グローバル・ビジネス・レポート【125】新型コロナウイルスと就職活動(2023年度)(下)|MK新聞連載記事

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グローバル・ビジネス・レポート【125】新型コロナウイルスと就職活動(2023年度)(下)|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、「グローバル・ビジネス・レポート」を2012年2月1日から連載しています。
MK新聞2023年10月1日号の掲載記事です。筆者プロフィールは新聞掲載時点のものです。

長岡技術科学大学経営戦略・技術経営・ものづくり経営研究室 初汐 一真さんの執筆です。

新型コロナウイルスと就職活動(2023年度)(下)

新卒用ダイレクトリクルーティングの仕組み

前号の記事では、2024卒の私の就職活動の流れや2024卒の特徴について記事を書いた。後半となる今号では、最初に私が就職活動で活用したダイレクトリクルーティング(スカウト型求人)について書き、次に今後の就活生へのメッセージを書く。

近年、スカウト型転職の広告をテレビ、ネット、電車内等で目にすることが多くなった。このような求職者が個人の経歴やスキルをサイト等に登録し、企業側が求職者に直接、アプローチする方法は、ダイレクトリクルーティングと呼ばれている。このダイレクトリクルーティングのサイトが2017年頃から新卒採用の舞台にも次々と登場している。

上記に新卒用のダイレクトリクルーティングの仕組みを図示した。ダイレクトリクルーティングのサイトでは、最初に学生も企業もそれぞれ自身の情報を登録する。学生側は、現在の就職活動の状況から、志望条件、研究内容、スキル、経歴といったエントリーシートに近い情報をサイトに登録していく。その内容を企業の人事担当者が閲覧し、学生に興味を持てば、「興味がある」といったレスポンスを送ったり、直接、「スカウト」という形でインターンの案内や個別説明の案内などのメッセージを送ったりして採用活動へと進む。これが新卒用ダイレクトリクルーティングの一般的な流れである。

このようなダイレクトリクルーティングを使用する学生側としてのメリットとしては、就職活動が効率的に行えるようになるということが大きい。従来の就職活動では、企業毎にエントリーシートを作成し、提出しなければならなかった。それに対し、ダイレクトリクルーティングでは、1つのプロフィール(事実上のエントリーシート)を作成すれば、多くの企業の担当者に見てもらえ、どの要素に興味を持ったかといった内容ともにレスポンスやスカウトの案内が来る。このことにより、自分のプロフィールのどの部分が企業側は良いと思ったのかという情報も得ることもできる。さらに、一部企業は、WEBテストの免除などを提案してくることもある。私自身、新卒用ダイレクトリクルーティングのサイトでプロフィールは100回以上閲覧され、興味があるというレスポンスは100社近く、直接のスカウト総数は20通程度、それぞれ頂き、最終的に内々定を得ることもできた。

企業側にとっても、新卒用ダイレクトリクルーティングの利用はメリットがあると考える。企業は、マイナビ等のサイトで新卒の募集をするが、このようなサイトを利用した場合、応募者が多過ぎになってしまうことがある。ダイレクトリクルーティングでは、企業側がスカウトという行動を行うため、人数をコントロールでき、スカウトした学生とじっくり話すこともできる。

新卒用ダイレクトリクルーティングの活用は、今後、学生や企業にとってより一般的になると考える。最近は、さらに発展し、人工知能(AI)を活用した新卒向けマッチングサービスも登場している。現在、様々な就職活動サービスが誕生していており、今後は、学生も企業も各サービスの特性を見極め、使い分けが求められるような時代になるのではないかと考える。

さて、就職活動に関する2回の記事を締めるに当たり、最後に今後の就活生に向けて私のメッセージを書き、私の記事を終わりにしたい。近年、学生の売り手市場が続いており、学生側からも特に条件を求めなければ内々定は得られるという話をよく聞く。また、就職活動の早期化や人材の流動化により、とりあえずどこかの企業に入って、その後、転職をしようと考えている学生もいる。しかし、「新卒」という機会は一度限りであり、この新卒というタイミングでしか関われない企業も少なくない。そのため、就活生は一切の妥協をすることなく、自分の中で納得するまで後悔が無いように就職活動に挑戦してほしいと願っている。

■筆者プロフィール

兵庫県出身。阿南高専卒。現在、長岡技術科学大学大学院情報・経営システム工学分野の修士2年に在籍。

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