グローバル・ビジネス・レポート【116】エムケイホールディングス本社訪問(後編)|MK新聞連載記事

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グローバル・ビジネス・レポート【116】エムケイホールディングス本社訪問(後編)|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、「グローバル・ビジネス・レポート」を2012年2月1日から連載しています。
MK新聞2023年1月1日号の掲載記事です。筆者プロフィールは新聞掲載時点のものです。

長岡技術科学大学経営戦略・技術経営・ものづくり経営研究室助川将啓さんの執筆です。

エムケイ会社見学の様子(筆者は写真一番左)

エムケイ本社見学の様子(筆者は写真一番左)

エムケイホールディングス本社訪問(後編)

前回の記事では、2022年9月28日にエムケイホールディングス本社にて行われたエムケイの青木信明社長、アクシアルリテイリング株式会社の前副社長である五十嵐安夫特別顧問、長岡技術科学大学の鈴木信貴准教授、この3人の鼎談について記事を書いた。今回は後編として、鼎談後のエムケイ本社見学と同社経営企画部の東真一次長、桂田利也係長との対話について書く。

まず、本社見学だが、本社には、全国のエムケイの拠点と連携を行う部署や京都地域のコールセンターが入っており、リアルタイムでタクシーの現在地等を表示する大型プロジェクターを見ることができた。今年9月にエムケイはホールディングス体制に移行し、それまで全国各地で分散していたデータベースも本社で統合し、顧客データ等の一元化を図った。このことにより、京都の常連の顧客が他拠点に行ってもどのような顧客なのか情報を共有することができ、さらなる顧客サービスの向上に努めているという。

次に、エムケイの経営企画部の方々との対話については、学生を中心に質問を行った。私は、会社の経営を考える部門の方々がどのように自社と他社の差別化を認識しているのかを聞いた。これに対し、経営企画部の東次長は、独自の経営戦略とサービスの質の高さが他社と異なるところであると答えた。

よく知られているとおり、エムケイのタクシーは駅やイベントホールの前等で待機はしていない。駅前で待機するタクシーというのはよく見られる風景だが、駅前に並ぶと1時間ほど待機することもある。エムケイは、電話で呼ばれた時に対応する、駅の近くに専用の乗車スペースを設けて顧客に対応するという方針を取っている。さらに、他社でタクシー主流となっているのは、クラウンなどのセダンタイプであるが、エムケイではリーフなどの電気自動車、ソリオといったコンパクトカー、セレナなどのミニバンを主流として他社と差別化を図っているという。

タクシー運転手の質の高いサービスは、最初からできる人はいないという考えで各種の研修を手厚く行なっている。入社時の研修から始まり、現場での研修、月例の全体研修、春・秋の半日研修など様々な研究に力を入れている。また、各営業現場では、運転手同士で観光勉強会を行い、史跡の知識を深めたり、紅葉など季節の情報を共有したりしている。

エムケイでは独自の観光試験を行っており、運転手が一定のランク以上を取らないと貸切観光の仕事は回さないようにしている。現在、京都には約1300人のタクシー運転手がいるが、7割以上が一定のランクを超えた運転手である。貸切観光の方が運転手の手当が良く、リピーターとなった顧客から運転手を指名することもよくあるとのことだった。

2回にわたり、エムケイ本社訪問について記事を書いた。経営企画部の方々との対話の前には、歴代のMK新聞の編集の方々ともお会いすることができた。私にとって、今回の訪問は、エムケイの経営理念、経営戦略等について、直接、学ぶことができる貴重な機会となった。青木社長、東次長、桂田係長をはじめとするエムケイの関係者の皆様に心から感謝申し上げます。

筆者プロフィール

茨城県出身。茨城高専卒。現在、長岡技術科学大学情報・経営システム工学課程の第4学年に所属。

 

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