グローバル・ビジネス・レポート【128】燕三条ものづくりメッセ 2023参加|MK新聞連載記事

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グローバル・ビジネス・レポート【128】燕三条ものづくりメッセ 2023参加|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、「グローバル・ビジネス・レポート」を2012年2月1日から連載しています。
MK新聞2024年1月1日号の掲載記事です。筆者プロフィールは新聞掲載時点のものです。

長岡技術科学大学経営戦略・技術経営・ものづくり経営研究室 助川 将啓さんの執筆です。

燕三条ものづくりメッセ 2023参加

燕三条ものづくりメッセ 2023の様子(写真提供:燕三条地場産振興センター)

燕三条ものづくりメッセ 2023の様子(写真提供:燕三条地場産業振興センター)

新潟県三条市の燕三条地場産業振興センターにて、2023年10月26、27日の二日間に渡り「燕三条ものづくりメッセ2023」が開催された。この展示会は、燕三条地域の製品、加工技術、産業機械、サービスなどを会場内にて各企業等がブースを設け展示、説明する展示会である。私が所属する研究室は、実際の企業活動を知るために学外で開催されるイベントにも積極的に参加しており、私もこの展示会に参加した。
新潟県の燕三条地域は昔から製造業が盛んで世界に誇れる技術を持つ企業が数多く存在する。この地域で江戸時代の初め頃から主に農業の副業として広まった鍛冶や金属加工の技術は、今でも各工場・工房に引き継がれており、それらの技術を用いた工具、刃物、ステンレス製品等は国内外で高い評価を受けている。
燕三条ものづくりメッセは、今回で10回目を迎え、参加した企業・団体は176団体、来場者は2日間で4356人となった。今回、展示会に参加した企業・団体は大きく分けて6つの業界・業種に分類されていた(加工技術、ソリューション、機械装置、民生品、産業支援機関、教育・研究機関)。会場内では各企業・団体の方達がブースの前に立ち、自社の製品や技術をアピールしていた。また、会場内に設けられている共有商談スペースなどを用いて、企業の方々が交流す姿を様々なところで見ることができた。
今回の展示会ではリアル(オフライン)だけでなく、オンラインでの商談サービスを行うなどオンライン対応にも力を入れていた。出展企業へのインタビューやプレゼンテーションのアーカイブが公式サイトにアップロードされており、会場に行かなくとも興味がある企業の情報を得ることができるようになっていた。特にVRを用いて公式サイトからいつでも、どこでも企業展示を見学できる「燕三条ものづくりVR展示館」は、3Dで自由に展示を見ることができるため、興味がある方は、是非、訪問してみてほしい(https://webdb.tsjiba.or.jp/top/vr_exhibition/)。
企業の製品、技術を展示しアピールする場は、企業にとって新規取引先開拓の機会となる。では、取引先開拓という目的を達成するために各ブースではどのような取り組みを行うと良いのだろうか。私は今回の展示会に、学生という立場で参加した。学生が参加することの意義も含めて私の意見を述べたい。
まず、第1に「他社技術と自社技術の差を伝える」ことが重要であると考える。今回の展示会における業種は大きく分けて6つに分類されているが、細かく見ていけばさらに分類することできる。そのため、他社とは異なる点をできるだけわかりやすく参加者に伝える必要がある。私自身、今回、参加してみて、同じ業種・業界の企業がこんなにもあることに驚いた。参加者がすぐに他社との比較ができるこのような機会であるからこそ、自社の強み・他社との違いを明確に認識し、説明する必要があると考える。
第2に「記憶に残る」ことが重要であると考える。会場内は多くのブースが展開されており、多くの企業がいる。その中で、私は、実際の機械を設置し技術の実演をしている企業や自社技術を搭載したグッズを配っていた企業が特に記憶に残っている。このように自社技術の実演、グッズ、さらに体験型のアクティビティを通して、訪問者の記憶の残ることが重要だと考える。この「他社技術と自社技術の差を伝える」、「記憶に残る」は、企業だけでなくこれから就職を考える学生に対しても重要である。
今回、私は、燕三条ものづくりメッセ2023に参加して、燕三条地域の各企業の取り組みついて深く知ることができた。ただし、訪問した企業の中には、専門的な技術の話など難しい話もあった。そのため、今後、展示会に参加する際は、事前の準備をもう少し入念に行った上で参加したいと思う。また、今回の参加の経験は、今後の大学で学びに活かしていきたいと思う。

■筆者プロフィール

茨城県出身。茨城高専卒。現在、長岡技術科学大学大学院情報・経営システム工学分野の修士1年に在籍。

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