グローバル・ビジネス・レポート【117】日本国際工作機械見本市(JIMTOF)参加|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、「グローバル・ビジネス・レポート」を2012年2月1日から連載しています。
MK新聞2023年2月1日号の掲載記事です。筆者プロフィールは新聞掲載時点のものです。
長岡技術科学大学経営戦略・技術経営・ものづくり経営研究室初汐一真さんの執筆です。
日本国際工作機械見本市(JIMTOF)参加
世界4大工作機械展示会の一つである日本国際工作機械見本市(JIMTOF)が2022年11月8日~13日に東京ビッグサイトにて開催された。この展示会は、2年毎に開催されているが、前回2020年は新型コロナウイルスのためオンライン開催となった。今回は、4年振りに会場での開催となり、JIMTOFの事務局によれば、過去最多の1086社が出展し、6日間の総来場者数は11万人を超えた。研究室の有志として鈴木准教授、門田先輩、私は、この展示会に11日、12日の2日間、参加した。
昨年度、私は長岡技大の実務訓練(長期インターンシップ)を大手工作機械メーカーの牧野フライス製作所の情報システム部にて行った。企業におけるデータの活用、生産の効率化、生産ラインにおける協働ロボット活用などに関心を持っており、JIMTOFでは、各社は、データや協働ロボットをどのように活用しているのかという観点で各企業のブースを訪問した。
1日目に会場に到着してまず驚かされたのは、圧倒的な規模である。東京ビッグサイトの大きさは東京ドーム6つ分である。来場者も多く、非常に活気があった。中でも、目を引くのは、やはり大きなブースを構える企業であり、カフェ(商談)ブースを設けていたり、プレゼンスペースが設置されていたり、様々な最新工作機械が展示されていたりと展示に工夫が凝らされていた。私が関心を持っていた協働ロボットも工作機械と組み合わせる形で展示されており、各社によって活用の幅が違っていた。また、ある企業のブースで聞いたデータを取るために機械にセンサーを取り付けるとしても、例えば、どこに取り付けるかによって良いデータにも悪いデータにもなる。そのため、よく考えないといけないという話はデータ活用を考える点で示唆的だった。
2日目は、実務訓練でお世話になった牧野フライスのブースを見学し、開発部門の方々から新製品、新技術など様々な説明を聞くことができた。午後は、JIMTOFの事務局が企画した学生トップセミナーに参加し、社長講演や若手職員の講演を聞いた。
今回、JIMTOFに参加して、工作機械に対する考え方や価値観、データの取り扱い方は、各企業で異なるということをよく知ることができた。このことは様々な企業が一堂に会する展示会だからこそ知り得たことである。工作機械は、スマートフォンから飛行機まで様々な製品の生産に使用されるため、工作機械の進化は製品、製造業の変化につながる。学生がJIMTOFに参加する意義は、製造業に関心があればもちろんそれ以外の分野でも今後の世の中の方向性を知る貴重な機会になると考える。次回のJIMTOFの開催は2024年11月に開催される。私は次回も参加してできるだけ多くのブースに行ってみたいと思っている。
■筆者プロフィール
兵庫県出身。阿南高専卒。現在、長岡技術科学大学大学院修士課程情報・経営システム工学分野の第1学年に在籍。
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