MKタクシーの交通安全教育「警察官の安全運転講話」2013年度編
目次
MKタクシーでは、毎月全営業所で各2回前後「全員業務集会」を開催しています。
全ドライバーが、いずれかの会に出席しなければなりません。
全員業務集会では、様々な来賓を招いての講話を賜っています。
今回は、2013年度の全員業務集会で行われた警察署の交通課警察官による安全運転講話を紹介します。
標識がない住宅街は必ず徐行運転で
2013年7月22日 宇治城陽営業所
平成20年に全席シートベルト着用が義務化されましたが、後部座席での着用率は一般道で3分の1、高速道路でも3分の2とまだまだです。自動車は運転席に重心があり、事故などの際に後部座席乗員がスピンした場合、車外に放り出されないためにも後部座席のシートベルトは重要です。
夏休みは子供の事故が起こりやすく、その多くは自宅近くで発生しています。住宅街などの細街路の場合、速度標識のない道路は全て「安全速度」で走らなければなりません。「安全速度」とは一般的に時速10㎞以下の「徐行」を指しますが、どんな状況でもすぐに止まれる速度のことです。交差点も全て徐行しなければなりませんが、皆様は運転のプロですので、「一時停止」の標識がなくても是非一時停止を励行してください。
京都府宇治警察署 交通課 交通総務係 警部補
20㎞の速度差が生む大きな差0
2013年7月23日/7月29日八幡営業所
白バイに乗務するために受けた研修の中で最も印象に残っているのが、時速50㎞と時速70㎞で走っている車両が同時に急ブレーキをかけた場合、前者が停止した地点での後者の速度がどれくらいかという体験訓練です。速度差の時速20㎞くらいかと思いきや、何と実際には時速50㎞でした。つまり、例えば歩行者の飛び出しを見て急ブレーキをかけた場合、時速50㎞なら無事止まれる場合であっても、時速70㎞だと死亡事故になってしまうということです。
速度取締をしていると「20㎞超過くらい大したことないだろう」とよく言われますが、実はこの20㎞が致命的な差を生む場合もあるのです。くれぐれも速度超過には気をつけ、安全運転を心がけてください。
京都府八幡警察署 交通課 交通指導係長
交通事故を防ぐために
2013年7月24日 宇治城陽営業所
なぜ交通事故が起こるのか。それは「交通違反」があるからです。例えば信号のある交差点では、一方が赤信号を無視すると交通事故が起こります。つまり、交通事故を防ぐには、愚直にルールを守ること。当たり前のことを当たり前に行うことが必要です。
運転は、色々な情報を収集して瞬時に判断し、ハンドルやブレーキなどの操作を行います。体調不良や心的ストレスなども運転に集中できなくなるため、事故の原因となります。体に良い食事や睡眠時間をしっかり取るなど体調管理が重要です。
タクシーは、お客様の命を預かる仕事です。お客様を運ぶ「緊張感」と予測運転を心がける「危機意識」を持って運転してください。これからも体調に気をつけて、事故なく元気に仕事をしてください。
京都府宇治警察署 交通課 交通総務係長
事故防止は意識の高まりから
2013年7月25日 洛西営業所
昨年の全国の交通事故死者数は4411人で、交通戦争と言われた昭和45年頃と比べて3分の1以下に減っています。車の性能や医療技術の向上のほか、皆さんの「意識の高まり」も要因です。諸先輩方が危機意識を持って対策されてきたことが、長いスパンで見ると効果を上げているのです。
悲惨な死亡事故を減らすためには事故の総量を減らさなければなりません。車の性能や道路環境などのハード面に加えて、警察にしかできないこととして取締りや街頭指導が挙げられます。取締りは運転者に緊張感を持ってもらうためのもので、街頭指導では歩行者や自転車に危機意識を持ってもらいます。事故を起こすと故意でなくても泥棒などと同じ刑法犯に問われます。望まない罰を受けないためにも自らの危機意識が大切なのです。
京都府西京警察署 交通課長
緊張感を持った運転を
2013年7月30日 洛西営業所
京都府下の交通事故の発生状況は、発生件数、負傷者数、死者数のいずれについてもマイナス傾向で推移しておりますが、決して予断を許さない厳しい状況です。西京警察署管内でも府下同様マイナス傾向ですが、年始当初はプラス傾向でした。また、残念ながら5月には死亡事故が発生し尊い命が失われました。
交通事故を抑止するためにも、交通取締等を強化し、警察官の姿を多く見せることによって、ドライバーに緊張感を持った運転をさせることが重要です。そのためにも「交通指導取締」、「街頭啓発活動と交通教育活動」、「交通環境整備」という3つの方向から事故防止対策を行っております。
交通事故抑止のため、全力で取り組んでいきますので、どうかご協力のほど、よろしくお願いいたします。
京都府西京警察署 交通課 交通総務係 警部補
情報の収集と提供による模範運転
2013年7月31日 上賀茂営業所
雨が降るとワイパーを動かす。暗くなるとライトを点灯する。当たり前のことですが何故でしょうか。
それは、自動車を安全に運転するために必要な情報を少しでも早く、多く収集するためです。
情報収集は、見えない物も見ていただく。つまり、予測運転(かもしれない運転)をすることで、回避までの時間を短縮することができます。
また、周りの車両に自己の存在や動きをウィンカーやライト等で知らせる情報提供も、事故防止につながります。
「ハートのマークの行灯」皆様は会社の看板を背負って走っていることを忘れないで下さい。プロの運転手として、情報収集と提供で模範運転を周囲に示していただき、交通事故防止に努めていただきたいと思います。
京都府北警察署 交通課 交通総務係長
事故で悲しむ人を出さないために
2013年8月1日 伏見営業所
警察から家族、特に子どもが亡くなったという連絡を受けて、冷静でいられる親はいません。動揺を隠せないご家族の気持ちは、子どもを持つ私も分かります。そして、諸手続の案内やご遺体の確認をしていただきます。特にご遺体の損傷が激しい時は、本当に心苦しいです。
一時停止、信号を守る、安全確認をする等、交通ルールをみんなが守れば、事故は起きないはずですが、事故が起きなかった日は一日もありません。
事故防止の有効な手立ての一つとして、速度を落とすことが挙げられます。例え事故が起きたとしても、速度によっては軽傷で済むかもしれません。事故を起こしたい人、遭いたい人は一人もいません。これ以上事故で悲しむ人を出さないためにも、安全運転を心がけてください。
京都府伏見警察署 交通課 課長代理
本当の「確認」とは?悲しい事故を防ぐために
2013年8月5日・8日 山科営業所
京都府では特に高齢者の事故防止に力を入れていますが、お年寄りの方に話を聞くと、驚いたことに「危ないと思ったことはない」「自転車・車も怖くない」とおっしゃる方がおられます。これは私たちの方が注意を怠れば即座に事故につながるということを意味しています。
運転中は一瞬一瞬のうちに実にたくさんのことに注意しなければいけません。これは非常に難しいことです。にも関わらず、一つの確認不足が事故を招き多くの人に悲しみを背負わせてしまいます。きちんとした「確認」を行うためにはまず、人間の能力に限界があるということを謙虚に受け止め無理をしないこと。その上で何が危険なのか、どう危険なのかを具体的に察知し、慢心せずに自分の危険予知能力を磨いていくことが大切です。
京都府山科警察署 交通課長
事故の被害を防ぐために
2013年8月6日 西五条営業所
近年、事故の発生件数は減少傾向にあります。山科署管内でも事故数は減少しているものの、死亡事故は増加傾向にあります。
交通事故の際に身を守るためにはシートベルトが大切です。後部座席でシートベルトを着用している場合、未着用の場合と比べ、「致死率は4分の1」、「車外放出の可能性は2分の1」、「同乗者への加害率は50分の1」となります。
交通事故はいつ発生するか、全く予測ができないものです。いつも「かもしれない」と緊張感を持って運転に臨んでください。
また、今年6月には改正道路交通法が公布されました。病状の申告、無免許運転への罰則の強化等が施行されます。このようなことも知識として持っておき、安全運転につなげてください。
京都府右京警察署 交通課 交通総務係長
交通ルールを守る
2013年8月12日 西五条営業所
京都府下の死亡事故に見られる特徴は、
①高齢者が多い…本年7月末現在、交通事故死亡者37名中14名が高齢者でした。
②一方で若い方、16~24歳が増えている…死者は12名と増加、車両単独事故が10件でその半数が二輪車・原付です。
③シートベルトをしていない…5名の死者のうち、シートベルトをしていたら助かったと思われるのは4名です。
私は、交通ルールを守ることは、人間としての愛だと考えます。「ルールを守る」と常に心に刻み、安全運転への意識を高めてください。会社の安全教育は毎日真剣に受け、事例に上がる事故を人ごとと捉えず、「明日は我が身」と思いましょう。また、今は子供が夏休み。子供に注意しなくてはいけません。そういった経験値を高めていってください。
京都府右京警察署 交通課長
少しの不注意が大きな事故につながる
2013年8月19日 伏見営業所
私が立ち会った事故で、ドライバーの発進時安全不確認による死亡事故がありました。結果は大変重く逮捕しましたが、過失としては信号無視や飲酒運転より軽くなります。
事故原因のワースト3は20年以上変わっていません。前方不注意、安全不確認、操作ミスの3つです。この事故の安全不確認もただの気の緩みから発生したのだと思います。しかし、そう思うからこそ事故を起こすのです。ちょっとした不注意で起こる事故は、裏を返せばちょっとした心がけで防ぐことができます。運が悪かったという言い訳は全く通用しません。事故で車両が接触した場所が違えば結果は大きく変わることがあります。それが事故なのです。
集中力を保ち、いかに緊張感を持って運転するか、意識して営業してください。
京都府伏見警察署 交通課 交通総務係長