グローバル・ビジネス・レポート【112】「新型コロナウイルスと就職活動(2022年度)について(後編)」|MK新聞連載記事
MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、「グローバル・ビジネス・レポート」を2012年2月1日から連載しています。
MK新聞2022年9月1日号の掲載記事です。筆者プロフィールは新聞掲載時点のものです。
長岡技術科学大学 経営戦略・技術経営・ものづくり経営研究室 門田大輝さんの執筆です。
新型コロナウイルスと就職活動(2022年度)について(後編)
前回の記事では、新型コロナウイルス禍で私の就職活動がどのようなものだったのかについて書いた。MK新聞2020年12月1日号では、私の研究室の同期であった重田大樹君(2021年学部卒)が就職活動の振り返りや今後の就活生へのアドバイスを書いている。今号では、私の就職活動の振り返りや今後の就活生へのアドバイスを書いていく。
2021年卒の重田君からの主なアドバイスは「就職活動を早く始めること」、「質問集に取り組むこと」の2つである。質問集とは、就職サイトの「面接でよく聞かれる質問集」といったものである。彼は、このような質問集は、面接対策だけでなく、多くの質問に答えることで自分がどういう人間なのかが見えてくるため、就職活動で何をしてよいのか分からない人は、まずこのような質問集に取り組むとよいとアドバイスしている。
私からのアドバイスの1つ目は重田君同様、「就職活動を早く始めること」である。私は9月頃から本格的に始めたが、9月から始めるようでは遅い。私は業界を絞って企業研究を始めたが、それでも時間が足りないと感じた。業界を絞る、絞らずにかかわらず、遅くとも6月頃には企業研究、自己分析などを始めた方がよいと思う。
2つ目のアドバイスは「自己分析に力を入れること」である。前回の記事でも書いたが、この自己分析が後のエントリーシートや面接に活きてくる。逆に自己分析がしっかりできていないとエントリーシートを書くことすらできない。私の場合、過去の出来事をひたすらノートにメモして分析を行った。小さな出来事や言動でも文字にすることで自分がどんな人間なのかを気づくヒントを得ることができる。自己分析はじっくり時間をかけて取り組んだ方がよい。
3つ目のアドバイスは「第三者の協力を得ること」である。特にエントリーシートや面接では友達などに見てもらい第三者の立場から評価をもらうことが重要だと思う。私は、エントリーシートを友達などに見てもらうことでブラッシュアップしていった。自己分析に力を入れたことに加え、周りの人に見てもらったことがエントリーシートの通過率が高かった要因だと考える。しかし、面接は一人で対策していた。今思えば、友達と面接の練習をしたり、模擬面接を行うインターンシップに参加したりすればよかったと思っている。
新型コロナウイルス禍の影響を最初に受けた2021卒と同様、2023卒の私もオンラインでの就職活動が主となった。ただ、私はオンラインの就職活動は苦ではなかった。なぜなら、企業の選択肢の幅が広がるからである。企業側もオンラインでの会社説明会や面接の対応に慣れていた。その一方で、オンラインのデメリットも感じた。それは社内の雰囲気を実際に感じ取れないことである。私が内定を頂いた企業は、全てオンラインで選考が進んだため、どのようなオフィスでどのような社員の方が働いているのかといった社内の雰囲気は、未だに見たり感じたりすることができていない。
就職活動は、将来の人生を決めると同時に過去の人生を振り返るよい機会でもある。私は、この就職活動を通して自分がどのような人間なのかを改めて知ることができた。就職活動にはマイナスのイメージを持つ学生もいるかもしれない。しかし、就職を決める以外にも自分を見つめ直す重要な機会と考え、前向きに、そして真剣に取り組んでいってほしいと思う。
筆者プロフィール
兵庫県出身。兵庫県立三木高校卒。現在、長岡技術科学大学大学院情報・経営システム工学専攻の第2学年に在籍。
MK新聞について
「MK新聞」は月1回発行で、京都をはじめMKタクシーが走る各地の情報を発信する情報紙です。
MK観光ドライバーによる京都の観光情報、旬の映画や隠れた名店のご紹介、 楽しい読み物から教養になる連載の数々、運輸行政に対するMKの主張などが凝縮されています。
40年以上も発行を続けるMK新聞を、皆さま、どうぞよろしくお願いします。
ホームページからも最新号、バックナンバーを閲覧可能です。
グローバル・ビジネス・レポート バックナンバー