グローバル・ビジネス・レポート【141】巣立ち:長岡技術科学大学での日々を振り返って|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、「グローバル・ビジネス・レポート」を2012年2月1日から連載しています。
MK新聞2026年3月1日号の掲載記事です。筆者プロフィールは新聞掲載時点のものです。
長岡技術科学大学経営戦略・技術経営・ものづくり経営研究室 阿部 航さん、千代 季さん、三科 雄一朗さんの執筆です。
巣立ち:長岡技術科学大学での日々を振り返って
【阿部 航】
私たち3人は、それぞれ高専から2022年4月に長岡技大に編入した。それから早くも4年が経った。この3月にて大学院修士課程を修了し、4月から新社会人として新たな一歩を踏み出す。編入当初は、皆、自分の将来像が定まらず、不安を抱えていた。しかし、研究活動をはじめとする様々な大学生活を過ごす中で自分自身を見つめ直し、将来に対する解像度を高めることができた。ここでは、私たちの大学生活の4年間を振り返りたい。
まず、私は、新天地での暮らし、初めての一人暮らしは慣れないことの連続であった。大学生活を送った新潟県長岡市は、豪雪地帯であり、冬場は除雪作業が欠かせない生活となった。雪に囲まれた暮らしは大変ではあったが、今となっては4年間を象徴する思い出の一つである。
私の研究活動は「産業財の製品開発におけるオフライン・オンライン活動の分析」と題して研究を行った。以前から製造業の製品開発に強い関心を持っており、特に工作機械メーカーなど産業財の企業において、Zoomなどのオンラインツールが製品開発でどのように活用されるか興味を持っていた。研究では、インタビュー調査や調査票(アンケート)調査を実施し、多くの企業の皆様のご協力をいただき、研究を着実に進めることができた。
私の研究の関心をさらに深めるきっかけとなったのが約4ヵ月間の実務訓練(長期インターンシップ)だった。産業財の企業で実際に働き、あるシステムの開発に携わった。このシステムを完成させた時の達成感や業務に携わった実感が今後、社会人として働くための自信につながっている。
■筆者プロフィール
山形県出身。鶴岡高専卒。現在、長岡技術科学大学大学院情報・経営システム工学分野の修士2年に在籍。
【千代 季】
私が住んでいた北海道では5月に見る桜が長岡では4月に見られ、雪質も北海道のさらさらした雪とは異なり、長岡の雪はしっとりした雪であった。私は、この4年間、特に研究活動とアルバイトを通して、自分がやる気になればできるという自信と人とのつながりの大切さを学んだ。
私の研究テーマは、「店舗における売り場作りと効果」であり、その調査として企業にインタビュー調査を行った。研究室配属当時は、企業にアポイントを取り、話を聞くことは難しいと思っていたが、実務訓練でお世話になったスーパーマーケットなど合計5社にインタビューを実施することができた。このことから、自分がやる気になればできるという自信を持つことができた。この自信は就職活動でもとても役に立った。
アルバイトは主に、米を中心に里芋や枝豆などを作っている農家でアルバイトを行った。実際の農作業では多くの学びがあり、ドローンによる肥料散布作業など、普段、経験のできないことを数多く体験することができた。この農家の方には本当にお世話になった。このような人と人とのつながりが私の人生や価値観を良い方向に変えてくれたと思っている。
大学の後輩たちへは、長岡という素晴らしい場所で研究、アルバイトなどに励み、実り豊かな学生生活を送れるように祈っている。
■筆者プロフィール
北海道出身。旭川高専卒。現在、長岡技術科学大学大学院情報・経営システム工学分野の修士2年に在籍。
【三科 雄一朗】
長岡という車社会の地で私は車を2台購入した。最初の1台は、高速道路の真ん中で故障し廃車となった。2台目は、故障により走行不能になったこともあったが大修理を経て卒業までの私の生活の支えとなってくれた。
私は、「産業財のマーケティングにおけるオンライン・オフライン活動の分析」をテーマに研究に取り組んだ。先行研究の検討、企業へのインタビュー調査、企業への調査票調査を実施した。特に調査票調査では、産業財の企業に調査票を配布したが、分析に必要なデータ数をなかなか集めることができなかった。そのため、依頼文を見直し、再送付を行った。時間をかけて努力を続けた結果、統計分析に必要なデータ数を収集することができた。この経験は、簡単に成果が出なくとも粘り強く取り組むことの大切さを学ぶ機会となった。
サークル活動では、バドミントンのサークルに所属し、副部長として新入生の対応や練習メニューの立案などの運営に携わった。また、自動車部にも所属し、基礎的な整備から専門的な整備まで挑戦した。さらにモルックサークルに創立メンバーとして参加し、後輩たちが継続して活動できる基盤づくりに関わった。モルックは、フィンランド発祥の木製ピンを短い棒(モルック)で倒すスポーツである。一連のサークル活動では、自分にとって新たな事にも踏み出し、活動の場を自分たちで作ることも経験した。これらの経験は、これからの私の人生において大きな糧となると思っている。
私たち3人の学生生活での経験は決して一人では成し得なかったものである。これまで支えていただいた大学の教職員、先輩、同期、後輩の皆様に心から感謝申し上げる。自分を作るのは、上手くいかなくても諦めないこと、挑戦のための一歩を踏み出す勇気、そして支えてくれる周りの方々を大切に思うことだと信じ、この4月から社会人として邁進していこうと思う。
■筆者プロフィール
東京都出身。サレジオ高専卒。現在、長岡技術科学大学大学院情報・経営システム工学分野の修士2年に在籍。
長岡技大の正門にて(写真右から三科、阿部、千代)
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MKタクシーのオウンドメディアであるMKメディアの編集部。京都検定マイスターや自動車整備士、車載広報誌のMK新聞編集者、公式SNS担当者、などが所属。京都大好き!旅行大好き!歴史大好き!タクシー大好きです。
