グローバル・ビジネス・レポート【131】実務訓練報告:牧野フライス製作所(2023年度)(上)|MK新聞連載記事

よみもの
グローバル・ビジネス・レポート【131】実務訓練報告:牧野フライス製作所(2023年度)(上)|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、「グローバル・ビジネス・レポート」を2012年2月1日から連載しています。
MK新聞2024年7月1日号の掲載記事です。筆者プロフィールは新聞掲載時点のものです。

長岡技術科学大学経営戦略・技術経営・ものづくり経営研究室 阿部 航さんの執筆です。

実務訓練報告:牧野フライス製作所(2023年度)(上)

 

牧野フライス製作所での実務訓練最終報告会(立って発表を行っているのが筆者)

5月号の千代季君のアクシアル リテイリング株式会社の実務訓練(長期インターンシップ)の記事に引き続き、7月号と9月号では牧野フライス製作所(以下、牧野フライスと略す)での実務訓練の記事をお届けする。2023年度は、私と同じ研究室の三科雄一朗君が牧野フライスで実務訓練を行った。それぞれ違う部署での勤務だったため、7月号は私が書き、9月号は三科君が書く。牧野フライスには、2020年度、2021年度にも研究室の先輩が実務訓練を行った。
牧野フライスは、1937年に牧野常造氏によって設立された大手工作機械メーカーである。マシニングセンタや放電加工機、レーザー加工機といった加工機械からCAD/CAMや自動化のシステムを支援するソフトウェアなどの開発、生産、販売を行っている。海外にも多くの拠点が存在し、現在では売上の8割以上が海外というグローバルメーカーである。
私が牧野フライスでの実務訓練を希望したきっかけは、鈴木信貴准教授が担当する講義「技術経営論」のレポート課題であった。レポートの課題が「牧野フライスの中期経営戦略を考える」というものであり、このレポートに取り組む中で工作機械産業への関心が深まり、同社での実務訓練を希望した。
実務訓練では、神奈川県にある牧野フライス事業所の開発本部の応用ソフトウェア開発部(FAグループ)に配属され、2023年10月から2024年2月まで勤務した。FAグループは、工場の自動化に関連するシステムを管理・支援するソフトウェアを開発・保守している部署である。私は、その自動化システムを運用し、機械加工工程全体を支援するためのMAS-NXと呼ばれるソフトウェアの開発に参加した。
実際のMAS-NXの開発業務では、大きく分けて2つの開発に携わった。MAS-NXで支援運用している装置の一つにWSS(Work Set Station)と呼ばれる装置があるが、最初にこのWSSと接続し、単独で指令を行うことができるソフトウェアの開発を行った。WSSとは、自動化システムの中で加工部品の着脱の指示など人の手を必要とする作業を行う場所である。開発のプログラミング言語にはC#を使用した。初めて扱う言語だったため、基本的なソースコードの書き方から学習を行い、実装する画面案や既存のシステムの構成を参考にしながらソフトウェアを操作する画面やソフトウェアを動かすための関数の作成を行った。不明な点は、適宜、社員の方に聞きながら仕事を行うことで、最終的に私が開発したソフトウェアを用いて動作テストを成功させることができた。四苦八苦しながらの開発業務だったが、無事にソフトウェアを完成させることができ、うまく動作した時の達成感はこれまでに無い経験であった。
次の開発業務は、MAS-NXの機能のうち、加工実績と呼ばれる情報の画面表示とその機能の開発を行った。ここでの加工実績とは、工作機械がどのような加工をしたかといった様々な加工情報を指す。開発する上で、どのような画面仕様にするか、どのような機能をもたらすのかといった案をまず作成した。FAグループの方々からのフィードバックを参考に、随時、報告、相談を行いながら、実際に顧客に提供する画面案や機能案を考えた。顧客の目線に立ち、意見を出し合いながら仕様を考えて開発を行うというソフトウェア開発の進め方をよく理解しながら、開発をやり遂げることができた。
この2つの開発業務により、私は自動化システムの基本部分の開発から実際に顧客が使用する画面の開発まで行うことができ、牧野フライスFAグループの一通りの業務を実習することができた。実務訓練でここまでできたのは、牧野フライスの関係者の皆様のおかげである。心から感謝申し上げる。上記の開発業務以外にも、様々な実習や工場見学を行った。この4ヵ月半の実務訓練では、私の想像以上に様々なことを学ぶことができ、人として大きく成長できたと実感している。この実務訓練で学んだことを今後の大学院生活および社会人生活に活かせるように日々、努力していきたいと思っている。

■筆者プロフィール
山形県出身。鶴岡高専卒。現在、長岡技術科学大学大学院情報・経営システム工学分野の修士1年に在籍。

MK新聞について

「MK新聞」は月1回発行で、京都をはじめMKタクシーが走る各地の情報を発信する情報紙です。
MK観光ドライバーによる京都の観光情報、旬の映画や隠れた名店のご紹介、 楽しい読み物から教養になる連載の数々、運輸行政に対するMKの主張などが凝縮されています。
40年以上も発行を続けるMK新聞を、皆さま、どうぞよろしくお願いします。

ホームページからも最新号、バックナンバーを閲覧可能です。

グローバル・ビジネス・レポート バックナンバー

この記事が気に入ったらSNSでシェアしよう!

関連記事

まだ知らない京都に出会う、
特別な旅行体験をラインナップ

MKタクシーでは様々な京都旅コンテンツを
ご用意しています。