エッセイ「本だけ眺めて暮らしたい」【254】|MK新聞連載記事

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エッセイ「本だけ眺めて暮らしたい」【254】|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、大西信夫さんによる様々な身近な事柄を取り上げたエッセイ「本だけ眺めてくらしたい」を前身を含めて1988年5月22日から連載しています。
MK新聞2009年8月16日号の掲載記事です。

本だけ眺めてくらしたい

雨の日に傘をさして歩きながら思うことがある。
やれインターネットで「何でも事足りる」だ、やれ宇宙ステーションの建設だというような時代に、僕ら人間はいまだにこんな原始的な道具を使っているんだからなあ、と。
小さな装置を身につけていたら磁石が反発するように雨粒が身体をよけて落ちるとか、それぐらいのことはできるようになってもよさそうに思うのだが。

本も同じようなもので、いまだに文字や図画が印刷された紙の束に過ぎない。
もっとも、文字や紙や印刷技術は、人類の歴史の中でも大きな節目と言えるほどの画期的な「発明」と言っていい。
ただ、「本」になってから今日まで、あまり進化がなかった。
紙を巻くか綴じるかは別にして。というより、本は当初よりモノとしての完成度が極めて高かったということだろう。

そんな本を読むときにも、本というモノが少しでも便利に扱えるようなアイデア商品はいくつかある。
例えば古くからあるものでは、書見台。
本を手で持たなくてもページを開いたまま立てておいてくれる。
私も体操をするときなどに、指導書を書見台にのせて、身体の動かし方の解説写真を見ながらストレッチをしている。
台ではなく、開いた本の両端を重りがついた二個のクリップではさんで、開いたままにしてくれる商品もある。
マニュアル本を読みながらコンピュータのキーボードを打ったり、台所で料理の本を見ながら調理するのに便利だ。

ユニークなものでは、例えば電車で立っている時に片手でつり革を持って、もう一方の片手で本を持って読む場合、それを親指につければ、本を楽に大きく開いたままにできるというグッズもある。
ただし、ページをめくるには、やはりもう一方の手が必要だが。

今、欲しいと思っているのは、肩にかけられるショルダーバッグのようなブックカバー。
本を手に持たなくてもいいし、鞄から出し入れする必要もない。
本のように完成度の高いモノには、いかにも「アイデア商品」的な小さな便利がよく似合う。はじめはうれしがって使うけれども、そのうち使わなくなる。
でも、買っちゃうんだなぁ。
http://examiner.co.jp/urayosi/urayosiyukitop.html

 

MK新聞について

「MK新聞」は月1回発行で、京都をはじめMKタクシーが走る各地の情報を発信する情報紙です。
MK観光ドライバーによる京都の観光情報、旬の映画や隠れた名店のご紹介、 楽しい読み物から教養になる連載の数々、運輸行政に対するMKの主張などが凝縮されています。
40年以上も発行を続けるMK新聞を、皆さま、どうぞよろしくお願いします。

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MK新聞への大西信夫さんの連載記事

1988年以来、MK新聞に各種記事を連載中です。

1988年5月22日号~1991年11月22日号 「よしゆきの京都の見方」(45回連載)
1990年1月7日号~1992年2月7日 「空車中のひとりごと」(12回連載)
1995年1月22日号~1999年12月1日号 「何を見ても何かを思う」(64回連載)
1996年4月16日号~現在 「本だけ眺めて暮らしたい」(連載中)

 

本だけ眺めて暮らしたい バックナンバー

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