エッセイ「本だけ眺めて暮らしたい」【213】|MK新聞連載記事

よみもの
エッセイ「本だけ眺めて暮らしたい」【213】|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、大西信夫さんによる様々な身近な事柄を取り上げたエッセイ「本だけ眺めてくらしたい」を前身を含めて1988年5月22日から連載しています。
MK新聞2007年12月1日号の掲載記事です。

本だけ眺めてくらしたい

年末が近づいてくると、そろそろ来年のカレンダーを買わなくては……という気持ちになる。地図もそうだが、カレンダーもなぜか本屋で売っている。
粗品のカレンダーというのは何枚、何十枚ともらっても、一年間毎日目にする気にはなれないものがほとんど。実用本意のシンプルで見やすいものに徹しているわけでもなく、しゃれたポスターのようにデザインに凝っているわけでもなく、どこか中途半端だ。
ブランドとして認知されている大手企業は、威信とお金をかけて、大きくて分厚い立派なものを制作しているが、そうでない企業や商店は、年末の粗品として惰性で配っているようなものが少なくない。
大型書店ではこの時期、数えきれないほどのカレンダーが店頭を飾っている。つまり、タダでもらえるカレンダーがどれだけ巷にあふれていようとも、結局は多くの人が自分の気に入るものを探していて、お金を出して買っているということなのだろう。

粗品カレンダーをもらう数が平成不況以降、かなり減ったのは、ゴミを減らし資源の無駄を省くにはいいことだろう。さらに、地域コミュニティなどでカレンダーを互いに持ち寄り、大規模な交換会をすれば、もう少し有効に活用できるのではないか。
私がいただくものでは、サントリーミュージアムと国立民族学博物館のカレンダーがお気に入りで、毎年楽しみに使わせてもらっている(販売もしているのかもしれない)。
で、毎年買っているのが『御教訓カレンダー』(PARCO出版)。使い続けて三十年になる。またの名を「三日坊主めくり」。
一枚で三日、三日ごとにめくる、日めくりタイプの暦。一枚ごとに教訓(ではなく、そのパロディー)が記されている。妙に可笑しいものあり、爆笑あり。例えば、2007年では「生きているだけで、もうケモノ」「溺愛のお惣菜」「二足3ウォン」など。
日めくりは、めくるのをとかく忘れがちだが、このカレンダーは「三日坊主」どころか、おもしろいので明日の分までもう一枚めくって見たくなる。朝、暦を見て、一日を楽しくスタートできること請け合いだ。

 

MK新聞について

「MK新聞」は月1回発行で、京都をはじめMKタクシーが走る各地の情報を発信する情報紙です。
MK観光ドライバーによる京都の観光情報、旬の映画や隠れた名店のご紹介、 楽しい読み物から教養になる連載の数々、運輸行政に対するMKの主張などが凝縮されています。
40年以上も発行を続けるMK新聞を、皆さま、どうぞよろしくお願いします。

ホームページからも最新号、バックナンバーを閲覧可能です。

 

MK新聞への大西信夫さんの連載記事

1988年以来、MK新聞に各種記事を連載中です。

1988年5月22日号~1991年11月22日号 「よしゆきの京都の見方」(45回連載)
1990年1月7日号~1992年2月7日 「空車中のひとりごと」(12回連載)
1995年1月22日号~1999年12月1日号 「何を見ても何かを思う」(64回連載)
1996年4月16日号~現在 「本だけ眺めて暮らしたい」(連載中)

 

本だけ眺めて暮らしたい バックナンバー

この記事が気に入ったらSNSでシェアしよう!

関連記事

まだ知らない京都に出会う、
特別な旅行体験をラインナップ

MKタクシーでは様々な京都旅コンテンツを
ご用意しています。