中村哲医師から受け継がれる現地アフガニスタンでの活動③|MK新聞連載記事
MKタクシーの車内広報誌であるMK新聞では、フリージャーナリストの加藤勝美氏及びペシャワール会より寄稿いただいた中村哲さんの記事を、2000年以来これまで30回以上にわたって掲載してきました。
加藤勝美氏が寄稿した、MK新聞2021年7月1日掲載記事です。
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中村哲さん死後のペシャワール会
2021年5月下旬にペシャワール会本部(福岡市)から届いた現地レポートによると、クナール河は3月の3日間ほどの降雨で水位は一時的に増えたが、降雨、降雪が少ないため、住民たちは旱魃の悪化を心配している。
4月13日から断食月に入って作業時間が短縮される中、作業員は蛇籠の石積みに取り組んでいる。
全長800m、幅が最大15mの護岸拡幅工事も進行中で、作業員に弁当を届ける子どもたちの姿も見える。
取水門の横には花壇があり、作業員は笑顔を見せながら花を植えている。
中村哲さんは次のように述べたことがある。
「アフガン人は無粋ではない。いかつい男どもはみな花好きで、特にバラの鑑賞はアフガン人の特権のようだ。」
「アフガニスタンはバラの愛好家なら羨ましいところで、日本の愛好家がまず驚くのは、病気が非常に少なく、栽培が簡単で、しかも美しい。土壌のpH、日差しの強さ、乾燥気候などが関係して、大して肥料も要らない」
ところで、アフガニスタンやイランでは春分の日が元日で、イーデ・ノウローズ(新年の元旦)として祝われる。
この元旦前の平日にはガンベリ公園を訪れ、女性たちも子ども連れでピクニックを楽しんでいた。
公園には大勢が花見に訪れ、憩いの場となっている。
4月に入ると、水稲栽培のため苗床の準備が始まり、今年は7~8ヘクタールを予定している。
(2021年6月1日記。文責・加藤勝美)
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フリージャーナリスト・加藤勝美氏について
ペシャワール会北摂大阪。
1937年、秋田市生まれ。大阪市立大学経済学部卒
月刊誌『オール関西』編集部、在阪出版社編集長を経て、1982年からフリー
著書に『MKの奇蹟』(ジャテック出版 1985年)、『MK青木定雄のタクシー革命』(東洋経済新報社 1994年)、『ある少年の夢―稲盛和夫創業の原点』(出版文化社 2004年)、『愛知大学を創った男たち』(2011年 愛知大学)など多数。
MK新聞への連載記事
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1985年11月7日号~1995年9月10日号 「関西おんな智人抄」(204回連載)
1985年10月10日号~1999年1月1日号 「関西の個性」(39回連載)
1997年1月16日号~3月16日号 「ピョンヤン紀行」(5回連載)
1999年3月1日号~2012年12月1日 「風の行方」(81回連載)
2013年6月1日号~現在 「特定の表題なし」(連載中)