エッセイ「本だけ眺めて暮らしたい」【235】|MK新聞連載記事

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エッセイ「本だけ眺めて暮らしたい」【235】|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、大西信夫さんによる様々な身近な事柄を取り上げたエッセイ「本だけ眺めてくらしたい」を前身を含めて1988年5月22日から連載しています。
MK新聞2008年11月1日号の掲載記事です。

本だけ眺めてくらしたい

所有するコンピュータの一台を買い替えた。そのマシンでは二〇〇八年のこの年になるまでWindows98(もちろん一九九八年発売)を使っていたのだが、今度はXPにした。
PC(パソコン)について多少知っている人は不思議に思われるかもしれない。
XPはすでに販売が終了していて、OSは98の後継のWindows2000(Me)の後継のXPの、さらにその次のVistaになっているからだ。
自らの考えで、わざわざ有償のダウングレード・サービスを利用したのだが、PCに関する詳しい話はここではしない。

で、環境設定やカスタマイズなどの解説書を書店へ買いに行ったのだが、驚いたのはXPに関する新刊が今もいくつか出ているということだった。
Vistaの販売開始が〇六年十一月でXPの販売終了が〇八年六月と、二年の並存期間を経て世代交代したばかりだし、マイクロソフトのサポートが六年後までだから、これまでに出版されたXPの解説書もしばらくは書店の棚に並んでいるだろうとは思っていた。
が、すでに販売が終了している製品に関する新刊が出ているとは思わなかった。

例えば、『いまだにXPを使っている人のための大事典1000』(発行日は二〇〇八年十一月二日付)。
ほかにも『XPをあと6年使う特選技ぜんぶ!』(同三月)『WindowsXPを一生使い続けるための本』(同九月)なんてのもある。

かつて世間では、開発中の新しいOSがいつから販売されるのか発表前から噂になったり、発売が延期されると文句が出たりしていた。
また、発売日の夜中午前〇時にはカウントダウン・イベントをやったりして、OSの世代交代はメディアも参加してのお祭り騒ぎだった。
そして、先を競うようにして皆がPCを買い替えていた。

コンピュータをめぐる社会のそんな風潮が、このところ少しずつ変わりつつあるのかもしれない。
よく考えてみれば、そもそもPCのダウングレードを他社との差別化を打ち出す「サービス」として掲げているメーカーがあること自体、変わり者は私一人ではないということだし、新しいものは何でも前より良いものだという時代ではなくなったということを示しているのだろう。

 

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40年以上も発行を続けるMK新聞を、皆さま、どうぞよろしくお願いします。

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MK新聞への大西信夫さんの連載記事

1988年以来、MK新聞に各種記事を連載中です。

1988年5月22日号~1991年11月22日号 「よしゆきの京都の見方」(45回連載)
1990年1月7日号~1992年2月7日 「空車中のひとりごと」(12回連載)
1995年1月22日号~1999年12月1日号 「何を見ても何かを思う」(64回連載)
1996年4月16日号~現在 「本だけ眺めて暮らしたい」(連載中)

 

本だけ眺めて暮らしたい バックナンバー

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