出町柳・長徳寺の早咲き「おかめ桜」と京都で楽しめるスポットまとめ

目次
例年3月半ばに見頃を迎えて話題となる、早咲きのオカメ桜(おかめ桜)。
濃い紫紅色の花を下向きにつけ、遠くからでも目立つ桜です。
京都では、出町柳の長徳寺のおかめ桜が有名ですが、他にもおかめ桜を見られるスポットがいくつかあります。
出町柳・長徳寺の「おかめ桜」
長徳寺の「おかめ桜」

長徳寺のカンヒザクラ 2019年3月2日(平年3月7日相当) 撮影:MKタクシー
川端通のすぐ東側にある長徳寺の桜シーズンは、例年3月初めのカンヒザクラからはじまります。
カンヒザクラは、おかめ桜の片親にあたる早咲きの桜です。

長徳寺のおかめ桜 ちらほら 2022年3月13日 撮影:MKタクシー
長徳寺のおかめ桜は、ソメイヨシノより半月以上早い、例年3月10日頃から開花しはじめます。
2024年は3月上旬には見頃を迎えるなど、年によって変動もかなり大きめです。

長徳寺のおかめ桜 咲きはじめ 2019年3月8日(平年3月13日相当) 撮影:MKタクシー
ソメイヨシノの開花が観測史上最速を記録した2021年は、2月中からおかめ桜が開花しはじめていました。
2021年と比べると半月の遅れです。
新聞等でも、長徳寺のおかめ桜の開花はニュースとしてよく取り上げられます。

長徳寺のおかめ桜 三分咲き 2017年3月18日撮影(平年3月16日相当) 撮影:MKタクシー
長徳寺のお寺自体は通常非公開です。
しかし、長徳寺のおかめ桜は門前に植えられているため、誰でも見ることができます。
ただし、長徳寺の門前はお寺の駐車場になっており、チェーンで立ち入り禁止になっていることもあります。
チェーンがあるだけなので、無視して入っている人も少なくありませんが、マナーは守りましょう。

長徳寺のおかめ桜 五分咲き 2019年3月12日(平年3月18日相当) 撮影:MKタクシー
ほんの10年ほど前まで、長徳寺のおかめ桜は知る人ぞ知る桜でした。
2010年代も後半ごろから早春の早咲きの桜として注目を集めるようになり、最近では長徳寺のおかめ桜といえば、開花期には平日でも朝から10人以上の人が集まる人気ぶりです。

長徳寺のおかめ桜に集まる人々 見頃過ぎ 2019年3月24日(平年3月27日相当) 撮影:MKタクシー
コロナ禍前の2019年のピーク時に試しに数えてみたところ、何と36人もいたことがあります。長徳寺のような小さなお寺の門前としては、異例のことです。
もともと長徳寺のおかめ桜は門前の1本だけでしたが、今はおかめ桜が3本にまで増えています。

長徳寺のおかめ桜とメジロ 見頃 2021年3月3日 撮影:MKタクシー
長徳寺のおかめ桜のすぐ前には京都市バスのバス停「出町柳駅前」があります。
バス待ちのサラリーマンがスマホでぱしゃりとしている光景も良く見かけます。
着物姿の外国人観光客の姿も見かけることもあります。

長徳寺のおかめ桜 見頃 2021年3月3日 撮影:MKタクシー
日本でも旅行ガイドブックには載らないような長徳寺のおかめ桜ですが、外国人も含めて知る人ぞ知る存在でした。
不思議な光景を楽しめる長徳寺のおかめ桜

違和感あり?長徳寺のおかめ桜 見頃 2019年3月16日(平年3月21日相当) 撮影:MKタクシー
上のおかめ桜の写真は、一見すると普通の写真ですが、よく見ると「長徳寺」の文字が反転しています。
実は、向い側にある北向地蔵尊の窓ガラスに映った桜です。

長徳寺・北向地蔵尊に映るおかめ桜 見頃 2021年3月7日 撮影:MKタクシー
ガラスへの映り込みを使って面白い写真を撮れることもあります。
長徳寺のおかめ桜は、こんな写真が撮れるところも人気の秘密かもしれません。

長徳寺のおかめ桜とメジロ 見頃 2019年3月20日撮影(平年3月24日相当) 撮影:MKタクシー
数羽のメジロが長徳寺のおかめ桜へと蜜を吸いに集まっています。
花の中心部の赤みが濃くなってきており、そろそろピークは越えつつあるようです。
長徳寺のおかめ桜には、メジロだけではなく、スズメもよく見かけます。

長徳寺のおかめ桜 見頃過ぎ 2019年3月24日撮影(平年3月27日相当) 撮影:MKタクシー
足下を見ると、地面がピンクに染まっています。散りはじめの時期ならではの楽しみ方です。
桜は開花しているときだけでなく、散るときまで美しいのが魅力のひとつ。
やや小ぶりな花を咲かせるおかめ桜は、散ったときの姿もまた魅力的です。

長徳寺のおかめ桜 散りはじめ 2019年3月27日(平年3月28日相当) 撮影:MKタクシー
京都のソメイヨシノの平年開花日は3月28日です。
京都でソメイヨシノが開花するころには、長徳寺のおかめ桜はもう半ば散りかけています。
しかし、散りつつあるおかめ桜はは、花に濃紅色の萼が混じり、花だけのときより味わい深い眺めを楽しめます。

長徳寺のおかめ桜 終わり近し 2018年3月24日(平年3月31日相当) 撮影:MKタクシー
4月に入ると、長徳寺のおかめ桜もいよいよ終了です。
2018年の台風21号により、大きな枝が折れる被害を受けましたが、2019年もいつものように見事に開花しました。
出町柳駅は、叡山電気鉄道平坦線の始発駅として、1925年に開業しました。
1931年には京都市電今出川線が開通し、加茂大橋停留所との乗り換え駅として廃止される1976年まで賑わいました。
1942年に京福電気鉄道叡山本線となり、1986年に叡山電鉄叡山本線となりました。
1989年には京阪の鴨東線(おうとうせん)が三条から出町柳まで延伸され地下駅が開業しました。
鯖街道の終着地として知られる出町商店街は、鴨川を挟んだ西側に位置します。
長徳寺とは
砂川の三軒寺のひとつ
長徳寺は、南隣の常林寺、正定院(しょうじょういん)とともに「砂川の三軒寺」と称される浄土宗の寺院です。
今も長徳寺の南には常林寺と正定院が並びます。いずれも通常は非公開寺院です。

常林寺 2022年3月13日 撮影:MKタクシー
初秋の萩のシーズンのみ、常林寺が一般公開されます。
常林寺は「萩の寺」とも言われる京都でも屈指の萩スポットです。

常林寺の萩
長徳寺でおかめ桜が見頃の時期は境内に萩の姿は見当たりませんが、9月下旬ごろには境内中が紅白の萩で埋め尽くされます。
萩のシーズンが終わると、萩は根元から剪定されます。
おかめ桜の時期は株しかありませんが、桜シーズンを過ぎるとまたぐんぐん伸び始めます。

正定院 2022年3月13日 撮影:MKタクシー
南端の正定院はかつては長徳寺と常林寺と少し離れていましたが、今出川通りの開通に伴い少し北に移転しました。
長徳寺と常林寺がいずれも西側(鴨川側)を向いているのに対し、正定院は南側(今出川通川)を向いています。

安永7年(1778年)出版「山城国大絵図」 出典:国立国会図書館デジタルコレクション
山城国大絵図でも描かれているとおり、正定院の南には法性寺というお寺もあります。
正定院との間に今出川通が開通してやや離れていますが、今もあります。
法性寺だけ浄土宗ではなく日蓮宗なので、「砂川の三軒寺」のくくりには入らなかったのでしょう。

長徳寺東側の砂川跡の道路 2022年3月13日 撮影:MKタクシー
砂川とは、かつて三箇寺の東側を流れていた川です。今も東側にある南北の蛇行した小道が砂川の名残です。
高野川から上高野あたりで分流した農業用水の下流部で太田川とも言います。一乗寺や田中の田畑を潤しています。
今も暗渠となって鴨川に再び合流しています。かつてはその名のとおり、鴨川の河原の砂地を流れていたのでしょう。
砂川跡の延長線上には、鴨川に暗渠合流部があります。賀茂大橋から東岸を150mほど下ったあたりです。
長徳寺について
豊臣政権でフィリピン貿易を担当し、マニラ侵攻計画を進言したともいう武将で茶人の長谷川宗仁(そうにん)が慶長10年(1605年)に長徳寺を開きました。
長谷川宗仁の名が最も有名なのは、本能寺の変直後です。本能寺で織田信長が討たれたのを知った長谷川宗仁は、ただちに親交のあった羽柴秀吉に使いを送ります。
京都から届いた速報で本能寺の変を知った羽柴秀吉のその後の中国大返しは良く知られています。長谷川宗仁はまさに歴史を動かしたのです。
長谷川宗仁は1万石を領する大名でもあり、子孫は代々交代寄合に列しました。長徳寺の境内には長谷川宗仁の墓があります。

長谷川宗仁ゆかりの名物「長谷川肩衝」 高橋義雄編「大正名器鑑」出典: 国立国会図書館デジタルコレクション
長徳寺は創建当初は裏寺町にありましたが、火災で焼失後に延焼防止のための建物密集地からの寺院移転の一環として、寛文11年(1672年)に常林寺とともに現在地へと移転しました。
鴨川改修工事によって寛文9年(1670年)に「寛文新堤」が完成し、鴨川東岸が居住空間として利用可能になったことも関係します。
1918年8月10日の夜に数百名の群衆が目の前の出町橋付近に集結し、事態を収拾するために軍隊が出動しました。いわゆる「米騒動」です。
全国が騒乱状態へとなった米騒動ですが、軍隊まで出動する騒動へと発展したのは、長徳寺のあたりが初めてです。
長徳寺のおかめ桜と向かい合う一にある北向地蔵尊は、かつて百済王の念持仏だったのが飛鳥時代に長徳寺へと渡来したものである、という伝承があります。

デルタ越しに見る砂川の三軒寺 2022年3月13日 撮影:MKタクシー
長徳寺の目の前は、高野川と賀茂川が合流して鴨川となる通称「デルタ」です。
地元の住民や学生たちの憩いの場です。
近くにある京大、同志社、府立大、工繊、府立医大の学生ならいろんな思いでが詰まった場所でしょう。
対岸から見ると、左端の三角屋根がふたつ並ぶ建物が長徳寺です。
中央の宝形造(方形造)の建物が常林寺、右端の民家の裏の大屋根が正定院です。
奥に見える山は大文字山(如意ヶ嶽)です。

おかめ桜をかみ切るスズメ 見頃過ぎ 2019年3月24日(平年3月27日相当) 撮影:MKタクシー
長徳寺の墓地には、幕末に鷹司家の諸大夫として尊王攘夷運動に参加した小林良典の墓があります。
激動の幕末にあって文政6年(1823年)から安政3年(1856年)まで摂政関白の地位にあった鷹司政通のもとで、橋本佐内らと一橋派として活躍しました。
安政5年(1858年)の安政の大獄で小林良典は幕府に捕らえられ、死罪は免れましたが八丈島へ流罪とされました。しかし、八丈島へと向かう途中で殺害されました。
1925年叡山電鉄平坦線開通に伴う土地買収で長徳寺は改築されました。
長徳寺のすぐ北側のタクシーのりば等の空き地は、戦時強制疎開によってできました。
戦前までは叡電出町柳駅前にあった阿闍梨餅本舗満月も強制疎開により、400メートルほど東へと移転を余儀なくされました。
戦後は街路広場として再整備されました。
1935年から長徳寺の住職をつとめた坪井俊映(しゅんえい)師は法然上人や浄土三部経などの研究者としても知られ、1994年には大本山の金戒光明寺の第73世法主に就任し、2007年から2010年に95歳で亡くなるまでは総本山知恩院の第87世門跡をつとめていました。

石田旭山編「京都名所案内図会」 出典:国立国会図書館デジタルコレクション
長徳寺は、阿弥陀四十八願寺の第23番札所になっています。
阿弥陀四十八願寺とは、阿弥陀如来がまだ修行中の法蔵菩薩のときにおこした48の誓願にちなんだ巡礼です。
第1番の正徳寺(現:聖徳寺)から第48番の誓願寺まで京都の浄土宗寺院を中心とした札所が選ばれています。
拝観情報
拝観 | 非公開 |
住所 | 京都市左京区田中下柳町34-1 |
アクセス | 京阪「出町柳」より1分 |
オカメ桜は門前なので、川端通から見学可能です。
西洞院上長者のもうひとつの「長徳寺」

「会津藩洋学所跡」の碑のある長徳寺 2023年11月4日 撮影:MKタクシー
「長徳寺」と言えば、おかめ桜で有名な出町柳のお寺を指しますが、京都にはもうひとつ長徳寺があります。
京都府庁の北で京都ブライトンホテルのすぐ西側にも同じ長徳寺というお寺があります。
グーグルマップでは、「真宗大谷派 長徳寺 (オカメ桜ありません)」というスポット名なので、実際におかめ桜の長徳寺と間違って訪れる人もいるのでしょう。
浄土宗の長徳寺に対してこちらは浄土真宗のお寺です。
通常非公開の寺院ですが、門前にふたつの石碑があるので、ごく簡単に紹介しておきます。
まずは「会津藩洋学所跡」の石碑です。
元治元年(1864年)に、会津藩の山本覚馬が長徳寺内に洋学所を開きました。
すぐ南に会津藩主の松平容保の京都守護職の上屋敷(現京都府庁)があったのとも関係があるでしょう。

「茶家山田宗徧出生之寺」の碑のある長徳寺 2023年11月4日 撮影:MKタクシー
もうひとつは「茶家山田宗徧出生之寺」という石碑です。
千宗旦の高弟として「宗旦四天王」の一人としてのちに宗徧流を興した山田宗徧(そうへん)は、この長徳寺で生まれました。
宗徧自身も長徳寺の住職となりましたが、のちに還俗して茶道の道へと進んだのです。
関心がある方は、桜は咲いていませんが西洞院上長者の長徳寺も訪れてみてください。
京都でおかめ桜を見られるスポット4選
京都でおかめ桜(オカメ桜)が見られるのは、出町柳の長徳寺だけではありません。
長徳寺以外の京都でおかめ桜を見られるスポットを4ヶ所紹介します。
① 京都府立植物園〈左京区〉
京都府立植物園のおかめ桜

京都府立植物園・桜苑のおかめ桜 五分咲き 2021年3月3日 撮影:MKタクシー
京都府立植物園には、様々な品種の桜が園内各所に植えられています。
広大な園内の半木神社(なからぎじんじゃ)南側にある桜苑と、北山門前の桜品種見本園におかめ桜があります。
桜苑では、一角にある秋冬咲きの桜を集めたコーナーの開花よりも遅いですが、桜苑の大半を占めるソメイヨシノや八重紅枝垂桜よりも半月ほど早く開花します。
梅も同時期にピークを迎えています。

京都府立植物園・桜苑のおかめ桜とヒヨドリ 見頃 2019年3月16日(平年3月21日相当) 撮影:MKタクシー
園内には多彩な桜が開花し、寒桜(カンザクラ)や河津桜(カワヅザクラ)、椿寒桜(ツバキカンザクラ)、修善寺寒桜(シュゼンジカンザクラ)がおかめ桜よりも先に開花します。

京都府立植物園・桜苑のおかめ桜 見頃 2018年3月24日(平年3月31日相当) 撮影:MKタクシー
おかめ桜と同じころに、寒緋桜(カンヒザクラ)、支那実桜(シナノミザクラ)なども開花します。
おかめ桜でけではなく、たくさんの早咲きの桜たちが見られるのも、京都府立植物園ならではの楽しみです。

京都府立植物園・桜品種見本園のおかめ桜 散りはじめ 2011年4月3日(平年4月2日相当) 撮影:MKタクシー
北山門前の桜品種見本園では、同時に雪柳(ユキヤナギ)も見頃を迎えます。
純白の雪柳に紫紅色のおかめ桜が映えます。

京都府立植物園・桜苑のおかめ桜 見頃 2022年3月17日 撮影:MKタクシー
京都府立植物園について
1924年に開園した日本を代表する京都の植物園です。京都府民の休日のお出かけ定番スポットです。
広い敷地をぶらぶら歩けば、植物が約12,000種。
桜や梅、つばき、花しょうぶ、あじさいなど昔から親しまれてきた植物のほか、バラ園など左右対称の造形美が楽しめる洋風庭園など変化に富んでいます。
熱帯の植物が見られる温室もあります(別途入館料が必要です)。

京都府立植物園・第5回サトザクラ展のオカメ桜 2016年4月5日 撮影:MKタクシー
入園情報
休園日 | 12月28日~1月4日 |
入園時間 | 9:00~17:00(受付終了は16:00) |
拝観料 | 一般 :200円 高校生 :150円 中学生以下:無料 |
TEL | 075-701-0141 |
住所 | 京都市左京区下鴨半木町 |
アクセス | 地下鉄「北山」よりすぐ |
公式ホームページ:京都府立植物園
② 賀茂大橋西詰〈上京区〉
賀茂大橋西詰のおかめ桜

賀茂大橋西詰のおかめ桜 咲きはじめ 2019年3月8日(平年3月13日相当) 撮影:MKタクシー
京都で最も有名な長徳寺のおかめ桜から、鴨川を隔てた賀茂大橋の西詰のやや下流側の河川敷に、2本のおかめ桜があります。
長徳寺にはおかめ桜目当てで人が集まりますが、鴨川河川敷のおかめ桜は訪れる人も稀です。

賀茂大橋西詰のおかめ桜 五分咲き 2019年3月12日(平年3月18日相当) 撮影:MKタクシー
「おかめ桜」との表記があるわけではありませんが、花の色や形、咲き方などの特徴から明らかにおかめ桜です。
長徳寺のおかめ桜と同じ遺伝子を持っているはずですが、日照条件や土壌が異なるのか、長徳寺のおかめ桜と比べて開花はやや遅めです。
おかめ桜が散り始めると、北側にある枝垂桜が開花しはじめます。

賀茂大橋西詰から比叡山 五分咲き 2021年3月3日 撮影:MKタクシー
おかめ桜が開花する場所は、ちょうど北村美術館の真裏(東側)にあたります。
北村美術館は、古美術や茶道具を中心としたミュージアムです。
林業などの実業家として活躍し、茶人としても知られた北村謹次郎氏のコレクションをもとに1977年に開館しました。33点もの重要文化財を所蔵しています。
2024年の桜シーズンは、 春季茶道具取合展 「蒼の空」が3月9日(土)から6月9日(日)まで開催されています。
北村美術館:北村美術館

賀茂大橋西詰のおかめ桜 見頃 2019年3月16日(平年3月21日相当) 撮影:MKタクシー
賀茂大橋について
今出川通に架かる賀茂大橋は、1931年に架橋されました。
同時に京都市電今出川線が延長され、銀閣寺道から北野白梅町までを結んでいましたが、1976年に廃止されました。
賀茂大橋のすぐ上流部にある賀茂川と高野川の合流点は、通称「デルタ」と呼ばれています。
近隣住民や、京大生、同大生などの憩いの場として親しまれています。

賀茂大橋西詰のおかめ桜 散りはじめ 2018年3月27日(平年4月4日相当) 撮影:MKタクシー
③ 百万遍知恩寺(ひゃくまんべんちおんじ)〈左京区〉

百万遍知恩寺のおかめ桜 見頃 2019年3月16日(平年3月21日相当) 撮影:MKタクシー
百万遍知恩寺のおかめ桜
長徳寺から東へ10分ほど歩いた、百万遍知恩寺でもおかめ桜があります。
東大路通とを結ぶ西門を出てすぐのところに、一本のおかめ桜が開花しています。

百万遍知恩寺のふじ桜 見頃 2019年3月16日(平年3月21日相当) 撮影:MKタクシー
百万遍知恩寺の早咲き桜といえば、おかめ桜ではなく本堂前で開花する「ふじ桜」の方がよく知られています。
固有名詞っぽい名前の桜ですが、富士桜とは豆桜(マメザクラ)の別名です。おかめ桜の片親でもあります。
富士山のあたりで多く自生しているのがフジザクラという別名の由来です。
マメザクラというと白いイメージですが、野生種だけあって個体差の幅が大きいのでしょう。

百万遍知恩寺のおかめ桜 2020年3月9日 撮影:MKタクシー
百万遍知恩寺について
京都にある浄土宗四本山の一角です。
元弘元年(1331年)に善阿空円が7日間で百万遍念仏を唱えて疫病退散の効験があったため、「百万遍」という寺号を賜りました。
京都内で度々移転をくり返しましたが、寛文2年(1662年)に現在地へと定まりました。

百万遍知恩寺 2007年4月7日 撮影:MKタクシー
「百万遍」というのは通称で、長らく正式名称は知恩寺でした。2019年から正式に百万遍知恩寺という寺号になりました。
毎月15日には、450以上のお店がでる「手づくり市」が境内で開催されることでも知られています。

百万遍知恩寺の手づくり市 2008年3月15日 撮影:MKタクシー
拝観情報
拝観時間 | 9:00~17:00 |
拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-781-9171 |
住所 | 京都市左京区田中門前町103 |
アクセス | 京阪「出町柳」より10分 |
公式ホームページ:浄土宗大本山百萬遍知恩寺 | ようこそ、浄土宗大本山百萬遍知恩寺へ
④ 知恩院前(華頂道)〈東山区〉
知恩院前のおかめ桜
知恩院前の華頂道には、街路樹として河津桜(カワヅザクラ)が植えられているのは知る人ぞ知ることですが、そのうちでももっとも東(知恩院側)の1本は、河津桜ではなくおかめ桜です。

知恩院前のおかめ桜 2020年3月9日 撮影:MKタクシー
どちらも早咲きの桜であり、片親がカンヒザクラ(寒緋桜)なので見た目も似ています。
おかめ桜と知った上で植えられたのか、間違って混ざってしまっていたのかは気になるところです。

知恩院前のおかめ桜 2021年3月14日 撮影:MKタクシー
知恩院前について
東大路と知恩院を結ぶ華頂通の両側には、かつて知恩院の塔頭群がずらりとならんでしました。
今もの一部が京都華頂大学・短大、華頂女子高校、浄土宗宗務庁になった以外は、塔頭群が残っています。

知恩院前のおかめ桜 見頃 2020年3月3日(平年3月22日相当) 撮影:MKタクシー
見学情報
アクセス | 地下鉄「東山」より10分 京阪「祇園四条」より10分 |
おわりに
ソメイヨシノに先駆けて3月半ばに開花し、毎年話題になるのがおかめ桜です。
京都では、出町柳の長徳寺が有名です。
あまり見かけない品種の桜ですが、最近では個人のお庭なんかでも見かけることもあります。
今後も、京都にはおかめ桜の名所が誕生していくのではないでしょうか。
MKタクシーの観光ドライバーであれば、まだガイドブックにも載らないような新しい名所の情報も引き出しにたくさん入っています。
MKの観光貸切タクシーなら、京都の春を心行くまで楽しむことができます。
観光・おもてなしのプロといっしょに一味ちがう京都旅行を体験してみませんか?