MKタクシーの交通安全教育「警察官の安全運転講話」2008年度編
目次
MKタクシーでは、毎月全営業所で各2回前後「全員業務集会」を開催しています。
全ドライバーが、いずれかの会に出席しなければなりません。
全員業務集会では、様々な来賓を招いての講話を賜っています。
今回は、2008年度の全員業務集会で行われた警察署の交通課警察官による安全運転講話を紹介します。
運転に慣れなど存在しない
2008年7月22日・24日 宇治城陽営業所
道路という場所は、年間約110万人の死傷者が出ている大変危険な場所です。そこでは自分の責任は自分で取らないといけないですし、安全は全てに優先させるべきことです。事故が一度起これば、先にある未来の全てが失われてしまう恐れがあります。そうならないように、私たちは常に警鐘を鳴らし続けなければなりません。
20代の若者は特に事故が多く、若葉マークが取れ、自分の運転に自信が付いた頃が一番危険です。運転には慣れなど存在しません。カーブの手前では十分に減速する、交差点では左右確認を十分にする、携帯電話は使用しないということを注意し続けるだけで、自分が事故を起こすというリスクをかなり減らすことが出来ます。
事故を起こさないように、万一事故を起こしてしまっても軽く済むような運転を日々心がけてください。
京都府宇治警察署 交通課長
“思いやり運転”をこころがけて
2008年7月23日・25日 洛西営業所
西京区では昨年7月から6件もの交通死亡事故が、国道9号線、嵯峨街道及び京都縦貫道の幹線道路で、いずれも週末に発生しています。7月、9号線沿いの店に入ろうとした四輪と二輪の左折巻き込み事故(二輪運転者死亡)。8月、縦貫道で渋滞中の車列への多重追突事故(最後尾車の同乗者死亡)。9月、深夜、嵯峨街道の交差点で四輪と二輪の出合頭事故(二輪運転者死亡)。11月、嵯峨街道で四輪と道路横断中の歩行者との事故(歩行者死亡)。同月、縦貫道と9号線の合流地点での多重追突事故(同乗者死亡)。本年5月、9号線で二輪の単独転倒事故…。
6件の死亡事故は「ちょっとしたこと」が原因。「譲るだろう」「止まるだろう」「行けるだろう」の“だろう運転”から、自ら「譲ってあげよう」「止まってあげよう」「行かせてあげよう」の“思いやり運転”に心がけ安全運転に努めて下さい。
京都府西京警察署 交通総務係長
交通上の注意点
2008年7月28日 西五条営業所
今日は昼から強い雨が降っています。こういう雨の日にバイクに乗る時は気をつけてほしいと思います。京都には嵐電が走っていますが、路上を走る線路は特に危険です。線路部分を通る時は直角に近い角度で入るようにしてください。線路に平行に入ると必ずハンドルが取られて、転倒します。また、マンホールの上ではアクセルをふかさないでください。マンホール上はつるつるで滑ります。
4月に起きた死亡事故で教訓になることがあります。 軽自動車がガードレールに突っ込んで、助手席にいたお年寄りの方が亡くなりました。シートベルトも装着されており通常では死亡事故にならない程度の衝撃でしたが、体の前に杖を置いていたことが命取りになりました。事故の衝撃で杖が首を直撃し、頚椎損傷となりました。杖は危険ですので横に置くなどして、体の前からは離してください。
京都府右京警察署 交通課長
運転免許と行政処分
2008年7月30日・8月8日 上賀茂営業所
自動車事故に適用される罰条は“故意”によるものと“過失”によるものに分かれます。故意のものとしては殺人罪と傷害罪。最近はアルコールや薬物の影響による危険運転も含まれます。過失によるものとしては業務上や自動車運転上のものなどがあります。
運転免許制度は運転不適格者を道路交通から早期に排除し、交通の安全と秩序を守るためのものです。内容は点数制度による行政処分とよらないものに分かれています。点数制度によるものは運転行為があった上で違反があった場合に適用されます。運転行為が無い場合、つまり特定の病気にかかっていたり身体障害者であったりする場合には、点数制度とは関係なく行政処分の対象となる場合もあります。
事故の時は必ず法律に定められた措置をとってください。健康に留意して安全運転を心がけましょう。
京都府北警察署 交通課長
違反を見逃さない
2008年7月31日・8月5日 伏見営業所
交通課といえども、交通違反者に違反切符を切っているだけではありません。伏見警察署では、あらゆる交通関係の法規について見逃さないという姿勢を貫いています。最近ではタクシー会社がJRAの貨物輸送を行っていた事件がありました。また、タクシー会社が営業所車庫を初詣客用の駐車場として貸し、金儲けをしていた事件もありました。現在捜査中のものには、交通事故を装った保険金詐欺事件があります。
こうした警察の業務にご理解・ご協力をいただきたく思います。交通事故の目撃証言は、過失の認定をするのにとても重要です。目撃者がいるのに協力してもらえないこともあります。「前に警察にえらい目に遭った」と、証言を拒否されるのです。しかし、違反者を野放しにすることは、めぐりめぐって自分に危険がふりかかることにもなるとご理解ください。
京都府伏見警察署 交通課長
イメージトレーニングであわてず確認
2008年7月29日 山科営業所
山科は交通量も多く、道も細いため、事故の起こりやすい地域です。特に運転には気をつけてください。
タクシーの事故にはパターンがあります。例えばよくあるのが、急にお客さんが手を挙げたのを発見し、あわてて左寄せをしたためバイクを巻き込んでしまうという事故です。安全確認さえすれば簡単に防げる事故なのですが、急なことで心に余裕がないため起こってしまいます。
対策としては、日頃から運転中に、もしここでお客さんが急に手を挙げられたら、とイメージトレーニングを積んでおくことです。繰り返しイメージをしておくことで、実際にそういう場面になっても反射的に巻き込み確認を行うことができます。いろいろな場面を想定してイメージトレーニングを積んでください。
交通事故は本当に悲惨です。少しでも悲しい事故を減らしていきましょう。
京都府山科警察署 交通課長
レベルの高い安全確認を
2008年8月6日 西五条営業所
皆さんは事故を起こされたことはありますか? 起こしてしまったことがある方、自分は悪くない、相手が急に…という風に思っていませんか。
運転において、どちらが悪いということはありません。道路には交通安全の講習を受けたことがないような、自転車や普通の歩行者も一緒にたくさん通行しています。
講習を受けたことがない人は、時々とても危険な運転をしますが、いくら危険な運転をした人が悪いといっても、自分は悪くないということはないのです。交差点などでは早めにブレーキを踏む、左右をしっかり確認する。そして飛び出してくる子どもや自転車、老人のような、道路上の全ての人やものに目を向けて下さい。そうしていくうちに安全確認のレベルが上がり、事故を前もって予測し、危険を回避することが出来るのです。
京都府右京警察署 交通課 交通総務係長
暑い夏こそゆとりの運転を
2008年8月7日 山科営業所
暑い日が続いていますが、このような時は緊張感がなくなり事故が起こりやすくなります。特に一般の方はドライバーに限らず、自転車運転者や歩行者も暑さから「早くしたい!」という思いに駆られ、マナーが悪くなりがちです。
運転に際して重要なことは“点検”“健康”“五分前の精神”ですが、前述に関連するのは最後の“五分前の精神”になります。つまりゆとりを持つことです。
この時期は夏休みということもあり、子どもの自転車が多くなります。子どもの行動は予測しづらいものですので、「何かを起こすに違いない」と思って運転するようにすることが大切です。また、朝や夕方は通勤・通学で「早く移動したい」と思う人が多いため、そういった心理を読んだ運転が必要となります。
このように精神的なゆとりを持って、危険を予測して運転をしましょう。
京都府山科警察署 交通課 交通総務係長