フットハットがゆく【342】「標的射撃」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【342】「標的射撃」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2022年6月1日号の掲載記事です。

 

標的射撃

最近5年ぶりに、メガネ生活から、コンタクトレンズを復帰させました。
昨年52歳にしてハンターとしてデビュー。猟期に20回ほど集団猟に参加しました。
幸運にもシカ一頭、イノシシ一頭を自分の射撃で仕留めることができたものの、まだまだ、下手くそ。外れることの方が多い。
外れるならまだしも、半矢といって着弾させたのに急所に当たらず、逃げてしまうパターンも。
むやみに獲物を苦しませることになるので、武士のごとく、ヤルならキレイに苦しませずに! を実践するためにはやはり練習が必要です。

ということで、射撃場に行き練習。
クレー射撃といって、オリンピックなどで見る、陶器のフリスビーのようなものが飛んで行くのを狙って撃ち落とします。
他人の射撃を見ていると簡単そうに見えますが、実際自分がやってみると笑けるくらいに当たらず! 見かねた先輩ハンターが、
「メガネよりコンタクトの方が照準を合わせやすいですよ。」
と、アドバイスをくれました。
メガネはレンズの中央と端っこで歪みがあるらしく、そのため銃の照準が合わせづらくなるそうです。
よく、射撃競技などでメガネやサングラスをかけている選手を見かけますが、あれはクレーの破片が目に当たらないように保護するシューティンググラスだそうです。

ということで、コンタクトレンズ屋に出かけました。
5年前の僕と今とで違うのは、老眼が始まっている、という点です。
僕はもともと近視(遠くのものがボヤけて見える)と乱視(ものが二重に見える)が混ざっており、そこに老眼(近くがボヤけて見える)が加わりまして、3段トッピングのような状態です。
そしてコンタクトレンズには、近視・乱視・老眼を3つ同時に矯正するレンズがないそうです。
そこで眼科の先生に相談して、使用目的は射撃なので、照準に直接当てる右目は「近視・乱視」レンズ。
左目にはスマホや手元の書類や機材を見るための「近視・老眼」レンズをはめることに。
左右で機能の違うレンズを使うという、ハイブリッド式です。こんなことできるんですね!

さて、コンタクトレンズをして再び射撃場に練習に行きました。
だいたいクレー射撃は1発100円ほどかかります。弾代50円、クレー代50円、といった感じです。
1ラウンド25発で構成されますので、2,500円。
よし、今日は100発練習するぞ! と、思ったら1万円かかります。なかなか贅沢な趣味です。
ただ、ゴルフと一緒で、練習に金をかけたものが上手くなる、とも言われます。
当たり前のことです。

上手くなりたいという思いが空回りして、2回目の射撃練習では自動散弾銃の薬室に指を挟んでしまいました!
新人がよくやるミスです。
強力なバネですから、挟んだ親指の爪はパックリ割れて、血がダラダラ。その後の練習は散々。
あぁ自己嫌悪、悔しい! お金払って、ケガして、悔しい思いをして…! でも負けたままではいられない。
逆にふつふつと向上心が湧き上がって来ました。
この日の悲惨なスコアカードは、初心を忘れないための御守りとします。
僕のハンター生活、どうなっていくのやら。

 

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