京都西山の「善峯寺(よしみねでら)」は1万株のあじさいと大展望の絶景が魅力の名所
京都西山の善峯寺(よしみねでら)は、1万株ものあじさいが斜面を埋め尽くす京都でも最大級のあじさいスポットです。
あじさい苑が標高の高い山腹の見晴らしの良い位置にあるため、京都盆地の大展望も楽しめます。
善峯寺のアクセスはあまりよくありませんので、MKトラベルのタクシーツアーもおすすめです。
善峯寺のあじさい
京都最大の1万株のあじさい苑
京都市近郊に数あるあじさいの名所の中でも、三室戸寺と並んで最大規模を誇るのが、善峯寺の1万株のあじさい苑です。
京都最大級だけあって、三室戸寺と同じく「あじさい寺」とも呼ばれます。
谷間に広がる三室戸寺のあじさいとは異なり、山腹に広がる善峯寺の白山桜あじさい苑は雄大な景色がみどころです。
白山桜あじさい苑の入り口には、幸福地蔵のお堂兼展望台があります。
広大な白山桜あじさい苑を一望することができます。
京都西山の斜面を埋め尽くすかのように、色とりどりのあじさいが咲き誇る姿は圧巻です。
善峯寺の白山桜あじさい苑が広がるのは、標高300メートル付近の山腹です。
京都駅付近とは270メートルもの標高差があります。東京タワーの特別展望台(250メートル)くらいの標高差です。
傾斜のある山腹に造られた白山桜あじさい苑内も標高差があります。
苑路はつづらおれになっており、あじさいを下からも上からも楽しめます。
このあとの善峯寺参拝の順路は上なので、下に降りるとまた登ってこなければなりません。
しかし、下から見上げる白山桜あじさい苑もかなりおすすめです。
できれば、白山桜あじさい苑の下にまで下りてみてください。
上から見ても下から見ても横からみてもあじさいを満喫できます。
「白山桜あじさい苑」の由来は、白山明神を祀った白山社があるためです。
善峯寺を開いた源算が写経をしていた夜、白山明神があらわれて法華経と浄水を与えたことに由来します。
白山権現があらわれた地から湧き出る白山名水は、善峯寺の七不思議のひとつに数えられます。
残りの六つは「源算座禅石」「遊龍の末」「神使の猪」「腰痛の薬師」「潮溜の池」「三峯」です。
加賀白山を中心とする白山信仰は、天台系の修験道と深い結びつきがあり、天台系の寺院を中心に全国に広がっています。
白山桜あじさい苑という名前のとおり、初夏のあじさいの他、春には美しい枝垂桜が咲き誇ります。
善峯寺の桜も近年は知られるようになってきました。あじさいと同じく、桜ごしの京都の絶景が人気です。
山の中腹にある善峯寺は平地と比べるとあじさいの開花はやや遅めです。
善峯寺のあじさいは、6月の半ばから下旬にかけてが見頃です。
あじさいの開花状況は日当たりによっても変わります。日影では7月に入ってもしばらくあじさいの見頃が続きます。
あじさい越しに見る京都市内の絶景。
善峯寺の白山桜あじさい苑は標高300m付近の山腹に広がります。
白山あじさい苑だけでなく、善峯寺の境内の各所からは京都市内を一望する事もでき、それはそれは絶景です。
京都西山は、比高300メートルを超える西山断層崖によって京都盆地と区切られています。
そのため、京都西山から京都盆地へはさえぎるものもない眺望があります。
善峯寺はあじさい以外にも魅力満載の「あじさい寺」です。
白山桜あじさい苑よりさらに標高が高い善峯寺の釈迦堂前からは、見事に京都市街を一望できます。
左奥には比叡山、右奥には伏見桃山城とさらに奥には醍醐の山並みが見えます。
手前には緑の中に洛西ニュータウンが広がります。
やや左には京都タワーや京都駅ビル、やや右にはニデック本社ビルや京セラ本社ビルも見えるでしょう。
湿度が高い梅雨シーズンなので、見通しはいまいちな場合が多いですが、善峯寺からはしっとりとした眺めを楽しめます。
善峯寺は山腹にあるので、麓は曇天でも境内は霧の中ということもよくあります。
展望はありませんが、霧のなかでしっとりと咲くあじさいというのもまた魅力的です。
白山桜あじさい苑だけではなく、釈迦堂前など境内各所であじさいが咲いており、見事な景色を楽しむことができます。
見える角度が白山桜あじさい苑とは異なり、南方面の視界も開けます。
善峯寺境内の最高所にあるのは、標高360メートル付近の薬師堂です。
拝観受付や駐車場からは70メートルほど、善峯寺バス停からは120メートルほどの標高差を上り下りすることになります。
善峯寺境内全てをあわせると1万株を越えるのではなかろうかというたくさんのあじさいが咲いています。
そのため、探せばきっと「ハートのあじさい」を見つけることもできるでしょう。
善峯寺境内には、観音堂、釈迦堂、薬師堂などのお堂の前には手水鉢があります。
手水にはあじさいが生けられた花手水(はなちょうず)になっています。
色とりどりのあじさいが生けられているので、ぜひチェックしてください。
あじさいシーズンは開門と閉門が延長
善峯寺は例年あじさいシーズンの土日には、開門時間が1時間ずつ延長され、朝は7:00から、夜は17:30まで開門されます。
2023年は4日間早朝開門されましたが、2024年の開催はないようです。
土日ともなると11:00~13:00のお昼どきは混雑するので、できるだけ朝早くや夕方に分散してお参りしましょう。
早朝の善峯寺は気持ちいいですよ!
MKトラベルのタクシーツアー
半日でも楽しめる!京都西山あじさい巡りツアー
MKトラベルでは、2024年6月15日(土)~30日(日)には、善峯寺を含む京都西山あじさい巡りツアーを催行します。
京都の西側に広がる京都西山の古刹である柳谷観音楊谷寺、善峯寺と十輪寺をタクシーで巡るお得なツアーです。
善峯寺、柳谷観音楊谷寺という京都屈指のあじさいスポットでありながらアクセスが良くないスポットを巡るツアーです。
十輪寺ではあじさいはないものの、新緑が美しいもみじ参道を満喫できます。
半日でも盛沢山のあじさいツアーです。
京都西山三山 紫陽花と青もみじを巡る満喫コース
1日みっちり楽しみたいという方には、「京都西山三山」として知られる柳谷観音楊谷寺と善峯寺、光明寺を巡るツアーをおすすめします。
柳谷観音楊谷寺と善峯寺はあじさい、光明寺は青もみじの名所として有名です。
この京都西山三山をタクシーでまぐります。昼食として、いっぷく亭の「こだわり弁当」付きです。
催行は、2024年6/16(日)、6/20(木)、6/22(土)、6/24(月)、6/28(金)、6/30(日)の限定です。
西国三十三所巡礼ツアー
あじさいシーズンではありませんが、三十三所巡礼の善峯寺・穴太寺・総持寺・勝尾寺の4つの札所を巡るタクシーツアーも催行します。
初心者の方もベテランの方も楽しめる、巡礼に特化したツアーです。
善峯寺について
善峯寺とは
平安時代創建の門跡寺院
善峯寺の創建は、長元2年(1029年)に恵心僧都源信の弟子である源算が小堂を築いたのが始まりです。
長元7年(1034年)には後一条天皇より勅願所として「良峯寺」という寺号を賜ったと伝わります。
院政期には白河院より堂塔の寄進を受けるなど、多くの伽藍が並びました。
青蓮院門跡の2代目門主の覚快法親王(鳥羽天皇皇子)が善峯寺に葬られてからは、歴代の青蓮院門跡の法親王が迎えられるようになりました。
善峯寺は山号が西山なので「西山門跡(西山宮門跡)」とも呼ばれ、今も善峯寺境内には宮内庁管轄の青蓮院宮墓地に覚快、道覚、慈道、尊円、尊道の法親王が葬られています。
鎌倉幕府の保護も得て、最盛期の善峯寺は三尾四谷に五十余塔の堂塔が建ち並んだと言われています。
江戸時代に桂昌院が再興
善峯寺は応仁の乱によって伽藍の多くを失い、わずか七坊を残すのみと言われるまでに衰微します。加えて文禄5年(1596年)の慶長伏見地震でも大打撃を受けたと伝わります。
しかし、京都の八百屋の娘のとして生まれながら、五代将軍徳川綱吉の生母となり従一位にまで上った桂昌院(けいしょういん)によって再興を果たします。
娘の頃はお玉という名前で、「玉の輿」の由来となったとも言われる女性です。
今の善峯寺の主要伽藍は桂昌院によって再建されたものです。
桂昌院は 宝永2年6月22日(1705年8月11日)になくなりましたが、善峯寺境内には遺髪を納めた桂昌院廟があります。
命日の6月22日は、例年善峯寺であじさいが見頃のピークを迎えるころです。
西国三十三箇所霊場の札所
善峯寺は西国三十三箇所霊場の第20番札所にもなっています。京都市内中心部にある今熊野観音寺、清水寺、六波羅蜜寺、六角堂、革堂の次の札所で、善峯寺の次は亀岡の穴太寺(あなおじ)へと札所が続きます。
西国巡礼の白装束を来た巡礼者もよく見かけます。桜やあじさい、紅葉のシーズンだけでなく年間を通して多くの参拝客が訪れています。
善峯寺もとは天台宗系の寺院でしたが、今は善峰観音宗の単立寺院です。善峯寺には観音堂、釈迦堂、薬師堂、阿弥陀堂といろんな仏様のお堂が揃っていますが、観音堂が本堂である点や、善峰観音宗という宗派の名称からも観音信仰をベースとした寺院であることがわかります。
春は桜、初夏はあじさい、初秋は秋明菊(シュウメイギク)、晩秋は紅葉と四季折々の景色を楽しめます。
1万株のあじさいは、先代の住職により植えられ始めました。
樹齢600年といわれる遊龍の松は国の天然記念物に指定されています。
ハイキングルートの拠点
善峯寺は、京都西山のハイキングの登山口でもあります。
駅から善峯寺へと向かう路線バスには、善峯寺参詣の方に加えて登山装備をした人の姿も多く見かけます。
西山古道
善峯寺は、2004年から光明寺(長岡京市)、柳谷観音楊谷寺(長岡京市)と並んで「西山三山」と呼ばれるようになりました。
いずれも京都西山の山中や山麓に位置する古刹です。
2008年には、西山三山を結ぶ「西山古道」というハイキングルートも作られました。
8,000株のあじさいが咲く柳谷観音楊谷寺は、善峯寺に匹敵する京都有数のあじさいスポットです。西山古道をハイキングして善峯寺と柳谷観音楊谷寺を巡るのもおすすめです。
西山三山のもうひとつの光明寺は紅葉スポットとして有名です。
あじさいシーズンは青もみじが魅力的です。
ポンポン山
善峯寺は、京都西山の主峰であるポンポン山(679メートル)の京都側の登山口でもあります。
登山道は整備されており、家族づれにも人気な山です。
山頂付近で足踏みをするとポンポンと響くことが由来とされています。言われてみればそんな気もします。
ただポンポン山という名称の由来には諸説あります。
ポンポン山は正式には加茂勢山と言います。江戸時代より古文書に鴨背山という表記があらわれます。
ただ、鴨背山(加茂勢山)というのは特定のピークを指す呼称というよりは、周辺の山塊の総称でした。
1911年発行の地形図では、すでにポンポン山と表記されています。すでにポンポン山という呼称が主流となっていたのでしょう。
それからすでに100年以上が経過した現在は、もうポンポン山が正式名称と言って良いでしょう。
ポンポン山へのハイキングのついでに、善峯寺を訪れるのもおすすめです。
登山道の東海自然歩道沿いには、ササユリが見られるスポットがあります。
ちょうど善峯寺であじさいが見頃の時期にササユリも開花しています。
ぜひ探してみてください。
拝観情報
拝観時間 | 平日 8:30~17:00(受付は16:45まで) 土日祝 8:00~17:00(受付は16:45まで) |
拝観料 | 大人 500円 高校生 300円 小中学生 200円 |
TEL | 075-331-0020 |
住所 | 京都市西京区大原野小塩町1372 |
アクセス | 阪急「東向日駅」から阪急バスで30分 |
公式ホームページ:京都・西山 西国第二十番札所 善峯寺
アクセス
JR向日町駅発、阪急西向日駅経由の阪急バスが善峯寺バス停まで走ります。
ただし、路線バスが走るのは朝8時台~14時台の1日7本だけです。
善峯寺発の最終便は15:24です。
またバス停から善峯寺の拝観受付までは標高差50メートルほどの階段を上る必要があります。
タクシーであれば、駐車場が拝観受付と同じ高さにあるため、善峯寺まで階段を上る必要はありません。
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