フットハットがゆく【166】「特別編 オルトタイプ」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【166】「特別編 オルトタイプ」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2008年10月1日号の掲載記事です。

特別編 オルトタイプ

僕は最近、ダブルダッチにハマっている。
ダブルダッチとは、2本のロープを使ってする縄跳びのことである。
縄の回し手(ターナー)2人が向き合い、2本のロープを回し、跳び手(ジャンパー)が様々な技を使いながら跳ぶのである。
競技性、エンターテイメント性を兼ね備えたスポーツで、若者の間にどんどんと広がりつつある。
世界的にも人気が出始めており、ゆくゆくはオリンピック競技になるとさえいわれている。

さて、ハマっているといっても、僕が実際に跳ぶわけではなく、撮ることにハマっているのである。
京都の十条烏丸にB-TRIBEというストリートダンスのスクールがあり、僕はそこの専属カメラマンである。
そのB-TRIBEに、関西初のプロ・ダブルダッチ・チームが誕生し、撮り始めた結果、その格好よさにハマってしまったのである。
その名も『alt type (オルトタイプ)』。
もともとは関西の選抜チームとしてメンバーが組まれていたが、今年に入って男子5人の固定メンバーでプロデビューしたのである。
京都は大学が多く、ダブルダッチはサークル活動などで男女を問わず大人気。
その選抜メンバーであるから技はピカイチ。
しかも男前ぞろいときている。
論より証拠、映像はB-TRIBEのホームページにあるから要チェック!
(『ストリートダンス B-TRIBE』で検索)

さて、プロになったといっても5人のうち3人はまだ大学生だし、他の2人もアルバイトなどをして働いている。
いわばプロボクサーのように、本職だけでは食っていけず、別の仕事をしながら、その合間に練習したりショーに出たりするのである。
ダブルダッチ教室のインストラクターも務めるが、まだまだ生徒さんは少ない状態
…もっともっと普及させるために、様々なイベントを企画したり、お子さんの多い会場では体験コーナーを設けたりもしている。

そんな彼らが先日、京都でクラブイベントを開催し、東京から強豪チームを呼んでバトルをした。
その名も『CAPLIORE (カプリオール)』。バトルというのは、向かい合って交互に技を出し合い、審査員の判定や観客の声援で勝敗を決めることで、非常に盛り上がる。
関西代表の『alt type』と、東京からの刺客『CAPLIORE』の対決は、集まった200人近くのダブルダッチファンを熱狂させた。
結果は、延長戦にもつれ込んだ末、引き分けとなった。
しかしあとでメンバーに聞くと、「引き分けたのはホームだったおかげ。実際は負けていた…」とのこと。
実は僕もそう思っていた。
これまで『alt type』が最高だと思っていたが、『CAPLIORE』を見て、「上には上がいる…」と思った(バトルの様子もHPにあるよ!)。

バトルを経て、alt のメンバーはますますやる気を出し、いつか CAPLI を倒すと、瞳の奥を燃やしていた。
「CAPLI に勝ったら日本一の称号が手に入るのか?」と聞くと、「いや、おそらく世界一です」との答えだった。
それだけ日本のダブルダッチはレベルが高いのである。
いやぁいいねぇ!人間そうそう世界一は目指せないもの。
これからもダブルダッチャーの戦いから目が離せない!

alt type 関西初のプロ・ダブルダッチ・チーム。リーダーのFuku、MSR、JUN、Hikaru、Ryo-chin の五人で構成。

alt type 関西初のプロ・ダブルダッチ・チーム。リーダーのFuku、MSR、JUN、Hikaru、Ryo-chin の五人で構成。

 

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