エッセイ「本だけ眺めて暮らしたい」【393】|MK新聞連載記事

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エッセイ「本だけ眺めて暮らしたい」【393】|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、大西信夫さんによる様々な身近な事柄を取り上げたエッセイ「本だけ眺めてくらしたい」を前身を1988年5月22日から連載しています。
MK新聞2021年1月1日号の掲載記事です。

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本だけ眺めて暮らしたい

写真は、過去の自らの姿や暮らしの様子を記録し、時や記憶を蘇らせるものとして、誰にもかけがえのないものではないだろうか。

文字の、言葉の記録なら、昔のスケジュール帳や日記もそう。

折にふれて短歌を詠んでいる人なら、それもきっとそうだろう。

私なら、本紙の連載コラムもまさにそうだ。

実は、この「本だけ眺めて暮らしたい」以前にも、「空車中のひとりごと」「京都の見方」「何を見ても何かを思う」を連載してきた(別の筆名を含む)。

1988年5月以来、ほぼ途切れることなくずっとだから、今年で33年になる。
2009年10月までは月に二回の発行だったから、かつては今の二倍のペースで回を重ねていた。

まるで、最終回のような話題になってしまったが、特にそんな予定ではない(ですよね。編集者さん?)。また、連載回数や年数の切りがいい節目というわけでもない。

ただ、プライベートな写真や日記だけでなく、他者に楽しんでもらおうと執筆し、公開される連載原稿もまた、各回の執筆当時の私自身を映し出していると、あたりまえのことながら改めてふと思った(よくこんな恥ずかしいことを続けているものだ)。

そのころに読んでいた本や、興味や、疑問や、意見や、考えていたことや、自らをとりまく環境や、文体や、表現や。

他の媒体でも取材やインタビューの記事、書評、映画評などは無数に書いてきたが、特定のテーマを定めて、四百字詰め原稿用紙にして二枚程度の同様の形式のコラムを同じ媒体に30年以上も連載し続けてきたことは、自分自身の定点観測になっていると言えるのかもしれない。

私はこの連載を書くことを習慣としてきた。

ところで、ミステリー作家のアガサ・クリスティは、名探偵ポアロとミス・マープルの両人気シリーズの各完結作を前もって書いておき、自らの死後に発表するよう出版社と契約していたという(結局、ポアロのほうは出版社の要望で生前に出版、その翌年に亡くなったのだとか)。

こんな総括的な文章を今ここに書いて、このあと私にもしものことがあったら、予感していたのかもしれないと周囲の人に思われかねないので、少なくとも当分のあいだは、健康管理や自転車の運転などに、そうそう新型コロナにも、十分気をつけなければ――。

と、年頭にあたって。

MK新聞について

「MK新聞」は月1回発行で、京都をはじめMKタクシーが走る各地の情報を発信する情報紙です。
MK観光ドライバーによる京都の観光情報、旬の映画や隠れた名店のご紹介、 楽しい読み物から教養になる連載の数々、運輸行政に対するMKの主張などが凝縮されています。
40年以上も発行を続けるMK新聞を、皆さま、どうぞよろしくお願いします。

ホームページからも最新号、バックナンバーを閲覧可能です。

MK新聞への大西信夫さんの連載記事

1988年以来、MK新聞に各種記事を連載中です。

1988年5月22日号~1991年11月22日号 「よしゆきの京都の見方」(45回連載)
1990年1月7日号~1992年2月7日 「空車中のひとりごと」(12回連載)
1995年1月22日号~1999年12月1日号 「何を見ても何かを思う」(64回連載)
1996年4月16日号~現在 「本だけ眺めて暮らしたい」(連載中)

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