山の一家*葉根舎「葉根たより」【63】|MK新聞連載記事

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山の一家*葉根舎「葉根たより」【63】|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、山の一家*葉根舎(はねや)の「葉根たより」とその前身記事を1998年12月16日から連載しています。
MK新聞2022年3月1日号の掲載記事です。

大森梨沙子さんの執筆です。

 

葉根たより

新月の旧暦元旦、立春も迎え、暦の上では春となりました。
山の暮らしはまだまだ雪積もる日々ですが、木々の蕾、雲や霧の光が柔らかくなってきたように感じます。
「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」
「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」
冷たい雪が暖かい春の雨に代わり、大地に潤いを与え、霧やもやのため、遠くの山や景色がほのかに現れては消え、情景に趣が加わる頃。
雪景色にも霞がかかり、春の雪景色になってきました。年末から白き景色が続いていますが、様々な表情があり、見飽きることがありません。

<月と神さま>

新年の神様は、真冬の新月の夜にいらっしゃるそうです。
旧正月は立春から一番近い新月の日となっているので、こちらの日でお正月をするのが本来の流れなのでしょう。
自然と共にあると、新暦に少しずつ違和感を覚えるようになってきました。
そこで、旧正月はじまりで毎月新月はじまりのカレンダーを使いたいと思いましたが、そのようなカレンダーは見つからないので昨年作成しました。
季節の食事のとり方、暮らしの手仕事、万葉の詠、私の絵も添えて盛り沢山なカレンダーになりました。ご興味のある方は、ホームページをご覧ください。

このカレンダーと共にあることで、さらに旧正月がはじまりという意識が深まりました。
毎月新月にカレンダーをめくる、その行為だけでも身体に響くものがきっとあるかと。月と神様と少しお近づきに慣れるカレンダーです。

<彌彌雪(いややゆき)>

この冬は途切れなく雪が降っています。雪かきが好きな子供たちもさすがに「また雪かきか。」とこぼしますが、そこまで嫌がらずに身体はちゃんと動き出すのでありがたい限り。
ずっと降り続いているため、道にはしっかり雪の壁ができています。
その壁の上の方を子供たちが崩し、その後を夫げんが市から委託されている小さな除雪機でかいていきます。
その他、歩くところなど除雪しなければならないところを心得ている子供たち、言わなくてもテキパキとやってくれることに何より感心してしまいます。
除雪した雪を石垣の上から落としていくのですが、その雪はもう石垣を越えてしまい、その雪に乗ってさらに向こうに雪を落としていく。
本来ないところに丘があることが新鮮な風景が広がっています。そのことが楽しそうな犬と子供たちです。

<和み兄弟>

春に家を出て、林業大学校へ通う長男つくし。高校はもうお休みになったので、自炊の生活に向けて毎日一緒にお料理をしています。
一緒に作ると楽しいし助かるので一石二鳥の気分になります。
わが家から送るお米やお野菜をちゃんと使ってもらえますようにと。
次男すぎなはもうすぐ高校入試。勧めた訳ではないのですが、つくしと同じ農業高校へ。
推薦なので、のんびりしていても大丈夫なのですが少し落ち着かない様子。そんな時すぎなは、三男かやにちょっかいを出して怒らせたりします。末っ子は可愛いだけなので、つい口を出したくなるのですが我慢我慢。放っておけば、またすぐに仲良く遊び出す兄弟。
そう言えば、喧嘩らしい喧嘩もない子供たちです。

<からだのーと>

春は冬にため込んだ脂が溶け出し、肝臓で浄化しきれなかった脂が血中に入り、全身にまわり、花粉症など様々なトラブルが引き起こされます。
肝臓に負担がかかると、怒りっぽくなり、怒ることでも肝臓を弱めます。
油料理、脂肪分の多い食品、揚げ菓子を控え、小松菜や春菊、よもぎやよめななどの青いものを、酢味噌など酸味をきかせていただきましょう。

野草がたくさん芽吹き、野蒜やセリの酢味噌あえが本当に美味しく感じる季節なのでよくできていますよね。
毎年感動してしまいます。3月21日の春分の日は、昼と夜の長さが同じになる陰陽調和の日。
小豆料理で少食にし、心身を整えましょう。佳き春の日々となりますように。

(2022年2月7日記)

 

葉根舎

haneya8011@gmail.com

HP:https://www.yamano-haneya.com

 

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「MK新聞」は月1回発行で、京都をはじめMKタクシーが走る各地の情報を発信する情報紙です。
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MK新聞への「あ~す農場」の連載記事

1998年12月16日号~2016年6月1日号
大森昌也さん他「自給自足の山里より」(208回連載)

2017年1月1日号~現在
大森梨沙子さん「葉根たより」(連載中)

 

葉根たよりのバックナンバー

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