京都の紅葉シーズンを代表する観光スポットである嵐山嵯峨野エリアは、紅葉が見頃を迎えると観光客であふれかえります。
しかし、大混雑の嵐山嵯峨野エリアでも、嘘のように人が少ない穴場スポットがいくつかあります。
本当にびっくりするくらい観光客がいない穴場スポットから、それなりに観光客はいるものの混雑まではしない穴場スポットまで、6ヶ所を紹介します。
- 嵐山嵯峨野エリアの穴場紅葉スポット
- おわりに
嵐山嵯峨野エリアの穴場紅葉スポット
① 展望台から嵐山嵯峨野エリアを一望できる「法輪寺」
紅葉おすすめポイント
嵐山の中心である渡月橋南詰の高台にある寺院です。
今は穴場として紹介する法輪寺ですが、渡月橋はかつて法輪寺橋という名称だったことからもわかるとおり、古くから嵐山エリアでも中心的な寺院として発展してきました。
まず山門前のイロハモミジは毎年色づきが美しく、グラデーション状に色づきます。
山門をくぐると本堂へと石段が続きます。ここでは、やや色づきの遅めのイロハモミジが頭上を覆うようで見事です。
雨上がりだと石段を散紅葉が真っ赤に染め上げます。
石段の途中左手に摂社の電電宮(でんでんぐう)がありますが、電電宮前のイロハモミジは11月末でも青葉が残るくらい色づきが遅いです。
石段を上りきると、左手には多宝塔があります。手前は赤とオレンジの紅葉、奥にはイチョウの黄色の黄葉が彩ります。
そして、法輪寺の紅葉のクライマックスは、境内東側の展望台からの景色です。
ここからは眼下に渡月橋から紅葉に染まった嵐山嵯峨野界隈を見下ろすことができます。
紅葉の向こうに広がる嵐山の展望は絶景です。
紅葉シーズン直後の2020年12月11日(金)~20日(日)に行われる嵐山花灯路では、何と2007年からプロジェクションマッピングが催されています。
紅葉が終わってからも訪ねてみましょう。
穴場度 C
前の車道を通る観光客は嵐山の中でもやや少な目で、車道からお寺は直接見えない位置にあるので、前を通っても気付かない人も多いでしょう。
嵐山でも中心に近いため、言ったことがあるという人も少なくはないでしょう。
今回紹介する穴場紅葉スポットの中では穴場度はやや低めです。
拝観情報
京都に法輪寺という名称の寺院は複数ありますが、こちらは「嵯峨の虚空蔵さん」として知られる法輪寺です。
日本三大虚空蔵のひとつであり、京都では数え年13歳でお詣りする「十三詣り」で知られます。
お詣りすることで虚空蔵菩薩から智慧を授かることができます。
ただし、お詣りの帰りには渡月橋を渡るまで決して振り返ってはならないとされています。
境内の鎮守社である電電宮は電気・電波の神様として信仰され、多くの電機、通信会社から信仰を集めています。
何とSDカードのお守りを授与してもらえます。
拝観時間 | 9:00~17:00 |
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拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-862-0013 |
住所 | 京都市西京区嵐山虚空蔵山町 |
アクセス | 阪急「嵐山」より徒歩で5分 |
公式HPはこちら
② 錦繍に輝く紅葉の参道が美しい「鹿王院(ろくおういん)」
紅葉おすすめポイント
嵐山を借景とし、舎利殿を景色として取り込んだ庭園の紅葉も見事ですが、鹿王院の魅力は参道の紅葉にあります。
山門からのアプローチの紅葉は錦繍というにふさわしい華やかなもので、石畳の参道や植栽とあいまって実に見事です。
内部まで入らなくても、駐車場から山門越しに参道の紅葉をのぞく、額縁効果もあってより一層美しく見えます。
赤、オレンジ、黄、緑の木々が鮮やかです。
穴場度 B
大混雑の嵐電嵐山駅から、ほんの500mほど東に行っただけのところにありますが、紅葉トップシーズンでも門前を歩く観光客の姿はパラパラしかありません。
嵐山のなかでも比較的交通の便も良く、京都を詳しく紹介するガイドブックにはたいてい掲載されている紅葉スポットなのですが、かなり穴場です。
ただ嵐電に「鹿王院駅」があるとおり、全く知られていない穴場というわけではありません。
拝観情報
足利義満が1379年に嵐山に創建した宝幢寺(ほうどうじ)の塔頭に始まる寺院です。
宝幢寺は十刹の第5位に数えられる有力寺院でしたが、応仁の乱の戦乱で衰退し塔頭の鹿王院だけが残りました。
今は天龍寺の境外塔頭になっています。
女性専用の宿坊として人気があり、1泊朝食付きで4,500円から利用することができます。
女性の方は、ぜひ泊まってみてはいかがでしょうか。
普通の京都観光では経験できない貴重な体験ができるはずです。
宿泊者がこたつに入りながら紅葉を眺めている姿も見かけます。
拝観時間 | 9:00~17:00 |
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拝観料 | 400円 |
TEL | 075-861-1645 |
住所 | 京都市右京区嵯峨北堀町24 |
アクセス | JR「嵯峨嵐山」より徒歩で6分 |
③ 保津峡を一望できる「亀山公園 保津峡展望台」
紅葉おすすめポイント
亀山公園は、渡月橋~竹林の小径~大河内山荘前~亀山公園~渡月橋と巡る嵐山エリア周遊ルートの途中にあり、それなりの観光客が中を通ります。
しかし、多くの観光客は園内を最短ルートで抜けるだけです。
園内のもっとも西側の高台にある保津峡展望台にまで足を伸ばす人はあまりいません。
保津峡展望台からは、紅葉の景勝地として有名な保津峡を見渡すことができます。
保津峡といえば、保津川下りで船から眺めるのも良いですし、トロッコ列車で車窓から眺めるのもまた格別です。
ただし、紅葉シーズンはかなり前から予定しておかないと席を取ることができません。
しかし、亀山公園の展望台からならいつでも保津峡を楽しむことができます。
時折、保津川下りの船やトロッコ列車が通り過ぎていきます。
展望台にはトロッコ列車の時刻表も用意されているので、準備万端で待ち構えることができます。
トロッコの線路沿いやホテル周辺などに人工的に植えられた紅葉と、山腹の自然林の紅葉があいまった絶景です。
穴場度 B
展望台までは、大河内山荘側の北入口からだと、プラス30mの標高差を上る必要があります。
展望台という案内板は見ながらも、目の前の坂道を見て多くの観光客は大堰川方面に下っていきます。
ビル10階分の標高差を上るのはちょっとつらいかもしれませんが、その先には穴場の絶景が待っています。
拝観情報
嵐山公園亀山地区を、一般に亀山公園と言います。
天龍寺の西側の丘陵部に広がる公園です。
今の亀山はかつて亀尾山(かめのおやま)と言われていて、亀の体にあたるかつての亀山は今は小倉山と呼ばれています。
亀山公園には、日中友好を記念した周恩来の歌碑があり、中国人観光客にも人気のスポットです。
周恩来は日本留学時代には京都に住んでいたこともありました。
保津峡は、亀岡盆地と京都盆地の間に10kmあまりにわたって続く、保津川(桂川/大堰川)の渓谷です。
深いⅤ字谷を刻み、奇岩や急流など渓谷美で知られています。
明治時代には船による川下りが始まり、1991年には旧山陰本線がトロッコ鉄道として復活し、より手軽に渓谷美を楽しめるようになりました。
入園時間 | 日中随時 |
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入園料 | 境内自由 |
アクセス | 嵐電「嵐山」より徒歩で15分 |
④ 写真好きな人に人気の高い「宝筐院(ほうきょういん)」
紅葉おすすめポイント
宝筐院の拝観者の特徴は、一眼レフやミラーレスを持った人が多いことです。
一般的な知名度は嵐山嵯峨野エリアでもやや低めの穴場ですが、写真好きの間では美しい写真が撮れるスポットとして有名なようです。
それでも穴場スポットであることには変わりありません。
庭園は、特に技巧を凝らされているというわけではない、シンプルなつくりです。
しかし、なぜかイロハモミジやドウダンツツジが美しく映えるから不思議。
名前の似ている宝厳院(ほうごんいん)の紅葉と比べてもひけはとらないと思いますが、立地の関係からか拝観者は少なめ。
写真好きの拝観者が多いということで、これまでもトラブルが絶えなかったため、撮影目的での拝観は禁止されています。
機材の持ち込みも三脚等が禁止なのは当然として、カメラも大型カメラは認められていません(アマチュアが使っているようなカメラなら問題なし)。
とはいえ、写真撮影自体が禁止されているわけではありません。
まずはきっちりと本堂で参拝をし
た上で、拝観マナーに注意を払い、節度を持って撮影をしましょう。
穴場度 B
写真好きな人に人気で、開門直後はまあまあ混雑になることもあります。
しかし、基本的には観光客はかなり少な目な穴場です。
宝筐院を狙ってくる人だけでなく、門前の真っ赤に染まった大きなモミジを見てふらっと入って来るという人も多いです。
拝観情報
足利2代将軍である義詮(よしあきら)の菩提寺であり、その院号から宝筐院という名称になりました。
南北朝時代、南朝の主力として活躍した楠木正行(まさつら)は四条畷の戦いで戦死し、宝筐院に葬られました。
北朝を率いる立場にあった義詮は、敵でありながら共に立派な父親を持った二代目であり、立派な人柄であった正行を心から尊敬し、自らの死後は正行の隣に葬るように遺言しました。
生前は敵味方にわかれて血みどろの戦いを繰り広げた二人の墓が仲良く並んでいるのを見ると、感動を覚えます。
ただし、現在の墓はいったん行方不明になっていたのを明治に入って再興したものです。
拝観時間 | 9:00~16:00受付終了(11月は16:30) |
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拝観料 | 大人 500円 小中学生 200円 |
住所 | 京都市右京区嵯峨釈迦堂門前南中院町9 |
アクセス | JR「嵯峨嵐山」より徒歩で15分 |
公式HPはこちら
⑤ 嵯峨野の最も奥にたたずむ静かな紅葉スポット「直指庵(じきしあん)」
紅葉おすすめポイント
大沢池よりさらに北の、清少納言が枕草子で「野は嵯峨野さらなり」と評した嵯峨野でも最も北に位置する静かな穴場の寺院です。
嵯峨野でも最も奥の山際に位置し、のどかな田園風景の中を進むアプローチも美しく、気分を高めてくれます。
静かな境内に入ると、歩を進めるごとに息をのむ美しい紅葉が周囲を包みます。
風情ある茅葺き屋根の本堂は、まさに草庵といった落ち着いた雰囲気です。
本堂から眺める庭園は絵画を観るようで、紅葉が織り成す錦色がどこまでも続くような感覚を覚えます。
たまたま出会った見知らぬ人同士でも目が合うと「キレイですね」と言い合ってしまうくらい感動的な光景です。
穴場度 A
大人気の嵯峨野エリアでも、最も遠い位置にあるため、ここまで来ると紅葉シーズンでもあまり混まないため、ゆっくりと紅葉を愉しむことができます。
周囲にはお土産屋さんなど何もなく、古きよき嵯峨野の紅葉をゆっくり楽しむことができます。
拝観情報
1646年に黄檗宗の草庵として立てられたのが始まりで、今も草庵の雰囲気を色濃く残しています。
幕末には尊王攘夷志士と深く交流した近衛家の老女、村岡局が浄土宗の寺院として再興しました。
本堂には参拝者が思いを自由に綴る「想い出草」というノートが置かれています。
1956年に置かれたころは、単なる記帳でしたが、やがて悩みや苦しい心の内などが書かれるようになりました。
以来、60年を越え、5千冊にものぼる冊数になりました。
尼寺というわけではありませんが、「勤皇女傑」とまで称された村岡局にゆかりが深いこともあり、嵐山嵯峨野エリアの中でも特に女性に人気の高い穴場紅葉スポットです。
拝観時間 | 9:00~16:00(受付終了は15:30) 11月中旬~12月上旬は 9:00~16:30(受付終了は16:00) |
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拝観料 |
大人 500円 |
TEL | 075-871-1880 |
住所 | 京都市右京区北嵯峨北ノ段町3 |
アクセス | JR「嵯峨嵐山」より徒歩で30分 |
公式HPはこちら
⑥ 嵐山嵯峨野エリア最後の穴場中の穴場「護法堂弁才天」
紅葉おすすめポイント
狭い境内ですが、驚くほど美しい紅葉で彩られます。
11月初めから色づきはじめ、そこからゆっくりグラデーション状に色づいていきます。赤と黄と緑がおりなす素晴らしいハーモニーです。
そして11月下旬に紅葉は見頃を迎え、境内は赤く染まります。
頭上から流れ落ちるような枝振りイロハモミジが特徴で、頭上を赤く覆います。
苔に落ちた散紅葉も美しく、何もかもが見事です。
穴場度 S
情報化社会では、穴場と言われていた紅葉スポットでも何かの拍子にあっという間に人気となります。
京都を代表する紅葉スポットである嵐山嵯峨野エリアにおいては、もう穴場なんてないと思っている方も多いでしょう。
ここまで紹介してきた5ヶ所も、比較的穴場ではあるものの、ガイドブックには載っています。
そんななか、いまだ知る人ぞ知る穴場紅葉スポットなのが護法堂弁才天です。
今や嵯峨野嵐山エリアでは唯一無二といっても言い過ぎではないでしょう。
紅葉トップシーズンの週末でも貸切状態ということは珍しくありません。
拝観情報
「嵯峨の弁天さん」と呼ばれる小さな神社です。
五山の送り火のひとつである鳥居形の曼荼羅山(まんだらやま)の麓にあります。
かつてこの地にあった仙翁寺の鎮守社であったともいわれますが、はっきりしたことは分かっていません。
拝観時間 | 日中随時 |
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拝観料 | 境内自由 |
住所 | 京都市右京区嵯峨鳥居本一華表町2 |
アクセス | JR「嵯峨嵐山」より徒歩で20分 |
おわりに
京都を代表する紅葉スポットであり、紅葉シーズンには大混雑する嵐山嵯峨野エリアでも、混雑することの稀な穴場を6ヶ所紹介しました。
今回は、スポット単位で紹介しましたが、有名な観光スポットの中でも知られざる絶景を見られる場所やアングルなどもあります。特定の時間帯のみや天候限定で出現する穴場なんてのもあります。
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