エッセイ「本だけ眺めて暮らしたい」【256】|MK新聞連載記事

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エッセイ「本だけ眺めて暮らしたい」【256】|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、大西信夫さんによる様々な身近な事柄を取り上げたエッセイ「本だけ眺めてくらしたい」を前身を含めて1988年5月22日から連載しています。
MK新聞2009年9月16日号の掲載記事です。

本だけ眺めてくらしたい

ドキュメントスキャナーを買った。オートシートフィーダーによる読み取りに特化したタイプだ。
ハードや付属ソフトの性能、操作性、価格などで、そろそろ買い時かなと判断した。
これで気軽に書類をPDFファイルへとデジタル化できるようになった。
思った以上の使い勝手のよさに驚いているが、システムや情報整理についてはまた別の話。
ここでは読書に関する話題だけにしておこう。

このスキャナーで、雑誌から切り取ったページはもちろん、バックナンバーの保存が簡単にできる。
裁断機やディスクカッターで雑誌の綴じ部を切り落とし、ページを一枚一枚バラバラの状態にする。
それをまとめてシートフィーダーにセットすればいい。
ボタン一つで読み取りを始め、一枚(二ページ)がわずか一、二秒。
百ページほどの雑誌なら一分かそこらで自動的にPDFファイルになってしまう。

基本的に雑誌は随時処分している。が、個人的な興味から特に関心のある記事だけは切り取って保存していた。
それが長い年月で溜まりに溜まっていたのだが、このスキャナーのおかげで、そのすべてが棄てられるようになった!
それどころか、昨今はハードディスクの容量が大きい(CDRやDVDRに保存もできる)ので、PDFのサイズをほとんど気にしなくてもよい。
だから、私は雑誌を買うと、まずバラしてスキャナーを通し、一冊まるごと保存することにしている。

そして、その日一日で読める分のページだけをカバンに入れて外出する。
そうすれば、読んだ分だけその場で棄ててしまうことができるというわけだ。
しかも、そうすることによって、この記事は保存しておこうかとか、保存しても将来必要になる機会などないだろうとか、あるかもしれないとか、判断に向ける意識すら必要ない。
また、スキャナーと連携しているOCRソフトが印刷文字をテキストデータ化してPDFの誌面に埋め込んでいるので、元の紙の雑誌では決してできない検索ができるようになることも大きなメリットだ。
これは雑誌に限らない。本だって製本をバラせば同じことができる。やろうと思うなら、の話だが……。

http://examiner.co,jp/urayosi/urayosiyukitop.html

 

MK新聞について

「MK新聞」は月1回発行で、京都をはじめMKタクシーが走る各地の情報を発信する情報紙です。
MK観光ドライバーによる京都の観光情報、旬の映画や隠れた名店のご紹介、 楽しい読み物から教養になる連載の数々、運輸行政に対するMKの主張などが凝縮されています。
40年以上も発行を続けるMK新聞を、皆さま、どうぞよろしくお願いします。

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MK新聞への大西信夫さんの連載記事

1988年以来、MK新聞に各種記事を連載中です。

1988年5月22日号~1991年11月22日号 「よしゆきの京都の見方」(45回連載)
1990年1月7日号~1992年2月7日 「空車中のひとりごと」(12回連載)
1995年1月22日号~1999年12月1日号 「何を見ても何かを思う」(64回連載)
1996年4月16日号~現在 「本だけ眺めて暮らしたい」(連載中)

 

本だけ眺めて暮らしたい バックナンバー

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