秋を彩る名脇役、京都の秋明菊(シュウメイギク)おすすめスポット5選
目次
秋の庭園でも主役とはなることは稀ですが、白と紅、ピンクの花で彩りを加えてくれる名脇役なのが秋明菊です。
秋深まり行く頃に美しく花を開かせる秋明菊は、私たちに移り行く季節を知らせてくれているようです。
貴船に多いことから「貴船菊(キブネギク)」ともいいます。
実は「菊」とは同じ被子植物ではあるもののかなり遠縁で、見た目や花の付き方が似ているコスモス(キク科)とは全く異なります。
秋明菊(シュウメイギク)とは
秋明菊はキンポウゲ科イチリンソウ属の花です。
「菊」と付きますが、キク科とはかなりの遠縁になります。アネモネと同じキンポウゲ科の宿根草です。
中国原産で、古くに日本へと渡来し、今では山野で自生しているのを見ることもあります。
貴船で自生しているものがよく見られたことから貴船菊(キブネギク)ともいいます。単に別名ではなく、原種に近いものを貴船菊、原種から作出された多彩な品種群の総称を秋明菊と呼んで区別する場合もあります。
花びらのように見える部分は、実は萼(がく)で、花びらはありません。
花は、原種で桃色の八重咲の他に、一重咲や白の改良種が多くあり、どれも清楚で美しいものばかりです。
茶花としてもよく使われ、古くから庭植えや鉢植えとして愛されてきました。
秋明菊は地植えにすると群生するほど強い植物です。5~6年は植えっぱなしにしておいても元気に育ちますが、直射日光の当たらない半日陰で風通しのよい所に植えます。
鉢植えの時は、根の張りが早いので、市販の草花の土だけでなく、水持ちのよい赤玉土などを少し足して鉢を大きくして毎年植え替えを行うとよいでしょう。
増やし方は、春と秋の植え替えの時期に、株分けで行います。
株分け後の成長は旺盛で、春に株分けしたものは、その年の秋に花が咲くことが多くあります。
秋風に揺れる秋明菊は、昔、貴船の里で人々が見てなごんだのと同じように、私たちの心をなごませてくるのではないでしょうか
京都で秋明菊を楽しめるスポット
① 善峯寺(よしみねでら)〈西京区〉
おすすめポイント
5,000本もの秋明菊が群生する、京都随一の名所として知られる善峯寺。
紅葉シーズンを前にして、一足早く賑やかな季節を迎えます。
名脇役である秋明菊が主役を張るという京都でも珍しいスポットです。秋明菊が実は主役としても実力じゅうぶんなことがよくわかります。
山寺らしく境内にはたくさんの石段がありますが、石段の脇に咲く秋明菊が心を和ませてくれるので、楽しく上ることができます。
見頃は9月下旬~10月下旬です。
まず一重の秋明菊が開花し、続いて八重の秋明菊が開花するので、長期間楽しむことができます。
拝観情報
西国三十三所の第二十番札所として信仰を集める天台宗の有力な門跡寺院です。
応仁の乱の際に堂宇は兵火により焼失し、徳川五代将軍綱吉の生母の桂昌院の寄進により再建されました。
春は桜、初夏は紫陽花、秋は秋明菊と紅葉が美しく、四季折々の花が楽しめます。
拝観時間 | 8:00~17:00(受付は16:45まで) |
拝観料 | 500円 |
TEL | 075-331-0020 |
住所 | 京都市西京区大原野小塩町1372 |
アクセス | 阪急「東向日駅」から阪急バスで30分 |
公式ホームページ:京都・西山 西国第二十番札所 善峯寺
② 梅小路公園(うめこうじこうえん)〈下京区〉
おすすめポイント
10月になると、朱雀の庭の北側に沿いの植え込みに植えられた秋明菊が次々と開花します。
白とピンクをした一重の花を中心に、半八重や八重の多彩な花が彩ります。
道を挟んだ北側には秋の七草の植栽コーナーがあり、萩(ハギ)、女郎花(オミナエシ)、藤袴(フジバカマ)、桔梗(キキョウ)などを見ることができます。
見頃は10月中旬~下旬です。
入園情報
梅小路貨物駅跡地を再整備して1995年にオープンしました。
京都駅から徒歩圏内にありながら、自然あふれる13.7ヘクタールの公園です。
2012年に京都水族館、2016年に京都鉄道博物館がオープンし、2019年3月には新駅「梅小路京都西駅」が開業するなど、京都でも大きく様子がかわりつつあるエリアです
入園時間 | 日中随時 |
入園料 | 園内自由 |
TEL | 075-352-2500 |
住所 | 京都市下京区観喜寺町56-3 |
アクセス | JR「梅小路京都西」よりすぐ |
公式ホームページ:梅小路公園| 京都市都市緑化協会
③ 恵心院(えしんいん)〈宇治市〉
おすすめポイント
四季を通じて花の美しい花の寺として知られる恵心院ですが、10月の主役は秋明菊です。
一重の赤と白の可憐な花を咲かせます。
境内北側の白龍大神社のあたりに特にまとまって咲いています。他の秋明菊より濃い密度で咲いています。
見頃は9月下旬~10月下旬ごろです。
拝観情報
境内は四季を通じて手入れが行き届き「花の寺」とも言われます。
空海によって開かれたともいわれ、11世紀初めに恵心僧都(えしんそうず)・源信によって再興されました。源信は、宇治川に入水した源氏物語宇治十帖のヒロイン浮舟を助け、新しい道を歩ませることになった「横川(よかわ)の僧都」のモデルとも言われています。
拝観時間 | 6:00~17:00 |
拝観料 | 境内自由 |
TEL | 0774-21-3942 |
住所 | 宇治市宇治山田67 |
アクセス | 京阪「宇治」より徒歩7分 |
④ 京都府立植物園〈左京区〉
おすすめポイント
園内北西部の水車小屋付近で秋明菊がまとまって植えられています。他に園内中央部の植物生態園でも咲いています。
白の一重から半八重の花とピンクの一重の花には「秋明菊」、赤紫の八重の花には「貴船菊」の札がつけられており、区別されています。
周囲には近縁種も植えられており、夏から咲き始めます。
見頃は9月下旬~10月下旬ごろです。
入園情報
1924年に開園した日本を代表する京都の植物園です。京都府民の休日のお出かけ定番スポットです。
広い敷地をぶらぶら歩けば、植物が約12,000種。
桜や梅、つばき、花しょうぶ、あじさいなど昔から親しまれてきた植物のほか、バラ園など左右対称の造形美が楽しめる洋風庭園など変化に富んでいます。
熱帯の植物が見られる温室もあります(別途入館料が必要です)。
休園日 | 12月28日~1月4日 |
入園時間 | 9:00~17:00(受付終了は16:00) |
拝観料 | 一般 :200円 高校生 :150円 中学生以下:無料 |
TEL | 075-701-0141 |
住所 | 京都市左京区下鴨半木町 |
アクセス | 地下鉄「北山」よりすぐ |
公式ホームページ:京都府立植物園 Kyoto Botanical Gardens/京都府ホームページ
⑤ 嵯峨鳥居本(さがとりいもと)〈右京区〉
おすすめポイント
愛宕神社への参詣道の道端に、赤紫色をした八重の秋明菊が咲いています。
重要伝統的建造物保存地区にも選定された、茅葺屋根の美しい町並をバックに艶やかに咲く秋明菊は見事です。
白い一重の秋明菊も咲いています。
見頃は10月中旬~11月上旬ごろです。
見学情報
古い町並みが各所に残る京都市内ですが、そのなかでもわずか四ヶ所しか選定されていない重要伝統的建造物保存地区のひとつが嵯峨鳥居本です。
地名の由来ともなった愛宕神社の一之鳥居前に形成された門前町として発展してきました。
北半分が茅葺の農家が多く、南半分は瓦屋根の民家が多いというのが特徴になっています。
おわりに
京都に多数ある秋明菊のおすすめスポットですが、中でも必見なのが善峯寺です。
しかし、バスだとバス停から拝観受付までかなりの階段を登らなければなりません。タクシーなら階段を登らなくても拝観受付までアクセスすることができます。
境内でのアップダウンは仕方ないにしても、拝観受付にたどりつくまではできるだけ体力は温存したいところ。
MKの観光貸切タクシーなら、善峯寺のようなアップダウンがあるスポットでも最短のルートでアクセスできます。
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