山の一家*葉根舎「葉根たより」【58】|MK新聞連載記事

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山の一家*葉根舎「葉根たより」【58】|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、山の一家*葉根舎(はねや)の「葉根たより」とその前身記事を1998年12月16日から連載しています。
MK新聞2021年10月1日号の掲載記事です。

大森梨沙子さんの執筆です。

葉根たより

秋風にススキ揺れ、昼はツクツクボウシ、朝夕は鈴虫と、夏と秋が交差するような季節。今年は雨が多く、一際寒暖差の大きさを感じます。
山を下ると、晴れ間を狙い稲刈りをする田んぼ。わが家の田んぼは九月下旬から。その頃には晴れ間が続くことをやはり願ってしまいます。

「玄鳥去(つばめさる)」「蟄虫杯戸(むしかくれてとをふさぐ)」ツバメが子育てを終え、南へ帰り、虫たちは冬籠の支度をする頃。
傾く日差し、澄んでゆく空、美しき月を感じながら、私たちも来る冬へ向け、備えてゆく頃となりました。

<ウサギと追いかけっこ>

お盆を過ぎたら白菜の種まきをし、苗作り。九月に入ると、大根、かぶ、水菜、春菊の種まき。田んぼは、獣が入ってこないように柵周りの草刈りをするが、ウサギに次々とかじられ、毎日ウサギが潜めそうな草むらも草刈り。
一周するとまた生えている草…季節が巡るように農作業も巡り続けます。
たまに子供たちも一緒に草刈り。夕飯時、「今日はウサギどうだった?」と気にかけてくれます。
今日あったことを話し合う夕食。小中高と大きくなったけれど、おっとりしているのでお話しをしてくれて嬉しい。
最近は、私が美術館のお土産で買ってきた双六にはまり、夕食後は決まってみんなで。
高三の長男は卒業後、家を出るかもしれないので、かけがえのないひと時となりそうです。

<静かに根をはる>

冬に備えての薪の移動は、子供たちがテキパキと。夏休みも家周りの草刈りなど、手伝ってくれて助かりました
。特に長男つくしが、ずいぶん綺麗に早く鎌で刈れるようになり驚きました。
草刈機も慣れたもの。次男すぎなはさりげなく日陰が多い辺りを刈り、三男かやはみんなが刈った草を集めて運ぶ。役割分担も自然とでき、息が合っています。

山の麓にある、農家の友人が人手が必要だと言うので、つくしとすぎなが自転車でお手伝いに。
いつものお手伝いの力を発揮し、お役に立てたようです。
まだ夢中になれること、大好きなことは見つかっておらず、自己主張も少ない大人しい子供たちですが、毎日を淡々としっかり暮らす力はついてきたようです。
ゆっくりゆっくり根をはったうえでどんな成長をしてゆくのか、楽しみです。

<初の蜂>

子供たちと草刈りをしている時、私もついに初めて蜂に刺されました。刈っていた辺りの葉の裏に、まだ数匹の蜂が小さな巣を作り始めたところ。
そこまで毒性の強くはない小さな蜂でしたが、刺された時の感覚は細く鋭く、他の虫よりも衝撃的なものでした。
その衝撃にすぐに蜂だとわかり、まずは落ち着き、すぐにポイズンリムーバーでしっかり毒を吸い取り、ムカデ油を塗ったので、少し腫れただけで大したことにはなりませんでした。
まずは落ち着くこと、ムカデ油、これで大抵のことは乗り切れます。

<からだのーと>

旧暦の九月九日、新暦だと十月十四日は重陽の節句。この節句では、菊の花が宇宙エネルギーをもたらしてくれます。
菊茶、菊酒、菊の着綿などで長寿を願うこと、古の風習を味ってみるのもよき時間となります。

十月二十日から十一月六日は、秋土用。呼吸器や皮膚が弱るので、いつもながら甘いもの、冷たいもの、乳製品、油物を控えて、素食、少食、よく噛み、季節の移ろいを感じて過ごしましょう。
今年の夏は短く、秋が早くやってきたように感じます。暑さが楽だったのは助かりますが、汗を流す量が少なかったかもしれません。
そんな方は腰湯や足湯でじっくり汗を流し、代謝が落ちる冬に備えて下さい。ゆく季節、訪れる季節、その味わいだけで暮らしが深まるのですから、毎日が贈り物のようです。
そんな季節の巡りが深まるような、月と旧暦のカレンダーを作りました。詳しくはHPをご覧下さい。
(2021年9月9日記)

■葉根舎
haneya8011@gmail.com
HP:https://www.yamano-haneya.com

2022 月と旧暦のカレンダー

月の満ち欠けと旧暦を軸に構成したカレンダー。毎月新月始まりなので、身体と心のリズム、循環を感じ取ることができます。
わが家の山の暮らしの手仕事、農作業のことも季節に沿って、ご紹介していきます。きっと暮らしのお役に立てることもあると思います。
カレンダーの右側には、万葉集から季節に合う詠うぃ一首添えています。古の人々とつながる感覚はとても嬉しいものです。それは、草摘みをしている時にふと、時を超えるような気持ちになる時と似ています。
そして毎月添えている絵は、山の暮らしの中で描いているものです。土、水、光、草木、虫、獣、そして人々が生み出す様々なもの、すべてつながり巡りめぐっている空間を描いています。だからこそ何を選ぶのか。毎日の暮らしに静かに寄り添えるようにと。

絵を薄く薄く印刷した便箋。御礼や感謝の想いをお届けするお手伝いができたら嬉しいです。

便箋 B5 10枚入り 500円(税込)
B5 両面印刷6枚・説明書1枚 1,400円(税込)

ご注文・お問合せ
大森梨紗子
haneya8011@gmail.com
079-675-2371

MK新聞について

「MK新聞」は月1回発行で、京都をはじめMKタクシーが走る各地の情報を発信する情報紙です。
MK観光ドライバーによる京都の観光情報、旬の映画や隠れた名店のご紹介、 楽しい読み物から教養になる連載の数々、運輸行政に対するMKの主張などが凝縮されています。
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MK新聞への「あ~す農場」の連載記事

1998年12月16日号~2016年6月1日号
大森昌也さん他「自給自足の山里より」(208回連載)

2017年1月1日号~現在
大森梨沙子さん「葉根たより」(連載中)

葉根たよりのバックナンバー

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