清水寺の暁天講座・うらぼん法話2021「日々初心を味わう」円福寺の政道徳門師

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清水寺の暁天講座・うらぼん法話2021「日々初心を味わう」円福寺の政道徳門師

京都のお寺で夏の早朝に行われる風物詩の暁天講座(ぎょうてんこうざ)。
清水寺では「うらぼん法話」という名称です。
無料で予約不要ですが、意外な有名人の話しを聞くこともできるおすすめイベントです。
2021年8月4日に清水寺のうらぼん法話で八幡市の円福寺・政道徳門師のお話を聞いてきました。

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清水寺の うらぼん法話

100年以上の歴史あるうらぼん法話

京都では、多くの寺院で夏の早朝に公開講座の暁天講座が行われます。
清水寺では「うらぼん法話」という名称で、
京都のお寺では広く行われており、各界からの多彩な講師を招いて暁天講座が行われます。

2020年は新型コロナウイルスの影響で中止となりましたが、なんと100年を超える歴史があります。
2021年は第105回になります。

清水寺・仁王門前のうらぼん法話の案内板 2021年8月4日 撮影:MKタクシー

清水寺・仁王門前のうらぼん法話の案内板 2021年8月4日 撮影:MKタクシー

 

2021年のうらぼん法話

日程 2021年8月1日(日)~5日(木)
テーマ

8月1日(日)永田 和宏 氏(歌人 JT生命誌研究館 館長 京都大学名誉教授)
「象徴の歌」から見える平成という時代

8月2日(月)橋本 武也 氏(社会福祉法人 同和園 前常務理事園長)
「慈悲の実践」老人福祉の先駆者 大西良慶和上の志業

8月3日(火)高井 和大 師(貴船神社 宮司)
もったいない! 罰があたる

8月4日(水)政道 徳門 師(円福寺専門道場師家)
日々初心を味わう

8月5日(木)森 清範 師(北法相宗管長 清水寺貫主)
平成大修理 落慶を寿ぐ

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政道徳門師「日々初心を味わう」-コロナ禍の中の生活―

朝6時からのうらぼん法話

うらぼん法話会場の大講堂 2021年8月4日 撮影:MKタクシー

うらぼん法話会場の大講堂 2021年8月4日 撮影:MKタクシー

早朝から行われる暁天講座ですが、清水寺のうらぼん法話は、特に時間が早いのが特徴です。
何と、朝6時の開始です。

公共交通機関でのアクセスもなかなか難しいので、今回は自転車でのアクセス。
清水坂を上っていかなければならないので、早朝とはいえ暑いです。
自転車で行こうとする場合は、くれぐれもクールダウンする時間が必要です。

うらぼん法話の会場は、大講堂です。
普通は行くことがないところなので、場所は事前に調べておきましょう。
仁王門前から上へ登るのではなく、すぐ右側(北側)の車道を下ります。

うらぼん法話 2021年8月4日 撮影:MKタクシー

うらぼん法話 2021年8月4日 撮影:MKタクシー

では、円福寺の政道徳門師のお話しです。

 

円福寺について

円福寺は、八幡にある臨済宗妙心寺派の禅寺です。
一般の拝観は年2日しか受け入れていません。通常拝観はしていない、専門道場です。
毎年年末には大根のクリスマスツリーがテレビニュースでも流れるので知っている人もいるかもしれません。

信徒に今回、清水寺のうらぼん法話で話しをすることを伝えると、「行きたい」という人も多くいました。
しかし、朝6時からであると伝えると、ほとんどの人は断念されました。
八幡方面からはなかなか朝6時に清水寺に行くのは難しいです。
京都市内でもこんな朝6時に来るの大変でしょう。こんなに、たくさんの人が集まっていることに驚いています。

円福寺へは、清水寺の大西貫主が昭和36年(1961年)に修行に来られていたようです。
今は他宗派で学ぶことは珍しくありませんが、当時としてはかなり珍しいことでした。

 

過去を追うことなかれ 未来を思い煩うことなかれ ただ今日なすべきことを 心をこめて行うべし

(中部経典『一夜賢者の偈』より意訳抜粋)

どんな困難にあって、今がスタートです。何事も初心が大切です。
日常をじゅうぶんに味わいましょう。五感には深い味わいがあります。
今朝でも蝉の声や朝の涼風など、味わいを知る人にとってはすばらしいものに感じますが、そうでない人には邪魔ものです。

今の若い人たちは、この味わいというものをわかっていません。
時間があれば、スマホばかり見ています。
ネットの世界はリアルではなく、そこに味わいはありません。

何事も、最初は初心があるのですが、自身の経験によってものごとを素直に受け取れなくなってきます。
同じ経験でも、子供のころと経験を積んだ大人になってからでは違います。それが年を取るということでもあります。
例えば、アンパン。初めてアンパンを食べたときは、なんておいしい食べ物があるのだと感動したことでしょう。
しかし、毎朝食べていると、単なる朝食の品に過ぎず、何の感動もなくなります。

「冷暖自知」という言葉があります。
真実は自分だけわかる、ということです。他人の言葉では真実は何もわかりません。

 

今日一日どのくらい「初心」を味わったか チェックリスト

毎日どれくらい初心を味わったかのチェックリストがあります。

①ドキドキ・ワクワクがあったか?(興味を持ったものがあったか)

適度なドキドキや緊張感があったかどうか。ものごとに対しても、人に対しても。
マンネリになっていませんか?
何にでも興味を持ち、何となく過ごしていてはだめです。
無気力無関心にならないようにしましょう。

②注意深く・丁寧に過ごせた時間があったか?(地に足がついた生活)

丁寧に暮らせていますか?
ぼんやりと過ごすのと、初心で丁寧に過ごすのとでは、時間の流れ方が違います。

来客があったあと、トイレと玄関を見れば来られた方の人となりがわかります。
トイレの使ったあとやスリッパの並び方を見れば、一目瞭然です。
丁寧さは無意識に出てしまうものです。

③謙虚な心で過ごせたか?何か勉強になったことはあったか?

円福寺は禅僧の専門道場なので、座禅のポイントをよく聞かれますが、「いつも初心であること」と答えます。
円福寺に修行に来ている雲水たちは、何度も座禅をしているとあるとき「いい座禅」を体験します。
しかし、その経験が問題です。またあの経験をしたいと思って狙って座禅をすると、いい座禅はできません。
初心であるからこそいい座禅はできます。

座禅で長時間じっと座っているというのはつらいものです。
座禅に慣れてくると、つい楽に座ろうとしてしまいます。
しかし、楽を覚えると修行になりません。
常に初心を持って座禅することが、いかに難しいでしょう。

円福寺では、年間4回ほど、1週間の無言の修行を行います。
非常に学びの多い修行で、いつもいかにくだらないことばかり考えているかがわかってきます。
無言の修行中は食事は一日二食だけです。それも簡単な粗食です。
その食事を、一食あたり1時間ほどじっくりと時間をかけます。
口の中が水のようになるまでしっかりと噛みます。

すると、雲水たちは「おかゆはこんなに甘かったのか」「人参はこんなに深い味わいがあったのか」「ずっと噛んでいたい」と驚きの声を上げます。
食事のようないつもの経験ひとつとっても、初心だと驚きにあふれる特別な体験になります。
仏教とは、どこか遠い世界の話しにお持っているかもしれませんが、そんなことはありません。
仏法とは、日常をどのように過ごすかという教えです。
日常の全てがたった1回きりの愛おしい経験なのです。

 

比較のない世界へ(苦しみを乗り越えるために)

人は、他と比べるから苦しむのです。
他人と自分を比べたり、過去の自分と今の自分を比べたり。
あるいは未来のあるべき自分とそうではない今の自分を比べて。

特にコロナ禍によりその傾向は強まっています。
比べて上なのか、下なのか。マスク不足なんかはその最たるものでしょう。
情報でふりまわされているのではないでしょうか。

最近は、メディアでも海外が日本をほめたとかけなしたとかいうしょうもないネタがたくさん報道されています。
外国からどう思われているかに一喜一憂しています。
まずは、自分に自信を持たなければなりません。
情報に惑わされてはなりません。

 

○当処即ち蓮華国 この身即ち仏なり(白隠禅師作『坐禅和讃』より抜粋)
○往生初めの一年なり(『一遍上人語録』岩波文庫より抜粋)

臨済宗の白隠禅師と、次週の開祖である一遍上人のことばです。
後者は禅僧以外のことばですが、以前この言葉に出会ったときには衝撃を受けました。
死んでからではない、今この身で往生するのです。

人間には、欲楽と法楽のふたつの楽があります。
欲楽は、衣食住などを贅沢にしたいという欲望の楽です。
この欲楽は、限りがありません。
どこまでいっても満たせない欲楽は、苦しみのもとになります。
もちろん、欲楽を全否定するのも間違いです。
欲楽のおかげで人間は進歩してきましたし、経済を回していくには欲楽は不可欠です。

一方の法楽は、心からの楽しみです。
満ち足りた思いがもたらす幸せです。
他と比べて上とか下とかではありません。
限りなく求め続ける必要はありません。
今日来られた皆さんには、ぜひこの法楽を知って欲しいと思います。
圧倒的な楽です。

皆さん、日々初心を味わいながらすごしてください。

 

終了後

うらぼん法話会場前 2021年8月4日 撮影:MKタクシー

うらぼん法話会場前 2021年8月4日 撮影:MKタクシー

政道徳門師、わかりやすいお話をありがとうございました。
例年は、終了後の朝食のあんパンと牛乳の配布がありますが、2021年は新型コロナウイルスの感染防止対策のため、ありません。

仁王門前 2021年8月4日 撮影:MKタクシー

仁王門前 2021年8月4日 撮影:MKタクシー

朝から1時間もお話しを聞きましたが、まだ朝7時です。
一日はまだ始まったばかりです。
恐るべし暁天講座、という気分です。

西門から見下ろす京都市内 2021年8月4日 撮影:MKタクシー

西門から見下ろす京都市内 2021年8月4日 撮影:MKタクシー

8月4日は絶好の好天です。
境内からは、美しい京都市内の景色が見渡せます。

 

おわりに

早朝アクセスにはやっぱりタクシー

魅力たっぷりな清水寺のうらぼん法話ですが、早朝ゆえにアクセス困難なことが難点です。
他の寺院の暁天講座は、早朝といっても6:30や7:00開始が多いのですが、清水寺のうらぼん法話は6:00開始です。
しかも、清水寺は最寄り駅から歩いて25分かかります。最寄りのバス停でも歩いて10分かかります。
公共交通機関の場合、京阪だと淀駅からしか間に合いません。京都市バスでも206系統や202系統の始発に乗らなければ間に合いません。多くの地域からはアクセスは絶望的です。

しかし、24時間営業のMKタクシーなら朝6時だろうと朝5時であろうとアクセス可能です。
MKタクシーなら迎車料金も不要です。

MKタクシーのご予約は075-778-4141まで

便利な配車アプリも是非ご利用ください! → MKスマホ配車

京都観光には観光貸切タクシーもおすすめです。

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まとめ

 

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