美山かやぶきの里や渓谷美など穴場満載!南丹市「美山町」の紅葉おすすめスポット7選
目次
かやぶきの里で知られる南丹市美山町。古き良き日本の姿が残る農村風景のかやぶき屋根と紅葉は良く似合います。
実は、南丹市美山町の紅葉スポットは美山かやぶきの里だけではありません。
美山町には渓谷美や滝、湖、原生林など美しい自然と紅葉が見られるスポットがたくさんあります。
かやぶきの里に加えて、南丹市美山町の穴場紅葉スポットを7ヶ所箇所紹介します。
南丹市美山町について
南丹市美山町の位置
美山エリアは南丹市の北部に位置し、北は福井県、東は滋賀県に接する京都府の北東端です。
大部分が山間部で、日本海へと流れる由良川が美山エリアを東から西への流れます。由良川沿いを中心に集落が点在しています。
北は頭巾山(871m)、八ヶ峰(800m)、東は三国岳(959m)、天狗岳(928m)、南は品谷山(881m)など、美山は三方を京都でも有数の高い山々に囲まれています。
2006年に合併により南丹市が誕生する前の北桑田郡美山町のエリアです。
南丹市の他の地域は船井郡でしたが、美山町は京北町(現京都市右京区)と同じく北桑田郡でした。
美山町は、1955年に北桑田郡の知井村(ちいむら)・平屋村(ひらやむら)・宮島村・鶴ヶ岡村・大野村が合併して誕生しました。
「美山」とは、美しい山々に囲まれていることから名づけられた瑞祥地名の一種です。
美山町エリアをあらわすちょうど良い広域地名がなかったことから、美山という縁起の良い地名になったのでしょう。
地名にぴったりの美しい地域です。今やすっかり美山という地名が馴染んでいます。
なお、1879年に南北に分割されるまで同じ桑田郡だった南桑田郡はほぼ今の亀岡市に相当します。
美山、京北、亀岡でひとつの郡だったことはちょっと意外です。
美山町のちょうど中央を京都と若狭を結ぶ国道162号線が貫いています。
国道162号線は周山街道の別名でも知られています。若狭街道や高浜街道と言われることもあります。
かつては若狭湾の海産物を京都へと運ぶ鯖街道のひとつでした。今は「西の鯖街道」として地域振興が図られています。
南丹市美山町の気候
美山町エリアの気候は日本海型と太平洋型の中間で、年間を通じて雨が多い気候です。
京都市内よりも緯度が高く、盆地性気候のため、冬季の美山町はかなり冷え込みます。
南丹市内でも美山町だけは豪雪地帯に指定されており、冬季にはかなりの積雪があります。
例年1月30日ごろ~2月6日頃には、豪雪を逆手に取った「美山かやぶきの里雪灯籠」が開催されます。
手づくりの雪灯籠で雪に覆われたかやぶき屋根が幻想的に照らし出されます。
日本はもとより、台湾からも多くの見物客が美山かやぶきの里を訪れる人気イベントでした。
2024年は1月27日(土)~2月3日(土)に開催予定です。
美山エリアは典型的な過疎地ですが、観光や農村振興などいろいろ頑張っています。
寒暖差が大きいことまり、美山町の紅葉は鮮やかに色づきます。
美山町以外の南丹市の紅葉はこちら
南丹市美山町の穴場紅葉スポット7選
① 日本の原風景が広がる「美山かやぶきの里」
紅葉おすすめポイント
南丹市美山町には数多くの茅葺(かやぶき)屋根が残りますが、中でも美山町北村には多くのかやぶき屋根の建物が残り、「美山かやぶきの里」と言われています。
年中を通して美しい美山かやぶきの里ですが、最も華やかに彩られるのはやはり紅葉シーズンです。
38棟ものかやぶき屋根の建物が残る美山かやぶきの里では、絵になる景色には事欠きません。
近くから紅葉とかやぶき屋根を見上げるのも良し、遠くから錦繍に色づいた背後の山々をバックにかやぶき屋根が建ち並ぶのを眺めるのもよし。
地元産のそばや、地元産の原料から作られたスイーツなども楽しむことができ、必要以上に観光地化していないのも美山かやぶきの里の魅力です。
美山かやぶきの里の紅葉の見頃は11月上旬~中旬ごろです。
今は人里離れた山岳地帯にある印象の美山かやぶきの里がある南丹市美山町北村ですが、かつては鯖街道が通っていました。
鯖街道とは、国道367号線の別名として使われることもありますが、本来は若狭湾と京都を結ぶ街道の総称です。
若狭湾で取れた鯖を一昼夜かけで京都へと運んだことが名前の由来です。
若狭は日本海の海運の中心地であり、鯖などの海産物に限らず様々な物資が京都と若狭の間を行きかいました。
美山町北村は、海のものと山のものが行きかう村だったのです。
かやぶき屋根は、断熱性や通気性が高いという雪国に適したメリットがあります。一方で火に弱いというデメリットがあります。
実際、2000年には火災により、美山かやぶき交流館が焼失するという事件も起こりました。
そのため、美山かやぶきの里の集落内のあちこちには放水銃が設置されています。
毎年春と秋には、地域住民の火災予防講習と放水銃の一斉点検のため、「かやぶきの里一斉放水」が行われます。
秋の一斉放水は、例年12月1日に行われます。ただし、土日にあたる場合は混雑を避けるため平日に変更される場合もあります。
さすがに色づきの早い美山ではもう紅葉はほぼ終わっていますが、毎年多くの観光客で美山かやぶきの里は賑わいます。
しかし、2021年・2022年は中止となりましたが、2023年12月1日(金)のかやぶきの里一斉放水は開催予定です。
南丹市美山町は丹波霧で知られる丹波の一部です。
秋が深まると、晴天時は毎日のように朝霧が出て、深い霧で包まれます。
霧が晴れるにつれて、美しい紅葉で彩られた山々が徐々に見え始めます。
朝もやのなかに沈むかやぶき屋根の光景はとても幻想的です。
是非、一度は早朝から美山かやぶきの里を訪ねてみて下さい。
美山かやぶきの里の背後の山々は、低いところは植林で高いところは自然林の二次林です。
高いところがオレンジや黄色などに色づきます。
山の上に送電線が見えてしまっている点だけが少し残念です。
大飯(おおい)原子力発電所と京北開閉所とを結ぶ送電線が美山町を通っています。
美山町のすぐ北の山を超えると、そこは原子力発電所が立ち並ぶ若狭です。
霧の朝に園部から美山かやぶきの里まで走行した動画もご覧いただけます。
付近をモノクロームに包む朝霧と、霧が晴れた後の鮮やかな山並のコントラストが見どころです。
美山かやぶきの里の最も高い位置にあるのが、曹洞宗の普明寺(ふめいじ)です。
上からかやぶき屋根の建物群を見下ろすことができます。
かつては普明寺の本堂もやっぱりかやぶき屋根でしたが、1944年に焼失しました。
戦後の再建時には、かやぶき屋根から瓦葺屋根に改められました。やはり、火災に弱いという弱点は克服できないと判断されたのでしょう。
普明寺のすぐ裏手には、イチョウの木がありモミジよりやや遅くまで色づいています。
黄色く染まったイチョウ越しに美山かやぶきの里を見渡すことができます。
美山かやぶきの里には、いくつかの展望ポイントがあります。そのひとつが鎌倉神社です。
石段を上った先に祠があるだけの小さな神社ですが、石段上の境内からは美山かやぶきの里を見渡すことができます。
イチョウ越しのかやぶき屋根の景色です。
美山かやぶきの里について
美山かやぶきの里と言われている北村は、美山エリアの東部に位置し、由良川が作る北側の河岸段丘上あります。
標高250メートルから270メートルにかけての緩斜面に美山町北村の集落が営まれています。
地名としては、南丹市美山町北です。隣接して美山町南、美山町中、美山町下などの地名があります。
南丹市美山町北村には38棟ものかやぶきの建物が残り、1993年に全国で36件目、京都府内で5件目になる重要伝統的建造物に指定されました。
京都では、他に産寧坂(1976年指定)、祇園新橋(1976年指定)、嵯峨鳥居本(1979年指定)、上賀茂社家町(1988年指定)、伊根の舟屋(2005年選定)、加悦(2005年選定)が選ばれています。
美山かやぶきの里の家屋は、北山型と称されます。
入母屋造り(いりもやづくり)の屋根、外より一段高い上げ庭式の土間、田の字型の間取り、壁や戸は板壁・板戸で木製などの特徴があります。
美山北村かやぶきの里保存会によって、かやぶき屋根の維持保存活動が行われています。
かやぶき屋根は、数十年ごとに屋根の葺き替えが必要です。
囲炉裏の煙によっていぶされることによってかやぶき屋根の寿命は50年程度ありました。囲炉裏が使われることのなくなった近年は、20~25年ごとに葺き替えが必要とされています。
かつては、全て村の人々の手でかやぶき屋根の葺き替えが行われていましたが、高齢化が進んだこともあり、今では美山茅葺株式会社という専門の業者が作業を行っています。
「茅葺きは世界を救う」を社是にしており、美山で鍛えた腕で美山のみならず、全国の茅葺き屋根の葺き替えを施工しています。
重要文化財の建物も多数含まれており、日本の文化財の守り手のひとりとして活躍しています。
美山かやぶきの里では、屋根の葺き替えを順番に行っているので、紅葉シーズンにはだいたい常にどこかで葺き替え作業を行われています。
葺き替えられたばかりの屋根はとても美しいです。
観光・交流施設の運営も美山北村の全戸が出資した有限会社かやぶきの里によって担われています。
美山かやぶきの里にあるお食事処きたむら、特産品売店かやの里、体験施設北村きび工房、体験民宿またべ、茅葺き交流館などが有限会社かやぶきの里によって運営されています。
全戸が一丸となった美山かやぶきの里の維持活動は、むらおこしの成功事例として全国から注目されています。
美山かやぶきの里は、川、田畑、山とかやぶき屋根が織りなす景観は日本の原風景とも言われ、人気を集めています。
海外の観光客からも人気が高く、冬に行われる美山「雪灯廊」はもちろん、四季を通じて台湾人に大人気です。
見学情報
見学時間 | 日中随時 |
見学料 | 無料 |
住所 | 南丹市美山町北 |
アクセス | 園部ICから車で33km |
公式ホームページ:かやぶきの里 | 京都 美山ナビ | 京都 美山ナビ | 日本の原風景が残る山里、美山町の観光情報サイト
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② 渓谷の紅葉が黄金色に輝く「唐戸渓谷」
紅葉おすすめポイント
美山かやぶきの里から、さらに由良川沿いに10kmほど遡ったあたりに広がるのが唐戸(からと)渓谷です。
京都北部を潤す大河・由良川の上流部が深い渓谷を刻んでいます。
渓谷に貼りつくように府道38号線(美山かやぶき由良里街道)が通っており、美しい清流が数kmにわたって錦繍に彩られた美しい紅葉を楽しむことができます。
一部に杉の植林もあるものの、渓谷の両岸はほとんどを天然林で占めています。
美山かやぶき由良里街道はそれほど交通量は多くありませんが、離合困難なところもあるので、運転にはご注意を。
赤よりも黄色やオレンジの紅葉(黄葉)が主体になっており、光りを浴びて黄金に輝く様子は絶景です。
見頃は10月末~11月上旬ごろです。
唐戸渓谷を貫く「美山かやぶき由良里街道」は、2008年に日本風景街道に登録されました。
京都では、他に国道162号線の「西の鯖街道」や嵯峨鳥居本の「愛宕街道」が登録されています。
大野ダムからはじまり、由良川に沿う府道12号線、府道368号線、府道19号線、府道38号線を経て唐戸渓谷の最上流部の芦生ロードパークまでが登録ルートになっています。
“ゆらり”と由良川沿いの里が名前の由来でしょう。
京都市内から美山方面への自動車でのアプローチは、国道162号線(周山街道)経由か、京都縦貫道園部IC経由が一般的ですが、美しい農村風景を楽しめる鞍馬→花背→佐々里峠経由もおすすめです。
ただし、佐々里峠はよく通行止めになるので、事前に通り抜けられるか確認しておきましょう。
唐戸渓谷について
唐戸渓谷の中ほどには、「芦生(あしう)ロードパーク」があり、車を停めてゆっくり見ることもできます。
散策路などはないので、渓谷沿いにのびる府道から眺めることになります。
車窓から見る紅葉も絶景ですが、くれぐれもドライバーは見とれてしまってよそ見運転をしないようご注意を。
唐戸渓谷は、北桑田郡だった旧美山町と旧京北町(現京都市右京区京北)から選ばれた「北桑十景(ほくそうじっけい)」の一つです。
北桑十景には、他に常照皇寺、芹生の里、宇津峡、栗尾峠の展望、滝又の滝、芦生の原生林、虹の湖、平屋大橋からの展望、堀越峠の眺望が選ばれているそうです。
見学情報
見学時間 | 日中随時 |
見学料 | 無料 |
住所 | 南丹市美山町芦生 |
アクセス | 園部ICから車で48km |
③ 植物学上も貴重な自然が残る「芦生(あしう)研究林」
紅葉おすすめポイント
芦生は、南丹市美山エリアの東端部に位置します。
由良川の源流部であり、北は福井県、東は滋賀県、南は京都市に隣接します。
芦生と書いて「あしう」と読みますが、実際には「あしゅう」と発音されることが多いです。
芦生研究林は、芦生の集落のさらに東側に広がる広大な森林です。
1921年に京都大学が地上権を設定し、研究・演習の拠点として利用してきました。2003年までは芦生演習林という名称でした。
かつては世界自然遺産への登録の動きもあったほど、貴重な自然が今も残っています。
芦生研究林内は、一定のエリア内に限って2~9名の人数に限って入林が可能です(詳細は芦生研究林のホームページを参照)。
単独の場合、窓口で説明を受ける必要があるので、平日のみ可能です。
以前はもう少し緩かったのですが、次第に厳しくなってきています。
入林してのトロッコ道などでの紅葉狩りは、ハイキングの範疇に入りますが、入林しなくても研究林事務所付近の紅葉を楽しむことができます。
研究林の渓流沿いには、落葉広葉樹林が広がり、研究林事務所付近でも周囲にブナなどの美しい紅葉を見ることができます。
京都の寺社などの紅葉とはまた別の、自然が作り出した彩り豊かな紅葉です。
紅葉の見頃は10月末~11月上旬ごろです。
もちろん、きちんとした準備があれば、研究林事務所で入林手続きを行ってのハイキングはおすすめです。
入林可能地域は一分だけですが、芦生トロッコ道はおすすめです。
由良川の源流部沿いに設置された、木材搬出のためのトロッコ線路跡をたどるルートです。
入林許可エリア内では、基本的に危険なところはあまりありませんが、天候急変時など最低限の対応はできる必要があります。
必ず経験者と一緒に入林するようにしましょう。
まだ公開されているころに、由良川本流や櫃倉谷(ひつくらだに)をテント一式を担いで何度か歩いたことはありますが、それはそれは美しい紅葉でした。
芦生研究林について
由良川の源流部に位置し、東は滋賀県、北は福井県に接しています。
「植物ヲ學ブモノハ一度ハ京大ノ芦生演習林ヲ見ルベシ」と書かれたように、太平洋側と日本海側の特徴を合わせ持ち、春夏秋冬さまざまな姿を見せてくれます。
研究林事務所以外に、京都市左京区広河原側の佐々里峠と、滋賀県高島市側の地蔵峠にも自動車で行くことができますが、芦生側以外からの入林は禁止されています。
美しい森ではありますが、近年はシカの食害により荒廃が進みつつあります。
貴重な研究林を後世に残していくため、様々な試行錯誤が行われています。
1921年から99年間の地上権契約が2020年に切れてしまうため、議論が重ねられてきました。
2020年に、30年間で再契約することが正式に決定しました。
かつてはダムが計画されたこともありますが、これからも貴重な森として残されていくことでしょう。
芦生研究林事務所の構内には資料館があり、芦生研究林の歴史や植生などの展示が行われています。
ただし、公開は平日のみです。
「芦生の原生林」として、北桑十景のひとつに選ばれています。
入林情報
入林時間 | 日中随時 |
入林料 | 無料 |
住所 | 南丹市美山町芦生 |
アクセス | 園部ICから車で48km |
公式ホームページ:京都大学フィールド科学教育研究センター森林ステーション芦生研究林 – 人と自然のつながりを学ぶ森林フィールド教育共同拠点
④ 高さ68mもある段瀑を紅葉が彩る「蓮如の滝」
紅葉おすすめポイント
文明7年(1475年)に美山町を訪れた蓮如上人(れんにょ しょうにん)が絶賛したという滝です。
小さな滝が次々と連なり、高さは計68mにもなる段瀑です。
滝の両側の木々が秋には美しく色づきます。
普段はそれほど流量は多くありませんが、雨上りなどでは迫力ある滝を楽しむことあります。
逆に晴天続きのときは水はちょろちょろしか流れておらず、滝とは言えない場合もあります。
見頃は11月上旬~中旬ごろです。
蓮如の滝について
美山かやぶきの里へと向かう府道38号線(美山かやぶき由良里街道)からも遠望できる滝です。
見えやすいように周囲の木々をある程度伐採しているそうです。
獣害対策のために、タイミングによっては蓮如の滝のすぐ近くまで入れないときもあります。
美山かやぶきの里からはほんの3kmあまり西なので、あわせて訪れてみましょう。
見学情報
見学時間 | 日中随時 |
見学料 | 無料 |
住所 | 南丹市美山町内久保 |
アクセス | 園部ICから車で30km |
⑤ もみじ祭りが開催される「大野ダム公園」
紅葉おすすめポイント
美山町を東西に貫く由良川の最も下流部にある紅葉名所が、大野ダムです。
毎年11月中旬には、大野ダム公園で「大野ダムもみじ祭り」が開催されます。
音楽ライブなどの各種イベントや、地元の野菜や料理などのお店が出店され、大いに賑わいます。
特に美山の旬がつまった「ふるさと鍋」の無料でのふるまいが名物です。
観光客やライダー、サイクリストらが多く訪れます。
2023年は11月18日(土)~19日(日)開催されます。
2022年は、地元美山の農産品のほか、うどんの販売が行われました。
売店にも立派な美山産の野菜が並んでいます。
大野ダムのある大野ダム公園には、500本を超えるモミジが植えられています。
桜も1,000本植えられており、春にはさくら祭が催されます。桜もモミジに負けず美しく色づきます。
見頃になるとダムの周囲を真っ赤に彩ります。
大野ダムについて
大野ダムは、京都北部を流れる由良川の本流に設けられたダムです。
治水と発電を目的として、1961年に完成しました。
重力式のコンクリートダムで、堤高は61.4メートル、堤頂長は305メートルあります。
大野ダムのすぐ下流にある大野発電所は、11,000kWの出力があります。
湖畔にあるビジターセンターでは、大野ダムの歴史や治水効果の資料が展示されています。
2004年に日本列島を縦断した台風23号は、由良川流域にも大きな被害を与えました。
洪水によって立ち往生した観光バスの屋根に避難したツアー客ら救助された光景は、今も有名です。
このときの奇跡の救出劇の裏の立役者は、巧みな操作により限界まで水を貯めた大野ダムの職員たちでした。
見学情報
大野ダムビジターセンター
開館時間 | 9:30~17:00(12月~3月は16:30まで) |
休館日 | 年末年始(12月28日~1月3日) |
入館料 | 無料 |
住所 | 南丹市美山町樫原中ノ山48-5 |
公式ホームページ:桜祭りで代表される京都府南丹市美山町大野
第32回大野ダムもみじまつり
開催日 | 2023年11月18日(土)~19日(日) |
開催時間 | 9:00~16:00 |
公式ホームページ:大野ダム公園
⑥ ダム湖百選にも選ばれる「虹の湖(みずうみ)」
紅葉おすすめポイント
由良川に設けられた前述の大野ダムのダム湖は、「虹の湖」と名付けられています。
ダム湖百選にも選定されています。京都では、他に南丹市の日吉ダムのダム湖である天若湖(あまわかこ)が選ばれています。
同じ南丹市ですが、天若湖の日吉ダムは淀川水系の桂川のダムです。
ダム湖沿いには遊歩道も整備されています。
川沿いのところどころにはモミジが植えられており、山肌自体も黄色く染まります。
虹の湖について
大野ダムが竣工する前年の1960年に、ダム湖の名称が「虹の湖」と決まりました。
大野ダムの建設にあたっては地元住民らによる反対運動も巻き起こりました。
その間も下流部で水害が相次いだこともあり、結局ダムが建設されることになりました。
ダム建設のため、39戸の住民が故郷を失い、多くの田畑もダム湖に沈みました。
これらの犠牲の上で大野ダムは建設されたのです。
大野ダムと周辺は、2012年に「大野ダムが形づくる水辺景観~人々が集い、ふれあう虹の湖のほとり~」として京都府景観遺産に登録されました。
ダム建設時に植樹された桜やモミジが大きく成長し、1986年からは春にはさくら祭りが毎年開催されるようになりました。
1989年には秋のもみじ祭りも始まるなど、自然景観に溶け込んだ観光名所となったことが評価されたためです。
2002年には、「かやぶきと虹の湖コース」として「遊歩百選」に選定されました。
選定されたコースは、美山かやぶきの里方面ではなく、虹の湖を一周するコースとして設定されています。
⑦ ケヤキとモミジが美しい古社「大原神社」
紅葉おすすめポイント
大野ダムから1kmほど上流の北岸にある大原神社は、美山でも隠れた紅葉スポットです。
小さな境内は、古社らしい荘厳な雰囲気が漂います。
鳥居前付近には多くのモミジがあり、秋には鮮やかな赤やオレンジに染まります。
由良川沿いの美山かやぶき由良里街道からは少し奥に離れているため、訪れる人は多くはありません。
ゆっくりと紅葉を味わえる穴場スポットです。
美山かやぶき由良里街道から大原神社の参道へと入る分岐に位置するケヤキにも注目です。
樹齢300年という風格ある大木です。
モミジより少し先だって紅葉し、オレンジや黄色に染まります。
大原神社について
大化元年(645年)創建と伝わる古社です。同じく紅葉スポットとして知られる福知山市三和町の大原神社の元社にあたります。
祇園祭の綾傘鉾の会所が置かれる大原神社は、美山の大原神社あるいは三和の大原神社が分祀されたものです。
安産の神様として、丹波だけでなく広く信仰を集めていました。
なお、美山と綾傘鉾は「おおはら」に対して、三和は「おおばら」と読む違いがあります。
拝観情報
拝観時間 | 日中随時 |
拝観料 | 境内自由 |
住所 | 南丹市美山町樫原大原谷10 |
その他おすすめスポット
泉龍寺
美山町の中心である南丹市役所深山支所などから西へ2kmほどのところにあるお寺です。
参道には立派なモミジの木が並び、美しく紅葉します。
かつては美山園部藩主の位牌所でもあり、広大な寺院でしたが、今は小ぢんまりとしたお寺です。
大きなイチョウの木もありますが、モミジよりも色づきが早いため、モミジが見頃を迎えるころには多くが散ってしまっています。
今の美山町は、江戸時代には園部藩と篠山藩の領地でした。
園部藩領が多数を占めますが、美山かやぶきの里のある北村は篠山藩領でした。
拝観情報
拝観時間 | 日中随時 |
拝観料 | 境内自由 |
住所 | 南丹市美山町長谷弓立31番地の1 |
おわりに
もうひと山越えたら福井県という、京都府北東端になる南丹市美山町。
ちょうど日本海側との気候の境界にあり、京都市内よりも早く見頃を迎え、しかも混雑することはありません。
ただし、鉄道駅からは遠く離れており、駅から路線バスでも複数回乗り継がなければたどり着くことができません。
マイカーでも運転に慣れていない場合はちょっと難しい離号困難なポイントもあります。
しかし、観光タクシーであれば、京都市内からでも楽にアクセス可能です。
美山はもちろん、途中の園部や京北、鞍馬などの紅葉スポットに立ち寄りつつ美山へと向かうこともできます。
ただし、出発か到着かいずれかが京都市内でなければならないのでご注意を。
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紅葉のライブ配信
MKタクシーの公式インスタグラムでは、「京都の今」を伝えるインスタライブの配信を行っています。
紅葉シーズンには、京都各地の紅葉をライブ中継します。
原則として毎週木曜日のお昼12時15分頃から約30分配信します。
その他、夜間や土日祝の特別配信も予定しています。
MKタクシー公式インスタグラム:https://www.instagram.com/mktaxi.jp/