フットハットがゆく【222】「夢が急に叶う」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【222】「夢が急に叶う」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2012年5月1日号の掲載記事です。

夢が急に叶う

僕が映像に興味を持ったのは、小学5年の頃で、ジョージ・ルーカスの『スターウォーズPART2(エピソード5)』を見てからでした。
それからしょっちゅう映画を見に行くようになり、中学一年の頃にスピルバーグの『E.T.』を見て、本格的に「将来は映画の仕事をしたい!」と思うようになりました。
それが13才の頃で、30年たった今、43才になりまして、映画とは少し違いますがテレビの番組を毎週作っています。

映画を作りたい!映画監督になりたい!という夢を持っていた少年が、大学受験で映画学科を落ちて放送学科に受かってしまい、そのまま東京でテレビ制作会社に勤め始めたところから、映画ではなくテレビの方で働くことになりました。
東京でAD(アシスタント・ディレクター)をやっていた時の上司ディレクターは厳しい人でした。
毎日寝る間も惜しんで働いていましたが、ある日、
「テレビでは何十人、何百人というプロが関わって番組を作るが、そのうちエンドロールに名前が乗るのはほんの一握り。お前の名前はまだのせるに値しない。」
といって、エンドロールに名前をのせてくれませんでした。
全国ネットの番組ともなると、60分番組一本でも制作に数ヶ月かかるもので、その間の平均睡眠3時間、何もかも犠牲にして働いたにもかかわらず、その番組に関わったという証拠がみじんも残らなかった悔しさは忘れられません。

そうして何本か番組をこなしたある日、ついに「お前の名前のせてやる」ということになりまして、それが放送された時のうれしさを、これまた忘れません。
自分の名前がエンドロールに右から左にスクロールされる時間はわずか1、2秒のことですが、それでも泣くほど嬉しかったですね。
今は京都ローカルですが、毎週一本のテレビ番組を完成させていますので、毎週僕の名前がエンドロールに流れます。
これは幸せなことです。すでに120回ほど放送しておりますので、120回ほど幸せを感じています。
そうやって地道に番組を作り続けていると、いいこともあるもので、京都の某シネコンさんから「コラボしてCMを作りませんか?」というお話をいただきました。
ということで映画館とテレビ、両方で流すCMを作りました。
その完成披露試写会をシネコンのシアターで行いました。CMの各種バージョンの他にメイキング映像なども作り、最後にエンドロールを映画っぽく流し、『監督 SHIOMI』と入れました。

自分の作った映像が、縦6m、横15m、映画館の巨大スクリーンに映し出され、エンドロールに自分の名前も流れる…。
映画を作ったわけではないけれど、映画の夢へほんの一歩だけ近づいた気がして感動しました。
ありがとうございました。

 

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