「節分の日」に京都各所で行われる節分行事の2023年開催情報

目次
- 節分について
- 京都各所の節分行事
- ① 吉田神社「追儺式」〈左京区〉
- ② 壬生寺・節分会「壬生狂言&山伏練り歩き」〈下京区〉
- ③ 千本ゑんま堂「大念仏狂言」〈上京区〉
- ④ 廬山寺「鬼法楽」〈上京区〉
- ⑤ 千本釈迦堂「鬼追いの儀」〈上京区〉
- ⑥ 北野天満宮「北野追儺狂言」〈上京区〉
- ⑦ 平安神宮「大儺の儀」〈左京区〉
- ⑧ 聖護院「追儺式」〈左京区〉
- ⑨ 須賀神社「懸想文売り」〈左京区〉
- ⑩ 下鴨神社「追儺弓神事」〈左京区〉
- ⑪ 八坂神社「豆まき」〈東山区〉
- ⑫ 六波羅蜜寺「追儺式」〈東山区〉
- ⑬ 智積院「節分会」〈東山区〉
- ⑭ 法住寺「追儺式」〈東山区〉
- ⑮ 藤森神社「追儺式」〈伏見区〉
- ⑯ 城南宮「節分祭」〈伏見区〉
- ⑰ 金札宮「追儺式巡行」〈伏見区〉
- ⑱ 松尾大社「石見神楽奉納」〈西京区〉
- ⑲ 石清水八幡宮「鬼やらい神事」〈八幡市〉
- ⑳ 龍神総宮社「節分祭」〈宇治市〉
- その他2023年の節分開催・中止情報
- おわりに
「福は内、鬼は外」と言いながら福豆を撒いたり、恵方巻きをかじったりする伝統行事の節分。
節分とその前日には、京都各所で特色ある節分行事が行われます。
京都では古くから伝わる追儺式(ついなしき)や、地元に根差した行事、豪華賞品がもらえる行事まで多彩です。さまざまな京都の節分行事を紹介します。
新型コロナウイルスの影響により、2021年・2022年は京都の節分行事も多数中止となりました。
節分行事がはじまって以来、初めての中止だったという京都の寺社も多数ありました。
2023年の節分は3年ぶりに通常開催という寺社もあれば、引き続き縮小開催という寺社もあります。
節分について
節分とは
節分(せつぶん)は、読んで字のごとく季節の分かれ目です。
四季の分かれ目ごとに節分はありますが、一般に節分と言えば冬と春の分かれ目を指します。
2月の節分は、春のはじまりである「立春」の前日が節分と定められています。
立春は、冬至と春分の中日にあたります。
近年は節分といえば、恵方を向いて巻きずしを丸かぶりする「恵方巻き」が人気です。 2023年の節分の恵方は南南東です。

京都平安神宮に於ける風俗研究会主催の追儺式 歴史写真会「歴史写真 大正8年2月号」出典:国立国会図書館デジタルコレクション
節分は2月2日?3日?
旧暦(太陽太陰暦)では、立春は1月1日前後1。にあたります。
立春の前日である節分は、年末年始にあたりました。
立春は、冬至(新暦12月21日or22日)と春分(新暦3月20日or21日)の中間にあたるので、新暦では2月3日~5日になります。
節分はその前日なので、2月2日~4日になります。
節分の日が固定しないのは、地球の公転周期が365.2422日と端数が出るためです。
うるう年がある理由と同じです。
近年は、1985年から2020年まで36年連続2月3日が節分でした。
そのため、節分といえば2月3日というイメージがあるかもしれません。
1898年~1984年の節分は、2月3日と2月4日が概ね半分くらいずつでした。
節分が2月2日になるのは、1897年以来です。なんと124年ぶりのことです。
2021年から2100年にかけては、節分は2月2日と2月3日が概ね半分ずつくらい出現します。2057年まで限ると、4年に一度節分は2月2日になります。

壬生狂言 広池千九郎「京名所写真図絵」出典:国立国会図書館デジタルコレクション
恵方とは
節分に食べる「恵方巻き」は、その年の恵方を向いて食べることが由来です。
恵方とは、その年の吉をもたらすとされる方角です。
陰陽道で、歳徳神(さいとくじん)といわれるその年の福徳をもたらす神様いる方角を恵方と言います。
かつては、節分ではなく元日に恵方の方角にある神社をお参りする「恵方詣り」という風習もありました。

吉田神社追儺式風俗 風俗研究会 編「歴代風俗写真大観」出典:国立国会図書館デジタルコレクション
2023年の恵方は南南東です。
過去の恵方を並べると、
2023年 南南東
2022年 北北西
2021年 南南東
2020年 西南西
2019年 東北東
2018年 南南東
2017年 北北西
2016年 南南東
2015年 西南西
2014年 東北東
2013年 南南東
(以下略)
になります。
5年周期で4つの方位が順番に回ってきます。
簡単に言うと、西暦の1の位が
0年、5年 → 西南西
1年、6年 → 南南東
2年、7年 → 北北西
3年、8年 → 南南東(2回目)
4年、9年 → 東北東
となります。
南南東だけ2回出て来ます。
5年に2回は南南東が恵方ということです。
節分行事について

節分の錦絵 出典:国立国会図書館デジタルコレクション
節分行事は、もともと中国から伝わった行事です。
鬼を追い払う「追儺(ついな)」は、古くは慶雲3年(706年)に宮中で行われたことが続日本紀にも記録されています。
平安時代に行われていた節分の儀式は、今も京都の平安神宮で「大儺の儀(だいなのぎ)」として再現されています。
宮中行事としての節分は、鎌倉時代に入るとすたれてしまいましたが、室町時代には民間に広まり、京都に限らず全国の社寺で盛んに行われるようになりました。
特に京都では、多くの社寺で何らかの節分行事が行われ、有名なものも数多くあります。
前述のとおり、旧暦では節分は年末年始だったので、節分行事とは年越し・正月行事でもありました。
節分のオバケ

節分のオバケ
京都には、節分の日に異装する「オバケ」という興味深い風習があります。
節分に異装―例えば老女は若い女に、男は女になって年齢性別時空を超えるのが京都のオバケです。
かつては、1月1日だけでなく、節分の立春が新しい年のはじまりととらえられていました。年が改まると恵方が変わるという陰陽道の考え方では、節分は神様の大移動が行われる日です。
隙間を狙って出てくる魑魅魍魎(ちみもうりょう)を、普段と全く違う格好をすることで化かし、取りつかれないようにするという民間信仰が節分に行われる京都のオバケです。
決まりごとの多かった時代、1日だけ羽目を外せる節分のオバケは人々に爽快感を与えるものだったことでしょう。
洋服全盛となり節分のオバケの風習は廃れていましたが、京都では近年また節分になると見られるようになってきました。
いつの間にか蓄積したしがらみを、節目の日である節分に「厄」として払い、豆などの特別な食べ物を口にして生命力を回復して立春を迎えます。
節分の様々な行事には、人間の生きる知恵があらわれています。
参考文献:真矢都著『京のオバケ四季の暮しとまじないの文化』(文春新書)

吉田神社露店の厄除けいわし 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
京都各所の節分行事
① 吉田神社「追儺式」〈左京区〉
節分が盛んな京都でも、最も盛大な節分祭が行われるのが吉田神社です。
吉田神社では、いかにも「節分」という雰囲気を感じられます。中でもおすすめは、節分の前夜である2月2日の夜に行われる追儺式(ついなしき)です。
吉田神社の追儺式は、かつて宮中で行われてきた儀式を今に伝える神事です。
境内で暴れ回る鬼を、四つ目の仮面をかぶった大舎人(おおどねり)が退治するという節分の流れです。

吉田神社・追儺式の大舎人 2019年2月2日 撮影:MKタクシー
京都でも最大の節分行事だけあって、東大路の参道から多くの人で賑わっています。
参道をかきわけるように進み、本宮前に到着。すでにこの段階で本殿前の追儺式観覧スポットは入場規制がかけられています。
仕方がないので、大元宮への参道の途中にある山蔭神社前で追儺式の列が来るのを待機。
やがて、目の前を大元宮から本殿方向へと向かう一行が通り過ぎます。
赤い顔に角を生やした鬼・・・ではありません。鬼を追い払う側の大舎人(おおどねり)です。仮面をかぶることで、金色の4つの目を持った異形の中国の神様の「方相氏(ほうそうし)」になります。
狭い参道なので、すぐ目の前を通っていきます。

吉田神社・追儺式の赤鬼と青鬼
続いて、本日の主役の鬼が来ました。
赤鬼、青鬼が周囲を威嚇しながら本殿方面へと下っていきます。

吉田神社・追儺式の黄鬼 2019年2月2日 撮影:MKタクシー
最後に黄鬼。
黄鬼は、赤鬼、青鬼と比べてなんだかひょうきんな顔立ちをしています。
ちなみに三色にはちゃんと意味があり、赤が怒り、青が悲しみ、黄が苦しみを表しています。同じく三人の鬼が出てくる廬山寺は、赤・青・黒で人間の煩悩を表しており、色と意味の違いは興味深い点です。
吉田神社の鬼たちは、なんだかひょうきんで、黄鬼も苦しんでいる顔には見えないのですが(笑)。
鬼たちはサービス精神旺盛で、子どもを見るとしっかり脅かしてくれます。大人たちは大喜びですが、本気で泣き叫ぶお子さんもいらっしゃいます。
今は境内で暴れまわっているというシーンです。

吉田神社・追儺式の赤鬼 2019年2月2日 撮影:MKタクシー
節分に行われる追儺式のメインの鬼退治が行われる吉田神社の本殿前は入場規制がかかり、残念ながら近くで見られません。
しばらく待つと、方相氏に退治された赤鬼、青鬼、黄鬼が戻ってきました。が、ここからでは背中しか見えません。
しかし、何とも哀愁漂う背中です。往路はあれだけ元気だったのに、尾羽うち枯らした様子がしっかりと伝わってきます。

吉田神社・追儺式の黄鬼 2019年2月2日 撮影:MKタクシー
金棒にしがみつきながら何とか立っている黄鬼。もはや疲労困憊の極みです。
この疲れっぷりは必ずしも演技ではなく、一連の儀式で本当に疲れ切っているのではないでしょうか・・・。
とぼとぼと、山上の大元宮の方へと上っていきます。

吉田神社・追儺式の黄鬼 2019年2月2日 撮影:MKタクシー
と思ってましたが、吉田神社の境内を抜け、参拝者もわずかになる竹中稲荷の参道へと出ると、鬼たちも割と普通に歩いています。
あの疲労困憊ぶりは演技だったのです。お見事です。
一行が控え室である竹中稲荷の社務所へ到着すると、鬼たちに向けて「お疲れ様」の声と拍手が響き、追儺式は終了します。
節分翌日の2月3日には、古いお札などを盛大に燃やす火炉祭(かろさい)が行われます。
盛大に燃え盛らる火炉は必見です。さすが京都でも最大級の節分行事です。

吉田神社・節分会の黄鬼 2019年2月2日 撮影:MKタクシー
追儺式が行われるのは節分前日の夜ですが、日中でも鬼たちを見ることができます。
日中には、鬼たちが吉田神社の境内や周りの露店の中にも出現します。
このときの鬼たちは、とてもフレンドリーです。
気軽に鬼たちは記念撮影にも応じてくれます。

吉田神社・節分会の青鬼 2019年2月2日 撮影:MKタクシー
ただし、小さな子供たちにはやっぱり鬼の姿は怖いみたいです。
中には泣き出す子供もいるのは夜と変わりません。
豪華賞品が当たる福豆

吉田神社・節分祭の賞品陳列所 2021年2月1日 撮影:MKタクシー
吉田神社の節分のもうひとつのお楽しみといえば、恒例の福豆抽選会です。
はっきりわかりませんが、少なくとも50年近く前からは節分で行われていたそうです。
節分祭で300円を納めて福豆を授与されます。
この福豆には、「厄除け福当り抽選券」がついており、豪華賞品があたります。
節分福豆抽選会の賞品の数は多く、賞品陳列所も1ヶ所では収まりきりません。
2023年も185種類もの賞品が提供されています。点数で言うと、実に1,683点にものぼります。

吉田神社・節分祭の賞品陳列所 2021年2月1日 撮影:MKタクシー
賞品の数の多さもさることながら、豪華さが驚きです。
テレビや洗濯機といった家電や高級ホテル宿泊券、ギフトカード10万円分、酒類などが並びます。
そして、何ともっとも高価な商品は毎年自動車です。
2023年の吉田神社節分祭の厄除け福豆の自動車は、トヨタのヤリスです。
豪華賞品の詳細は、公式ホームページを確認してみてください。
他にも驚きの賞品が多数出陳されています。
節分福豆抽選会の賞品はいろいろありますが、2023年にはこんな賞品もラインナップされていました。
記念鐘(岩澤の梵鐘提供)
石製犬(大前石材店提供)
白牛角銀行印(はんこと印刷 五百堂提供)
らくたび文庫15冊(らくたび提供)
記念鐘って一体どんなものなんでしょうか。
気になります。当たらないでしょうか。

吉田神社・節分祭の福豆 2021年2月2日 撮影:MKタクシー
抽選会は2023年の場合は節分から2日後の2月5日に行われ、2月9日の京都新聞にも当選番号一覧が掲載される予定です。
ちなみに筆者も2021年に福豆抽選にチャレンジしてみましたが、何も当たりませんでした。
2021年は新型コロナの影響で福豆授与数は例年の半分以下だったそうなので、当選確率は2倍くらいだったはずなんですが・・・。
なお福豆は後日おいしくいただきました。
ところで、300円で100万円以上の景品が当たるとなると、景品表示法との関係が気になるところですが、景品表示法の施行以前から行われている伝統的な祭事については、しゃくし定規な適用はされていないようです。
豪華景品は全て協賛社から提供されたものです。福豆の授与料を原資としていた景品ではないという点も、景品表示法上はポイントになるでしょう。
2023年の例年通りの開催へ
2023年の吉田神社の節分は、コロナ前の例年通りの開催が予定されています。
ただし、各祭事の開催時間は混雑防止のために非公表となっています。
2022年の吉田神社の節分は、2月2日の追儺式(鬼やらい神事)は中止されました。
その他の節分祭事及び境内での出店は例年どおりの予定と告知されていましたが、縮小開催を余儀なくされました。。
2月3日の火炉祭(かろさい)は行われますが、混雑防止のために開催時間は公表されませんでした。
2021年の吉田神社は、新型コロナウイルスの影響により、追儺式や火炉祭りをはじめほとんどの節分行事が中止されました。
通常の参拝や神札の授与と古札類の引き受けのみ可能で、京都でも最大級の露店なども一切出店されませんでした。
当初は節分行事の時間を公表せずに、人が集まるのを避けた状態で開催も検討されていましたが、緊急事態宣言の発令を受けて、中止と決定しました。
室町時代に節分の神事がはじまって以来、中止となるのは2021年がはじめてでした。
公式ホームページ:吉田神社
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② 壬生寺・節分会「壬生狂言&山伏練り歩き」〈下京区〉
2月2日~4日にかけて、いろいろな行事が行われる壬生寺(みぶでら)の節分会(せつぶんえ)。
初日の2月2日に行われるのが山伏練り歩きです。
聖護院の山伏と壬生寺保育園の園児が、元祇園梛神社(もとぎおん なぎじんじゃ)から壬生界隈を練り歩きます。

壬生寺本堂・山伏練り歩き 2019年2月2日 撮影:MKタクシー
本堂にお参りする山伏たち。本堂は1962年に本尊もろとも放火で焼失し、1970年に鉄筋コンクリート製で再建されたものです
背中にぶら下がっている玉は結袈裟(ゆいげさ)と言います。前にも4個あり、6個で六波羅蜜をあらわします。
頭にかぶっているのは頭襟(ときん)と言い、大日如来の宝冠を表しています。
山伏さんたちは聖護院に属する方々です。聖護院といえば、天台寺門宗系の本山修験宗の総本山です。いわば山伏の本場です。

壬生寺・山伏練り歩き 2019年2月2日 撮影:MKタクシー
大賑わいの壬生寺境内から表門を通って山伏に先導された一行が出てきました。
壬生寺保育園の園児たちが後に続きます。
山伏はおじさまがたばかりかと思いきや、結構若い方もいます。

元祇園梛神社・山伏練り歩き 2019年2月2日 撮影:MKタクシー
一行は元祇園梛神社へと到着。
名前のとおり、貞観11年(869年)に播磨から勧請された牛頭天王(ごずてんのう)を祀ったのがはじまりです。次いで京都の八坂神社へと移ったと伝わる神社です
神社ですが、当たり前のようにお経が唱えられます
お参りの最後に一斉に法螺貝が吹き鳴らされます。

山伏練り歩き 2019年2月2日 撮影:MKタクシー
一行は四条通を経由して壬生寺へと戻り、そのまま14時から本堂前で節分の大護摩供養を行います。
京都のメインストリートだけあって、節分でも交通規制は敷かれずに歩道を進みます。
壬生寺の壬生狂言
壬生寺の節分といえば、何といっても有名なのは、壬生狂言です。

壬生 中川喜雲 1658年刊行「京童」 出典:国立国会図書館デジタルコレクション
江戸時代の京都観光ガイドブックである「京童」でも、壬生寺では壬生狂言と思われる挿絵が描かれています。
当時から壬生といえば壬生狂言だったことが見て取れます。
それにしてもアクロバティックな狂言です。

壬生狂言の大行列 2008年2月3日 撮影:MKタクシー
壬生狂言は、例年13時から20時まで1時間おきに上演されます(ただし2022年から当面の間は17時~20時の計4回に)。
立派な観覧席がありますが、入場は無料です。
演目は「節分」。無言劇ですがなんとなく筋はわかります。
クライマックスは「焙烙割り(ほうろくわり)」。

壬生狂言の観覧席 2008年2月3日 撮影:MKタクシー
残念ながら、肝心の壬生狂言観覧席内は撮影禁止です。外からみた観覧席はこんな感じです。
壬生狂言を見るにあたって、注意すべきは寒さです。
節分シーズンの京都の夜に座ったまま1時間近くを吹きっさらしで過ごすことなります。
本当に寒いです。しっかり防寒して節分にお出かけください。

1704年刊行 金屋平右衛門編「宝永花洛細見図」出典:国立国会図書館デジタルコレクション
壬生寺の厄除け焙烙

壬生寺・節分会の焙烙 2019年2月2日 撮影:MKタクシー
節分では、各寺社に厄除けグッズがありますが、壬生寺は焙烙(ほうらく/ほうろく)です。
焙烙とは素焼きの大きな皿状の陶器です。裏面には「大念仏 厄除」と書かれています。
焙烙に名前と性別、数え年、家内安全などを書いて奉納し、厄除けを祈願します。
壬生寺境内だけでなく、周囲の露店でもたくさん並んでいます。

壬生寺・節分会の焙烙 2019年2月2日 撮影:MKタクシー
壬生狂言の「焙烙割り」では、奉納された焙烙が割られます。
3メートルほどの高さから落ちた焙烙は、粉々に割れます。
見た目も音も派手で、壬生狂言のクライマックスです。

壬生寺・節分会の焙烙 2008年2月2日 撮影:MKタクシー
2023年の節分は壬生狂言が概ね例年通り開催
2023年の節分は、概ね例年通り開催されると発表がありました。
2022年は壬生狂言の客席が150席に制限されましたが、2023年は250席開放されます(混雑状況によって制限される可能性あり)。
ただし、上演回数は8回から、17時~20時の4回に半減が継続されています。
上演回数は約50年前から8回行われていましたが、当面の間は感染状況とは関係なく、壬生狂言伝承組織の負担軽減のために4回開催が継続される予定です。
2022年に続いて招福ぜんざい無料接待は2023年も中止となりますが、山伏の大護摩祈祷などは開催されます。
2021年の壬生寺は、新型コロナウイルスの影響により、壬生狂言、稚児行列、招福ぜんざい無料接待など多くの節分行事が中止されました。
節分の壬生狂言は、昭和初期に始まって以来、戦争による中断をのぞくと初めての中止でした。
2023年は概ね例年通りに近い開催ですが、一部は縮小が継続されます。
公式ホームページ:壬生寺
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③ 千本ゑんま堂「大念仏狂言」〈上京区〉
節分に行われる念仏狂言として、壬生寺に次いで有名なのが、千本ゑんま堂の大念仏狂言です。

千本 中川喜雲 1658年刊行「京童」 出典:国立国会図書館デジタルコレクション
壬生寺と同様に、「京童」では千本ゑんま堂でも狂言をおこなっているシーンが挿絵として用いられています。
当時から千本ゑんま堂といえばゑんま堂狂言であったことが見て取れます。

千本ゑんま堂の大念仏狂言 2007年2月3日 撮影:MKタクシー
節分に行われる大念仏狂言は、千本ゑんま堂の本堂がそのまま舞台になります。
狭い本堂は人で溢れかえっています。
屋内なので、同じ節分の念仏狂言でも壬生寺ほどは寒くありません。

千本ゑんま堂の大念仏狂言 2007年2月3日 撮影:MKタクシー
千本ゑんま堂の念仏狂言は、壬生狂言と違ってセリフつきなので筋がよくわかります。
念仏がテーマという点は共通していますが、普通の狂言と同じように観ることができます。

千本ゑんま堂の大念仏狂言 2007年2月3日 撮影:MKタクシー
毎年節分には、鬼にちなんだ演目が上演されます。
ユーモラスで憎めない鬼たちのお話しです。

千本ゑんま堂の大念仏狂言 2007年2月3日 撮影:MKタクシー
大念仏狂言のあとにご住職による法話があり、節分恒例の豆まきがはじまります。
せまい境内に盛大に豆がまかれます。
2023年の節分は例年通り開催
2023年の千本ゑんま堂の節分については、大念仏狂言に人数制限があるものの、例年通り開催と公表されています。
ただし、入場制限は行われます。2月3日の18:30より60席分の整理券が配布されます。
大念仏狂言終了後の豆まきも「エアー豆まき」で実施されます。
豆をまくふりだけで、豆はまかれません。
2022年の千本ゑんま堂の節分は、2021年に続いて新型コロナウイルスの影響により、狂言奉納、豆まきなどの節分行事が中止となりました。
2021年の節分では、大念仏狂言のライブ配信が行われましたが、2022年はライブ配信も行われませんでした。2023年もライブ配信は行われません。
公式ホームページ:千本ゑんま堂 引接寺

1704年刊行 金屋平右衛門編「宝永花洛細見図」出典:国立国会図書館デジタルコレクション
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④ 廬山寺「鬼法楽」〈上京区〉

廬山寺の鬼法楽 2008年2月3日 撮影:MKタクシー
京都の寺町通りにある廬山寺(ろざんじ)で節分に行われる「鬼法楽(おにのほうらく)」は、追儺式の一種です。
京都の寺社各地で行われる追儺式の中でも、寸劇風になっており、京都でも人気の高い節分行事です。
別名「鬼おどり」ともいわれて親しまれている節分行事です。

廬山寺の鬼法楽式の前 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
鬼法楽では、赤鬼、青鬼、黒鬼の三人の鬼が出てきます。
それぞれ仏教において人間の煩悩を表しており、松明と宝剣を持った赤鬼は「貪欲(とんよく)2」で貪欲な心。
青鬼は「瞋(しん)」で怒りや妬み、黒鬼は「痴(ち)」で正しい教えに耳を貸さない愚かさを表しています。

廬山寺の鬼法楽 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
本堂で護摩を修しているところに、三人の鬼が踊りながらあらわれ、修法の邪魔をします。
そこで追儺師が法弓で邪気払いをし、福娘が豆をまいて鬼を追い払うことに成功するという筋書きです。

廬山寺の鬼法楽 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
まずは、3人の鬼が舞台の上で踊りながら暴れまわります。
赤鬼は宝剣、青鬼は大斧、黒鬼は大槌を持ち、しこを踏むようなゆっくりした動きでぐるぐると回ります。

廬山寺の鬼法楽 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
赤鬼は右手の宝剣に加えて、左手には松明を持ちます。
炎で焼けてしまわないか心配になります。

廬山寺の鬼法楽 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
そこに法弓を持った追儺師があらわれ、東西南北と中央に向かって、5回法矢を放ちます。
追儺師によって邪気払いされた鬼たちは力を失い、舞台から逃げていきます。
これで、節分を前に赤鬼・青鬼・黒鬼が示す貪欲、瞋恚、愚痴の三毒を払います。

廬山寺の豆まき 2008年2月3日 撮影:MKタクシー
追儺式が終わると、節分恒例の豆まきが始まります。
普通の豆ではなく、蓬莱豆という砂糖でコーティングした豆です。
福娘らだけでなく、鬼も再びあらわれて豆まきを盛り上げてくれます。

廬山寺の鬼法楽 2008年2月3日 撮影:MKタクシー
2023年の節分は例年通り開催
2023年の廬山寺の節分は、例年通り開催と発表されています。
2022年も鬼法楽などの節分行事は感染防止対策を取った上で開催されました。
2021年の廬山寺は、鬼法楽などの節分行事が中止され、2月2日に関係者のみによる護摩供のみ節分行事として執り行われました。
公式ホームページ:天台圓淨宗 廬山寺公式HP
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⑤ 千本釈迦堂「鬼追いの儀」〈上京区〉

千本釈迦堂・おかめ福節分会の鬼追いの儀 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
おかめさんが主人公の節分会
千本釈迦堂として知られる大報恩寺では、節分の2月3日に「おかめ福節分会」が開催されます。
おかめ福とは、千本釈迦堂に伝わる「阿亀(おかめ)」伝説にちなんだ節分会です。
洛中最古の建造物として知られる千本釈迦堂の本堂建築時に、棟梁を務めた大工が4本の柱のうち1本を誤って短く切ってしまいました。

千本釈迦堂・おかめ福節分会の舞踊奉納 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
あってはならないミスにピンチに陥った棟梁を救ったのが、妻の阿亀(おかめ)でした。
「4本の柱すべてを短く切り、桝組をつけて高さを補えば」という妻の助言で事なきを得ました。
しかし、妻の助言でピンチを切り抜けたとあっては夫の名誉が損なわれると考えた阿亀は、上棟式を前に自ら命を断ってしまいました。
現代からすると理解しがたい部分もありますが、800年前はそういう時代だったのです。
おかめ節分会では、最初に上七軒の舞妓さんによる舞踊が奉納されます。
あでやかで見事な舞です。

千本釈迦堂・おかめ福節分会 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
次におかめ塚の前での法要が行われます。
このあと鬼追いの儀に登場する、おかめ、鬼、山伏、狂言師たちが本堂前の群衆の前を通り、おかめ塚へと向かいます。
鬼たちはそれぞれに表情が異なります。

千本釈迦堂・おかめ福節分会 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
おかめを祀ったおかめ塚の前で、読経などが行われます。
おかめ像には、服が着せられた傘もかけられています。
大工さんの木遣音頭奉納

千本釈迦堂・おかめ福節分会の木遣音頭 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
おかめ塚での法要が終わると、本堂で木遣音頭(きやりおんど)が奉納されます。
木遣音頭とは、京都市内の建築業者による番匠保存会で継承されてきた京都市登録無形民俗文化財です。
大工仕事の労働歌として伝承されてきました。
おかめ伝説にちなんで、千本釈迦堂では節分と、1月2日の釿始め(ちょうなはじめ)で披露されます。

千本釈迦堂・おかめ福節分会の鬼追いの儀 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
木遣音頭に続いて、30分ほど般若心経などを唱える法要が本堂内で行われます。
待っている間は正直寒いです。
思わぬストーリーの鬼追いの儀
法要が終わると、いよいよ鬼追いの儀です。
千本釈迦堂の鬼追いの儀は、お豆腐狂言としてしられる茂山千五郎家によるの奉納です。
出演するのは、茂山七五三(しめ)の長男の茂山宗彦さんらです。

千本釈迦堂・おかめ福節分会の鬼追いの儀 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
本堂内にあらわれた鬼たちが暴れまわるところに、狂言師たちが登場。
鬼に豆を投げつけてやっつけようとします。
豆の威力の前に、鬼たちはやられてしまいそうです。

千本釈迦堂・おかめ福節分会の鬼追いの儀 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
ところが、ここから鬼たちの逆襲が始まります。
豆に慣れてきたのか、豆を投げつけられても退散しません。逆に狂言師を追い詰めていきます。
そして、ついに豆もなくなり鬼たち狂言師に勝ってしまうという、思わぬ展開に…。
境内の参詣者たちも盛り上げります。

千本釈迦堂・おかめ福節分会の鬼追いの儀 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
そこにあらわれたのが、おかめさん。
おかめさんのあまりの美しさの前に、鬼たちも腰砕けになります。
「へなへなへな」という擬音に境内は爆笑に包まれます。
あっという間に場をかっさらったおかめさん。

千本釈迦堂・おかめ福節分会の鬼追いの儀 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
豆にも負けなかった鬼たちもおかめさんの前では、あっという間に改心します。
力と力の対決では決して負けなかった鬼も、おかめさんの慈愛の力にかかるとこのとおり。
鬼を豆で退治するという単純なストーリーとは違って、とても納得感を得られる感じられる筋書きです。
おかめさんの偉大さを伝えるのに、ぴったりです。

千本釈迦堂・おかめ福節分会の豆まき 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
茂山千五郎家の奉納だけあって、細部の動きもコミカルで笑い声の絶えない鬼追いの儀でした。
鬼追いの儀が終わると、最後は豆まきです。、
上七軒の舞妓さんや鬼追いの儀の出演者、大工さん、年男年女の関係者らが本堂にずらりとならんで豆をまきます。

千本釈迦堂・おかめ福節分会の豆まき 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
千本釈迦堂でまかれるのは、袋に入った福豆と殻付きのピーナッツです。
普通の豆まきでは大豆をまきますが、裸でまいた豆は食べられません。そのため袋に入った豆をまくのが主流です。
袋入りの豆だとどうしてもありがたみに欠ける感がありますが、ピーナッツであれば大豆同様のありがたみがあります。
しかも、殻付きのピーナッツであれば地面に落ちても食べられます。

千本釈迦堂・おかめ福節分会の福豆 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
今回は福豆争奪戦には参加しませんでしたが、別途境内で配布されていた福豆をいただきました。
2023年の節分は例年通り開催
2023年の節分行事は、例年通り開催されました。
⑥ 北野天満宮「北野追儺狂言」〈上京区〉
北野天満宮用の演目の追儺狂言

北野天満宮の北野追儺狂言 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
北野天満宮の節分では、茂山千五郎家による「北野追儺(ついな)狂言」が奉納されます。
北野天満宮の摂社のひとつである福部社の神様を題材とした、「福部の神」という演目を一部北野天満宮用に改作した狂言が行われます。
演ずるのは、14世茂山千五郎の弟である茂山茂さんです。

北野天満宮の北野追儺狂言 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
北野天満宮を訪れた参拝客の輪の中に、鬼があらわれます。
鬼が暴れまわっているところで、お多福の面をつけた福部の神があらわれ、北野天満宮の由緒を語ります。
鬼が神様にひれ伏して弱ったところに、参拝者たちが豆を投げつけて鬼が退散するという筋書きです。

北野天満宮の北野追儺狂言 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
節分には、北野天満宮から東へ500mほど離れた千本釈迦堂でも茂山千五郎家による狂言奉納が行われます。
北野天満宮の狂言奉納から2時間ほどあとなので、どちらも同じ日に見ることができます。
2023年は、北野天満宮は茂山茂さん、千本釈迦堂はいとこの茂山宗彦さんの出演でした。

上七軒の舞妓の日本舞踊 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
続いて、上七軒の舞妓さんの日本舞踊が奉納されます。
北野天満宮の門前町の花街である上七軒は、北野天満宮と強い結びつきがあります。
2月25日の梅花祭の野点大茶湯も上七軒の芸舞妓さんたちの担当です。
舞妓さんや狂言師らによる豆まき

上七軒の舞妓らによる豆まき 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
最後に、豆まきが行われます。
北野追儺狂言を奉納した茂山千五郎家一同や、日本舞踊を奉納した舞妓さんらが参拝者に向かって豆をまきます。

上七軒の舞妓らによる豆まき 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
舞妓さんたちは、最初のうちは遠慮しながら豆をまきます。
しかし、それでは近くの人にしか届かないので、次第に遠くまで届くようにまいてくれます。
北野天満宮の境内では、すでに早咲きの梅は見頃を迎えています。
梅の香りがただよう境内で北野追儺狂言は行われます。

北野天満宮の豆まき 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
2023年の北野追儺狂言は例年通り開催
2023年の節分行事は、予定通り開催されました。
公式ホームページ:北野天満宮
⑦ 平安神宮「大儺の儀」〈左京区〉

平安神宮・節分会の大儺の儀 2008年2月3日 撮影:MKタクシー
平安神宮の大儺の儀(だいなんのぎ)は、平安宮中で行われていたという儀式を再現したものです。厳密な時代考証を経て1974年に復活しました。
仮面をかぶっているのは、方相氏という古代中国で鬼を払うという異形の神様です。目が4つあります。
今は神道・仏教行事として行われる節分ですが、本来は神道とも仏教とも直接関係はありませんでした。

平安神宮・節分会の大儺の儀 2008年2月3日 撮影:MKタクシー
子どもの衣装にいたるまで、厳密な時代考証で復元されています。
平安神宮は1895年創建なので、古くから連綿と続いてきた儀式というわけではありません。
時代祭と同じく節分の大儺の儀にも時代考証には力が入っています。

平安神宮・節分会の大儺の儀 2008年2月3日 撮影:MKタクシー
もとは鬼を追い払う側であった方相氏ですが、次第に追い払われる側へと変わっていきました。
矢を放ち、桃の枝を振ることで邪を追い払います。

平安神宮・節分会の大儺の儀 2008年2月3日 撮影:MKタクシー
2023年の節分は例年通り開催予定
2023年の節分は、例年通り開催予定です。
2022年は、関係者のみ参列の神事だけが開催されました。
2021年の平安神宮は、大儺の儀などの節分行事が中止されました。
2月2日の火焚き神事のみ節分行事として執り行われる予定でしたが、強風のために翌日に延期されました。

平安神宮の節分 2021年2月2日 撮影:MKタクシー
公式ホームページ:[公式]Heian Jingu Shrine 平安神宮 | 京都 平安神宮の参拝情報と神前結婚式・七五三など各種ご祈祷、名勝神苑のご紹介
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⑧ 聖護院「追儺式」〈左京区〉

聖護院・節分会の甘酒無料接待 2008年2月3日 撮影:MKタクシー
聖護院では、節分の2月2日と3日には、通常非公開(要予約)の宸殿(しんでん)が特別公開されます。
甘酒の無料接待も行われます。

聖護院・節分会の追儺式 2007年2月3日 撮影:MKタクシー
壬生寺で節分前日に行われる「山伏練り歩き」にも聖護院の山伏が登場しました。
節分当日には、聖護院の追儺式に登場します。
法螺貝の勇壮な音を響き渡らせながら、山伏が登場してきました。
これから追儺式のはじまりです。
聖護院といえば、天台宗系の修験道である本山修験宗の総本山です。

聖護院・節分会の追儺式 2007年2月3日 撮影:MKタクシー
聖護院の宸殿(しんでん)内を暴れまわる赤・黄・青の鬼たち。
暴れてはいるのですが、なかなかコミカルな動きです。

聖護院・節分会の追儺式 2008年2月3日 撮影:MKタクシー
年男、福女と山伏が、豆をまいて鬼たちを攻撃します。
豆を受けて次第に鬼たちの動きが鈍くなってきますが、鬼もしぶとく抵抗します。

聖護院・節分会の追儺式 2008年2月3日 撮影:MKタクシー
最後は不動明王の力を借りた山伏の登場です。
山伏の法力によって、鬼たちついに調伏させられてしまいました。

聖護院・節分会の豆まき 2007年2月3日 撮影:MKタクシー
追儺式が終わると、山伏、年男、福女による節分恒例の豆まきです。
ここでも大争奪戦が勃発。
上に手を伸ばす人、地面に落ちたのを拾う人・・・。

聖護院・節分会の豆まきの鬼さん 2007年2月3日 撮影:MKタクシー
よく見ると、先ほど退治されて追い出された鬼さんも豆をまいています。
山伏さんの法力により、鬼たちも改心したのです。
ちゃんと豆まきができる構造の手になっています。
なお、聖護院での豆まきの掛け声は「福は内」だけです。「鬼は外」は言いません。
鬼も一緒になって豆まきしているのだから当たり前ですね。
改心した鬼を追い払う必要なんてありません。
むしろ悪から転じた善のほうが、より強いご利益がありそうです。

聖護院・節分会 2021年2月1日 撮影:MKタクシー
なお、節分期間中は、鬼さんたちが境内あちこちに出没します。
記念撮影にも快く応じてくれるやさしい鬼さんです。
山伏による採燈大護摩供

聖護院・節分会の採燈大護摩供 2021年2月2日 撮影:MKタクシー
豆まきのあとには、山伏たちによる採燈大護摩供が行われます。
点火前に、東西南北の四方に加えて東北の鬼門方面に弓が放たれます。
放たれた矢を運よくゲットできたら、強力な厄除けグッズになるそうです。

聖護院・節分会の採燈大護摩供 2021年2月2日 撮影:MKタクシー
続いて、剣や斧を用いた儀式が次々と行われます。

聖護院・節分会の採燈大護摩供 2021年2月2日 撮影:MKタクシー
2023年の節分は例年通り開催予定
2023年の節分行事は、例年通り開催予定です。
2022年は、縮小開催されました。
2021年の聖護院は、新型コロナウイルスの影響により、福豆まきなどの節分行事が中止されました。
2月2日の追儺式と採燈大護摩供は節分行事として執り行われました。
ただし、2021年の追儺式の登場した鬼たちはとてもおとなしい鬼でした。
いつもは堂内で大暴れしますが、山伏さんたちの後ろをおとなしくついて歩くだけでした。

聖護院・節分会の追儺式 2021年2月2日 撮影:MKタクシー
公式ホームページ:本山修験宗総本山 聖護院門跡
⑨ 須賀神社「懸想文売り」〈左京区〉

須賀神社の懸想文売り 2008年2月3日 撮影:MKタクシー
聖護院の向かい側の須賀(すが)神社では、節分になると懸想文(けそうぶみ)売りが現れます。
2月2日と3日に何度も出てきてくれる烏帽子、水干の衣装に覆面の怪しげな格好の懸想文売りです。
縁結びのお守りを授けてくれます。

須賀神社の懸想文売り 2008年2月3日 撮影:MKタクシー
懸想文というと今でいうラブレターで、ラブレター代筆の専門家が懸想文売りでした。
教養はあってもお金がない京都の貧乏公家がアルバイトとして行っていたため、素性を隠すため覆面をかぶっているのです。

須賀神社の懸想文売り 2021年2月1日 撮影:MKタクシー
2023年の節分は縮小開催
2023年の節分は、追儺招福豆まきが中止と発表されています。
2021年・2022年と須賀神社は、新型コロナウイルスの影響により、追儺招福豆まきなどの節分行事が中止されました。
懸想文の販売は例年通り行われました。
⑩ 下鴨神社「追儺弓神事」〈左京区〉
京都最古の神社のひとつ、世界遺産 下鴨神社でも節分祭が開催されます。
下鴨神社の節分祭は朝10:00から本殿で節分祭、11:00から南鳥居付近で古神札焼納式、12:30から舞殿で追儀弓神事、13:30から福豆・福餅撒き、14:00から南鳥居付近で御真木神事が行われます。

古神札焼納式の様子 2008年2月3日 撮影:MKタクシー
下鴨神社の節分祭でもっと盛り上がりを見せるのは、追儺弓神事と福豆・福餅撒きです。
追儺弓とは平安時代の宮中行事として節分に行われていたもので、病気や災害などの厄を鬼に例えて祓う行事です。
弓矢を放った際に出る弦の音は邪気を祓う効果があるとされています。

追儺弓神事の直前は静寂に包まれる。2018年2月3日 撮影:MKタクシー
追儺弓神事に参加するのは地元、京都の大学の弓道部に所属する学生です。
普段とは違い装束で弓を引くので緊張した様子。

追儺弓神事の様子 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
いざ追儺弓神事が始まると舞殿のの東西から交互に鬼を模した的に向かって矢が放たれます。
見事的中した際にはどよめきと拍手が起こります。
間近で矢が放たれるのを見れるのはあまりないので貴重な体験です。

見事に邪気は祓われた。2018年2月3日 撮影:MKタクシー
見事にすべての的に的中すると観客からは大きな拍手が起こります。
的の破片は厄除けになるそうです。
追儺弓神事の後には、福豆・福餅撒きが行われます。豆だけではなく、餅も撒かれます。
毎年、京都タワーのマスコットキャラクターたわわちゃんがかみしも姿で年男、年女の皆さんと共に豆、餅を撒きます。
2023年の節分祭は予定通り開催
2023年の下鴨神社の節分祭は例年通り開催されることが公式ホームページで発表されています。
世界遺産の神社で開催される節分祭に訪れてみてはいかがでしょうか。
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⑪ 八坂神社「豆まき」〈東山区〉
京都最大のお祭りである祇園祭りが行われる八坂神社では、節分に本殿前の舞殿から雅楽会や京都の芸舞妓さんらが節分恒例の豆まきを行います。

八坂神社の舞楽奉納 2019年2月2日 撮影:MKタクシー
2月2日は、13時に先斗町歌舞会、14時に弥栄雅楽会、15時に宮川町歌舞会、16時の商店会と4回の豆まきが行われます。
豆まきは2月3日のみが多い中、2月2日にも開催してくれるのはありがたいことです。
豆まきに先立ち、弥栄雅楽会による舞楽が奉納されます。

八坂神社の豆まき 2019年2月2日 撮影:MKタクシー
奉納が終わると間髪入れずに弥栄雅楽会の方々による豆まき始まります。
紙に包まれた豆が一斉にまかれます。
特に掛け声もなく、めいめいのペースで豆がどんどんまかれます。

八坂神社の豆まき 2019年2月2日 撮影:MKタクシー
それにしてもすごい手の上がり方です。
撒く方々も、近くだけではなく遠くにもバランスよく撒くよう配慮されています。
豆まきがはじまってわずか1分ほどで、順次豆がなくなり、終了します。
2023年の節分は例年通り開催予定
2023年の節分行事は、例年通り開催予定です。
2022年の八坂神社節分は、2021年に続いて2年連続で舞台奉納・豆まきが中止となりました。
関係者で神事のみ開催されました。
公式ホームページ:八坂神社
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⑫ 六波羅蜜寺「追儺式」〈東山区〉

六波羅蜜寺の豆まき 2008年2月3日 撮影:MKタクシー
六波羅蜜寺では、節分に宮川町の芸舞妓らによる節分恒例の福豆まきが行われます。
京都の節分行事では、だいたい追儺式→豆まきという流れですが、六波羅蜜寺では豆まきが先です。珍しいですね。

六波羅蜜寺の豆まき 2007年2月3日 撮影:MKタクシー
華麗な衣装をまとったのは、六波羅蜜寺からも近い宮川町の芸妓舞妓さん。
年男年女たちとともに豆をまきます。芸妓さんは豆のまき方もお上品です。

六波羅蜜寺の追儺式 2007年2月3日 撮影:MKタクシー
豆まきに続いて、六斎念仏による追儺式が行われます。
中堂寺六斎念仏講による奉納です。

六波羅蜜寺の追儺式 2007年2月3日 撮影:MKタクシー
六波羅蜜寺の節分に行われる追儺式で退治されるのは、鬼ではなく「土蜘蛛」です。見た目は鬼と変わりません。
この白い糸は土蜘蛛が吐く糸です。
本堂で暴れまわる土蜘蛛に対し、僧侶が五色の豆を投げつけて戦います。
続けて念仏を唱えながらあらわれた中堂寺六斎念仏の力で土蜘蛛を追いやります。

六波羅蜜寺の追儺式 2007年2月3日 撮影:MKタクシー
土蜘蛛退治のあとに、もう一度豆まきが行われます。
今度の豆まきは、六斎念仏でも登場していた子どもたちによるものです。
2023年の節分は例年通り開催予定
2023年の節分行事は、例年通り開催予定です。
2022年は、新型コロナウイルスの影響により、2年連続で福豆撒きなどの節分行事が中止されました。
星まつり特別祈祷会、節分会特別祈願会のみ執り行われました。
公式ホームページ:六波羅蜜寺
⑬ 智積院「節分会」〈東山区〉

智積院の節分会 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
智積院の節分会は、金堂の南側にある明王殿で行われます。
節分会が行われる明王殿は、かつての大雲院の本堂を移築した建物です。大雲院は祇園閣で知られるお寺です。
大雲院が今の京都高島屋の位置から円山公園の南側に移転する際、智積院が譲り受けました。
当初は今の講堂の位置にありましたが、1992年に現在地へと再度移築されました。
今は不動明王をお祀りしているお堂です。

梅が咲く智積院境内 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
智積院の境内では、ちょうど梅が咲き始めています。
例年節分の時期には、参道の各所で紅梅や白梅が開花しています。
智積院の節分会は、11時から明王殿の堂内で始まります。
堂内は撮影できないので、節分会の写真はありません。
明王殿内には、すでに十数人の若い僧侶がそろっており、節分会に訪れた参拝者は50名程度(新型コロナの影響がなければ参拝者はもう少し多いでしょう)。
11時になると、智積院の住職にあたる化主(けしゅ)の布施浄慧猊下(げいか)を先頭、に十人程度の高僧が入堂され、節分会が始まります。
般若心経が繰り返し読経されるなか、奉納者の名前が次々と読み上げられます。
読経は若い僧侶が中心で、張りのある気持ちのよい重低音が明王殿内に響き渡ります。
あわせリズミカルに太鼓がたたかれます。読経と太鼓の音によって、堂内は荘厳で神秘的な空気になります。
名前の読み上げが終わると、護摩木に点火され、護摩行がはじまります。
堂内ということもあり、炎はあまりあがりません。

智積院・節分会で授与された福豆とお守り 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
節分会の儀式は40分ほどで終わり、追儺式に。
追儺式といっても、智積院の節分会では、護摩壇のあたりで化主によってぱっと豆が撒かれるだけで終了です。
鬼の登場もなく、あちこちで豆が撒かれるわけでもありません。形式的な追儺式です。
続いて、明王殿内で豆まきが行われます。
内陣の十数人の高僧に大きな木の枡に入った豆が配られ、外陣にいる参拝客に向かって豆がまかれます。
例年は僧侶だけでなく、年男・年女も加わります。
掛け声は「福は内」だけです。「鬼は外」はありません。
例年であれば、撒かれた豆を参拝者が持ち帰るのですが、2022年は感染症防止対策のため、豆の持ち帰りは許されません。

智積院・節分会の福豆授与 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
豆まきのあとは、化主からの法話が行われます。
2022年の節分会では、歳時記に掲載された節分の俳句を題材にしたお話しでした。
法話といっても、難しいお話しではなく、とてもわかりやすい内容でした。
11時から始まった節分会は、11:45には終了しました。
明王殿から出たところで、福豆とお守り、お菓子が授与されます。
例年は堂内で配布されるようです。

智積院・節分会のお菓子 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
いただいたお菓子の中身はこんな感じでした。
ちょうど地蔵盆のお菓子と同じ感じです。
節分会中の明王殿は、開け放たれています。
おそらく感染症防止対策として、保温よりも換気を優先しているのでしょう。
お昼とはいえ、じっと座っているところに風が吹き込むとかなり寒いです。
靴は脱いでいるので、特に足元はかなり冷え込みます。
防寒対策はじゅうぶんしておきましょう。
2023年の節分は例年どおり
2023年の智積院の節分は、例年通り開催予定です。
2022年は、新型コロナウイルスの影響を受けながらも、概ね例年通り執り行われました。
公式ホームページ:真言宗智山派 総本山智積院
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⑭ 法住寺「追儺式」〈東山区〉

法住寺・節分会 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
法住寺では、節分会として鬼法楽、豆まき、採灯大護摩供が行われます。
山門前の看板には、とてもかわいらしい鬼の絵がかかれています。
法住寺では行事の前になるといつもこのサイズの看板が出るのですが、いつも力作です。
いったい誰が書いているのでしょうか。
山門内の中は、鼻の高い天狗さんが見えています。
2022年はありませんが、例年は笹酒を振舞ってくれます。

法住寺・節分会の鬼法楽 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
13:30から、法住寺の節分会が始まります。
鬼法楽は、本堂前に作られた護摩壇の周囲で行われます。
赤、青(緑)、黒の三人の鬼があらわれます。山伏の吹き鳴らすほら貝と太鼓の音にあわせて暴れまわります。

法住寺・節分会の鬼法楽 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
音にあわせて動くので、暴れているというよりは踊っているように見えます。
お顔も良く見たらユーモラスで、ちょっとかわいい鬼たちです。

法住寺・節分会の豆まき 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
続いて、豆まきに。
住職と山伏、そして舞妓さんが豆を撒いて鬼たちを退治します。
みんなで声をそろえて「鬼は~外ぉ、福は~内ぃ」と唱和します。
鬼たちのやられっぷりもなかなか見事です。

法住寺・節分会の豆まき 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
舞妓さんは先斗町の本物の舞妓さんです。
最初は遠慮勝ちに豆を撒いていましたが、途中からはとても笑顔で楽しそうに豆を撒きます。
2022年は中止されましたが、例年は舞妓さんたちが丸めた餅を使ったぜんざいが振舞われます。

法住寺・節分会の採灯大護摩供 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
豆まきに続いて、採灯大護摩供が行われます。
まず、東西南北の四方と上、鬼門の東北が弓矢で清められます。
法住寺は天台宗なので、聖護院の山伏さんです。

法住寺・節分会の採灯大護摩供 2022年2月3日 撮影:MKタクシー
護摩壇に点火され、大護摩供が始まります。
あっという間にもくもくとすごい煙がわき立ちます。
周りには住宅も多くありますが、きっと慣れっこなのでしょう。でなければ大騒ぎになります。
護摩供のあと、福豆授与が行われます。
2023年の節分は一部縮小開催予定
2023年の法住寺の節分は、舞妓による小餅まるめは中止されますが、主要行事に加えて天狗による笹酒の振舞、ぜんざいのお供養などが開催されます。
2022年は、天狗による笹酒の振舞、舞妓さんによる小餅まるめ、ぜんざいのお供養は行われませんでした。
しかし、鬼法楽、豆まき、大護摩供と主たる行事は予定どおり執り行われました。
公式ホームページ:後白河法皇御所聖跡 天台宗 法住寺
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⑮ 藤森神社「追儺式」〈伏見区〉

藤森神社の藤森太鼓 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
勇壮な藤森太鼓
京都・洛南の藤森神社では、節分に18時から1時間にわたって地元の藤森太鼓保存会による太鼓の奉納が行われます。
全6曲が披露されますが、全員女性で演奏される曲もあります。
前列の演奏者の姿勢を見てください。どれだけ腹筋を鍛えているのでしょうか。前列も全て女性で驚きです。
この迫力の太鼓奉納だけでも見に行く価値はじゅうぶんあります。

藤森神社の巫女舞 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
優雅な巫女舞と童舞
続いて、藤森雅楽会の皆さんによる、雅楽と舞楽の奉納が行われます。
まず雅楽の演奏が行われ、続いて女性4名による巫女舞の「豊栄の舞」が奉納されます。
榊を手にした巫女たちが、優雅に舞います。

藤森神社の迦陵頻 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
続いて子供たちによる童舞である迦陵頻(かりょうびん)が回れます。
仏教の想像上の霊鳥である迦陵頻伽(かりょうびんが)に由来する舞です。
背中に羽をつけた子供たちがかわいらしく舞います。

藤森神社の追儺式 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
そしていよいよ追儺式。
藤森神社では、音響あり照明ありスモークありと演出が盛りだくさんです。
ちょっとした演劇のように盛り上がります。
まず社務所から拝殿へと続く花道からあらわれた、黄色と紫の鬼。

藤森神社の追儺式 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
拝殿の上で暴れまわる鬼に対して、先ほど迦陵頻を舞った4人が立ち向かいます。
鬼に向かって次々と豆を投げつけます。
2人1組となって、黄色と紫の鬼と戦います。

藤森神社の追儺式 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
ついに力尽きた鬼は倒れてしまいます。
まず、2人の鬼は拝殿から退散していきます。
これで終わりかと思いきや、まだ続きがあります。

藤森神社の追儺式 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
先ほどよりひときわ大きな効果音にあわせて、社務所から赤と緑の鬼がやってきます。
さきほどの鬼たちは子鬼で、赤と緑の鬼が親鬼という設定です。
子どもたちがやられて怒り狂った親鬼が派手なパフォーマンスとともに拝殿へとやってきます。

藤森神社の追儺式 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
拝殿では、金棒や剣を持った鬼たちが大暴れ。
ついに神様がいらっしゃる本殿へ向けて暴れだします。

藤森神社の追儺式 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
そこに立ちふさがるのが、先ほど巫女舞を舞った4人の女性です。
弓矢を手にした巫女たちが矢を放ちます。
決して戦いの専門家ではない巫女さんたちは、矢を外してしまうことも多いそうですが、2023年は見事一発で命中。
しかし、親鬼はまだしぶとく暴れまわります。

藤森神社の追儺式 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
続いても武器は、蜘蛛の糸です。
蜘蛛の糸でがんじがらめにされた鬼たちはようやく降参。
ついに拝殿から退散していきます。
抽選券付きの豆まき

藤森神社の豆まき 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
そして最後に節分恒例の豆まき。
2023年の場合は、追儺式の前後の2回豆まきが行われました。
この豆には、抽選券がついており、何とテレビなどもあたります。
特に3年ぶりに開催された2023年は、例年の2倍を超える300件超の賞品があたるとあって、例年以上の盛り上がりを見せました。
「藤森神社史上最大規模」とアナウンスされ大盛り上がり。

藤森神社の豆まき 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
小袋に入った豆に当選番号が張り付けられていたら当選です。
すごい争奪戦が繰り広げられます。
あちこちから「当たった」という喜びの声も聞こえてきました。
追儺式等の見物目当ての人よりも、豆まき目当ての地元の人々の方が多かったでしょう。
一年で最も寒い時期の夜ですが、藤森神社は大賑わいを見せました。

藤森神社の甘酒接待 2023年2月3日 撮影:MKタクシー
寒さ対策といったら忘れてはならないのは、甘酒接待です。
本格的な麹で作られた甘酒を無料で接待いただけます。
あったかくしょうがも入った甘酒で身も心もあったまります。
もちろん、無料とはいっても最低限の志納金はお忘れなく。

藤森神社の節分神事 2021年2月2日 撮影:MKタクシー
追儺式が始まるまでは、じっと待つことになりますが、とにかく寒いです。
防寒対策はくれぐれも万全に。
2023年の節分は例年通り開催
2023年の藤森神社の節分は、例年通り開催されました。
2022年は、2年連続で新型コロナウイルスの影響により、藤森太鼓奉納、雅楽・舞楽奉納、追儺式福豆撒き、甘酒の無料接待などの節分行事が中止されました。
2月3日の節分祭神事のみ執り行われました。

藤森神社の節分神事 2021年2月2日 撮影:MKタクシー
公式ホームページ:藤森神社
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⑯ 城南宮「節分祭」〈伏見区〉

城南宮の弓矢の儀 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
京都の節分行事は、どちらかというと夜に開催される行事が多いのですが、城南宮では朝早く9時から節分祭がはじまります。
本殿内で神事を終えたあと、神楽殿で鬼門と裏鬼門に向けて矢を放ち厄を払う「弓矢の儀」が行われます。

城南宮の豆まきの儀 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
続いて豆をまいて鬼を追い払う節分恒例の「豆まきの儀」。
神職の3人が、実に典雅な動きで豆をまきます。
豆をつぶのまま撒くので、拾って食べるわけにはいきません。

城南宮の福豆授与 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
福豆は別途授与されます。
イベント感は少なく、古式ゆかしい神事としての節分行事を感じることができます。

城南宮の豆まきの儀 2021年2月2日 撮影:MKタクシー
2023年の節分は例年通り開催予定
2023年の節分行事は、例年通り開催予定です。
2021~2022年の城南宮では、例年より規模は小さめですが、弓矢の儀と豆まきが行われました。

城南宮の弓矢の儀 2021年2月2日 撮影:MKタクシー
公式ホームページ:城南宮 | 京都の南、方除け ・厄除けの祈祷、車のお祓いの神社。巫女が神楽を舞い、庭園は花と紅葉の名所です
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⑰ 金札宮「追儺式巡行」〈伏見区〉

金札宮の追儺式巡行 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
伏見区役所の北側にある小さな神社である金札宮(きんさつぐう)の節分行事です。
京都新聞の「京滋の節分ガイド」にも掲載されていない、地域密着の行事です。
小さな神社だけあってこじんまりとした人数で追儺式巡行が行われます。
赤鬼、青鬼を先頭にいよいよ出発。
集まった近所の小さな子どもたちは鬼の姿を見て本気で泣き叫び、阿鼻叫喚です。

金札宮の追儺式巡行 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
この巡行の主役は、最後尾のえびすさん。右手に釣竿、左手に鯛を持って出発です。
後ろにこっそり写っている謎の着ぐるみは、京都・伏見の非公認キャラクター底冷雪子さんです。
呼ばれて来たわけではないみたいです。

金札宮の追儺式巡行 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
沿道にいる子どもたちを鬼たちが脅かし、後ろにいるえびすさんが福を授けてフォローするという流れです。
氏子区域をぐるっと巡行します。獅子舞みたいな感じです。

金札宮の追儺式巡行 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
そして、その列の真ん中にしれっと底冷雪子さん。ほほえましいですね。
観光客が訪れるような行事ではなく、地域に根付いた節分行事です。
2023年の節分は追儺式が中止
2023年の金札宮は、新型コロナウイルスの影響により、追儺式などの節分行事が3年連続で中止となります。
公式ホームページ:京都伏見・金札宮
⑱ 松尾大社「石見神楽奉納」〈西京区〉
松尾大社の節分大祭では、石見神楽(いわみかぐら)が奉納されます。
本殿での神事に先立ち、拝殿で石見神楽が演じられます。
石見神楽は、石見地方に伝わる神楽の一種で、演劇のような演出で人気です。

松尾大社の石見神楽「塵輪」奉納 2020年2月3日 撮影:MKタクシー
様々な演目がありますが、特に出雲神話に取材した演目が人気です。
出雲神話の主人公である素戔嗚尊(スサノヲノミコト)が、松尾大社のご祭神である大山咋神(オオヤマグイノカミ)の祖父神であるという縁で法能されています。
松尾大社の石見神楽は、島根県種楽保存会によるものです。

松尾大社の石見神楽奉納 2020年2月3日 撮影:MKタクシー
午前10時から2時間にわたって、4つの演目が奉納されますが、最後を飾る「大蛇(おろち)」が最大の見せ場です。
素戔嗚尊が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治するというお馴染みのストーリーです。
壮大なスケールと、まるで生きているかのような大蛇の動きに注目です。

松尾大社の石見神楽「道反し」奉納 2020年2月3日 撮影:MKタクシー
午後から本殿で節分祭の神事が行われ、追儺行事や豆まきが開催されます。
拝殿で舞う鬼たちを宮司が弓を鳴らして退治する「鳴弦破魔弓神事」が催されます。
最後に、年男年女による豆まきが行われます。

松尾大社の節分大祭 2020年2月3日 撮影:MKタクシー
2023年の節分は例年通り開催
2023年の金札宮は、3年ぶりに例年通りの規模で節分行事を開催予定です。
公式ホームページ:松尾大社 – MATSUNOO TAISHA
⑲ 石清水八幡宮「鬼やらい神事」〈八幡市〉

石清水八幡宮の鬼やらい神事 2023年1月29日 撮影:MKタクシー
石清水八幡宮の節分行事は、2月3日の節分当日ではなく節分前の日曜日に開催されます。
他の節分行事と日がかぶらない日曜日に行われるため、毎年多くの参拝者が集まります。
2023年は1月29日(日)と1月中に「鬼やらい神事」が開催されました。

鬼やらい神事の桃弓 2023年1月29日 撮影:MKタクシー
石清水八幡宮の鬼やらい神事は、古式が残る節分行事です。
まず本殿前に「鬼やらい人」があらわれ、邪気を払う力を持つ桃の枝でできた桃弓を掛け声とともに四方と恵方(2023年は南南東)に放ちます。
実際に矢を放つのではなく、放つ動作をして弦を鳴らします。
続いて、桃の枝で作られた桃剣で「鬼やろう」の掛け声とともに、四方と恵方を打って厄を払い、場を清めます。

鬼やらい神事の桃剣 2023年1月29日 撮影:MKタクシー
桃弓と桃剣の儀式が終わると、本殿前に4人の鬼があらわれます。赤と緑が2人ずつです。
暴れまわれる鬼たちに、泣き叫ぶこどもの声も聞こえてきます。
鬼も子どもを見つけると寄ってきて脅かしてくれます。日曜日ということもあり、子どもの姿も多い節分行事です。

石清水八幡宮の鬼やらい神事 2023年1月29日 撮影:MKタクシー
鬼たちがいよいよ本殿へ向かうと、そこに年男・年女たちを含めた約20人が立ちふさがります。
「鬼やろう」の掛け声とともに、一斉に福豆がまかれ、鬼たちは退散します。
本殿前の坂を転げおちるような鬼たちのやられっぷりにも拍手が出ます。

石清水八幡宮の鬼やらい神事 2023年1月29日 撮影:MKタクシー
やられてもやられても鬼たちは何度も立ち向かっていきます。
しかし、そのたびに豆をまかれて転げ落ちます。
ついつい鬼たちを応援したくなってしまうくらいのやられっぷりとあきらめの悪さです。

石清水八幡宮の鬼やらい神事 2023年1月29日 撮影:MKタクシー
2023年の節分は予定通り開催済
2023年の鬼やらい神事は、予定通り1月29日に開催を終えました。
ただし、鬼やらい神事終了後の豆まきは行われず、福豆授与が行われました。
京都のいろんな節分行事のなかでも最初に行われるため、テレビニュースなどでも多く取り上げられました。
公式ホームページ:石清水八幡宮

石清水八幡宮の鬼やらい神事 2023年1月29日 撮影:MKタクシー
⑳ 龍神総宮社「節分祭」〈宇治市〉
1974年に宗教法人として認可を受けた神道系の新宗教の総本部で行われる節分行事です。
とはいえ、受付でチラシを渡されるだけで一切勧誘活動等はないのでご安心を。
近所の方も、賞品目当てでこぞって来場されています。

龍神総宮社のいわしと巻きずし 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
節分恒例の豆まき参加券と厄除けの巻きずしといわしの授与券もゲット。
早速いわしと巻きずしをいただきます。
いわしは身も豊かについています。味はやや濃いめで、巻きずしと食べるにはちょうど良い感じです。
巻きずしも特殊な具が入っているわけではありませんが、ぎっしり詰まっておりおいしいです。
これが無料でいただけます。

龍神総宮社の賞品は海外旅行 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
そしてこれが噂の抽選券付き豆まきの賞品。
特1等賞は、ハワイ旅行5日間ペア、オーストラリア旅行4日間ペア、ラスベガス旅行5日間ペアなど破格です。
京都では自動車があたる吉田神社の節分祭が有名です。龍神総宮社の特1等は自動車には及ばないかもしれませんが、3本もあたりがあります。
特2等~特4等も海外旅行ペアなので、吉田神社に匹敵するか上回るすごい賞品です。

龍神総宮社の節分祭 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
豆まきの前に、節分祭の神事が執り行われます。
神道の儀式をベースに護摩など仏教の儀式を取り入れた祭事です。

龍神総宮社の豆まき注意事項 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
節分恒例の豆まきはどこでも大乱戦が繰り広げられますが、中でも龍神総宮社はけた外れの賞品が当たるだけに、激しい戦いが予想されます。
この注意書きを見ると、場所取りに走ったり、傘を広げたりという行為がかつて散見されたのでしょう。
マナー違反であるだけでなく危険なので、こういう行為は禁止されています。

龍神総宮社の豆まき 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
龍神総宮社の豆まきは、有名人がたくさん来ることでも知られます。
2018年は、貴乃花親方、貴景勝関、せんだみつおさん、桂きん枝さんなどの錚々たる顔ぶれでした。

龍神総宮社の豆まき 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
そして、いよいよ節分恒例の豆まきがはじまりました。
関取方はかなり遠くまで豆を投げてくれますが、芸舞妓さんや芸能人は近くにしか届かないので、前の方がたくさんゲットできるようです。
あちこちで大争奪戦が繰り広げられます。
撒かれる豆の量はかなり多いです。この大量の豆は、毎年信者さんたちがひとつひとつ手で包んでいるそうです。
1人で写真を撮りながらでも、これだけの豆をゲットできました。
この紙の中に、数個の豆が入っています。
豆をくるんでいる紙に何か書いてあれば当選です。

龍神総宮社の豆まき 2018年2月3日 撮影:MKタクシー
いちおうこれだけの豆をゲットしましたが、結果は残念ながら粗品2点でした。
京都でも随一の「本気の節分」です。
2022年の節分は昇龍福展豆まきが中止
2月2日現在、2023年の節分について縮小や中止等の発表はありません。
2022年の昇龍福展豆まきは、中止となりました。
厄除巻き寿司、イワシの無料接待は数量限定で行われます。
ホームページ:龍神総宮社
その他2023年の節分開催・中止情報
以下が2023年の京都の節分行事情報です。
洛中の節分行内
護王神社(2月3日(金))
神賑奉納・豆撒式→中止。2月3日に福豆袋・災難除神符授与、大絵馬前で赤鬼・青鬼との記念撮影が開催予定
公式ホームページ:京都御所西 護王神社 | 足腰の守護神 | Goou Jinja Shinto Shrine
誓願寺(2月3日(金))
節分会→開催
公式ホームページ:浄土門の聖地/浄土宗西山深草派総本山誓願寺
下御霊神社(2月3日(金))
甘酒、御神酒無料接待、豆まき神事→開催
公式ホームページ:下御霊神社 – 御霊八所の神、霊元天皇、山崎闇斎を祀り疫病災厄から朝廷と都民を守護する神社
晴明神社(2月3日(金))
追儺祭等→開催
公式ホームページ:晴明神社 〜陰陽師 安倍晴明公をお祀りする晴明神社〜
平野神社(2月3日(金))
豆まき、弓矢の儀→1月19日現在、2023年の節分について縮小や中止等の発表はありません。
公式ホームページ:平野神社 HIRANO-JINJA Official web site
白峯神宮(2月3日(金))
鬼遣い豆まき神事→中止
公式ホームページ:スポーツの守護神 白峯神宮 | スポーツの守護神・武道上達の神・上昇気運の神
洛東・東山の節分行事
知恩院(2月3日(金))
追儺式→開催。福豆の配布は中止。
公式ホームページ:浄土宗総本山 知恩院
岩屋神社(2月3日(金))
追儺式→開催
公式ホームページ:【公式サイト】山科一之宮 岩屋神社
毘沙門堂門跡(2月3日(金))
豆まき→開催。甘酒接待は中止
公式ホームページ:毘沙門堂門跡
洛北の節分行事
鞍馬寺(2月3日(金))
節分追儺式→開催
公式ホームページ:総本山 鞍馬寺
上賀茂神社(2月3日(金))
厄除福豆まき・古神札焼上祭→開催
公式ホームページ:賀茂別雷神社(上賀茂神社:かみがもじんじゃ)公式Webサイト
狸谷山不動院(2月3日(金))
節分祭→開催
公式ホームページ:厄よけ・交通安全祈祷 | 真言宗修験道 大本山 狸谷山不動院
洛西の節分行事
天龍寺(2月3日(金))
大福豆まき→開催
公式ホームページ:世界遺産|京都 嵯峨嵐山 臨済宗大本山 天龍寺 公式ホームページ
長岡天満宮(2月3日(金))
豆撒き→中止。神職と関係者で神事のみ斎行。年男年女には豆渡し
公式ホームページ:長岡天満宮
洛南・南山城の節分行事
石清水八幡宮(1月29日(日))
鬼やらい神事→例年通り開催。2022年は中止
公式ホームページ:石清水八幡宮
伏見稲荷大社(2月3日(金))
豆まき→1月19日現在、2023年の節分について縮小や中止等の発表はありません。
公式ホームページ:伏見稲荷大社
おわりに
節分の2月3日には、京都のいたるところで朝から夜まで節分行事が行われます。
うまく回れば、一日で何回も豆まきに参加することができます。
中には賞品があたる、お楽しみ抽選券付きの豆まきもあります。
京都各所で行われる節分行事をうまく回るには、やはりタクシーがおすすめです。
タクシーなら、最短時間で次の節分スポットへと移動することができます。
2023年の京都で行われる節分行事は中止されるところもありますが、無病息災を祈りましょう!
京都MKタクシーのご用命は
お電話で ➡ 075-778-4141
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京都観光には観光貸切タクシーもおすすめです。