エッセイ「本だけ眺めて暮らしたい」【304】|MK新聞連載記事

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エッセイ「本だけ眺めて暮らしたい」【304】|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、大西信夫さんによる様々な身近な事柄を取り上げたエッセイ「本だけ眺めてくらしたい」を前身を含めて1988年5月22日から連載しています。
MK新聞2013年8月1日号の掲載記事です。

本だけ眺めてくらしたい

電子書籍は、ほぼすべて自炊(紙に印刷された従来の本を自分で電子データ化)したものを読んでいる。
使用している機器は、アップルのiPadおよびiPad miniと、ソニーのReader。
これまで、市販の電子書籍を定価で買ったのは一冊きり。
翻訳書で、電子版が印刷版よりも定価がかなり低く設定されていて(ほぼ三分の一の1050円)、ファイル形式が比較的汎用性のあるEPUB3のものも発売されていたので購入してみた。
もっとも、原書である英語の電子版はそもそも無料なのだが。

ただ、定価は付いているが、タダあるいは1,000円程度までの出費なら、それ以外にも電子書籍を6冊買ったことがある。
というのは、ソニー製品のユーザー会員サイトが、「製品を登録すると500ポイントをプレゼント」だとか「ご愛顧感謝ポイント」だとか「今月、誕生日の会員に100ポイントを追加進呈」だとか(入会申し込みフォームに誕生日を入力している)、さらには「お年玉ポイント」「春の電子書籍まつり」「新型機種発売記念感謝ポイント」などなど、何かと、やたらとポイントを(勝手に? )付与する「キャンペーン」をやっているからだ。
1ポイント1円として使用できる。
だから、与えられたポイント以下の定価の電子書籍を選んで購入すれば出費はゼロ、つまり実質タダだし、もしもブックオフの100円均一コーナーで見つけたら買ってもいいと思う本なら、もらったポイントに100円程度の自費をプラスして購入すればいい……ということで買った6冊というわけ。

もちろん、タダで「買った(?)」ほうが多いのだが、5円でも自費をプラスして買った場合、「×月度ご利用感謝ポイント」なんていうのが、翌月にまた付いてくるのだから笑ってしまう。
これまで毎月、細切れに、都合2802ポイント! が付与された。でも、出費は一冊100円程度までと決めている私が買ったのは結局、6冊のみ。
それにしてもソニーさんは、よっぽど数字の上での販売額実績を増幅したいのか、他社に先んじてソニー製の電子蔵書をどんどん持たせ、顧客を囲い込みたいのか。もはや、なりふり構わぬ、必死のパッチの形相。電子書籍界の覇権争いはなかなか大変そうだ。
http://examiner.co.jp/urayosi/urayosiyukitop.html

 

MK新聞について

「MK新聞」は月1回発行で、京都をはじめMKタクシーが走る各地の情報を発信する情報紙です。
MK観光ドライバーによる京都の観光情報、旬の映画や隠れた名店のご紹介、 楽しい読み物から教養になる連載の数々、運輸行政に対するMKの主張などが凝縮されています。
40年以上も発行を続けるMK新聞を、皆さま、どうぞよろしくお願いします。

ホームページからも最新号、バックナンバーを閲覧可能です。

 

MK新聞への大西信夫さんの連載記事

1988年以来、MK新聞に各種記事を連載中です。

1988年5月22日号~1991年11月22日号 「よしゆきの京都の見方」(45回連載)
1990年1月7日号~1992年2月7日 「空車中のひとりごと」(12回連載)
1995年1月22日号~1999年12月1日号 「何を見ても何かを思う」(64回連載)
1996年4月16日号~現在 「本だけ眺めて暮らしたい」(連載中)

 

本だけ眺めて暮らしたい バックナンバー

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