御朱印のもらい方と御朱印帳の選び方|初心者向け完全ガイド

西国三十三所巡礼などの札所巡りはもちろん、お寺や神社をお詣りする際にぜひ用意したいのが御朱印帳です。
MKトラベルの西国巡礼公認先達である牧と塚越が御朱印のもらい方や御朱印帳の選び方などを紹介します。
御朱印とは?歴史と魅力を徹底解説
御朱印の意味とは?【参拝と納経の証】
御朱印の基本的な役割と意義
御朱印は「神仏の分身」とされており、古来より大切にされてきました。
祀られている神仏の名前やお姿、紋などの「御印」をご参拝の証として授与することは、神仏との「ご縁」が結ばれた証でもあります。
お寺や神社の御朱印は、お渡しされる方とお受け取りされる方の双方が御朱印を「尊いもの」であると意識することが大切です。
朱印の歴史|公式な文書から信仰の証へ
朱印とは、もともと文字通り朱肉を使った印章と押印を意味します。
古くは公的な文書に使用され、特に墨を用いた黒印よりも権威のあるものとして扱われてきました。律令制において正式な文書では朱印が用いられてきました。
歴史的には、戦国時代から江戸時代にかけて武家の公式文書に多用され、朱印を押印した書類を朱印状と呼びます。
特に江戸時代、徳川幕府が海外貿易の許可証として発行した「朱印状」は有名で、この朱印状を持つ貿易船は「朱印船」と呼ばれました。
朱印は、日本の歴史において公的な証明の役割を果たしてきた印章であり、今も日本では契約書等の重要文書には朱の実印が押印されています。
その伝統は今日の御朱印文化にもつながっています。

高野山奥之印の御朱印 撮影:MKトラベル
御朱印の発祥|平安時代の写経奉納がルーツ
現在、「御朱印」といえば、お寺や神社でいただく朱色の印章のことを指します。
御朱印の歴史は平安時代にまでさかのぼると言われ、もともとはお寺に写経を奉納した証として受ける印章が御朱印の起源とされています。
今も納経の証として御朱印をいただく場合もありますが、一般的には参詣の証明として御朱印をいただくことが多いです。お寺や神社を参拝した証として御朱印は人気です。
かつては神仏混淆で神社に納経を行うことも普通に行われていたため、お寺だけでなく神社にも御朱印があります。

諏訪大社の御朱印 撮影:MKトラベル
工夫を凝らした御朱印が人気に
御朱印は、墨で記した寺社名と日付に朱印を押した形が基本です。ご本尊やご祭神が記されている御朱印も多いです。
近年では御朱印のデザインがますます多様化しています。様々なイラストが描かれたり、カラフルな装飾や特別な書体を用いたもの、切り絵を用いたりした趣向を凝らした御朱印も増えています。
多彩な御朱印の登場により、御朱印巡りをさらに楽しめる要素が増えています。
季節限定や行事限定の御朱印も人気を集めており、同じお寺や神社を訪れても、異なる御朱印をいただける楽しみがあります。
例えば、桜や紅葉の季節に合わせたデザインや、特定の祭礼にちなんだ特別な朱印など、コレクション性の高い御朱印が数多く授与されています。

花の窟神社(和歌山県熊野市)の20周年限定御朱印 撮影:岩本真輝
さらに、御朱印の文化は他の分野にも広がりを見せています。御朱印を模した「御城印」や「御宿場印」など、歴史的なスポットを訪れた証として受け取れる印も注目されています。
これらの新たなスタイルの御朱印は、旅の記念としてだけでなく、地域活性化の一環としても人気を集めています。
御朱印と巡礼の魅力
御朱印を見ると蘇るいろんな思い出

珍しく大雪となった日向大神宮(京都市山科区町)の御朱印 撮影:MKトラベル
御朱印の本来の意味は納経の証であり、参拝の証です。私たちにとって、御朱印はただの印ではなく、巡礼の足跡を刻む大切な記録でもあります。お参りするすべての神社仏閣で、御守りを受けるような気持ちで御朱印をいただいています。
御朱印帳を開けば、そこに記された御朱印が、その時の参拝の様子や巡礼の旅の風景を思い出させてくれます。
御朱印を受けたお寺や神社の情景はもちろん、巡礼をともにした仲間との会話や、そこで味わった地元の料理、訪れた季節の美しさなど、多くの思い出が蘇ってきます。
不思議なことに、写真を見るよりも御朱印を眺めたほうが、鮮明に記憶がよみがえることもあります。
御朱印を求めて寺社を巡る楽しさ

船で訪れた自凝神社(兵庫県南あわじ市)の御朱印 撮影:MKトラベル
お寺や神社を訪れるのは、お参りすることが目的ではありますが、御朱印をいただくこと自体が巡礼の目的になることもあります。
とても美しい御朱印がある場合や、季節限定、行事限定の御朱印の場合などです。
御朱印巡りを始めたことで、これまで訪れたことのない地域に足を運ぶ機会が増えました。
御朱印をいただくためには、時には山道を登ることもあり、自然の中での歩みが運動不足の解消にもつながります。
御朱印をきっかけとして、いろんなお寺や神社、地域を巡り、歴史や文化に触れることが増えました。

正月三が日限定の知恩寺(京都府宮津市)の御朱印 撮影:MKトラベル
寺社の巡礼と御朱印の深いつながり
お寺や神社の参拝には、いくつかの札所を巡る「巡礼」というスタイルがあります。西国三十三所巡礼や四国八十八箇所巡礼などが代表的な巡礼です。
札所を順番に巡る巡礼と、参詣の証である御朱印は非常に相性がよく、ほとんどの巡礼者は各札所で御朱印も集めています。
巡礼ごとに専用の御朱印帳があることも多く、御朱印集めを楽しみながら札所を巡ることができます。
札所ごとに異なる御朱印が授与され、巡礼の進捗を御朱印帳に記録することで達成感を得ることができます。
御朱印は単なる記念品ではなく、参拝の証としての役割を持ち、巡礼文化と深く結びついています。

城南宮の「しだれ梅と椿まつり」限定の切り絵御朱印 撮影:MKトラベル
西国三十三所巡礼や四国八十八ヶ所巡礼のような大規模な巡礼だけでなく、全国各地の個性的な御朱印を集めることも旅の楽しみの一つとなっています。
明治維新後廃絶していた京都の洛陽三十三所観音霊場が2005年に再興するなど、かつての巡礼文化も復興しつつあります。
最近では、伝統的な巡礼以外にも特定の地域やテーマに沿った「限定巡礼」が人気を集めており、御朱印を通じて地域の魅力を再発見する旅が増えています。
巡礼を重ねるたびに、御朱印帳に刻まれる一つ一つの御朱印が、新たな旅の記憶とともに積み重なっていきます。
御朱印の種類と特徴
直書きと書き置き(どっちが良い?)
書いてもらう直書きと張り付ける書き置き
御朱印には、直書きと書き置きの二種類あります。
直書きの御朱印は、参拝した際にその場で御朱印帳に直接墨書きしてもらう御朱印です。書き置きの御朱印は、あらかじめ紙に書かれた御朱印を授与してもらい、御朱印帳に貼り付けて使います。
書き置きの場合、神社の方がお寺より一回り大きい御朱印が多いのでやや注意が必要です。
伝統的な御朱印は御朱印帳に墨書きする直書きです。
ただし、大きな寺社であれば窓口時間内であればいつでも直書きの御朱印をいただけますが、小さな寺社はいつでも墨書きできる方がいらっしゃるというわけにはいきません。その場合は書き置きの御朱印が便利です。

善光寺の切り絵御朱印 撮影:MKトラベル
種類の豊富な書き置きの御朱印
書き置きの御朱印には、金色の台紙を使用したものや、特殊な加工が施されたものなど、独特なデザインが増えてきています。直書きの御朱印にはできないことです。
特に近年は、切り絵を取り入れた御朱印が人気を集めており、精巧なデザインが施された美しい御朱印が数多く授与されています。
直書きと書き置きの御朱印はどちらが良いというものではありません。
好みに合わせて選んだらいいでしょうし、両方選べるなら両方いただいてもいいでしょう。
西国三十三所巡礼には太字と細字の御朱印

那智山青岸渡寺の太字の御朱印 撮影:MKトラベル
文字を太筆で書いた「太字」とご詠歌を欠いた「細字」
西国三十三所巡礼では、一般的な御朱印とは異なり、特有の書体や形式を持つ御朱印が授与されます。
「大悲殿」や「千手観音」といった文字を太筆で書いていただく「太字」の御朱印と、ご詠歌を墨書していただく「細字」の御朱印があります。

那智山青岸渡寺の細字の御朱印 撮影:MKトラベル
西国巡礼ならではの「八角曼荼羅御朱印」
西国巡礼では、通常の御朱印とは別に「八角曼荼羅御朱印」という御朱印もあります。
私も公認先達になってからは、ご詠歌(細字)、八角曼荼羅御朱印、巻物納経帳と、3つもお願いしていた時期がありました。
巡礼では、納経帳だけでなく、おいづるや掛け軸に御朱印をいただく方もおり、巡礼の形によって様々な方法で御朱印を受けることができます。
御朱印は単なる記念品ではなく、巡礼の証としての役割を持ち、長く大切に残るものです。

那智山青岸渡寺の八角曼荼羅御朱印 撮影:MKトラベル
御朱印の受け取り方とマナー
御朱印をいただく基本ルール
御朱印をいただく前にまず参拝

善光寺の御朱印 撮影:MKトラベル
御朱印をいただく際には、正しい参拝マナーを守ることが大切です。
お寺や神社にはそれぞれの伝統や信仰があります。参拝マナーを大切にすることで、より気持ちの良い御朱印巡りができます。
まず、お寺や神社の境内に入る前に鳥居や山門の前で一礼をし、神仏の世界へ足を踏み入れます。
次に、手水舎(ちょうずや)で手と口を清めます。柄杓を使い、左手、右手、口の順で清めるのが基本です。心身を清浄にしてから参拝に臨みましょう。

北向山不動院(京都市伏見区)の御朱印 撮影:MKトラベル
感謝の気持ちを込めてお参り
続いて、本堂や本殿へ向かい、心を込めて参拝します。参拝の証である御朱印をいただく前にご本尊やご祭神に心を込めてお参りすることはとても大切です。
神社では「二礼二拍手一礼」、お寺では静かに手を合わせるのが一般的な作法です。願いごとをするのではなく、まず神仏に感謝の気持ちを込めましょう。
お参りが終わったら、いよいよ御朱印をいただきます。
参拝の作法
お寺や神社の基本的な参拝作法については、こちらの記事をご覧ください。

熊野那智大社の御朱印 撮影:MKトラベル
お寺は「納経所」で神社は「授与所」
西国巡礼の札所など大きなお寺では、御朱印をいただく窓口の「納経所」があります。これは本来、写経を納めるための場所でしたが、現在では巡礼の証として御朱印を受け取る場としても機能しています。
神社の場合は、お札やお守りを授与する「授与所」という名で御朱印をいただくことも多いです。中小規模の寺社の場合は、寺務所や社務所が御朱印の窓口になります。
御朱印受付でのマナー
納経所や授与所での受付の流れと納経料の目安
御朱印をいただく際には、静かに列に並び、順番を守ることが基本です。
御朱印の窓口で御朱印帳を預けます。 多くのお寺や神社では、300~500円の納経料(神社の場合は初穂料)をお納めします。 御朱印を書いていただく間は静かに待ち、受け取る際には「ありがとうございます」と感謝の言葉を伝えましょう。
巡礼の旅の一つ一つの御朱印が、大切な思い出として刻まれていきます。
御朱印受付時間の確認【時間外はNG】
納経所と授与所の受付時間には注意してください。
開門時間と同じであることが多いですが、閉門よりも早く受付が終了する場合もあります。
小さなお寺や神社の場合、御朱印がいただける日や時間が指定されていることもよくあります。
毎月特定の日の特定の時間のみということもあります。指定がなくても、事前に連絡しておかないと御朱印をいただけないこともよくあります。
今は一人の住職や宮司が複数のお寺や神社を管理するのが当たり前になっています。
御朱印の自動販売機?!

玉簾神社(神奈川県箱根町)の御朱印の自販機 撮影:MKトラベル
箱根にある玉簾神社では、なんと御朱印の自動販売機があります。初めて見たときはびっくりしました。
たしかに、自動販売機であればお寺や神社の方がお留守のときでも、確実に御朱印をいただくことができます。
御朱印帳の魅力と選び方
御朱印帳とは?
御朱印専用の帳面である御朱印帳

蛇腹式の洛陽三十三所観音巡礼の御朱印帳 撮影:MKトラベル
お寺や神社でいただいた御朱印を記す帳面が御朱印帳です。御朱印を楽しむには欠かせないアイテムです。
普通のノートやメモ帳などを利用する場合もありますが、多くの方は専用の御朱印帳を使っています。
専用の御朱印帳は、墨や朱印がにじみにくい和紙で作られており、長期間の保存に適しているのが特徴です。
御朱印帳の歴史は御朱印のはじまりにまでさかのぼります。江戸時代には納経帳としての用途が広まり、巡礼者が各札所で記録を残すために使用するようになりました
当時は携帯しやすいサイズの和紙を綴じた自作の御朱印帳が一般的で、明治以降になると市販の御朱印帳が登場し、一般の参拝者にも普及しました。
御朱印帳の種類【蛇腹式vs綴じ本式】

和紙綴じ式の大和路秀麗 八十八面観音巡礼の御朱印帳 撮影:MKトラベル
御朱印帳にはいくつかの種類がありますが、最も一般的なのは蛇腹式と綴じ本式の2つです。
蛇腹式御朱印帳のメリットと用途
片面または両面に御朱印を記帳でき、ページを折りたたんでコンパクトに持ち運べるのが特徴です。
開くとすべての御朱印を一覧できるため、巡礼の御朱印集めに人気です。
開くと御朱印の記録を一目で振り返ることができます。
綴じ本式御朱印帳のメリットと用途
一冊の本のようにページが綴じられたタイプで、通常のノートに近い感覚で使用できます。
書き置きの御朱印を貼り付けるのにも適しています。
いろんなタイプの御朱印が混在していたとしても、気になりません。
御朱印と同様に、近年はバインダータイプや、御朱印が書きやすい特殊な紙を使用したものなど様々な形や素材、デザインの御朱印帳があり、御朱印人気の高まりに一役買っています。
サイズは大判と小判
御朱印帳のサイズは、大判と小判の2種類が一般的です。 大判の御朱印帳は御朱印を大きく書いて受け取るため、細かい筆文字をしっかりと使います。
一方で小判の御朱印帳は持ち歩きがしやすく、御朱印巡りを気軽に楽しむのに便利です。不意に素敵な御朱印に出会ったときにいつでも御朱印をいただけるよう、常に小判の御朱印帳を携帯するという方もいます。
御朱印帳の魅力
思い出のアルバムとしての御朱印帳

江島神社(神奈川県藤沢市)の御朱印帳 撮影:MKトラベル
御朱印帳は、写真のアルバムと同じです。巡礼の思い出を刻むアルバムです。
ぱらぱらとめくっているだけで、訪れたお寺や神社だけでなくいろんな思い出が蘇ってきます。
御朱印帳に御朱印を記録することで、巡礼の足跡を形として残し、訪れた場所ごとの思い出をより深く刻むことができます。
また、御朱印だけでなく、参拝時の感想や旅の記録をメモすることで、巡礼日記としても活用できます。
お寺や神社でいただいた由緒書きや、おみくじを貼り付ける人も多く、自由にアレンジできる点も魅力の一つです。
御朱印帳が満願を目指すモチベーションに

四国八十八ヶ所の御朱印帳 撮影:MKトラベル
西国巡礼などテーマをもった巡礼では、専用の御朱印帳を使う場合が多いです。
札所は西国巡礼なら33箇所プラスα、四国巡礼なら88箇所もあります。巡礼では、すべての札所を巡り終えることを「満願」と呼びます。
巡礼を始めた当初は、本当に満願できるのだろうかという気持ちになります。
巡礼が進むにつれて、御朱印帳のページが埋まっていく喜びがモチベーションとなり、満願を達成したいという気持ちが強まりました。
満願を達成し、全て埋まった御朱印帳を手にしたときの達成感は格別です。
御朱印帳は、単なる紙の帳面ではなく、巡礼の旅を続ける励みとなる大切な存在です。
御朱印帳の選び方
デザインだけでなく、使用目的に合わせた御朱印帳を選ぶことで、より快適な御朱印巡りを楽しむことができます。
巡礼には専用の御朱印帳がおすすめ
西国三十三所巡礼や四国八十八箇所巡礼など、特定の霊場巡礼を目指す場合には、専用の納経帳を用意するのがおすすめです。
巡礼ごとに専用の御朱印帳があり、各札所の御朱印を統一感のある形で収めることができます。
ただし、それも守るべきルールというわけではありません。例えばお寺の御朱印と神社の御朱印が入り混じっていても問題ありません。
1つの御朱印帳を順番に埋めていくのもいいですが、好きなテーマを考えて、こだわりをもって御朱印帳を使い分けるのもおすすめです。

洛陽三十三所観音霊場の納経帳 撮影:MKトラベル
書店・雑貨店やオンラインでも買える御朱印帳
御朱印帳は、以下の場所で購入できます。
- お寺や神社の納経所・授与所(その寺社限定のオリジナルデザインが多い)
- 書店や雑貨店(シンプルなデザインのものが多い)
- 観光地やお土産店(ご当地デザインや限定品もあり)
- オンラインショップ(豊富な種類から選べる)
ただし、巡礼専用の納経帳は、札所の寺社でのみ授与されることが多いため、購入の際は注意が必要です。
例えば、西国三十三所専用の納経帳は、各札所や霊場会の公式販売所でしか手に入らないことが一般的です。
また、最近ではキャラクターやアニメとコラボした御朱印帳も登場し、若い世代の巡礼者にも人気があります。
旅先で気に入った御朱印帳を見つけたら、その場で購入して、御朱印巡りの記録を増やしていくのも楽しみの一つです。

いろんなサイズの御朱印帳 撮影:MKトラベル
御朱印帳の価格
御朱印帳の価格は、素材やデザインによって異なりますが、一般的には1,500円~5,000円程度です。
価格帯 | 特徴 |
---|---|
1,500円~2,500円 | シンプルなデザイン・一般的なサイズ |
3,000円~5,000円 | 豪華な装飾・特別な和紙使用 |
5,000円以上 | 限定デザイン・職人手作り |
御朱印帳のサイズ
御朱印帳のサイズは、大きく分けて大判と小判の2種類が一般的です。
大判御朱印帳(約18cm×12cm)
御朱印の筆文字を大きく書いていただけるため、細かい筆遣いまで楽しめるのが魅力です。
納経帳としての役割が強い巡礼専用の御朱印帳も、大判サイズが多く見られます。
小判御朱印帳(約16cm×11cm)
コンパクトで持ち運びやすく、気軽に御朱印巡りを楽しみたい方に最適です。
ポケットやバッグに収納しやすく、旅先でも気軽に御朱印を集めることができます。
最近ではバインダー式の御朱印帳も登場し、書き置きの御朱印を整理しやすいというメリットから人気が高まっています。
御朱印帳のデザインはアイデアを駆使した多彩な種類があります。デザイン性の高いものやテーマのある御朱印帳は素敵なので、ついついお詣りのたびに衝動買いしてしまいます。
でも、衝動買いも含めていい思い出になります。

壬生寺(京都市下京区)の新選組の御朱印帳 撮影:MKトラベル
限定の御朱印帳を求めて

大福寺(京都市中京区)の元三大師の御朱印帳 撮影:MKトラベル
御朱印帳には、特定の行事や期間限定で授与されるものもあります。御朱印だけではなく御朱印帳もコレクション要素の強いアイテムとなっています。
例えば、
- 初詣限定の御朱印帳
- 桜や紅葉の季節限定デザイン
- 特定の祭事限定デザイン
- 周年記念の特別御朱印帳
など、その時期にしか手に入らない御朱印帳が数多く存在します。
これらの御朱印帳を求めて巡礼の旅をする人も増えており、御朱印帳そのものが巡礼の目的となることもあります。
お気に入りの色や絵柄の御朱印帳を持ち歩くことで、御朱印巡りの楽しさがさらに広がります。

勝尾寺(大阪府箕面市)のだるまの御朱印帳 撮影:MKトラベル
個人的には、西国三十三所の第23番札所である勝尾寺の「だるまの御朱印帳」はユニークでかわいらしく、おすすめの一つです。

夫婦でおそろいの御朱印帳 撮影:MKトラベル
御朱印帳の使い方
御朱印以外でも自由に使おう
御朱印帳は、お寺や神社でいただく御朱印を記帳するための帳面ですが、使い方に厳密な決まりはなく、自分なりの工夫で活用することができます。
例えば、参拝時の感想を書き込んだり、いただいた散華や由緒書きを貼ることで、旅の記録としても使えます。
特に巡礼を行う際には、移動ルートや巡った札所のメモを加えることで、より詳細な巡礼記録を残せます。
あなたの御朱印帳には、どんな巡礼の思い出が刻まれていますか?
一方で、御朱印をいただく際に注意したい点もあります。
厚みのあるものを貼りすぎると、御朱印を書いていただく際に書きにくくなってしまうことがあります。
また、御朱印帳の開きが悪くなり、次回の記帳に支障をきたすこともあります。
そのため、書き置きの御朱印以外のものを貼る場合は、貼る位置や厚みを考慮するのがポイントです。

南禅寺(京都市左京区)の水吞みの虎の御朱印帳 撮影:MKトラベル
切り絵御朱印などは専用の御朱印帳に
特に最近増えている「切り絵御朱印」や、「見開きサイズの大きな書き置き御朱印」は、そのまま糊付けすると折れたり傷ついたりするため、
御朱印帳に貼り付けるのではなく、専用のクリアファイル型の御朱印帳や、バインダー式の収納ファイルを活用すると良いでしょう。
最初は自分でもテーマを決めて御朱印帳を使い分けたりするのですが、途中でテーマが崩れてしまうこともたびたびです。
あまりルールにこだわりすぎず、柔軟に使うことで御朱印巡りの楽しみがさらに広がります。

切り絵御朱印用のファイル 撮影:MKトラベル
ちょっと変わった御朱印と御朱印帳
アートな御朱印【切り絵・刺繍・豪華デザイン】
テーマ性のある御朱印と巡礼の多様化
御朱印には、一般的な寺社名やご本尊、ご祭神の名前が記されたものだけでなく、特定のテーマに基づいたデザインの御朱印も数多く存在します。
例えば、歴史上の人物や文化的な要素を取り入れた御朱印は、多くの参拝者や巡礼者の注目を集めています。
新選組や戦国武将をテーマにした御朱印、大河ドラマの放送に合わせた特別な御朱印など、寺社によってさまざまな趣向が凝らされた御朱印が登場しています。
映画やアニメとコラボした御朱印もあり、従来の巡礼とは異なる形で寺社を訪れるきっかけとなっています。
大きな寺社では定期的に新しい御朱印が登場するため、何度お参りしても新しい発見があり、御朱印巡りを続けるモチベーションとなります。
テーマ性のある御朱印を求めて再訪する人も少なくありません。

長円寺(京都市伏見区)の新選組御朱印 撮影:MKトラベル
御朱印のデザインと個性が光る巡礼
寺社ごとに趣向を凝らしたオリジナルの個性あふれる御朱印があり、そのデザイン性の高さやアート性が評価され、御朱印巡りがさらに楽しいものになっています。
中には、特殊な和紙を使用したものや、金箔押しの豪華なもの、さらには香り付きの御朱印など、個性的な御朱印も増えてきました。
また、最近では「〇〇巡礼」と称して、特定のテーマに沿った寺社巡りが注目されています。
例えば、「神仏習合の名残をたどる巡礼」や「花の名所を巡る御朱印巡礼」など、自分でテーマを決めた一味違った御朱印の楽しみ方もが広がりつつあります。
アマビエの御朱印

村屋坐彌冨都比賣神社(奈良県田原本町)のアマビエの御朱印 撮影:MKトラベル
コロナウイルスに人々が不安を感じていたころ、村屋坐彌冨都比賣神社でアマビエの御朱印をいただきました。
日本の疫病封じの妖怪「アマビエ」を御朱印のモチーフにした「悪疫退散」の御朱印です
お寺も神社も一緒になってコロナ終息を願っていました。
干支の御朱印
その年の干支をモチーフにした特別な御朱印も人気です。
多くの寺社では、毎年新年の初詣や節分などの時期に、干支をテーマにした御朱印を授与しています。特に、干支にゆかりのある神社仏閣では、特別なデザインの御朱印が人気を集めています。

長建寺(京都市伏見区)の御朱印 撮影:MKトラベル
干支の御朱印には、墨書で干支の名前が書かれたものや、干支の動物が描かれたもの、金箔やカラフルな装飾が施されたものなど、寺社ごとに個性豊かなデザインが施されています。
卯年の御朱印

宇治神社のみかえりうさぎ朱印御朱印 撮影:MKトラベル
宇治神社のご祭神である菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)は、うさぎに道案内されたといううさぎゆかりの神社です。うさぎにゆかりの神社は少ないため、卯年の2023年は大賑わいでした。
宇治神社でいただいた御朱印は、シンボル「見返り兎」をかたどった可愛い御朱印です。
その他の代わり種の御朱印
長谷寺の刺繍の御朱印

長谷寺(鎌倉市)の刺繍の御朱印 撮影:MKトラベル
御朱印は押印したり書いたりするものですが、鎌倉の長谷寺の御朱印はなんと「刺繍」でできています。
長谷寺のご本尊である十一面観音菩薩が描かれています。
私は御朱印帳には貼らず、写真立てに入れて御影として飾っています。
チベット文字の御朱印

圓教寺(姫路市)のチベット文字の御朱印 撮影:MKトラベル
御朱印で使われる文字は、漢字・かな・梵字ですが、チベット文字の御朱印です。
梵字と同じくインド系の文字なので、ぱっと見ではあまり違和感はありません。
インドでチベット仏教の修行をされた日本人僧侶の方が縁あって圓教寺の開山堂におられた際に、チベット文字の御朱印を書いてくださいました(2025年現在は圓教寺にはいらっしゃいません)
猫の日限定の御朱印

白鷺神社(栃木県上三川町)の猫の日の御朱印 撮影:MKトラベル
ねこちゃんとわんちゃんの健康と幸せを願っていただいた御朱印です。
白鷺神社では、11日にはわんちゃん御朱印を、22日にはねこちゃん御朱印を授与されています。
「スーパーねこの日」ともいわれた2022年2月22日の御朱印です。
最近は白鷺神社だけでなく、いろんなお寺や神社でもペット用のお守りをいただけるところが増えています。
京都で猫と言えば革堂行願寺

「猫のいる寺」革堂行願寺(京都市中京区)の御朱印 撮影:MKトラベル
西国三十三所巡礼の十九番札所で年間を通じて多くの巡礼者が訪れる革堂行願寺でも猫の御朱印がいただけます。
千年の歴史を持つお寺は、近年地域猫が行き来する「猫寺」としても有名になっています。
お願いしたら「八」が「鳩」に

八の字が鳩になっている石清水八幡宮(京都府八幡市)の御朱印 撮影:MKトラベル
宇佐八幡宮から石清水八幡宮へ八幡神を勧請したとき、白い鳩が道案内をしたと伝えられています。
石清水八幡宮では、それ以来「鳩」 は 「神様の使い」 とされています。
御朱印をお願いするときに、八幡の「八の字を鳩にしてください」とお願いすると、運が良ければ鳩で書いていただけます。
「ここの文字が好き」な御朱印

檀王法林寺(京都市左京区)の御朱印 撮影:MKトラベル
檀王法林寺に祀られている加茂川龍神の御朱印と十一面観音の御朱印です。
この他にも主夜神とそのお使いの猫の御朱印など、ご縁日にのみいただける御朱印です。
御朱印のデザインと文字の美しさにも魅了され、毎年通っているお寺です。
特別仕様の御朱印帳【木製・キャラクター・手作り】
木製の御朱印帳

紀伊山地三霊場会の木製の御朱印帳 撮影:MKトラベル
御朱印帳の素材やデザインは多種多様で、最近では個性的なものが増えてきています。
中でも特に珍しいものとして、「紀伊山地の霊場と参詣道」の御朱印帳があります。
これはなんと木製の表紙で作られており、手に取るだけで重厚感と特別感を味わえます。
思わず一目ぼれして購入してしまいました。
ただし、木製の御朱印帳は通常のものよりも重く、書く際に少し不便なこともあります。
お寺の方が筆を運びにくそうにしていることもあり、使用する際には注意が必要です。
ドクターイエローの御朱印帳

東海道新幹線60周年記念の「ドクターイエロー御朱印帳」 撮影:MKトラベル
孫が御朱印大好きな私の真似をして、御朱印が欲しいと言い出しました。
見ているだけでワクワクするドクターイエローの御朱印帳を孫にプレゼントしました。
2歳にして御朱印デビューです。将来楽しみですね。
刺繍の御朱印帳

星田妙見宮(大阪府枚方市)の刺繍の御朱印帳 撮影:MKトラベル
「弘法大師の秘法で、天上より七曜の星(北斗七星)が降り、それらの星が3ヶ所に分かれて地上に落ちた」という
星田妙見宮のご由緒が刺繍で描かれた、美しい御朱印帳です。
究極の御朱印帳は手作り
御朱印帳は、既製品を買うだけではなく、好みの柄の和紙を選んで自分で作るという選択肢もあります。
昔の人たちはみな、自分の御朱印帳は自分で作っていたのです。

手作りの御朱印帳 撮影:MKトラベル
蛇腹の台紙を作るのはなかなか難しいので、厚紙と蛇腹(中身)をセットにしたキットも販売されており、初心者でも簡単にオリジナル御朱印帳を作れるようになっています。。和紙販売店や通販などで購入することができます。
自作の御朱印帳なら、紙の種類やデザインを自分好みにアレンジできるため、より思い入れのある御朱印帳を作ることができます。
まさに唯一無二の自分だけのオリジナル御朱印帳です。
御朱印集めをもっと楽しむために
MKトラベルの巡礼ツアーの特徴

貴船神社(京都市左京区)の御朱印帳 撮影:MKトラベル
御朱印はツアー参加者がご自身で
MKトラベルでは、西国三十三所巡礼をはじめ、様々な京都発着の巡礼ツアーを催行しています。
一般的な西国巡礼ツアーでは、効率を重視して添乗員がツアー参加者の御朱印帳をまとめて預かり、添乗員が御朱印をいただく場合が多いです。
しかし、MKトラベルの巡礼ツアーでは、御朱印はご自身でいただくのが原則です。

竹生島宝厳寺(滋賀県長浜市)の御朱印 撮影:MKトラベル
納経の証であり参拝の証である御朱印は、自らいただくのが本来のあり方です。
MKトラベルでは、非効率かもしれませんが、本来の巡礼のあり方を重視しています。
ご自身で納経所や授与所に御朱印帳を預け、感謝の気持ちをもって御朱印をいただいて欲しいと考えています。
大切な自身の御朱印帳を他人である添乗員に預けることには抵抗感があるでしょう。
もちろん、体調や体力の都合で自身で納経所までたどり着くのが困難な場合には、添乗員が御朱印帳をお預かりします。

山道もバスやタクシーで楽々 撮影:MKトラベル
寺社の滞在時間をたっぷり確保
ご自身で御朱印をいただくには、納経所や授与所で御朱印をいただく列に並ぶ必要があり、どうしても時間がかかります。西国巡礼のようなメジャーな札所の繁忙期は行列ができることもあります。
MKトラベルの巡礼ツアーでは、御朱印をいただく寺社での滞在時間をたっぷりとったスケジュールを組んでいます。
思わぬ行列があっても、しっかり御朱印をいただくことが可能です。

那智山青岸渡寺でいただく「お滝もち」 撮影:MKトラベル
御朱印をいただいたあとは、時間の許す限りあちこちをお詣りすることができます。
もちろん、御朱印には関心がないという方も、境内の隅々までお詣りするなどいろんな楽しみ方をすることができます。
ツアー参加者のペースでお詣りしていただける余裕をもったスケジュールにしています。
ただし、寺社での滞在時間を確保する代わりに、他の観光スポットへの滞在は最低限になっています。
ツアーによっては、昼食も車内でお弁当ということもあります。
巡礼が大好きという方に特化した巡礼ツアーというのがMKトラベルの大きな特色です。
巡礼仲間と出会えるかも
御朱印集めに特化したMKトラベルの巡礼ツアーには、御朱印好きの方々がリピーターとしてたくさん参加します。
同じ御朱印集めの巡礼という趣味を持つ仲間と出会えるかもしれません。
バスツアーはもちろん、少人数のタクシーツアーでは参加者同士の距離が近いため、ツアーを通して自然と交流があ生まれます。
同じツアーに参加した方と、次のツアーでまた再開するなんてこともあります。
御朱印集めを楽しみながら、新しい巡礼仲間が増えることでしょう。
公認先達同行で初心者も安心

MKトラベルのツアーに同行する公認先達(本稿共同執筆の塚越(左)と牧幸代(右))
MKトラベルの巡礼ツアーでは、西国三十三所霊場の公認先達が添乗員として同行します。
ツアー企画者であり、西国巡礼の公認先達である牧幸代と塚越が担当します。
巡礼の初心者の方には、同行する先達が参拝作法や御朱印のもらい方、巡礼のマナー、御朱印帳の選び方まで何でもアドバイスいたします。
初心者でも安心して巡礼の旅を楽しんでいただけます。
西国巡礼の旅をもっと充実したものにするために、ぜひMKトラベルの巡礼ツアーに参加してみませんか?
牧幸代よりひとこと
参拝記念と思って御朱印をいただいたのが御朱印との出会いです。
今では巡礼での納経の証としてたくさんのお寺や神社を巡り、御朱印をいただいてきました。
強いご縁のある寺社(何度も足を運ぶチャンスが訪れる札所)の御朱印帳は真っ赤になります。
ご縁の強さから、特定の寺社への思い入れも強くなり、不思議と参拝のチャンスが巡ってきます。
2025年2月現在は四国とのご縁に呼ばれており、四国八十八お遍路の2巡目にチャレンジ中です。
並行して、四国三十六不動尊と別格二十霊場にも挑戦中ですが、まだまだかかりそうです。
MKトラベルでは、西国三十三所巡礼を中心とした京都発着の日帰りツアーを催行しています。
四国お遍路ツアーも京都発着ツアーを企画したいと念願しているのですが、できる日はいつくるやら…といった感じですが
今は、各所でいただいた御朱印とご縁を大切に巡礼しています。
いま、この記事を読んでおられるのも何かのご縁です。
みなさまもぜひMKトラベルの巡礼ツアーに呼ばれてください。
素敵なご縁を心よりお待ちしております。
牧執筆記事
塚越よりひとこと
御朱印には不思議な魅力があります。
文字や絵を見ることで癒されたり、持つことでお守りのような心強さを感じたりと、心の面に与える良い影響があります。
御朱印をいただくことは、間接的にはお寺や神社の修繕保存に微力ながらも協力することにもなります。様々なお寺や神社を巡礼することで、今まで知らなかった文化や歴史に触れる機会になります。
自然と歩く機会にもなったりと、行動の面にも良い影響があります。
50歳を過ぎて御朱印に出会ってから、また世界が広がりました。
最初は「スタンプラリーじゃない」という言葉に、自分の御朱印巡りは間違っているのかなと悩んだこともあります。
しかし、御朱印というきっかけがあったからこそ、今こうやって巡礼ツアーの公認先達として、誰かの巡礼やお参りのお手伝いや魅力を伝えることができています。
あらためて、御朱印ってすごいパワーを持っているんだなと思います。
MKトラベルの巡礼ツアーにご参加いただくことで、お参りに必要な交通手段の手配やスケジュール管理はプロに任せることができます。
ツアー参加者のみなさんは、神仏に手を合わせて心静かにその場所の空気に触れ、御朱印をいただく…。
そのことにゆっくり気持ちを向けてみられてはいかがでしょうか。
私たちがそんな魅力あふれる巡礼ツアーをご用意しています。
塚越執筆記事
MKトラベルの巡礼ツアー