秋を京都を彩る「萩の花」定番名所から穴場までおすすめスポット10選
秋の七草のひとつである萩(ハギ)の花。
かつては京都に限らず、四季を通じて日本人にとって、最も身近で愛された花は萩(ハギ)でした。
万葉集では、萩(ハギ)を題材とした歌が138首も収録されています。これは、梅の119首を上回っています。
古代の日本人の心を捉え、最も多く取り上げられている植物が、萩(ハギ)だったのです。
今も初秋になると、京都では寺社や公園などあちこちで赤や白の美しい花を咲かせます。つい「小さな秋見つけた」と言ってしまいます。
京都にある萩(ハギ)のおすすめスポットを11ヶ所+αご紹介します。
萩(ハギ)について
萩とは
日本の山野にも広く自生する萩
萩は、マメ科ハギ属の落葉低木の総称です。
アジア・オーストラリア・北アメリカにかけて広く分布しています。種類も多く、日本では10種類以上の萩が全国の野山に自生しています。
京都でも山萩(ヤマハギ)、錦萩(ニシキハギ)、宮城野萩(ミヤギノハギ)、白萩(シラハギ)など多数の自生種が山野で自生しています。都市部の公園や空き地などでも普通に見られる植物です。
特殊な品種として矮性のヤクシマハギがあり、鉢植え向きで春と秋、1年に2度、花が楽しめます。その他多数の園芸品種があります。
「草冠に秋」と書いて萩というとおり、秋を代表する花で、秋の七草として古くから親しまれてきました。
京都でも植えられた萩と、自然に生えてきた萩が混在しています。
園芸植物としても人気の萩の花
萩は、比較的日当たりがよく、水はけのよい土壌を好みます。
瘠せた土地でも育つため、空き地などでは真っ先に生えてくるパイオニア植物のひとつです。
毎年花が終わったあとに剪定が必要になるものの、あまり手がかからない点も萩の花が人気の理由です。
萩の花には園芸品種も多数あり、ミヤギノハギは自生種ではなく園芸品種が野生化したものであるという説もあります。
シラハギもニシキハギあるいはミヤギノハギの園芸品種とも言われます。
萩の栽培方法
萩の栽培には、どの花も日当たりのよい、やや乾いた場所が向いています。
鉢植えの場合は根がよく張るため、やや大きめの鉢を用いて鉢底にゴロ石を敷き、赤玉土に腐葉土2~3割の用土か、市販の培養土で植えるのがよいでしょう。
萩は非常に丈夫で、株分けや挿し木などで簡単に増やすことができます。
大きくなって困るときには、落葉時期の冬に株元から刈り込めば、秋には枝振りの優しい萩が楽しめます。
立秋が過ぎ、朝夕の涼しさが日増しに感じられるようになった頃、何故万葉人は萩やススキにものの哀れみを求め、感じたのでしょうか。
秋風と弱まりゆく日差しの中で咲く萩の花。先人の心の一片を垣間見るのはいかがでしょうか。
秋の七草のひとつ
七草の筆頭に挙げられる萩の花
萩の花は、秋の七草のひとつです。
有名な万葉集に収録されている山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ
「萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし) また藤袴 朝貌の花」
という歌が秋の七草の始まりと言われています。
ここでも、筆頭に萩の花が挙げられているように、秋=萩というイメージは古くから強固でした。
季語として歌の中に使われただけでなく、堤防、砂防用、家畜の飼料や利尿解熱の薬として、生活に深いかかわりを持っていました。
七草でも最も親しみ深い萩の花
山上憶良の歌では、今とは呼称が異なる花もありますが、秋の七草は、萩(ハギ)、尾花(ススキ)、葛(クズ)、撫子(カワラナデシコ)、女郎花(オミナエシ)、藤袴(フジバカマ)、桔梗(キキョウ)の7種類です。
秋の七草のうち、フジバカマ、キキョウ、オミナエシは京都府では絶滅寸前酒や準絶滅危惧種に指定されています。
カワラナデシコも減少傾向にあります。
一方で、萩、ススキ、クズは京都でもよく見かけるありふれた花です。
おそらくもっともよく見かけるのは萩の花ではないでしょうか。
京都のおすすめ萩スポット11選
① 梨木神社(なしのきじんじゃ)<上京区>
「萩の宮」とも言われる梨木神社
梨木神社は、「萩の宮」とも通称される、京都でも随一の有名な萩の花の名所です。
参道の両脇には、数百株という萩の花が咲き誇ります。
梨木神社の萩の花が開花すると、秋の深まりを実感するという京都人も多いでしょう。
毎年9月下旬の第3日曜日または第4日曜日の前後の3日間には、京都の初秋の風物詩である「萩まつり」が開かれます。
例年、お茶席も設けられ、萩見物だけではないたくさんの参拝者で賑わいます。
9月下旬には「萩まつり」
萩まつりでは、奉納行事やお茶席なども行われました。
2024年は9月22日(日祝)、23日(月祝)を中心に開催されます。
2024年の萩まつりは以下の予定です。
9月21日(土)
上方舞(上方舞友の会)
9月22日(日祝)
京舞・篠塚流(篠塚梅輪社中)
弓術披露(小笠原流礼法)
抹茶席(チャネル宗榮社中)
9月23日(月祝)
居合抜刀術(京都山内派 刀新会)
地唄・筝曲(今堀昌昭社中)
抹茶席(萩の会)
府市民俳句大会も開かれます。歌が書かれた短冊が萩にたくさん吊るされている光景が見どころです。
風が吹くと、吊るされた短冊が風になびく様子が風流です。
なかなか見事な句もあり、ひとつひとつゆっくりとみるのも楽しいものです。
ただし、肝心の萩の花の開花はまだ咲き始めということが多いです。
近年の温暖化の影響なのか、年にもよりますが三分咲き程度の場合があります。
梨木神社の萩の花の見頃は9月下旬~10月上旬ごろとやや遅めです。
ただし株によってかなり幅があり、8月から咲いている花もあったり、紅葉シーズン直前まで咲いている花もあったりします。
萩の花が見頃を迎える時期には、藤袴(フジバカマ)や杜鵑草(ホトトギス)も見頃を迎えています。
萩がたくさんあるために目立ちませんが、萩の花以外も楽しめるのはうれしいところです。
あまり知られていませんが、紅葉も穴場スポットとして知る人ぞ知る存在です。
萩まつりが終わってから萩の花が本番を迎えます。
境内には、近隣に住んでいた日本初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹博士の「千年の昔の園もかくやありし、木の下かげに乱れさく萩」という歌碑もあります。
梨木神社について
1885年に、幕末期に京都で王政復古を唱える勤皇派として活躍した三条実萬(さねつむ)公を祀るために創建された新しい神社です。
1915年には実萬公の子で明治新政府で首班をつとめた三条実美(さねとみ)公を合祀しました。
後述の古くから知られる染井と梨木神社には直接の関係はありません。たまたま染井の錦林に三条家の邸宅のであったことから、梨木神社創建時に境内地に含まれたのです。
京都三名水1)の3つの名水のひとつで、唯一今でも飲むことのできる「染井の水(そめいのみず)」が湧き、今も多くの方が汲んでいきます。地下数十メートルからモーターを使ってくみ上げています。
この染井の水が、なかなかのすぐれものです。
そのまま飲んでも、料理に使ってもおいしいです。
水汲みにはルールが定められています。
きちんとルールとマナーを守って、皆が気持ちよく汲むことができるように気を付けましょう。
地下水で知られる京都ですが、梨木神社は誰でも水が汲める貴重なスポットです。
境内に新しくカフェがオープン
2022年8月27日には、染井の名水を使って淹れたコーヒーを楽しめる「COFFEEBASE NASHINOKI」というカフェがオープンしました。
テラス席もあるので、コーヒーを味わいながら萩の花を眺めることもできます。
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近年、境内にマンションが建設され、様子がかなり変わりました。
多額の社殿の修復費用を捻出するためで、やむを得ないことです。
久々に行った方は、かなりびっくりされることでしょう。
拝観情報
拝観時間 | 日中随時 |
拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-841-7878 |
住所 | 京都市上京区下立売通西大路通東入ル |
アクセス | 市バス「府立医大病院前」より徒歩3分 |
公式ホームページ:梨木神社
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② 常林寺(じょうりんじ)<左京区>
境内が紅白の萩の花でいっぱいに
京阪と叡電の出町柳駅からすぐの人通りの多い位置にありますが、萩の季節以外は目立たない小さなお寺です。
普段は訪れる人もまれな常林寺ですが、萩のシーズンを迎えると様子が変わります。
門前には「萩の寺」という看板がかかっており、目ざとい人なら萩の季節になる前からチェックしているかもしれません。
狭い境内は、紅白のたわわな萩の花で埋め尽くされ、とても賑やかになります。
“わっさ~”と萩の花が咲いているという表現がしっくり来ます。
萩の季節も後半に入ると、参道の石畳は散った萩の花でピンクや白に染まります。
京都でも萩(ハギ)の名所としての知名度は高くないものの、アクセスは抜群です。
出町柳駅を出てすぐそこにある萩の名所です。
萩の開花シーズンには、朝から萩の花を狙った写真愛好家の姿が集まってきます。
毎年敬老の日には、「萩供養」が行われます。
邦楽奉納や声明(しょうみょう)などが披露されます。
本堂の特別拝観が行われる年もあります。
敬老の日以外にも、毎年萩の開花期間には、特別公開が行われます。
2021年は、本尊である阿弥陀三尊像、四季折々の草花が描かれた天井絵、坂本龍馬逗留の間などが公開予定でしたが、コロナ禍により中止となりました。
常林寺の萩の花の見頃は9月中旬~10月初めごろと早めです。
年によってやや変化はありますが、常林寺の萩のピーク期間は短めです。
見頃の時期が過ぎると、あっさりとすべての株を刈り取ってしまいます。
萩の花をねらって来たのに、全く花が残っていないなんてこともあるのでご注意を。
繰り返しますが、開花は早めなです。京都の他のスポットでは見頃であっても、常林寺では終わっていることも珍しくありません。
常林寺について
京都でも春にいち早く開花するオカメ桜で知られる長徳寺、正定院と並んで「砂川の三軒寺」と言われます。いずれも浄土宗の寺院です。
今も長徳寺と常林寺は並んでいますが、正定院は今出川通の拡幅に伴い玄関が南側になりました。
常林寺はもともと寺町荒神口にありましたが、寛文11年(1671年)に焼失し、現在地へと移転してきました。
砂川の三軒寺が並ぶ地は京都を南北に流れる鴨川の河原だったため水はけがよく、萩の成育に適しています。砂川の河原だったためと説明されることもありますが、砂川は用水路状の小川で河原ができるような川ではありません。かつては今より川幅が広かった鴨川の河原だったと考えるべきでしょう。
幕末には、勝海舟が京都の宿舎として利用したことでも知られます。
拝観情報
拝観時間 | 9:00~16:30(受付終了16:00) |
拝観料 | 境内自由 |
住所 | 京都市田中下柳町3 |
アクセス | 京阪「出町柳」よりすぐ |
③ 真如堂(しんにょどう)<左京区>
おすすめポイント
四季を通じて花が美しい寺院として知られる京都の真如堂ですが、初秋の主役は萩(ハギ)の花です。
本堂である真如堂の周りを取り囲むようにたくさんの萩の花が咲き誇ります。
四季折々の花が活けられることで京都でも人気上昇中の「花手水(はなちょうず)」にも萩の花が飾られているのを見ることができるでしょう。
真如堂の萩の花の見頃は9月中旬~10月上旬です。開花が早く散るのが遅めで開花期間が長めな京都の萩の花の名所です。
毎年萩の花が見頃を迎える頃には、三井グループによる三井二木会物故社員慰霊法要が執り行われます。
一般の人は参列することはできませんが、境内が高級車で埋め尽くされ、本堂からは錚々たる有名企業の名前が漏れ聞こえてきます。
真如堂は三井家の菩提寺であり、今も三井グループから大切に扱われているのです。
真如堂について
正式名称は真正極楽寺(しんしょうごくらくじ)といいます。
念仏道場として京都の女性を中心に庶民から多くの信仰を集めました。
現在地付近で創建後、京都の各所を転々としたのち、元禄6年(1693年)に現在地に落ち着きました。
庭園は「涅槃(ねはん)の庭」といわれ、京都・東山を借景とした雄大な枯山水庭園です。
2010年に作庭されたばかりの「随縁(ずいえん)の庭」はモダンな庭園です。
墓地には三井家のほかに、斎藤利三や海北友松の墓もあります。
2019年の紅葉シーズンには、JR東海の「そうだ京都、行こう」のポスター写真にも採用され、例年以上の人出で賑わいました。
春の桜、初夏のアジサイ、盛夏のムクゲなど四季を通じて花が美しいお寺です。
拝観情報
拝観時間 | 9:00~16:00(受付は15:45) 本堂周辺は日中随時エリア |
拝観料 | 大人 500円 中学生 400円 注:特別拝観期間は別料金 本堂周辺は境内自由エリア |
TEL | 075-771-0915 |
住所 | 京都市左京区浄土寺真如町82 |
アクセス | 市バス「錦林車庫前」より徒歩8分 |
公式ホームページ:真正極楽寺 真如堂
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④ 迎称寺(こうしょうじ)<左京区>
おすすめポイント
内部は非公開の寺院ですが、「萩の霊場」と称される萩の花の名所です。
門前には、見事な萩の植え込みが伸びます。
枯淡な感じの土塀をバックに咲く萩の花を見られるのが、京都でも他では見られないおすすめポイントです。
ところどころ土塀が崩れているのも雰囲気があります。
先ほど紹介した真如堂を出てすぐのところなので、萩の花を見るならあわせて行くのがおすすめです。
出町柳にある常林寺とあわせて、この近辺は萩の名所が集まっています。
萩の株によって開花に差があるため、迎称寺の萩の見頃は9月下旬~10月下旬と長く楽しむことができます。
迎称寺について
真如堂の北側にたたずむ、土塀の寺院です。
非公開寺院ですが京都では「萩の霊場」として知られます。
道路に面した土塀沿いには萩の花が咲き乱れます。
萩の花と土塀の風情ある景色を楽しめる京都の名所です。
門前の碑には「洛東九番」と書かれており、洛東三十三所霊場の九番札所ということのようです。しかし、他に洛東三十三所に関する情報はあまりなく、他の札所がどこであるのかなど、よく分かりません。
三十三所というからには、観音霊場なのでしょうが、迎称寺は時宗寺院でご本尊は阿弥陀如来です。
現役の霊場としては、2020年にはじまった「京都時宗霊場」の第6番札所です。
すぐ西隣の極楽寺が第7番札所、もう1軒西隣の東北院が第8番札所です。
迎称寺と書いて「こうしょうじ」と読む、ちょっとした難読寺院でもあります。
京都で「こうしょうじ」と言えば、浄土真宗興正派本山の興正寺か、宇治の琴坂で知られる興聖寺、あるいは西陣の興聖寺が有名です。
それらの中でも、もっともマイナーなのがここ迎称寺でしょう。
拝観情報
拝観時間 | 拝観不可(外観のみ) |
拝観料 | 拝観不可(外観のみ) |
TEL | 075-761-6680 |
住所 | 京都市左京区浄土寺真如町22 |
アクセス | 市バス「錦林車庫前」より徒歩10分 |
⑤ 上賀茂神社<北区>
おすすめポイント
楼門前から南へと流れる「ならの小川」の河岸などで萩(ハギ)の花が咲いています。
萩はどちらかというと乾燥した環境を好むため、京都で多湿なことが多い河岸で咲く萩の花を見られることは少なめです。
百人一首でも知られる清らかな流れの「ならの小川」とともに見る萩の花が初秋の上賀茂神社の見どころです。
朱塗りの建造物や橋をバックに、ピンクや白の萩の花が映えます。
上賀茂神社の萩の花の見頃は9月上旬~下旬とやや早めです。
上賀茂神社について
京都で最も古い神社の一つです。
古代からこの地に住んでいた鴨一族の氏神をおまつりし、また平安京造営後は都の守り神として信仰されてきました。
森につつまれるように社があり、百人一首にも詠われた「ならの小川」が流れています。
毎年萩シーズンには、9月9日の重陽神事と烏相撲が行われます。
烏相撲では、まずカラスの鳴き声や動きをまねた所作が行われ、その後子供による相撲の奉納が行われます。
中秋の名月には、「賀茂観月祭」が行われます。
祭典のほか、和太鼓の奉納や月見団子の無料接待などが行われます。
2024年は9月17日(火)に行われます。
拝観情報
拝観時間 | 5:00~17:00 |
拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-702-6618 |
住所 | 京都市左京区上賀茂本山339 |
アクセス | 地下鉄「北山」よりすぐ |
公式ホームページ:上賀茂神社(賀茂別雷神社:かもわけいかづちじんじゃ)公式Webサイト
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⑥ 天龍寺<右京区>
おすすめポイント
四季を通じて様々な花が咲く曹源池(そうげんち)庭園内の「百花苑」では、秋には美しい萩の花が見られます。
百花苑は、天龍寺が1983年北門を開設した際にあわせて整備された庭園です。
その名のとおり、萩の花だけでなく四季を通じて多彩な花が咲くのが魅力の庭です。
境内自由の駐車場あたりに広がる前庭の萩の花もおすすめです。
両側に建ち並ぶ塔頭(たっちゅう)のなかを天龍寺の大きな庫裏(くり)へと向かう参道の両脇に見ごたえある萩の花が咲き誇ります。
塔頭の風情ある壁に紅白の萩の花が映えます。
天龍寺の萩の花の見頃は9月中旬~10月上旬です。
天龍寺について
南北朝時代、南朝・北朝として対立していた足利尊氏と後醍醐天皇。
先に亡くなった後醍醐天皇の霊をなぐさめるために、足利尊氏が夢窓国師(むそうこくし)を開山として京都に建立したのが天龍寺です。
建築にかかった莫大な費用は元(中国)との貿易によってまかなわれました。
嵐山や亀山を借景にした特別名勝第一号として知られる池の庭園「曹源池庭園」、法堂の天井に描かれた直径9メートルの「雲龍図」など見どころの多いお寺です。
京都五山の一角として知られる格式の高い寺院です。
拝観情報
拝観時間 | 8:30~17:30 前庭は境内自由エリア |
拝観料 | 高校生以上:500円 小・中学生:300円 未就学児 :無料 前庭は境内自由エリア |
TEL | 075-881-1235 |
住所 | 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68 |
アクセス | 嵐電「嵐山」よりすぐ |
公式ホームページ:世界遺産|京都 嵯峨嵐山 臨済宗大本山 天龍寺 公式ホームページ
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⑦ 法住寺(ほうじゅうじ)<東山区>
おすすめポイント
初秋には境内を埋め尽くすほどになる萩の花が咲き誇る、京都の隠れた萩の名所です。
今回の京都の萩10選中でも萩の花の名所としては、迎称寺と並んで最も知名度が低いスポットが法住寺です(伏見の勝念寺のぞく)。
法住寺は狭い境内ながら、盛りだくさんです。
建物や門、石仏などを背景に入れて、いろんな萩の花の写真を撮ることができるのが京都でもひそかに人気な理由です。
萩と同時期の9月下旬から10月上旬にかけては、門前に彼岸花も咲きます。
法住寺のすぐ近くには、三十三間堂や京都国立博物館などの有名観光スポットがあります。智積院や豊国神社などもすぐ近くです。
萩の花の開花期には法住寺には是非立ち寄ってみてください。
法住寺の萩の花の見頃は9月中旬~10月上旬です。
法住寺について
後白河天皇の宮廷である法住寺殿が営まれた地にあります。
源氏と平家を手玉にとり、源頼朝から「日本一の大天狗」と称された人物です。
今も隣接地に後白河天皇陵があり、日中には参拝できます
木曽義仲が絶対絶命のピンチで一時覇権を確立した法住寺合戦の舞台でもあります。武士が上皇を武力で制圧したということで、承久の乱の魁とも評価されています。
かつては、今の東福寺境内まで含めた広大な寺域を誇っていました。
有名な三十三間堂も、実は法住寺殿の一部を構成するお堂でした。今は天台宗三門跡のひとつである妙法院の一部です。
拝観情報
拝観時間 | 9:00~16:30 |
拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-561-4137 |
住所 | 京都市東山区三十三間堂廻り655 |
アクセス | 京阪「七条」より徒歩8分 |
公式ホームページ:後白河法皇御所聖跡 天台宗 法住寺
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⑧ 梅小路公園(うめこうじこうえん)<下京区>
おすすめポイント
京都駅近くにある梅小路公園の中央付近には萩(ハギ)を筆頭に「秋の七草」が植えられたコーナーがあります。
秋の七草コーナーでは、桔梗(キキョウ)、女郎花(オミナエシ)、芒(ススキ)などとともに紅白の萩の花が咲き誇ります。
その他園内各所で萩の花が咲いているのを見ることができます。
梅小路公園の萩の花の見頃は9月下旬~10月中旬です。
例年、萩の花が見頃を迎えている9月末から10月上旬には園内にある有料エリアの朱雀の庭で「藤袴と和の花展」が開催されます。
萩と同じく秋の七草のひとつである藤袴(フジバカマ)の希少な原種がメインの展示です。
藤袴だけでなく、藤袴を目当てに集まってくる蝶のアサギマダラがおすすめです。
花好きや蝶好きな人には必見のイベントです。
2024年は9月27日(金)~10月14日(月祝)に開催されます。
梅小路公園について
もともと梅小路貨物駅だった跡地を再整備し、1995年にオープンした公園です。
京都駅から徒歩圏内にありながら、自然あふれる13.7ヘクタールの公園です。
近年は周囲にマンションが多くできて子育て世帯が増え、週末ともなれば梅小路公園は子供たちで大賑わいします。
2012年に京都水族館、2016年に京都鉄道博物館がオープンし、2019年3月には新駅「梅小路京都西駅」が開業しました。
周囲に2020年7月23日にホテルエミオン京都、2020年10月14日に梅小路ポテル京都、2021年3月12日にザロイヤルパークホテル京都梅小路、2022年3月1日に京都梅小路 花伝抄も開業しました。
梅小路近辺は京都でも大きく様子がかわりつつある、今後要注目のエリアです。
入園情報
入園時間 | 日中随時 |
入園料 | 園内自由 「藤袴と和の花展」は200円 |
TEL | 075-352-2500 |
住所 | 京都市下京区観喜寺町56-3 |
アクセス | JR「梅小路京都西」よりすぐ |
公式ホームページ:梅小路公園| 京都市都市緑化協会
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⑨ 下鴨神社<左京区>
おすすめポイント
上賀茂神社と並んで京都最古の神社である下鴨神社では、7月にみたらし祭りが行われる御手洗川(みたらしがわ)の両脇に萩の花が咲きます。
朱色の輪橋(そりばし)や、御手洗川の両岸に築かれた石垣など、秋になると絵になる景色をバックに萩の花を見ることができるのが京都でも人気な理由です。
下鴨神社の萩の花の見頃は9月下旬~10月中旬です。
下鴨神社について
京都最古の神社の一つで、世界文化遺産にも選定されています。
古くから平安京の守り神として信仰されてきました。
かつては単に「祭り」といえば、下鴨神社の例祭である葵祭(あおいまつり)のことを指したほどです。
現在境内のほぼすべての社殿が重要文化財・国宝に指定されています。
境内に広がる糺ノ森(ただすのもり)は、京都盆地の植生をよく残した森です。
古くから人の手はあまり加わらない、原生的な植生が広がっています。
糺の森は、今も近隣住民の散歩道として人気の静かなところです。
萩シーズンの中秋の名月には、「名月管弦祭」が開催されます。
かがり火で照らし出された舞台で、雅楽や平安貴族舞などの奉納が行われます。
2024年は9月17日(火)の開催です。
拝観情報
拝観時間 | 6:30~17:00 |
拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-781-0010 |
住所 | 京都市左京区下鴨泉川町59 |
アクセス | 京阪「出町柳」より徒歩12分 |
公式ホームページ:下鴨神社|賀茂御祖神社
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⑩ 幸神社(さいのかみのやしろ)<上京区>
おすすめポイント
京都の街中にある小さなお社ですが、知る人ぞ知る萩(ハギ)スポットです。
初秋になると、社殿前の両側にある萩の花が美しく咲き誇ります。
ちょうど萩の裏側の良い位置に狛犬が安置されているため、ちょっとした面白写真を撮ることができるのも、萩の花の名所としての見どころのひとつです。
幸神社の萩の花の見頃は9月下旬~10月上旬です。
幸神社について
素直に読むと「しあわせじんじゃ」という、とってもありがたい名称の神社ですが、ここの漢字で「さいのかみのやしろ」と読みます。
幸+神社ではなく、幸神+社です。
京都ではやや珍しい、賽の神(さいのかみ)を祀る神社です。
幸神社は、京都の鬼門を守る寺社のひとつです。
祭神は猿田彦大神で、本来は道祖神(どうそじん)信仰によるものです。
京都の外から入ってくる良くないものを遮るのが役割です。
もうひとつの顔である縁結びの神様という側面と、幸神社という社名があいまって、京都でも人気が高まりつつある神社です。
ただし、1887年に発行された「京都名所案内図会」では、「さいわいじんじゃ」とるびが振られています。
祭神はやはり猿田彦なので、賽の神信仰と関わりがあることは間違いありませんが、読み方は定まっていなかったのかもしれません。
拝観情報
拝観時間 | 日中 |
拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-231-8774 |
住所 | 京都市上京区寺町通今出川上る西入幸神町303 |
アクセス | 京阪「出町柳」より徒歩10分 |
⑪ 勝念寺(しょうねんじ)<伏見区>
おすすめポイント
「おすすめスポット10選」という表題ですが、もう一箇所ぜひ紹介したい萩の花のおすすめスポットを発見したので、11番目に紹介します。
伏見の旧市街地を歩いていた偶然発見した萩の花の名所です。
丹波橋通りに面する目立たない小さなお寺でが、境内が萩の花でびっしりと埋められています。
たっぷりと花を咲かせた萩の花が、参道の両側からのしかかってきます。
萩の花をかきわけないと、本堂にお参りできないくらいです。
赤や白・ピンクの萩の花が美しい、知る人ぞ知る穴場スポットです。
萩の足元には、彼岸花も咲いています。ピンクと白の萩の花の中に真っ赤な彼岸花が映えます。
同時期に開花していますが、萩の花と彼岸花の組み合わせは案外目にすることはありません。
意外といいもんですよ。
勝念寺の萩の花の見頃は9月中旬から下旬です。
京都の萩としてはやや開花は早めです。
萩の花を楽しみたいという方は、お早めに訪れることをおすすめします。
京都には、まだまだ知られざる萩の花の名所があるのでしょう。
勝念寺の境内には、カエルの石像がたくさん置かれています。
これは、身代り釜敷地蔵尊の身代わりが、みがわり→かわる→かえるという語呂合わせに由来します。
萩とカエルの石像なんて、勝念寺でしか見られないでしょう。
いろんな表情のカエルさんがいます。
勝念寺について
織田信長の嫡子で本能寺の変で討ち死にした信忠を祀る大雲院を開いた貞安上人が1587年に開いた寺院です。
今も、織田信長から賜った仏像が祭られています。
「かましきさん」と呼ばれ、庶民から篤い信仰を集めてきた寺院です。
地獄に落とされて釜茹での責め苦に苦しむ人々の代わりに、自ら釜へと入ったという釜敷地蔵尊を祀っています。
身代わり→かわり→カエルという語呂合わせから「かえる寺」ともいわれています。
境内には、カエルの置物があちこちに置かれています。
勝念寺の萩の花が公開される期間は「萩振る舞い」の時期だけです。
2020年は9月30日で、開花が早かった2021年は9月26日で公開終了しました。
公開終了の翌朝にはもう門は閉ざされ、萩の花は根元から刈り取られてしまっていました。
株分け、挿し木などのお手入れをすることで、毎年秋になると美しい萩の花が花を咲かせます。
萩が終わった直後の2023年は10月7日(土)・8日(日)に「秋の宝物公開」が行われました。
毎年10月に京都の浄土宗寺院が順次公開される「京都浄土宗寺院特別大公開」の一環としての特別公開です。
伏見にある勝念寺は、10/7(土)~8(日)の2日間、各10時~15時という限られた期間に公開されました。
普段は閉じられている本堂も開け放たれており、お寺の方に簡単にご案内いただきました。
織田信長公由来の仏像や、中国から伝来したというチベット仏教の仏像などが公開されました。
墓地には天宝義民の柴屋伊兵衛の墓もありました。
年に2日だけの特別公開ですが、訪れる人は少なかったです。
1kmあまり東にあり。同日に同じく京都浄土宗寺院特別大公開で公開される清涼院とあわせて訪れる人が多いようです。
拝観情報
拝観時間 | 8:00~16:00 |
拝観料 | 境内自由 |
住所 | 京都市伏見区石屋町521 |
アクセス | 京阪「出町柳」より徒歩10分 |
公式ホームページ:| 京都 伏見 勝念寺(かましきさん)| 織田信長 地蔵 観音 閻魔 霊場
⑫ その他の萩の花おすすめスポット
1. 天寧寺(てんねいじ)<北区>
天寧寺は、南北に長く連なる寺町の最北端に位置します。
公開されているのは山門から庫裏までの部分だけですが、四季を通じて様々な花が咲きます。
初秋には萩の花が見頃を迎えます。
天寧寺といえば、「額縁門」です。
山門前から見ると、門の向こう側に整った姿の比叡山が見えます。
まるで門が額縁のように見え、絵画のような美しい景色を見せてくれます。
拝観時間 | 8:00~16:30 |
拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-231-5627 |
住所 | 京都市北区寺町通鞍馬口下ル天寧寺門前町301 |
アクセス | 地下鉄「鞍馬口」より徒歩5分 |
2. 京都府立植物園<左京区>
あらゆる花が咲く京都府立植物園では、もちろん萩の花も咲きます。
初秋になると、園内のあちこちで萩の花が開花します。
植物生態園のほか、芝生広場などいたるところで萩の花が咲きます。
植えられているのか、勝手に生えてきたのかわからないくらいです。
休園日 | 12月28日~1月4日 |
入園時間 | 9:00~17:00(受付終了は16:00) |
入園料 | 一般 :200円 高校生 :150円 中学生以下:無料 |
TEL | 075-701-0141 |
住所 | 京都市左京区下鴨半木町 |
アクセス | 地下鉄「北山」よりすぐ |
公式ホームページ:京都府立植物園 Kyoto Botanical Gardens/京都府ホームページ
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3. 大河内山荘(おおこうちさんそう)<右京区>
広大な敷地の庭園に建物が散在する大河内山荘。
山荘内をゆっくり散策できるのが魅力です。
夏が終わり、秋を迎えたばかりの山荘を、清楚な萩の花が彩ります。
大河内伝次郎が精魂込めて作り上げた庭園を散策すると、「ささやかな秋」を感じさせてくれます。
坂東妻三郎(バンツマ)、嵐寛寿郎(アラカン)、長谷川一夫らと並び称された大スターです。丹下左膳役で知られます。
入園間 | 9:00~17:00 |
入園料 | 高校生以上:1,000円 中学生以下:500円 抹茶付き |
TEL | 075-872-2233 |
住所 | 京都市右京区嵯峨小倉山田渕山町8 |
アクセス | JR「嵯峨嵐山」より徒歩で15分 |
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4. 宇治市植物公園<宇治市>
四季を通じて花が咲く宇治市植物公園では、園内各所で萩の花が咲きます。
特に、春のゾーンと秋のゾーンでは萩の花があちこちで咲いています。
萩の花のシーズンには、例年秋の山野草展が開催されます。
2024年は、9月28日(土)~29日(日)に開催される予定です。
休園日 | 月曜日(祝日の場合は翌日) |
入園時間 | 9:00~17:00(受付終了は16:00) |
入園料 | 大人:600円 小人:300円 幼児:無料 |
TEL | 0774-39-9387 |
住所 | 京都府宇治市広野町八軒屋谷25-1 |
アクセス | JR「宇治」よりバス 近鉄「大久保」よりバス |
公式ホームページ:宇治市植物公園(公式ホームページ)
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5.大聖寺<上京区>
「御寺御所」と言われる尼門跡寺院の大聖寺も隠れた萩の名所です。
通常非公開寺院で内部は拝観できませんが、門をくぐったところにある萩の花は楽しむことができます。
境内には「花乃御所」という石碑がありますが、これは御寺御所大聖寺が花の名所であるということを示した碑ではありません。
室町時代には大聖寺の境内地からから西の室町通にかけて、「花の御所」と称された足利将軍家の邸宅があったことを示す石碑です。
13代将軍足利義輝の時代に二条御所へと移転後、豊臣秀吉の京都改造により聖護院が移転してきました。
聖護院が現在地へと移転後の元禄10年(1697年)に大聖寺が移転してきました。
御寺御所と称された大聖寺は代々皇女が門跡を務める格式高い寺院でした。
通常非公開寺院ですが、近年では2020年の京の冬の旅で特別公開されるなど、たまに公開されます。
拝観 | 通常非公開 萩のところまでは境内自由 |
住所 | 京都市上京区烏丸通今出川上る御所八幡町109 |
アクセス | 地下鉄「今出川」よりすぐ |
萩の豆知識
① 万葉集に詠われる植物ランキング
現存する日本最古の和歌集として知られる万葉集。
貴族らだけでなく一般庶民を含めた様々な身分の人々が詠んだ歌が、約4,500首収録されています。
万葉集の時代には、単に「花」と言うと、桜ではなく梅を指したということは良く知られています。
しかし、実は万葉集で読まれている花のトップは、梅ではありません。
- 萩(ハギ) 138首
- 梅(ウメ) 119首
- 松(マツ) 81首
- 橘(タチバナ) 66首
- 桜(サクラ) 41首
- 柳(ヤナギ) 39首
- 卯の花(ウノハナ)22首
- 竹(タケ) 19首
- 山吹(ヤマブキ) 17首
意外なことに、萩がナンバーワンです。
梅をしのぐ138首もの歌が詠まれています。数え方によっては142首になります。
今の感覚からすると、4位の橘(66首)や7位の卯の花も意外ではないでしょうか。
なお、卯の花とはおからを炊いたんではありません。ウツギ(空木)のことです。
② かつての「もみぢ」は萩の黄葉
萩といえば、今では花を楽しむ植物です。
しかし、万葉集では萩の花だけではなく、黄色く染まる黄葉も多く読まれています。
萩の花がピークを超えた頃から葉が黄色く染まりはじめ、秋にかけて鮮やかな黄葉を見せてくれます。
万葉集では、「もみぢ」に黄葉という漢字を宛てている例が多くあります。
当時に人々にとって、もみぢとは赤ではなく黄色であったのです(中国の漢詩の影響で赤であっても黄葉と表記したという説もあり)。
黄色く染まる草木は多数ありますが、中でも萩の黄葉が人々に愛されてきました。
百人一首でもみぢを詠んだ歌として最も有名なのは、猿丸大夫の以下の歌でしょう。
奥山に もみぢ踏み分け 鳴く鹿の こゑ聞く時ぞ 秋は悲しき
一般には、これはカエデなどの紅葉と受け取られていますが、実際は萩の黄葉であるという説も有力です。
この歌が掲載されている古今和歌集では、萩の歌をまとめた部分の直前に収録されています。
実際に猿丸大夫(古今和歌集では「詠み人知らず」として掲載)が紅葉と黄葉のどちらを詠んだのかは不明ですが、古今和歌集の撰者は萩の黄葉と考えていたことは確かでしょう。
ただ、「奥山にもみぢ踏み分け」ているのだから、やっぱり山でモミジの散紅葉を踏みながら歩いているという情景が自然にも感じます。
あまり山で萩の黄葉を踏みながら歩くという姿は思い浮かびません。
なお、猿丸太夫を祀っている宇治田原の猿丸神社は、紅葉が美しい穴場スポットとして有名ですが、萩の黄葉があったかは定かではありません。
③ 「萩」という漢字
秋を代表する草花として、「艸(草)+秋」からなる「萩」。
万葉集では、ハギを表すのに萩という漢字は使われておらず、「芽子」「芽」「波疑」とかいて「はぎ」と読んでいます。
古今和歌集では、漢字ではなく「はぎ」と仮名書きされています。
「萩」という漢字が初めて記録に残るのは、10世紀前半に編纂された「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」です。
実は、中国にも「萩」という漢字があります。
中国では、ヤマハハコあるいはヨモギ類を指します。
中国にも分布しているハギは、中国では「胡枝子」と言います。
日本では「萩」という漢字こそがハギを表記するのにふさわしいと考えられたのでではないしょうか。
むしろ、植物学者の牧野富太郎が述べるように、中国の萩とは全く別に「艸(草)+秋」という発想から日本独自の国字として「萩」という文字が作られた可能性が高いでしょう。
ハギとしてある萩の字も和製字で、これは秋に盛んに花がひらくので、それで艸冠りに秋の字を書いた訳で、中国にある本来の萩の字ではない。この中国の萩は蒿(ヨモギの類)であると字典にあってハギとは何の関係もない。すなわちこれは神前に供えるからサカキに対しての榊をつくったのと同筆法である。
おわりに
酷暑で知られる京都でもようやく秋の雰囲気が漂いはじめたころに咲くのが萩(ハギ)の花です。
「秋の日は釣瓶落とし」とも言われるとおり、京都でも急に日暮れが早まるこの時期こそ、効率よく明るい時間帯に京都を巡りたいものです。
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秋の京都を彩るおすすめの花
紅葉だけではない、京都の秋を美しく彩る花々を紹介します。
彼岸花(ヒガンバナ) 見頃:9月中旬~上旬
萩(ハギ) 見頃:9月下旬~10月上旬
秋明菊(シュウメイギク) 見頃:9月下旬~10月下旬
藤袴(フジバカマ) 見頃:9月下旬~10月下旬
秋桜(コスモス) 見頃:10月上旬~11月上旬
- 染井、醒ヶ井(さめがい)、県井(あがたい[↩]