夏に多彩な花を咲かせる、京都の木槿(ムクゲ)おすすめスポット5選

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夏に多彩な花を咲かせる、京都の木槿(ムクゲ)おすすめスポット5選

7月から9月頃にかけて咲く木槿(ムクゲ)には多くの品種があります。
一重や八重など色んな形の花が、色も白やピンク、赤、紫など多彩な色で染められ、私たちの目を楽しませてくれます。
たくさんの花を付けるムクゲですが、実は寿命が一日の一日花のため、根本にはたくさんの花びらが落ちているのをよく見かけます。

お隣の韓国ではムクゲは国花とされるほど愛されている花でもあります。
京都にある美しいムクゲを楽しめるおすすめスポットを5ヶ所紹介します。

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木槿(ムクゲ)とは

ムクゲは、アオイ科フヨウ属の低木です。
インドから中国にかけてが原産地とされ、日本には奈良時代に渡来してきました。
古くから観賞用の花として品種改良され、一重だけではなく八重など多くの園芸品種があります。
どんな環境でも良く育つ強健な性質があるため、庭園や街路樹、公園樹としても広く利用されています。

「本草図譜」 出典:国立国会図書館デジタルコレクション

「本草図譜」 出典:国立国会図書館デジタルコレクション

1828年に刊行された「本草図譜」にも、多数の園芸品種が掲載されています。

ムクゲの名はモクキン(木槿)→モクキ→モツキ→モクゲと中国名の音読みの変化から名付けられたようです。
古くは朝鮮半島に多く自生していたことから「槿域」と呼ばれたこともあって、韓国の国花になっています。
また、ヨーロッパでは400年来、アメリカでも200年来愛好されています。
品種が多く、花形は7~10cmで一重咲き、半八重咲き、万重咲きがあり、花の色は白・ピンク・赤・青紫およびこれらの組み合せなど、色彩も豊富です。

日本では、庭木、生垣、鉢植として親しまれています。丈夫で育てやすく、花期は1日ですが、次々と長く咲き続けます。
栽培場所は日当たりのよい所とし、植え替え・移植は真冬を除いた落葉期に行います。
土は市販の園芸培養土か、赤玉土8・腐葉土2の混合させたもので植え、施肥は葉が出た表面が乾いたらたっぷり与え、繁殖は3月中旬頃~5月初旬に挿し木で行います。

 

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① 西林寺(さいりんじ)〈上京区〉

西林寺(木槿地蔵)のムクゲ 見頃 2018年8月22日 撮影:MKタクシー

西林寺(木槿地蔵)のムクゲ 見頃 2018年8月22日 撮影:MKタクシー

おすすめポイント

木槿地蔵として親しまれる、京都を代表するムクゲの名所です。
上御霊前通(かみごりょうまえどおり)と衣棚通(ころもだなどおり)の交差点北東角の民家が立ち並ぶ中にあります。
上御霊前衣棚といわれてもピンとこないとおり、小さなお堂がひとつあるだけの本当に小さな寺院です。

六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)の開基として知られる、愛宕山の慶俊僧都(きょうしゅんそうず)が、ムクゲの草むらの中から地蔵像を発見したと伝えられています。
木槿地蔵という名称の由来を知ると、更にムクゲが美しく見えて来ることでしょう。

見頃は7月下旬~9月上旬ごろです。

西林寺(木槿地蔵)のムクゲ 三分咲き 2019年7月13日 撮影:MKタクシー

西林寺(木槿地蔵)のムクゲ 三分咲き 2019年7月13日 撮影:MKタクシー

拝観情報

愛宕山の天狗である太郎坊が空から都を見物していたとき、境内にある松で羽根を休めたことから正式には「羽休山飛行院西林寺(うきゅうさん ひこういん さいりんじ)」といいます。
開山である慶俊僧都がここのムクゲのなかから地蔵像を感得したため、「木槿地蔵」といわれます。
洛陽四十八願所地蔵巡りの第19番札所です。

西林寺(木槿地蔵)のムクゲ 散り始め 2018年10月2日 撮影:MKタクシー

西林寺(木槿地蔵)のムクゲ 散り始め 2018年10月2日 撮影:MKタクシー

拝観時間日中随時
拝観料境内自由
住所京都市上京区上御霊前通室町西入玄蕃町46
アクセス地下鉄「鞍馬口」より徒歩3分

 

 ② 真如堂(しんにょどう)〈左京区〉

真如堂のムクゲ 見頃 2018年9月17日 撮影:MKタクシー

真如堂のムクゲ 見頃 2018年9月17日 撮影:MKタクシー

おすすめポイント

四季を通じて見どころの多い真如堂ですが、盛夏の主役はムクゲです。
ムクゲが咲いているのは、東側の参道から総門を入ってすぐの駐車場のあたりです。
駐車場の周囲では、10品種30本のムクゲが美しく咲いています。
一重に八重に、いろいろなムクゲの花を楽しむことができます。

真如堂のムクゲ ちらほら 2019年6月26日 撮影:MKタクシー

真如堂のムクゲ ちらほら 2019年6月26日 撮影:MKタクシー

真如堂といえば、手水鉢を色々な花で飾る「花手水」スポットとして近年注目を集めています。
夏の真如堂では、ムクゲの花が使った花手水が飾られていることが多いです。
開花期間が長いだけに、年間を通してムクゲの花手水を見られる可能性はかなり高めです。
花の形も色も様々なムクゲは、いろんなパターンで飾られており、見ごたえじゅうぶんです。

見頃は7月上旬~9月中旬ごろと結構長目です。

真如堂のムクゲの花手水 2020年8月17日 撮影:MKタクシー

真如堂のムクゲの花手水 2020年8月17日 撮影:MKタクシー

拝観情報

正式名称は真正極楽寺(しんしょうごくらくじ)といいます。念仏道場として女性を中心に庶民から多くの信仰を集めました。
桜、新緑、サツキ、あじさい、ムクゲ、萩、紅葉・・・と次々と見頃を迎え、四季を通じた美しさのバランスという意味では、京都でもトップクラスと言っても過言ではありません。
庭園は「涅槃(ねはん)の庭」といわれ、東山を借景とした雄大な枯山水庭園です。2010年に作庭されたばかりの「随縁(ずいえん)の庭」はモダンな庭園です。

真如堂のムクゲの花手水 2019年7月21日 撮影:MKタクシー

真如堂のムクゲの花手水 2019年7月21日 撮影:MKタクシー

拝観時間9:00~16:00(受付は15:45)
ムクゲは日中随時エリア
拝観料大人  500円
中学生 400円
注:特別拝観期間は別料金
ムクゲは主に境内自由エリア
TEL075-771-0915
住所京都市左京区浄土寺真如町82
アクセス市バス「錦林車庫前」より徒歩8分

公式ホームページ:真正極楽寺 真如堂

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③ 瑞泉寺(ずいせんじ)〈中京区〉

瑞泉寺のムクゲ 散り始め 2018年9月19日 撮影:MKタクシー

瑞泉寺のムクゲ 散り始め 2018年9月19日 撮影:MKタクシー

おすすめポイント

三条木屋町下ルという、京都でも有数の繁華街の中にあるお寺です。
門前を通ったことのある人も多いはずですが、境内へと入ったことがある人は案外少ないのではないでしょうか。
是非門をくぐってみてください。夏には美しいムクゲを見ることができます。

瑞泉寺のムクゲ(祇園守) 散りはじめ 2018年8月23日 撮影:MKタクシー

瑞泉寺のムクゲ(祇園守) 散りはじめ 2018年8月23日 撮影:MKタクシー

なかでも注目は、「祇園守(ぎおんまもり)」という白い清楚な品種のムクゲです。
祇園祭の八坂神社の神紋と似ていることから名づけられたの品種です。
ちょうど祇園祭のころに開花します。

見頃は7月中旬~8月中旬ごろです。

瑞泉寺のムクゲ(祇園守) 五分咲き 2020年7月19日 撮影:MKタクシー

瑞泉寺のムクゲ(祇園守) 五分咲き 2020年7月19日 撮影:MKタクシー

拝観情報

豊臣秀次とその一族を祀るお寺として知られます。
秀次と一族は、謀反の罪を着せられて秀吉によって処刑されました。
京都三条河原での一族の処刑後、散乱したままになっていた遺骨を集め、一族の菩提を弔うために創建されました。

瑞泉寺のムクゲ(祇園守) 見頃 2019年8月10日 撮影:MKタクシー

瑞泉寺のムクゲ(祇園守) 見頃 2019年8月10日 撮影:MKタクシー

長らく殺生関白などと言われて評価の低かった豊臣秀次ですが、近年では豊臣政権の後継者として十分な素質を持った政治家だったとして再評価が進んでいます。
それにつれて瑞泉寺も注目を集め、境内の豊臣秀次に関する展示や説明がどんどん増えています。

瑞泉寺のムクゲ 散り始め 2019年9月10日 撮影:MKタクシー

瑞泉寺のムクゲ 散り始め 2019年9月10日 撮影:MKタクシー

拝観時間7:00~17:00
拝観料境内自由
TELL075-221-5741
住所京都市中京区木屋町通り三条下ル石屋町114-1
アクセス京阪「三条駅」より徒歩5分

公式ホームページ:慈舟山 瑞泉寺 ホームページ

 

④ 宇治市植物公園〈宇治市〉

宇治市植物公園のムクゲ品種園 五分咲き 2019年7月15日 撮影:MKタクシー

宇治市植物公園のムクゲ品種園 五分咲き 2019年7月15日 撮影:MKタクシー

おすすめポイント

園内南側に位置する修景池の西側に、45品種が集められた京都でも最大規模のムクゲ品種園があります。
それぞれに品種名も書かれており、ムクゲについて学ぶことができます。
品種が多いため、それぞれの開花時期がずれます。
かなり長期間ムクゲを楽しむことができるのがうれしいところです。

宇治市植物公園のムクゲ品種園(大徳寺祇園守) 五分咲き 2020年7月12日 撮影:MKタクシー

宇治市植物公園のムクゲ品種園(大徳寺祇園守) 五分咲き 2020年7月12日 撮影:MKタクシー

ムクゲの開花と同時期には、園路のすぐ向い側では、鉢植えの蓮の展示も行わます。
蓮も京都最大級の品種数が展示されており、同時に楽しめます。
夏の宇治市植物公園は見どころ満載です。

見頃は7月中旬~9月下旬です。

宇治市植物公園のムクゲ品種園 五分咲き 2019年7月15日 撮影:MKタクシー

宇治市植物公園のムクゲ品種園 五分咲き 2019年7月15日 撮影:MKタクシー

入園情報

1996年に開園したまだ歴史の浅い植物園です。
10haの園内には1,450種類もの植物が植えられています。

「花と水のタペストリー」は立体花壇として日本一の規模を誇ります。熱帯・亜熱帯の植物が咲き乱れる観覧温室もあります。
園内は春・夏・秋のゾーンに分かれ、四季を通じて多彩なイベント・展覧会が催されます。

宇治市植物公園のムクゲ品種園 散り始め 2019年9月15日 撮影:MKタクシー

宇治市植物公園のムクゲ品種園 散り始め 2019年9月15日 撮影:MKタクシー

休園日月曜日(祝日の場合は翌日)
入園時間9:00~17:00(受付終了は16:00)
拝観料大人:600円
小人:300円
幼児:無料
TEL0774-39-9387
住所京都府宇治市広野町八軒屋谷25-1
アクセスJR「宇治」よりバス
近鉄「大久保」よりバス

公式ホームページ:宇治市植物公園(公式ホームページ)

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 ⑤ 京都府立植物園〈左京区〉

京都府立植物園・芝生広場北側のムクゲ 散りはじめ 2017年9月25日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園・芝生広場北側のムクゲ 散りはじめ 2017年9月25日 撮影:MKタクシー

おすすめポイント

日本最大級の植物園である京都府立植物園では、園内各所でムクゲが咲いています。
中でも中央の芝生広場北側と、北山門の西側の2ヶ所にムクゲ園があり、たくさんのムクゲを楽しむことができます。
特に芝生広場北側では、一重や八重など咲き方も、白からピンク、紫、赤など多彩な色の品種が咲き、見ごたえがあります。

京都府立植物園・芝生広場北側のムクゲ 見頃 2020年8月5日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園・芝生広場北側のムクゲ 見頃 2020年8月5日 撮影:MKタクシー

宇治市植物公園とは異なり、品種名を示す札や解説板がない点だけが少し残念です。
京都府立植物園では、だいたいの植物には品種名もきっちり書いてくれているので、ムクゲにもお願いします。

見頃は7月中旬~9月中旬です。

北山門西側 ムクゲ 五分咲き 2019年7月20日 撮影:MKタクシー

北山門西側 ムクゲ 五分咲き 2019年7月20日 撮影:MKタクシー

入園情報

1924年に開園した日本を代表する植物園です。京都府民の休日のお出かけ定番スポットです。
広い敷地をぶらぶら歩けば、植物が約12,000種。
桜や梅、つばき、花しょうぶ、あじさいなど昔から親しまれてきた植物のほか、バラ園など左右対称の造形美が楽しめる洋風庭園など変化に富んでいます。
熱帯の植物が見られる温室もあります(別途入館料が必要です)。

京都府立植物園・芝生広場北側のムクゲ 散り始め 2019年9月12日 撮影:MKタクシー

京都府立植物園・芝生広場北側のムクゲ 散り始め 2019年9月12日 撮影:MKタクシー

休園日12月28日~1月4日
入園時間9:00~17:00(受付終了は16:00)
拝観料一般   :200円
高校生  :150円
中学生以下:無料
TEL075-701-0141
住所京都市左京区下鴨半木町
アクセス地下鉄「北山」よりすぐ

公式ホームページ:京都府立植物園 Kyoto Botanical Gardens/京都府ホームページ

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おまけ 長岡天満宮〈長岡京市〉

長岡天満宮のムクゲ 見頃 2017年6月24日 撮影:MKタクシー

長岡天満宮のムクゲ 見頃 2017年6月24日 撮影:MKタクシー

おすすめポイント

5選に加えて紹介したいのが、長岡天満宮の見事なムクゲの木です。
ここのムクゲは、花の付き方も開花期間もすごいのですが、たった一本しかありません。
一本だけなので、5選とは別におまけとして紹介したいと思います。

長岡天満宮の東側にある八条ヶ池の北西側の入口脇に、立派なムクゲの木があります。
6月後半には見頃を迎え、その後3ヶ月間にわたってたくさんの花を咲かせ続けます。

長岡天満宮のムクゲ 見頃 2019年9月29日 撮影:MKタクシー

長岡天満宮のムクゲ 見頃 2019年9月29日 撮影:MKタクシー

ムクゲは一日花であり、毎日花は咲き変わります。
足元は散った花が積み重なっています。
これだけの大量の花を三ヶ月間も咲かせ続けているのですから、驚きです。
ひとつひとつの花も八重の淡紅色で美しく、京都でもっとも美しいムクゲだと思います。

長岡天満宮とは

長岡天満宮のムクゲ 見頃 2020年6月17日 撮影:MKタクシー

長岡天満宮のムクゲ 見頃 2020年6月17日 撮影:MKタクシー

政争に敗れた菅原道真が大宰府へと左遷される途中に、長岡天満宮の地を訪れました。
「我が魂長くこの地にとどまるべし」と言い残したことが、長岡天満宮のはじまりと伝えられています。
1638年には桂離宮を作った八条宮智仁親王により、新たに溜池の八条ヶ池が築造されました。
八条ヶ池の中央を貫く参道には、樹齢百数十年というキリシマツツジが植えられています。

長岡天満宮のムクゲ 見頃 2020年6月20日 撮影:MKタクシー

長岡天満宮のムクゲ 見頃 2020年6月20日 撮影:MKタクシー

拝観情報

拝観時間日中随時
拝観料境内自由
TEL075-951-1025
住所京都府長岡京市天神2丁目15-13
アクセス阪急「長岡天神」より徒歩10分

公式ホームページ:長岡天満宮 | 学問の神様

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おわりに

比較的花が少なくなる京都の夏に、長期間にわたって咲き続けるのがムクゲです。この時期に京都観光で花を楽しみたいという方は、ムクゲもお勧めです。

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京都の夏の花おすすめスポット記事

紫陽花(アジサイ)<見頃:6月中旬~7月上旬>
桔梗(キキョウ)<見頃:6月下旬~10月上旬>
蓮(ハス)<見頃:7月中旬~8月中旬>
百日紅(サルスベリ)<見頃:7月下旬~9月上旬>
木槿(ムクゲ)<見頃:7月~8月>
芙蓉(フヨウ)<見頃:8月下旬~9月下旬>

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