アフガニスタンで続けられているペシャワール会の活動|MK新聞2023年掲載記事

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アフガニスタンで続けられているペシャワール会の活動|MK新聞2023年掲載記事

MKタクシーの車内広報誌であるMK新聞では、フリージャーナリストの加藤勝美氏及びペシャワール会より寄稿いただいた中村哲さんの記事を、2000年以来これまで30回以上にわたって掲載してきました。
2022年12月から1月にかけて、ペシャワール会の村上優会長とPMS支援室の3人がタリバン支配下の同地に初めて入りました。3月2日に届いた現地レポートを参考にしながら、現地の様子をお伝えしたいと思います。
以下、2023年2月に作られた現地レポートをもとに現地の様子をお伝えします(ペシャワール会北摂大阪・加藤勝美)

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アフガニスタンで続けられているペシャワール会の活動

12年ぶり、日本から現地訪問が実現

PMSのこれまでの活動によって、干上がっていた畑が復旧し、樹木も大きくなり、人口も増え、バザールも大きくなり、至るところで子供たちが遊んでいました。
また、排水がうまくいかないため湿地化していた畑の多くもすっかり耕作されていました。
そして、治安状況悪化のためペシャワール会の現地ワーカーが日本に帰ってきて以来、実に12年ぶりの現地訪問となり、女子教育問題などが手つかずのままながら、タリバン政権下で治安状況が改善してきたことを示しています。
シェイワ堰砂州の補強作業が2023年の1月23日に終わりましたが、こうした単純な作業は受益者である村人が自発的に行うべきものなので、そのシステムづくりが課題となっています。
PMSが取水口の改修工事をするに先立って、村人総出で浚渫(しゅんせつ)作業が行われました。

水の威力を示す漬物石のようなものの一つ。短径約25㎝、長径約30㎝大の巨石がごろごろしている。

水の威力を示す漬物石のようなものの一つ。短径約25㎝、長径約30㎝大の巨石がごろごろしている。

堰建設予定地付近で取水方法についての協議も行われました。

堰建設予定地付近で取水方法についての協議も行われました。

ガンベリ農場では収穫したサツマイモを職員、作業員たちが焼き芋にしえ食べている。焼き芋は中村さんが職員たちに勧めていた食べ方です。

ガンベリ農場では収穫したサツマイモを職員、作業員たちが焼き芋にしえ食べている。焼き芋は中村さんが職員たちに勧めていた食べ方です。

日本からの偵察団が来るというので、村の長老たちが挨拶にやってきました。その場でドクター・サーブ・ナカムラへの想いをこめた詩を詠む人もいました。生前、中村さんはこの公園で大勢の人たちを呼んで詩の会を開きたいと考えていましたが、突然の死でそれは実現できませんでした。パキスタンやアフガニスタンでは短詩型文学が盛んです。

日本からの偵察団が来るというので、村の長老たちが挨拶にやってきました。その場でドクター・サーブ・ナカムラへの想いをこめた詩を詠む人もいました。生前、中村さんはこの公園で大勢の人たちを呼んで詩の会を開きたいと考えていましたが、突然の死でそれは実現できませんでした。パキスタンやアフガニスタンでは短詩型文学が盛んです。

サツマイモ畑の野ネズミ対策として飼われているガンベリ農場の猫。以前はネズミ対策として毒入りの餌を使っていましたが、中村さんが猫に変えました。

サツマイモ畑の野ネズミ対策として飼われているガンベリ農場の猫。以前はネズミ対策として毒入りの餌を使っていましたが、中村さんが猫に変えました。

ガンベリ農場の収穫物。ほかにも玉ねぎ、大根、蕪、ほうれん草、ニンニクなど多種の冬野菜が栽培されている。

ガンベリ農場の収穫物。ほかにも玉ねぎ、大根、蕪、ほうれん草、ニンニクなど多種の冬野菜が栽培されている。

農場内の黒砂糖(サトウキビ)精製工場。コロナウイルスなどで停止していたが、約3年ぶりの再開。そして出来立てアツアツの黒砂糖を試食するPMSの職員たち。

農場内の黒砂糖(サトウキビ)精製工場。コロナウイルスなどで停止していたが、約3年ぶりの再開。そして出来立てアツアツの黒砂糖を試食するPMSの職員たち。

ガンベリ農場で昼食をとるペシャワール会のメンバーとPMSの職員たち。中村さんの記念塔の前でゆったりとした時間を過ごす。偶像崇拝をタブーとするイスラーム社会でも極めて原理主義的タリバンだが、中村さんの顔写真だけには手を出さない。

ガンベリ農場で昼食をとるペシャワール会のメンバーとPMSの職員たち。中村さんの記念塔の前でゆったりとした時間を過ごす。偶像崇拝をタブーとするイスラーム社会でも極めて原理主義的タリバンだが、中村さんの顔写真だけには手を出さない。

(2023年3月9日記。文責・加藤勝美)

 

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40年以上も発行を続けるMK新聞を、皆さま、どうぞよろしくお願いします。

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フリージャーナリスト・加藤勝美氏について

ペシャワール会北摂大阪。
1937年、秋田市生まれ。大阪市立大学経済学部卒
月刊誌『オール関西』編集部、在阪出版社編集長を経て、1982年からフリー
著書に『MKの奇蹟』(ジャテック出版 1985年)、『MK青木定雄のタクシー革命』(東洋経済新報社 1994年)、『ある少年の夢―稲盛和夫創業の原点』(出版文化社 2004年)、『愛知大学を創った男たち』(2011年 愛知大学)など多数。

MK新聞への連載記事

1985年以来、MK新聞に各種記事を連載中です。

1985年11月7日号~1995年9月10日号 「関西おんな智人抄」(204回連載)
1985年10月10日号~1999年1月1日号 「関西の個性」(39回連載)
1997年1月16日号~3月16日号 「ピョンヤン紀行」(5回連載)
1999年3月1日号~2012年12月1日 「風の行方」(81回連載)
2013年6月1日号~現在 「特定の表題なし」(連載中)

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