グローバル・ビジネス・レポート【136】実務訓練報告:アクシアル リテイリング株式会社(2024年度)(下)|MK新聞連載記事

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グローバル・ビジネス・レポート【136】実務訓練報告:アクシアル リテイリング株式会社(2024年度)(下)|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、「グローバル・ビジネス・レポート」を2012年2月1日から連載しています。
MK新聞2025年5月1日号の掲載記事です。筆者プロフィールは新聞掲載時点のものです。

長岡技術科学大学経営戦略・技術経営・ものづくり経営研究室 坂上 拓嶺さんの執筆です。

実務訓練報告:アクシアル リテイリング株式会社(2024年度)(下)

 

ネットスーパー業務のため、店舗で商品をピッキングする筆者

前回の記事で書いたように、私は、2024年10月8日からアクシアル リテイリング株式会社(以下、アクシアルと略す)で実務訓練(長期インターンシップ)を始め、最初の1ヵ月はスーパーマーケットの原信寺島店に勤務し、スーパーマーケット事業の基礎を学んだ。11月18日~2025年2月14日は、私が希望していたネットスーパー事業に取り組むため、アクシアル本部の営業企画部に勤務した。今回の記事は、本部営業企画部での実務訓練について書く。
新潟県では、原信の寺島店(長岡市)、近江店(新潟市)、河渡店(新潟市)がアクシアルのネットスーパー事業の拠点店舗となっている。営業企画部での最初1ヵ月は、本部でネットスーパー業務を行う前にネットスーパーの現場を知っておいた方が良いという理由から、この3店舗で実際のネットスーパー業務に取り組んだ。
最初に行った店舗は基礎研修で働いた寺島店で、ここでは作業の基礎を学習した。アクシアルのネットスーバー事業には、10時までの注文で当日配送が可能な「Standard」(1回の配送料600円・購入上限額5万円)と、翌日配送となる「PRO」(1回の配送料500円・購入上限額8万円)の2種類がある(配送料・購入上限額はいずれも税抜)。寺信店は、Standard、PROのどちらも対応しており、私はその両方の作業を行うことで相違を知ることができた。
次は原信近江店で、この店舗はStandardのみ対応している。作業の基本的な流れは寺島店と同じだが、Standardのみのため、作業スピードを意識した仕事となった。最後は河渡店で、この店舗はPROのみ対応している。当日配送がないため、配送ミスをなくすための工夫が入念に行われている点が特徴的だった。3店舗を通じて、最初の1ヵ月の基礎研修で商品の売場の基本的な位置を覚えていたことなどが非常に役に立った。ただし、各店舗は売場などで違いもあり、実際に働くことで気がつく発見も多かった。
約1ヵ月間のネットスーパーの現場での仕事を終え、12月16日からは本部での業務となった。本部では、現場作業を行った3店舗で、異なる部分や改善できる部分がないかをまとめ、ネットスーパーの売上向上につながる案を検討した。社員の方と相談し、具体的な取り組みとして私は、ネットスーパー業務の商品登録マニュアルの改善、ネットスーパーの新規商品登録と売上の変化の分析を課題とし取り組んだ。
それまでの商品登録マニュアルは各入力項目の詳細な説明などがなく、どこに注意して入力を行えば良いのか分かりにくい状態だった。そのため私は、ネットスーパー店舗のチーフの方から登録の工夫や注意点を聞き、初めて作業を行う人でもすぐに分かるように、マニュアルの改善を行った。改善したマニュアルのサンプルは、新たにネットスーパーの店舗に着任した社員の方々に実際に配布し、社員の方からは分かりやすいとのコメントを頂いた。
ネットスーパーの新規商品登録では、約1000点の商品を新たに登録・掲載し、それらの売上がネットスーパー全体の売上にどのように貢献したか、また、登録商品の告知の仕方によって売上にどのような影響があるかといったことを分析した。実際にネットスーパーのサイト上に自分が登録した商品の情報が反映され、実際に購入されたデータを得られた時は大きな達成感を得た。分析では、実務訓練後に社員の方に引き継ぐことを考えて、できるだけ有意義な分析結果を残せるように努めた。
今回の実務訓練では、スーパーマーケット業務、ネットスーパー業務に関する知識、そして業務経験だけではなく社会人としてのマナーなど多くのことを学ぶことができ、さらに、アクシアルに成果物を残すことができたという達成感も得ることができた。また、今後の自分の研究に対してもモチベーションが高まった。実務訓練に行く前と比べて、ネットスーパーに対するイメージをより鮮明に持つことができるようになったため、大学院で自分の研究を進める上で今回の実務訓練の経験が大いに貢献すると考えている。
私の実務訓練は2月14日に修了した。これからは一人の顧客として店舗に通うが、ネットスーパーも積極的に利用して、取扱商品や業務の流れなど顧客目線で気がつく変化があれば今後の研究に活かしていきたいと思う。
最後に、実務訓練でご指導いただいたアクシアルの本部、店舗の皆様、今回の実務訓練の準備、対応を行っていただいた鈴木信貴准教授、その他お世話になった関係者の皆様に心から感謝を申し上げる。

■筆者プロフィール
新潟県出身。長岡高専卒。現在、長岡技術科学大学大学院情報・経営システム工学分野の修士1年に在籍。

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