グローバル・ビジネス・レポート【129】旅立:長岡技術科学大学での日々を振り返って|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、「グローバル・ビジネス・レポート」を2012年2月1日から連載しています。
MK新聞2024年3月1日号の掲載記事です。筆者プロフィールは新聞掲載時点のものです。
長岡技術科学大学経営戦略・技術経営・ものづくり経営研究室 初汐 一真さん、助川 将啓さんの執筆です。
旅立:長岡技術科学大学での日々を振り返って
【初汐一真】
母校である阿南高専の広報誌に「雪をすべて溶かすぐらいの熱量でこれまで以上に励んでまいります」と記して早4年。私はこの3月に長岡技大大学院修士課程を修了する。意気揚々と長岡へ乗り込んだ直後から、新型コロナ禍となり、私の大学生活は、行動制限や自粛に翻弄された。式典は中止、授業もオンラインで同級生の顔も分からない。冬は時に車の立ち往生が発生する程の大雪もあった。そんな時代の中でも、研究、サークル、アルバイトなど多岐に渡る活動をしてきたことは、現在の私の成長につながっていると感じている。今回の記事では、このような私の4年間の学生生活について振り返る。
最初に研究活動についてである。私は「オンライン・オフラインのハイブリッド時代における製品開発マネジメント」と題して研究を行った。私はかねてからデジタル化やDXについて強い関心を持っていた。研究は、具体的には新型コロナ禍の行動制約により導入されたオンライン会議やリモートワークなどが企業の製品開発活動にどのような影響を与えているのかについて研究を行った。研究では、インタビュー調査や調査票(アンケート)調査で多くの企業の皆様のご協力を頂いた。また、実務訓練(長期インターンシップ)でお世話になった株牧野フライス製作所情報システム部での実習は、実際に働くことで企業における情報戦略を考えることができ、研究を深めることができた。
次にサークル活動についてである。私は長岡技大の「しゅがく」という日本酒サークルで代表を務めた。サークル活動も新型コロナ禍により今まで取り組んだことのないオンラインでの活動を強いられた。そこでオンラインで日本酒について学ぶ勉強会や酒蔵・酒屋の方々をお招きして日本酒を楽しむオンライン定例会などを企画し、サークルの存続に努めた。AIではなく人と人が交わることが縁を繋ぎ、人が人を支え合うことで成長できるのだと感じた。このようにして何とかサークルの先輩からのバトンを後輩たちに引き継ぐことができた。
最後にアルバイトについてである。私は、大学図書館のアルバイトとして本の装備や書架整理、蔵書点検などの仕事を行った。何でもインターネットの時代ではあるが、文献調査など本だからこそまとまっていて分かりやすいということを改めて認識させられた。
研究ならびに学生生活で、数々の困難を乗り越えられたのは、お忙しい中でも親身にかつ丁寧にご指導いただいた鈴木信貴准教授と経営戦略・技術経営・ものづくり経営研究室に所属する皆様に支えられたことにあると実感しており、感謝の念に堪えない。4月から社会人として新たな1歩を踏み出すのだが、多くの人の支えがあって、今の自分があるということを決して忘れないように心掛けたい。そして、私も誰かを支えられるよう、まるで富士山を支える広い裾野のようになれるように、これからも精進していきたい。
■筆者プロフィール
兵庫県出身。阿南高専卒。現在、長岡技術科学大学大学院情報・経営システム工学分野の修士2年に在籍。
【助川将啓】
私は茨城高専を卒業し⻑岡技大に編入した。2024年の4月からフリーランスとして働くため、この3月に大学院を中退する。この4年間の学校生活を振り返ると非常に密度が濃かった。今思えば私は自分の将来について模索しながら4年間を過ごしていた。
この4年間は本当に様々なことに取り組んだ。学内の活動だと、私は研究室にて経営学、研究方法について学びつつ、「グローバル人材の育成手法」と「海外インターンシップ」に関して研究を行った。実務訓練(長期インターンシップ)では、アクシアル リテイリング社にて、社会人としての姿勢、QC手法について学んだ。他にもアルバイトとしてプログラミングの仕事をしてみたり、ICT支援員として県内の高校の先生方にパソコンやソフトの使い方を教えに行ったり、フリーランスとして仕事を受けた。
その結果、私はIT系のフリーランスとして働くことを決めた。私は、以前からフリーランスや経営者という人達に憧れていた。長岡技大の情報・経営システムに編入学を決めた理由も一人でも仕事ができるようになりたいと考え、経営学を学ぶために編入した。フリーランスとして、まずはフリーランスとして1人立ちできるように努力していくつもりだ。この仕事に集中するために今回、両親の理解も得て、大学院中退という選択肢を選んだ。
私はいつも将来について考える。しかし、それと同時に過去も振り返る。その都度、思うのは、本当に良い縁、人に恵まれてきたということである。私はいろんな人に支えられ、時には支えることを通して生きてきたのだと感じる。また、その時々のことに正面から向き合ったおかげでいろんな学びがあったのだと思う。今後もこのような縁に感謝しつつ、一つ一つの仕事に誠心誠意取り組んでいきたい。
2024年3月で長岡を去ることになる。この地で得られた経験や縁はかけがえのないものになった。最後にいつも暖かく見守り応援してくださった鈴木信貴准教授並び研究室の同期、先輩、後輩、そしてアルバイトでお世話になった高校の先生方、実務訓練先の方々、そして、どんな時も大切に見守ってくれた両親と姉弟に心から感謝申し上げます。
■筆者プロフィール
茨城県出身。茨城高専卒。現在、長岡技術科学大学大学院情報・経営システム工学分野の修士1年に在籍
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