山科・毘沙門堂門跡の散紅葉|地面を埋め尽くす深紅の絨毯
京都の山科にある由緒ある門跡寺院である毘沙門堂門跡は隠れた穴場紅葉スポットです。毘沙門堂門跡の紅葉の主役は、色鮮やかな木々ではなく、散った後の「散紅葉」です。勅使坂の石段を埋め尽くす光景は「真紅の絨毯」と称され、息をのむほどの美しさ。
この記事では、毘沙門堂門跡の散紅葉の見頃や、最も美しい瞬間を捉えるためのおすすめの時間帯、真っ赤に染まるドウダンツツジなど境内の見どころまで、その魅力を余すところなくご紹介します。
さらに最高の時期・時間帯に散紅葉を見られる特別なツアーを紹介します。
毘沙門堂門跡の紅葉巡り
有名な勅使坂の散紅葉
坂を埋め尽くす散紅葉の絨毯
毘沙門堂門跡の紅葉と言えば、勅使門へと続く坂道の勅使坂の散紅葉が有名です。
勅使坂を埋め尽くす散紅葉はまさに圧巻です。石段が散った紅葉で完全に覆われ、まるで「真紅の絨毯」「レッドカーペット」と形容されます。
毘沙門堂門跡・勅使坂の散紅葉 2022年11月27日 撮影:MKタクシー
散紅葉は紅葉シーズン後半がおすすめ
毘沙門堂門跡の勅使坂の主役は紅葉そのものではなく、紅葉が散った散紅葉です。
そのため、見頃は紅葉シーズンのピークよりもむしろ後半になります。
年によって差はありますが、具体的には11月末から12月初めごろです。
毘沙門堂門跡自体が山裾にあるため、京都でも平地部の紅葉よりはやや色付きが早く、紅葉シーズン後半といっても終盤だと遅いのが微妙なところです。
2025年は色付きがやや遅いので、おそらく12月初めごろでしょう。
毘沙門堂門跡・勅使坂の散紅葉 2022年11月27日 撮影:MKタクシー
紅葉の絨毯を楽しむには朝がおすすめ
毘沙門堂門跡の美しい散紅葉を最大限楽しむには、早朝に訪れるのがおすすめです。
勅使坂は道の両脇は立ち入り禁止になっているものの、中央の道部分は立ち入り可能です。そのため時間の経過とともに散紅葉は踏み荒らされてしまいます。
しかし、朝なら夜のうちに散った紅葉が勅使坂を一面真っ赤に染め上げている姿を見ることができます。
毘沙門堂門跡・勅使坂の注意書き 2019年11月30日 撮影:MKタクシー
毘沙門堂門跡では、勅使坂の両脇は敷き紅葉を守るために意図的に立ち入りを制限しています。
ついつい入って写真を撮りたくなってしまいますが、絶対に中へは入らないようにしましょう。
毘沙門堂門跡・勅使坂の散紅葉 2021年11月30日 撮影:MKタクシー
一方で朝は早ければ早いほどよいというわけではありません。山裾にある毘沙門堂門跡は日が上るのも遅く、早朝だとまだ薄暗いです。
毘沙門堂門跡の勅使坂に日の光が差し込んでくるのは8時以降となります。
朝日に輝く散紅葉を見るのであれば、8時以降がおすすめです。朝日によって散紅葉がいっそう赤く見えます。
毘沙門堂門跡・勅使坂の散紅葉 2021年11月30日 撮影:MKタクシー
特に勅使坂の散紅葉がおすすめなのは、雨上がりの朝です。雨粒によって多くの紅葉が地面へと散り、雨でしっとりと濡れた散紅葉はより鮮やかな紅色をしています。
そんなベストなタイミングは1年に1度あるかどうかですが、チャンスがあれば訪れてみてください。
逆に強風時は散紅葉が吹き飛ばされてしまうので、美しいじゅうたんは見られません。
通常の紅葉と異なる散紅葉が主役の毘沙門堂門跡は、運の要素が大きいことも勅使坂の散紅葉の魅力でもあります。
毘沙門堂門跡・勅使坂の散紅葉 2022年11月27日 撮影:MKタクシー
御所から移築された勅使門
勅使坂の名称は、上にある勅使門に由来します。天皇からの勅使を迎えるための特別な門である勅使門は普段は閉ざされています。
勅使門は元禄6年(1693年)に御所から移築されたものです。前後して毘沙門堂門跡の宸殿(しんでん)と霊殿も御所から移築されました。
これらは本堂、唐門、仁王門とあわせて京都市指定有形文化財となっています。
毘沙門堂門跡・勅使坂の散紅葉 2022年11月27日 撮影:MKタクシー
境内各所の紅葉
境内各所で楽しめる紅葉
毘沙門堂門跡の紅葉は勅使坂の散紅葉が有名ですが、見どころは勅使坂だけではありません。
境内には多くのモミジがあり、秋には色とりどりに色付きます。
如意ヶ岳の南麓にある毘沙門堂門跡は、山科駅と比べて比高が50mほどあります。
仁王門前から振り返ると、美しい紅葉の間に山科盆地が広がる景色を見られます。
毘沙門堂門跡・仁王門前の紅葉 2019年11月30日 撮影:MKタクシー
真っ赤に染まるドウダンツツジも魅力
紅葉と言えばモミジやカエデの仲間ですが、毘沙門堂門跡ではモミジよりもさらに真っ赤に染まるドウダンツツジの紅葉も魅力的です。ドウダンツツジは漢字で「灯台躑躅」あるいは「満点星」と書くツツジ科の低木です。
春には白い壷状の小さなかわいい花を咲かせます。
毘沙門堂門跡では宸殿裏の庭園「晩翠園」や弁財天堂の周囲に多く植えられており、紅葉シーズンには真っ赤に染まります。
毘沙門堂門跡・晩翠園のドウダンツツジの紅葉 2009年11月24日 撮影:MKタクシー
晩翠園は江戸初期に作庭された回遊式の池泉庭園です。
拾遺都名所図会にも見えるように、もとは心字池に亀石、千鳥石、座禅石などを配した大きな庭園でしたが、昭和になって現在の形になりました。
毘沙門堂門跡・高台弁才天のドウダンツツジの紅葉 2008年11月25日 撮影:MKタクシー
勅使坂の散紅葉を満喫するならMKトラベルがおすすめ
毘沙門堂門跡の紅葉を満喫するには、紅葉シーズン後半の朝がベストです。
そこでおすすめなのが、MKトラベルのタクシーツアー「早朝貸切の毘沙門堂で紅葉を。~三井寺とめぐる秋色の一日~」です。
2025年11月22日(土)と12月7日(日)に朝から毘沙門堂門跡を訪れるツアーを催行します。
京都駅をタクシーで出発し、8:00から毘沙門堂門跡で特別貸切拝観を行う特別ツアーです。
このツアーなら勅使坂の散紅葉がベストを迎える朝8時台に毘沙門堂門跡を訪れることができます。
特に紅葉の色付きがやや遅い2025年の場合は12月7日(日)は散紅葉がベストを迎えている可能性が高いです。
貸切拝観では、お寺の方による説明つきでじっくりと紅葉を楽しむことができます。
昼には人でいっぱいになる毘沙門堂門跡の勅使坂 2019年11月30日 撮影:MKタクシー
まだ今ほど毘沙門堂門跡の散紅葉が有名ではなかったコロナ前の2019年でもお昼ともなればこんなにたくさんの人で賑わっていました。
とても落ち着いて散紅葉を見るどころではなく、写真も順番に並ばないと撮れません。
もちろん、勅使坂に誰もいない光景なんて見られませんし、散紅葉も踏み荒らされています。
やはり、毘沙門堂の散紅葉は朝に限りますね。
毘沙門堂門跡について
毘沙門堂門跡のあゆみ
毘沙門堂門跡は「門跡」と着く通り、格式高い門跡寺院です。
創建は大宝3年(703年)と伝わり、平安遷都時には京都の出雲路にあり出雲寺と呼ばれました。
戦火や災害で各地を転々としたのち、17世紀初めに徳川家康の側近であった天海が再興にとりかかり、現在地へと移転しました。
寛文5年(1665年)に天海の後継者である公海が再興を果たしました。
後西天皇の皇子である公弁法親王が毘沙門堂へと入り、以来門跡寺院となりました。
今も三千院門跡、青蓮院門跡、妙法院門跡、曼殊院門跡と並んで京都五ヶ室門跡の一画を占めています。
毘沙門堂門跡・勅使門内から見た勅使坂 2022年11月9日 撮影:MKタクシー
廃仏毀釈により大きな打撃を受け、その後も様々な事件に遭いましたが、再び門跡寺院にふさわしい美しい寺観を取り戻しています。
本尊は伝教大師最澄の自刻と伝わる毘沙門天像です。
今も正式な寺号は「護法山出雲寺」ですが、古くから「毘沙門堂」と言われています。
本尊の毘沙門天は京都にいくつかある七福神巡りのうち、「京の七福神」と「京洛七福神」の札所になっています。
毘沙門堂「拾遺都名所図会」出典:国際日本文化研究センター
毘沙門堂門跡へのアクセス
山科駅からは坂道を20分
毘沙門堂門跡の最寄り駅は山科駅です。JR琵琶湖線・湖西線、地下鉄東西線、京阪京津線が集まる京都の東の玄関口です。
山科駅からは毘沙門通を北へ20分ほど歩くと毘沙門堂門跡へと着きます。
やや上り坂なので、歩くと案外遠く感じます。
紅葉シーズンはマイカー禁止
マイカーでもアクセス可能ですが、紅葉シーズン(2025年11月22日(土)~12月7日(日)はマイカーの利用は禁止されています。
毘沙門堂通は狭い生活道路のため、近隣住民の安全を考慮して、紅葉シーズン以外でも基本的にはマイカーの利用は勧められていません。
上り坂を20分歩くのがつらい方は、タクシーを利用しましょう。
毘沙門堂門跡・勅使坂の散紅葉 2019年11月30日 撮影:MKタクシー
拝観情報
| 拝観時間 | 3月~11月 9:00~17:00(受付終了は16:30)12月~2月 9:00~16:30(受付終了は16:00) |
| 拝観料 | 一般 :700円 高校生 :400円 小中学生:300円 |
| TEL | 075-581-0328 |
| 住所 | 京都市山科区安朱稲荷山町18 |
| アクセス | 「山科駅」より徒歩20分 |
公式ホームページ:毘沙門堂門跡
おわりに
本記事では、山科の毘沙門堂門跡が誇る「散紅葉」の魅力を中心に紹介しました。
紅葉の見頃というと、つい木々が最も色鮮やかな時期を思い浮かべますが、ここ毘沙門堂門跡では散った後にクライマックスが訪れます。静寂に包まれた朝、朝日を浴びて輝く勅使坂の「真紅の絨毯」は、一度は見て欲しい光景です。
そして、最高のコンディションで散紅葉を楽しむには、シーズン後半の早朝という限られたタイミングを狙う必要があります。もし「そのベストな瞬間に確実に訪れたい」とお考えでしたら、MKトラベルの早朝貸切ツアーもぜひご検討ください。
誰にも邪魔されずに、心ゆくまでこの絶景を堪能できるまたとない機会です。
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MKタクシーのオウンドメディアであるMKメディアの編集部。京都検定マイスターや自動車整備士、車載広報誌のMK新聞編集者、公式SNS担当者、などが所属。京都大好き!旅行大好き!歴史大好き!タクシー大好きです。
