エッセイ「本だけ眺めて暮らしたい」【445】|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、大西信夫さんによる様々な身近な事柄を取り上げたエッセイ「本だけ眺めて暮らしたい」を前身を含めて1988年5月22日から連載しています。
MK新聞2026年9月1日号の掲載記事です。
本だけ眺めて暮らしたい
持っている本の中で、一番大きいのはどれかなと、ふと思って本棚を見まわした。と言っても、棚に立てられない大きな本は最下段にまとめて寝かせてある。
『ハリウッド映画ポスター50年』日本語版。淀川長治監修。発行は平凡社で1974年刊。サイズは縦440ミリ×横305ミリ(実測値。誤差あり。以下同)。
らせん状のワイヤーで綴じたリング製本。厚手の画用紙のような紙質で180ページもあり、267点の映画ポスターを掲載。ぶ厚過ぎるスケッチ帖のよう。
『JEANLOUP SIEFF POSTER BOOK』は、縦は同じ440ミリ、横は310ミリと、こちらのほうが少し大きいのだが、ポスター6枚が二つ折りの表紙に仮綴じしてあるだけのもので、実態は本とは言いがたい。
発行はTASCHEN。1992年刊。ジャンルー・シーフはフランスの写真家で、2000年没。
建築家・安藤忠雄の作品集成『ANDO Complete Works』は縦398ミリ×横318ミリで、本体の縦は上記2冊におよばないが、専用の段ボールケースを含めると縦460ミリ×横328ミリで逆転トップ。
重いので風呂場の体重計で測ってみたら5・7キロもあった。
段ボールケースには、安藤建築の象徴であるコンクリート打ち放しのPコン穴を模してデザインしたドット柄が印刷されていてカワイイ。取っ手もついている。
2004年刊。出版社はこれもTASCHEN。
雑誌にも大きいのがあった。『composite』。
縦400ミリ×横297ミリ。誌名ロゴをあしらった半透明の袋に入っている。縦型の帯もついていて「究極の大画面カルチャー・マガジン」と自己アピールしているから、この大きさそのものが話題をねらったものだったのだろう。
見開きのグラビアはさすがに迫力あり。バブル経済崩壊の残り香か。
1992年刊の第1号のみ。このサイズでは第2号以降は発行されなかったようで、97年に判型を小さくして再創刊された。
縦400ミリを切ると数は急激に増える。ほとんどは写真集や画集、地図関連。以下に二、三、選んで短くご紹介。
『STAEDTE』1(1967年刊)と2(68年刊)はHERMANN BOLLMANによるヨーロッパ主要都市鳥瞰図集で縦390ミリ×横245ミリ。わずかに細長い縦横の比率がオシャレ。
ヘルマン・ボルマンはドイツの人。1971年没。鳥瞰図は、空を飛ぶ鳥の目線で斜め下を見おろした細密風景画のような美しい地図。
最後に、フランスでバンド・デシネと呼ばれているアート志向の漫画。日本版『天使の爪』(飛鳥新社、2013年刊)は、縦370ミリ×横265ミリ。
作=アレハンドロ・ホドロフスキー、画=メビウスという、カリスマ作家のコラボレーション。帯文に「果てしなく倒錯的で、凄絶なまでにエロティックなイマジネーションの奔流。」とうたう詩的作品。
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MK新聞への大西信夫さんの連載記事
1988年以来、MK新聞に各種記事を連載中です。
1988年5月22日号~1991年11月22日号 「よしゆきの京都の見方」(45回連載)
1990年1月7日号~1992年2月7日 「空車中のひとりごと」(12回連載)
1995年1月22日号~1999年12月1日号 「何を見ても何かを思う」(64回連載)
1996年4月16日号~現在 「本だけ眺めて暮らしたい」(連載中)
本だけ眺めて暮らしたい バックナンバー
MKタクシーのオウンドメディアであるMKメディアの編集部。京都検定マイスターや自動車整備士、車載広報誌のMK新聞編集者、公式SNS担当者、などが所属。京都大好き!旅行大好き!歴史大好き!タクシー大好きです。
