グローバル・ビジネス・レポート【115】エムケイホールディングス本社訪問(前編)|MK新聞連載記事

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グローバル・ビジネス・レポート【115】エムケイホールディングス本社訪問(前編)|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、「グローバル・ビジネス・レポート」を2012年2月1日から連載しています。
MK新聞2022年12月1日号の掲載記事です。筆者プロフィールは新聞掲載時点のものです。

長岡技術科学大学経営戦略・技術経営・ものづくり経営研究室助川将啓さんの執筆です。

鼎談の様子

鼎談の様子

エムケイホールディングス本社訪問(前編)

2022年9月28日に、このMK新聞を発行しているエムケイホールディングス本社(以下、エムケイと略す)の青木信明社長、新潟県を中心にスーパーマーケット事業を展開するアクシアルリテイリング株式会社(以下、アクシアルと略す)の前副社長である五十嵐安夫特別顧問、長岡技術科学大学の鈴木信貴准教授、この3人の鼎談がエムケイ本社で行われ、私達、研究室有志もご縁があり同席することができた。鼎談の内容については、本号の7面に掲載されているとおりである。

今月は、この鼎談について学生側の視点で記事を書き、来月は、鼎談後のエムケイ本社見学と同社経営企画部の方々との対話について書く。

今回、なぜ、この鼎談が実現したかというと、五十嵐特別顧問は、以前、京都に住んでいたことがあり、この時から、タクシー業界で革新的な経営を行っていたエムケイについて強い関心を持っていた。その後、五十嵐顧問は新潟県に引っ越したが、同社への強い関心を持ち続け、2021年にエムケイ、アクシアルの双方とつながりがある鈴木准教授に出会い、鈴木准教授の紹介、調整によってこの鼎談が実現することとなった。鼎談では、主にエムケイの経営理念、経営戦略、これからのタクシー業界について話が展開された。

青木社長の話では、エムケイのタクシー事業の経営は、創業時から変わらない部分と変わった部分の2種類があるという。変わらない部分は、まず、創業した60年前から顧客に対してのあいさつ運動、ありがとう運動、乗車拒否の禁止、といった当時、他社はほとんど行っていなかったサービスを今に至るまでしっかりと受け継いでいる点がある。これは創業者がタクシー事業を始める前にガソリンスタンドを営んでおり、車の窓拭きなどガソリンスタンドのサービス、顧客満足度(CS)の考え方がタクシー事業にも反映されたとのことだった。次に変わらない部分として、エムケイは、昔から従業員を大切にしている。タクシー業界は人の転職が多い業界だが、エムケイでは創業時から従業員の待遇、福利厚生の向上に努め、現在も引き続き企業と従業員との信頼関係の構築、ES(従業員満足度)の向上に努めている。

これに対し、変わった部分として、タクシーに対する位置付けをあげられた。現在、交通業界ではシェアリングサービスや自動運転の研究開発などが進み、転換期にある。将来、タクシーも自動運転になるかもしれない。しかし、人が人を案内する、人が人をもてなすといったことはなくならず、どのような時代になっても、このようなサービスを求める人が必ずいる。タクシーを移動手段の一つとして考えるのではなく人と人のサービスの場として捉え、自動運転が普及した時でも求められるタクシーにするとのことだった。

企業として変わらないところと変えるところ、青木社長の業界の将来を見据えた言葉には強さがあった。私自身、自動運転が普及した後のエムケイのタクシーに乗ってみたいと思った。今回の鼎談に同席し、経営者として経営理念、経営戦略を明確にすることは他社、従業員だけでなく顧客にとっても重要ではないかと考えた。

筆者プロフィール

茨城県出身。茨城高専卒。現在、長岡技術科学大学情報・経営システム工学課程の第4学年に所属。

 

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