが激賞する桜の別天地
少なくない人が京都でもナンバーワンの桜スポットと激賞する原谷苑。
空気まで桜色に染まる、桜の別天地ともいうべきスポットです。
どちらかというと、知る人ぞ知る存在の桜スポットです。
たまたま通りかかるというようなことのないロケーションにあります。
歴史ある京都にあって、戦後に開拓された集落である原谷に位置する異色の桜スポットです。
2023年は3月25日(土)~4月23日(日)に開苑予定です。
八重紅枝垂桜のシャワーが降り注ぐ
原谷苑には多彩な桜が開花しますが、メインは八重紅枝垂桜です。
京都市内では例年4月10日前後に見頃を迎える八重紅枝垂桜ですが、原谷苑ではやや遅れて例年4月中旬にピークを迎えます。
入苑料が開花状況に応じた変動制であるのも原谷苑の特徴です。
最も安い時期は300円くらいですが、八重紅枝垂桜の見頃には1,500円にまで上がります。
他の桜スポットと比べてもお高く感じるかもしれませんが、行けば納得です。
むしろコスパよし、とすら感じるのではないでしょうか。
原谷苑について
原谷は、水利が悪く交通の便が悪いために長く荒れ地でした。
戦後になって開拓がはじまり、今では田畑だけでなく集合住宅などもたつまでに発展しました。
農園の原谷苑では、園内の桜や庭園が評判を呼び、桜シーズンには一般にも公開されるようになりました。
苑内には桜をはじめとした草花がたくさん植えられており、桜だけでも約20種400本以上が咲き誇ります。
入苑情報
開苑期間 | 2023年3月25日(土)~4月23日(日) |
入苑時間 | 9:00~17:00(受付は16:30まで) |
入苑料 | 300円~1,500円。開花状況に応じた変動制 |
TEL | 075-461-2924 |
住所 | 京都市北区大北山原谷乾町36 |
アクセス | 市バス「原谷苑」より2分 無料シャトルバスは混雑時に運行予定 |
公式ホームページ: 原谷苑・青山荘・村岩農園公式ホームページ 京都 桜
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④ 天龍寺(てんりゅうじ)〈右京区〉
見頃は4月上旬
- 4月上旬が見頃の枝垂桜
京都を代表する名庭を彩る枝垂桜
天龍寺の曹源池(そうげんち)庭園は、国の史跡・特別名勝の第一号に指定された名庭です。
天龍寺の裏手から亀山の中腹にかけて広がる、4,000㎡もある広大な庭園です。
平安時代にあった亀山山荘を改修して作庭されたといわれます。
最も奥で標高の高い位置にある望京の丘からは、枝垂桜越しに京都市内を一望できます。
満開の時期には、枝垂桜の海のようです。
はるかかなたには、比叡山が見えます。
ブラタモリで有名になったとおり、断層崖の標高差をうまく使って作られた庭園です。
桜だけでなく様々な花が咲く百花苑
周囲の景色を映し出す水面、巧みな石組み、嵐山や亀山などの大自然を見事に借景として取り込んでいます。
どこを見てもため息が出る美しさです。
桜のシーズンの曹源池庭園内では、多宝殿付近の枝垂桜群が有名です。
たくさんの枝垂桜が建物を覆い尽くすかのように咲き乱れます。
曹源池庭園の北部には、1983年に新たに作庭された百花苑が広がります。
名前のとおり四季を通じて花で彩られ、桜のシーズンには、枝垂桜に加えてミツバツツジ、レンギョウ、コブシ、木瓜(ボケ)などが全て見頃を迎えています。
天龍寺について
天龍寺は、室町幕府の初代将軍である足利尊氏が、後醍醐天皇の冥福を祈るために建立した寺院です。
政治路線の違いにより、後醍醐天皇と袂をわかち、南北朝の動乱を繰り広げた足利尊氏でしたが、終生後醍醐天皇への尊敬の念は変わることはなかったといいます。
天龍寺創建にかかった莫大な費用は元(中国)との貿易によってまかなわれました
のちに禅寺の寺格を定めた京都五山の第一位とされました。
度重なる戦乱に巻き込まれ、古い建物はあまり残っていませんが、嵐山や亀山を借景にした池泉回遊式の庭園の「曹源池庭園」や、法堂の天井に描かれた直径9メートルの「雲龍図」など見どころの多いお寺です。
1994年には世界文化遺産「古都京都の文化財」のひとつに指定されました。
拝観情報
拝観時間 | 8:30~17:30 前庭は境内自由エリア |
拝観料 | 高校生以上:500円 小・中学生:300円 未就学児 :無料 前庭は境内自由エリア |
TEL | 075-881-1235 |
住所 | 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68 |
アクセス | 嵐電「嵐山」よりすぐ |
公式ホームページ:世界遺産|京都 嵯峨嵐山 臨済宗大本山 天龍寺 公式ホームページ
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⑤ 大覚寺・大沢池(おおさわのいけ)〈右京区〉
見頃は4月上旬
- 4月上旬が見頃のソメイヨシノ
池を回りながら楽しむ桜
典型的な池泉舟遊式庭園である大沢池は、池が主役の庭園です。
今は特別な場合をのぞき、舟で巡ることはできませんが、大沢池の周りを一周しながら移ろう景色を楽しむことができます。
大沢池の周辺は、2018年の台風により、長らく部分的に立入禁止になるなど、大きな被害を受けました。
これまでは桜と紅葉シーズンを除き、大沢池は拝観料は必要ありませんでいたが、復旧工事の費用を賄うため、2020年3月16日から通年有料化されました。
池の北側にある多宝塔を、対岸である池の南東側から眺める景色が定番のひとつです。
何年か前に、JR東海のポスターにも使われたことがあります。
月見の名所として知られる大沢池は、お花見の名所でもあります。
水面に映る景色と花筏
そして、風のない穏やかな天気の日には、水面に映る桜を楽しむことができます。
池の周囲は、モミジとサクラが交互に植えられているところも多く、桜と新緑を同時に楽しむことができます。
桜シーズンも後半にさしかかると、散った花びらが集まる花筏を見ることができます。
場所によっては、水面が花びらで埋め尽くされることも。
大覚寺・大沢池について
平安時代はじめの天皇である嵯峨天皇が別荘として造営した嵯峨院の庭池がはじまりです。
現存する人工的な庭池としては、日本最古といわれます。
大沢池は、中国の景勝地として有名な「洞庭湖(どうていこ)」を模して造られたところから庭湖とも呼ばれます。
池の形や石の配置は、華道・嵯峨御流(さがごりゅう)の基本形に通じています
池の北東部には、百人一首で藤原公任(きんとう)の「滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ」の名古曾(なこそ)の滝跡があります。
秋の月見の名所として知られます。
拝観情報
拝観時間 | 9:00~17:00(受付は16:30) |
拝観料 (諸堂エリア) | 大人 500円 小中高 300円 |
拝観料※ (大沢池エリア) | 大人 300円 小中高 100円 |
TEL | 075-871-0071 |
住所 | 京都市右京区嵯峨大沢町4 |
アクセス | JR「嵯峨嵐山」より徒歩20分 |
※2020年3月16日から大沢池エリアも通年有料化されました。
公式ホームページ:旧嵯峨御所 大本山 大覚寺
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⑥ 善峯寺(よしみねでら)〈西京区〉
見頃は4月上旬~下旬
- 4月上旬~中旬に見頃の桂昌院御手植えの枝垂桜
- 4月中旬~下旬に見頃の八重紅枝垂桜
樹齢300年の桂昌院御手植えの枝垂桜
善峯寺の桜と言えば、4月上旬に見頃を迎える「桂昌院(けいしょういん)御手植えの枝垂桜」が有名です。
徳川綱吉の生母である桂昌院が自ら植えたと伝えられる、樹齢約300年の枝垂桜です。
国指定天然記念物である遊龍(ゆうりょう)の松のすぐ脇で、壮麗な花を咲かせます。
ダイナミックな眺望が魅力
標高300m付近に広がる善峯寺の魅力のひとつは、ダイナミックな眺望です。
桜の時期には、枝垂桜のカーテンの向こう側に京都盆地が広がる絶景を楽しむことができます。
今回選定した桜の30選の中でも、雄大さで善峯寺に勝るところはありません。
善峯寺は、標高が高いため京都市内よりも桜の見頃はやや遅めです。
京都市内ではソメイヨシノよりやや早く枝垂桜ですが、善峯寺では京都市内のソメイヨシノよりやや遅く開花します。
山寺の雰囲気も漂い、おすすめです。
初夏にはあじさいが咲き乱れる「白山 桜あじさい苑」は、その名の通り桜も見事です。
八重紅枝垂桜が、4月中旬から下旬にかけて見頃を迎えます。
善峯寺について
西山門跡とも称される、天台宗の門跡寺院です。
応仁の乱で全焼しましたが、徳川綱吉の生母で八百屋の娘として京都で生まれた桂昌院の寄進で再建されました。
西国三十三箇所霊場の第20番札所として、今も多くの巡礼者が訪れます。
春は桜、初夏はアジサイ、初秋は秋明菊(シュウメイギク)、晩秋は紅葉と四季折々の景色を楽しめます。
樹齢600年といわれる遊龍の松は国の天然記念物に指定されています。
善峯寺を訪れるMKトラベルのツアー
MKトラベルでは、善峯寺の「桂昌院桜」をはじめ、十輪寺の「なりひら桜」、勝持寺の「西行桜」、大原野神社の「千眼桜」をめぐるタクシーツアー「京都西山巡り ~大原野の銘桜~」を催行します。
京都でも穴場の大原野エリアをタクシーでめぐるツアーです。
数々の銘桜がありながら、交通の便がよくないことから京都市内と比べてこみあうことはまれです。
タクシーの機動力を生かした、MKトラベルならではのツアーです。
催行予定日は、2023年4月1日(土)、2日(日)、3日(月)、4日(火)、5日(水)の5日間です。
拝観情報
拝観時間 | 8:00~17:00(受付は16:45まで) |
拝観料 | 500円 |
TEL | 075-331-0020 |
住所 | 京都市西京区大原野小塩町1372 |
アクセス | 阪急「東向日駅」から阪急バスで30分 |
公式ホームページ:京都・西山 西国第二十番札所 善峯寺
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洛南の桜おすすめスポット4選
① 東寺(とうじ)〈南区〉
見頃は3月下旬~4月上旬
- 3月下旬に見頃の河津桜
- 4月上旬に見頃の不二桜(枝垂桜)
五重塔と背くらべする不二桜
東寺の桜シーズンは、3月中旬の河津桜から始まります。
五重塔の周囲に2本と、無料エリアの大日堂付近に3本の河津桜が植えられており、いち早く見頃を迎えます。
東寺の桜シーズンの主役は、五重塔とまるで背比べするかのような枝垂桜の「不二桜(ふじざくら)」です。
枝垂桜にしては開花はやや遅く、ソメイヨシノとほぼ同時です。
実は、2006年に移植された桜で、東寺に来てまだ十数年しか経っていません。
不二桜のおかげで、東寺は一躍京都の桜スポットの仲間入りをしたといっても過言ではありません。
移植の時点でも既に13mもある大木で、なかなか苦労したそうですが、しっかり東寺に根付いてくれました。
順調に成長していた不二桜ですが、2017年の台風21号と2018年の台風21号により、大きな枝が折れるなどのダメージを負いました。
それでも、2019年には見事な花を咲かせてくれました。頑張れ不二桜!
幽玄に照らし出されるライトアップ
東寺は、ライトアップも人気です。
期間中は、東寺の外を順番待ちの観光客が取り囲むほど多くの人で賑わいます。
五重塔と不二桜が幽玄に照らし出される姿は本当にきれいです。
2023年の桜ライトアップは3月18日(土)~4月67日(日)に開催予定です。
あわせて金堂と立体曼荼羅で知られる講堂の夜間拝観も行われます。
東寺の五重塔は元慶7年(883年)の建立以来、たびたび焼失し、応徳3年(1086年)、永仁元年(1293年)、文禄3年(1594年)、正保元年(1644年)と四度にわたって再建されました。
明治維新の鳥羽伏見の戦いでは、新政府軍を率いる西郷隆盛が五重塔の最上層から指揮をとったといわれます。
2021年3月26日にMK公式InstagramによるインスタLIVEで、東寺のライトアップを紹介しました。
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東寺について
新幹線からも見える東寺の五重塔は、京都タワーと並んで京都のシンボルです。
塔の高さは55mあり、木造塔としては日本一を誇ります。
平安京造営と同時に建立され、のちに弘法大師空海に与えられ、今も真言宗の総本山です。
講堂内の仏像群は立体曼荼羅(まんだら)として知られます。
なかでも帝釈天はイケ仏(イケメンの仏像)として、非常に人気です。
毎月21日には縁日の「弘法市」が催され、多くの人で賑わいます。
1994年には世界文化遺産「古都京都の文化財」のひとつに指定されました。
拝観情報
拝観時間 | 開門/5:00~17:00 金堂・講堂/8:00~17:00(受付は16:30) |
拝観料 (金堂・講堂) | 大人 500円 高校生 400円 中学生以下300円 |
TEL | 075-691-3325 |
住所 | 京都市南区九条町1番地 |
アクセス | 近鉄京都線「東寺」より徒歩5分 市バス「東寺南門前」・「東寺東門前」より徒歩すぐ |
夜桜ライトアップ
開催期間 | 2023年3月18日(土)~4月16日(日) |
拝観時間 | 18:00~21:30(受付は21:00) |
拝観料 (金堂・講堂) | 大人 1,000円 中学生以下500円 |
公式ホームページ:東寺 – 世界遺産 真言宗総本山 教王護国寺
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② 宇治川派流(うじがわはりゅう)〈伏見区〉
見頃は4月上旬
- 4月上旬に見頃のソメイヨシノ
宇治川派流をゆく伏見十石舟
かつて水運の要衝として栄えた伏見は、今も運河である宇治川派流が残ります。
桜シーズンより宇治川派流では、かつての十石舟を再現した伏見十石舟の運航がはじまります。
宇治川派流をゆく伏見十石舟は、三栖閘門までの間を50分で往復します。
船上からは、頭上を覆う桜並木や酒蔵が並ぶ景色などをゆったりと味わうことができます。
まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような気分です。
伏見十石舟から見る桜の良いですが、宇治川派流両岸の遊歩道や橋上から見る伏見十石舟と桜の景色もおすすめです。
桜並木のなかをゆっくりと伏見十石舟が進む姿はとても絵になります。
伏見十石舟が通過する際は、ぜひ船客たちに手を振ってみてください。
美しい桜のリフレクション
伏見十石舟と並ぶ宇治川派流の桜の見どころと言えば、水面に映る桜のリフレクションです。
宇治川派流の東半分は流れがないため、無風時の水面はまるで鏡のようになります。
水面に、両岸の桜並木がびっくりするほどきれいに映り込みます。
写真を逆さにしても気づかないくらいです。
伏見十石舟の運航時間帯は、十石舟が通過するたびに水面が波立ってしまいます。
桜のリフレクションを堪能したいのであれば、伏見十石舟の運航が始まる朝10時より前がおすすめです。
宇治川派流について
宇治川派流は、かつて京都と大坂を結ぶ物資の集積地として活躍した運河です。
淀川と高瀬川の結節点に作られた河港の運河です。
大坂から淀川を人や物資を運んできた大型の三十石船が、伏見で小型の十石舟に乗せ換えて高瀬川を京都の中心部まで運びました。
かつては多くの船が行き交いました。
伏見十石舟
運航期間 | 2023年3月18日(土)~12月5日(日) |
運休日 | 月曜日。ただし、祝日と4・5・10・11月を除く |
料金※ | 大人 1,500円 小学生以下 750円 |
所要時間 | 50分 |
アクセス | 京阪「中書島」から4分 |
※2023年より料金改定
公式ホームページ:NPO法人 伏見観光協会
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③ 醍醐寺(だいごじ)〈伏見区〉
見頃は3月下旬~4月上旬
- 3月下旬~4月上旬に見頃の枝垂桜と
- 4月上旬に見頃のソメイヨシノ
数々の国宝建築を彩る下醍醐の枝垂桜
日本の歴史上、最も有名なお花見と言えば、慶長3年(1598年)に豊臣秀吉が行った「醍醐の花見」でしょう。
その豪勢さは今も語り継がれています。
醍醐寺は、大きく分けて醍醐山の山腹から山上の「上醍醐」と山麓の「下醍醐」に分かれます。
醍醐の花見が行われたのは、主に下醍醐であり、今も桜スポットとしては下醍醐が中心です。
数々の国宝建築を有する醍醐寺でも、最もよく知られるのは高さ38mの五重塔です。
天暦5年(951年)建立の京都最古の建築物でもあります。
五重塔のすぐ前には立派な枝垂桜が開花し、見事な景色を作り出しています。
同じく国宝である金堂も周囲に枝垂桜が開花します。
霊宝館の圧巻というほかない枝垂桜
醍醐寺が伝来してきた文化財の多くは、下醍醐の霊宝館に所蔵されています。
あまりにも多いため、まだすべての調査が終わっていないくらいです。
霊宝館の展示も貴重ですばらしいものばかりなのですが、今回の主役は桜です。
古くから桜の名所であった醍醐寺ですが、霊宝館にスポットライトがあたったのは、実は21世紀に入ってからです。
霊宝館の増築とともに、それまで一般には知られていなかった枝垂桜群があらわになりました。
大きな枝垂桜がいくつもありますが、やはり主役は本館と仏像棟の間にある枝垂桜です。
樹齢180年の大きな枝垂桜は、「醍醐大しだれ桜」と呼ばれています。
まさに威風堂々たる圧巻の枝垂桜です。
醍醐の花見の栄光を伝える三宝院の「太閤しだれ桜」
醍醐寺の塔頭の中でも筆頭である三宝院(さんぽういん)は、醍醐の花見のときに再興されました。
醍醐の花見のときに植えられた桜の子孫という、樹齢150年の「太閤しだれ桜」で知られます。
醍醐大しだれ桜よりも幅では負けますが、高さでは勝っています。
醍醐寺の双璧というべき桜です。
三宝院の桜といえば、大玄関の前にある樹齢150年といわれる枝垂桜の「太閤しだれ桜」です。
画家の奥村土牛がこの桜を主題とした絵を描いたことから、「土牛(どぎゅう)の桜」とも言われます。
2018年の台風21号により少なからぬ被害を受けましたが、見事に復活を遂げました。
三宝院の境内には、他にも太閤しだれ桜のクローンである「太閤千代しだれ」や、などが開花します。
2021年にあらたに夜間拝観が始まりましたが、2023年はJR東海の貸切特別拝観としての開催になります。
醍醐寺について
真言宗醍醐派の総本山である醍醐寺は貞観16年(874年)創建と伝えられ、延喜7年(907年)に勅願寺となりました。
真言宗の小野流の中心寺院として大きく発展し、修験道の中心寺院としても栄えました。
応仁の乱によって五重塔以外の主要伽藍を失いましたが、豊臣秀吉によって再興されました。
毎年2月23日に開催される「五大力尊仁王会」では、巨大な力持ちを持ち上げる「餅上げ」が良く知られています。令和に入って、毎年天皇誕生日の開催となりました。
拝観情報
拝観時間 (下醍醐) | 9:00~17:00(発券は16:00、入門は16:30) |
拝観料 (下醍醐) | (春期)3月20日~5月15日 (秋期)10月15日~12月10日 大人 1,500円 中高生 1,000円 小学生以下 無料 (通常期) 大人 800円 中高生 600円 小学生以下 無料 |
TEL | 075-571-0002 |
住所 | 京都市伏見区醍醐東大路町22 |
アクセス | 地下鉄「醍醐」より10分 |
公式ホームページ:世界遺産 京都 醍醐寺
醍醐寺霊宝館「春の特別拝観」~
開催期間 | 2023年3月31日(金)・4月1日(土) |
拝観時間 | 3月31日:19:00~21:00(受付は20:30まで) 4月1日 :18:00~21:00(受付は20:30まで) |
拝観料 | 大人 2,800円 |
公式ホームページ:花咲く京都 そうだ京都、行こう。
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④ 山科疎水(やましなそすい)〈山科区〉
見頃は4月上旬
- 4月上旬に見頃のソメイヨシノ
菜の花とソメイヨシノの競演
山科を滔々と流れる山科疎水沿いの散策路には、約660本のソメイヨシノの桜並木が整備されています。
桜だけでも十分に美しいですが、それだけではない山科疎水の魅力といえば、菜の花とソメイヨシノの競演です。
山科駅と毘沙門堂を結ぶ参道にかかる安朱橋(あんしゅばし)付近には、菜の花が植えられています。
湖西線建設に伴い、琵琶湖疏水は一部区間でトンネルを経由することになりましたが、トンネルを西に出てまもなくのところに安朱橋があります。
安朱橋の北にある毘沙門堂では、毎年4月上旬の日曜日には「観桜会(かんおうえ)」が開催されます。
毘沙門堂も、樹齢100年以上の枝垂桜である「毘沙門しだれ」で知られる桜の名所です。
特に観桜会のときには多くの人で賑わい、大混雑します。
2023年も4月9日(日)に開催予定です。
復活した「びわ湖疎水船」
ソメイヨシノと菜の花が楽しめるのは、安朱橋のあたりですが、それ以外の疎水沿いにもソメイヨシノの桜並木が続きます。
山科疎水沿いの散策路を歩いていると、時折「びわ湖疎水船」が通りかかります。
2018年に復活したばかりのびわ湖疎水通船に乗ると、船上から桜を楽しむことができます。
事前予約制ですぐに予約が埋まってしまいますが、是非一度乗ってみたいものです。
蹴上から大津行きの船は、流れに逆らって進むため、エンジンフル回転で水面を大きく波立たせながら進みます。
2023年春の運航は、3月25日(土)からですが、桜の開花期の予約はすぐに埋まってしまいます。
2019年も美しく開花した菜の花ですが、一時は鹿に食い荒らされて激減していました。
地元の方々と洛東高校の生徒たちによって、復活したとのことです。
感謝。
山科疎水について
琵琶湖と京都を結ぶ琵琶湖疏水のうち、四ノ宮から日ノ岡までの山科区内を流れる地上区間を、一般に山科疎水といいます。
西の第3トンネルを抜けると、やはり桜の名所であるインクライン・岡崎疎水へと続きます。
山科疎水は、1890年に完成した第一疎水のみです。
1912年に完成した第二疏水は、大津から蹴上までをほぼトンネルでぶち抜いています。
山科疎水は、山科盆地北縁の山裾を蛇行しながら等高線に沿って流れます。
川沿いには、天智天皇陵、本圀寺(ほんこくじ)、安祥寺(あんしょうじ)などがあります。
見学情報
アクセス | JR・地下鉄・京阪「山科」より8分 |
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南山城の桜おすすめスポット2選
① 背割堤(せわりてい)〈八幡市〉
見頃は4月上旬
- 4月上旬に見頃のソメイヨシノ
京都最大級の1.4kmの桜並木
京都でも最大級の桜並木といえば、八幡市の三川合流部にある背割堤です。
実に1.4kmにわたって約220本のソメイヨシノの桜並木が連なります。
樹齢50年余りを迎え、ソメイヨシノが最も盛大に花を咲かせる時期に差し掛かっています。
桜の開花期には、毎年「背割堤さくらまつり」が開催されます。
飲食の露店が出たり、川から桜を楽しむ花見船などが運航され、コロナ禍前の2019年には約35万人の人々で賑わいました。
2023年より、さくらまつりの入場には100円の運営協力金が必要になりました。
淀川三川合流エリアのおいしいグルメを集めた「さくらマルシェ」や「桜のお話ツアー」「さくらであいクルーズ」「お花見舟Eボート」などが開催されます。
2023年3月25日(土)~4月9日(日)に開催予定です。
さくらまつり期間中は、阪急西山天王山駅からの有料シャトルバスも運行されます。
台風被害を乗り越えて開花
2018年の台風21号により、約20本の桜が倒れるなど大きな被害を受けましたが、残る220本が見事に開花します。
ちょうど桂川サイクリングロードの途中にあるので、多くのサイクリストで賑わうのも背割堤の特徴です。
2017年には新たに展望塔である「さくらであい館」がオープンしました。
25mの高さからは、桜並木を一望できるます。
通常は無料ですが、さくらまつり期間中を中心とした桜の見頃期間は300円の入場料が必要になります。
背割堤について
京都府と大阪府の境で京都盆地を流れてきた宇治川、桂川、木津川の三川が合流し、淀川と名を変えます。
その三川合流部で宇治川と木津川を分ける導流堤が背割堤です。
洪水時に逆流を防ぐ目的で、1917年に設けられました。
もともと背割堤には、松が植えられていましたがマツクイムシにより大きな被害を受けました。
1970年代ごろからソメイヨシノへと植え替えられ、1.4kmにわたる220本の見事な桜並木が誕生しました。
見学情報
休園日 | 無休 |
入園時間 | 24時間 |
入園料 | 無料 |
アクセス | 京阪「石清水八幡宮」より10分 |
公式ホームページ:背割堤地区 | 淀川河川公園
さくらであい館
休館日 | 12月29日~1月3日 |
入館時間 | 9:00~17:00 背割堤さくらまつり期間中の展望塔は16:20最終受付 |
入館料 | 無料 背割堤さくらまつり期間中の展望塔は300円 |
電話番号 | 075-633-5120 |
住所 | 八幡市八幡在応寺 |
アクセス | 京阪「石清水八幡宮前」より徒歩10分 |
公式ホームページ:さくらであい館 | 淀川河川公園
背割堤さくらまつり
開催期間 | 2023年3月25日(土)~4月9日(日) |
開園時間 | 9:00~17:00 展望塔は16:30まで(受付は16:20) |
入場料 | 100円(6歳未満は無料) |
公式ホームページ:イベント情報|背割堤さくらまつり
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② 宇治市植物公園〈宇治市〉
見頃3月下旬~4月下旬
- 3月下旬に見頃の河津桜など
- 3月下旬~4月上旬が見頃の枝垂桜
- 4月上旬~下旬が見頃のサトザクラ
桜越しの夜景を楽しめる「しだれ桜夜間公開」
宇治市植物公園では、秋から冬にかけて十月桜(ジュウガツザクラ)、冬桜(フユザクラ)、アーコレードなど秋冬咲きの桜がまず開花します。
植物園らしく、様々な品種の桜が楽しめます。
続いて例年3月中旬からは、河津桜や寒桜が開花し、やや遅れて修善寺寒桜、大漁桜など早咲きの桜が開花します。
桜シーズン本番を前に、一気に春の色が濃くなってきます。
枝垂桜の開花期間には、「しだれ桜夜間公開」が行われます。
夜間公開されるのは桜の咲く春のゾーンだけですが、入園料も駐車料金も無料になります。
丘陵地にある宇治市植物公園からは、桜越しの夜景を楽しむことができます。
特に黄昏どきのいわゆるマジックアワーは絶景です。美しい夕焼け空に点々とほのかに光りだす夜景を見ることができます。
枝垂桜の一段上にあるスロープから眺めるのがおすすめです。
眼下には枝垂桜の向こう側に宇治や城陽、京田辺、久御山、八幡などの町並が一望できます。
しだれ桜夜間公開という名称のとおり、枝垂桜に合わせた開催期間となっています。
2023年は3月21日(火・祝)~31日(木)に開催されています。
宇治市植物公園は、他の桜ライトアップスポットが見頃を迎える前にいち早く楽しめます。
20品種が咲き誇る八重桜ウィーク
例年、3月末から4月はじめに、主役の枝垂桜が見頃を迎えます。
その他にも、神代曙(ジンダイアケボノ)や小松乙女(コマツオトメ)、越の彼岸桜(コシノヒガンザクラ)といった、一重の園芸品種が次々と開花します。
4月中旬から下旬にかけて、八重桜ウィークが行われます。
入園料は必要ですが、様々なイベントが行われます。
2023年の開催については発表されていません。
宇治市植物公園には、20品種150本の八重桜が開花します。
関山(カンザン)、普賢象(フゲンゾウ)、一葉(イチヨウ)、松月(ショウゲツ)などの多彩な八重のサトザクラが、4月終わりごろまで美しく咲き誇ります。
宇治市植物公園について
1996年に開園したまだ歴史の浅い植物園です。
10haの園内には1,450種類もの植物が植えられています。
園内は春・夏・秋のゾーンに分かれ、四季を通じて多彩なイベント・展覧会が催されます。
入園情報
休園日 | 月曜日(祝日の場合は翌日) |
入園時間 | 9:00~17:00(受付終了は16:00) |
入園料 | 大人:600円 小人:300円 幼児:無料 |
TEL | 0774-39-9387 |
住所 | 京都府宇治市広野町八軒屋谷25-1 |
アクセス | JR「宇治」よりバス 近鉄「大久保」よりバス |
公式ホームページ:宇治市植物公園(公式ホームページ)
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おわりに
京都の桜シーズンは、10月に秋咲きの桜の開花から始まります。
3月になると早咲きの桜が続々と見頃を迎え、3月下旬から4月初めにかけて枝垂桜が見頃を迎えます。
桜の大半を占めるソメイヨシノは3月末に開花し、4月上旬に見頃を迎えます。
ソメイヨシノが散りはじめる4月上旬には、八重紅枝垂桜が見頃を迎え、さらに八重のサトザクラが4月下旬にかけて次々と見頃を迎えます。
5月に入り、菊咲きの桜が散ると終わりです。
様々な品種が次々と見頃を迎える京都では、時期によっておすすめスポットも変わります。
MKタクシーの観光ドライバーであれば、「今」美しい桜がどこかを把握しています。
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