グローバル・ビジネス・レポート【133】オープンハウス(上)|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、「グローバル・ビジネス・レポート」を2012年2月1日から連載しています。
MK新聞2024年11月1日号の掲載記事です。筆者プロフィールは新聞掲載時点のものです。
長岡技術科学大学経営戦略・技術経営・ものづくり経営研究室 坂上 拓嶺さんの執筆です。
オープンハウス(上)
長岡技大では、毎年、夏休みに全国の高専生を対象としたオープンハウス事業を行っている。この事業は、長岡技大への編入を考えている高専生を対象に、基本的に月曜日から金曜日までの5日間、希望する研究室にて体験学習(インターンシップ)を行うものである。長岡技大は、事前に全国の高専に、各研究室のオープンハウスでのテーマ、内容の一覧を配布し、オープンハウスへの参加を希望する高専生は、この一覧を見てどの研究室を志望するか決め応募する。
今年度、私が所属する経営戦略・技術経営・ものづくり経営研究室では、鈴木信貴准教授が企業の協力を得て、オープンハウスのテーマを「経営学の理論・現場・実践」とし、内容を「経営学はどのような学問なのかを理解するとともに経営学の理論、考え方が経営の現場ではどのように活用されているのか、TQM、QCなどの学習、実践(演習)を通して理解する。企業訪問、企業での学習、演習も行う予定」としていた。鈴木准教授の話では、経営学は理論だけでなく、現場、実践も重要であるため、参加する高専生は、5日間大学の研究室にいるだけではなく、実際に企業に行くことにより経営学をよりよく理解してほしいとのことだった。
本研究室のオープンハウスには最終的に、神戸市立高専から1名の高専生が8月26~30日の5日間、研究室での体験学習(インターンシップ)に参加することとなった。我々、研究室の学生も当然、このオープンハウスに参加した。今号と次号では、このオープンハウスの記事を書く。今号は5日間の概要について書き、次号は企業訪問の詳細について書く予定である。
オープンハウスの初日は、大学にて、午前は、鈴木准教授から研究室の概要の説明から経営学の基礎の講義があった。午後は、我々、長岡技大の学生から普段の研究室での活動や2日目、3日目で訪問するアクシアル リテイリング株式会社(以下、アクシアルと略す)の説明などを行った。アクシアルは、2020年に小売業で初めて『日本品質奨励賞・TQM奨励賞』を受賞するなどTQM、QC活動で著名な会社である。
2日目は、アクシアルの本部に行き、午前にアクシアルによるQCサークルの基礎研修に参加した。午後は、同社のSUM(Service UpのためのManagement活動)報告会に参加し、その後、同社の長岡技大OBとの座談会に参加した。
3日目は、アクシアルの関連会社であるローリーの食品工場、アクシアルの物流センター、スーパーマーケット原信の店舗を訪問し、各職場の方々から説明を受けた。
4日目は、大学にて図書館、講義棟など本学の施設の案内を行うとともに、本学の特徴の一つである実務訓練(長期インターンシップ)に関する詳しい説明を、昨年、アクシアル、牧野フライス製作所で実務訓練を受けた先輩が行った。午後は、5日目のまとめの発表会に備え、高専生は発表資料の作成を行った。
最終日は、大学にて発表会を行った。発表会には、アクシアルの方にもお越しいただき、この5日間に関する高専生のまとめ、振り返りの発表を聞き、その後、意見交換を行った。
最終日の高専生の発表を聞いて、私は高専生だけではなく、自分自身も非常に有意義な5日間を過ごすことができたと改めて実感した。オープンハウスは高専生を対象としているが、企業での実際の研修や報告会に参加するなど、我々学生にとっても本当に貴重な機会であった。私は10月からアクシアルにて実務訓練を行う予定であり、自分がこれから行う実務訓練の意欲がより高まった。次号の記事では、アクシアルでの2日目、3日目の内容についてより詳しく書く予定である。
■筆者プロフィール
新潟県出身。長岡高専卒。現在、長岡技術科学大学情報・経営システム工学分野の4学年に在籍。
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