フットハットがゆく【271】「楽苦美」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【271】「楽苦美」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2016年6月1日号の掲載記事です。

 

楽苦美

4月の終わりに、高校時代のラグビー部の集まりがありました。
京都の府立高校、鴨沂(おおき)高校でラグビー部の顧問をされていた佐原先生の退職慰労会ということで、当時のラグビー部員70名ほどが、高級ホテルの一室に集まりました。

僕が高校のラグビー部だったのは、今から30年前です。
僕は高校卒業後いったん東京に出て、そのあと京都に戻って20年以上は経ちますが、当時のメンバーとはまったく連絡を取らなかったので、この時会った面々も30年ぶりの人々ばかり。
顔を見て「あっ!」と、雰囲気を思い出し、胸につけた名札を確認して、当時のあだ名やキャラを思い出し、まるでタイムスリップしたかのような空間に入り込みました。

30年ぶりにあったクラブメイトたちは、先輩も後輩もみな40代半ばのおじさん。
でもその印象は、『ハリウッドの特殊メイクで、老け役をしている若手俳優』といった感じでした。
グラウンドを、砂まみれ、汗と血と涙を流しながら走り回っていた当時の姿が頭を占め、今、目の前に見えているのは、特殊メイクで、ハゲ頭、デブ顔、腹が出て姿勢が悪くなった面々。
以前よりやせた人もいたけれど、表情や喋り方、考え方、性格など、みな昔のまま。
30年という月日があっても、基本的には人は何も変わらないんだなと感じ、嬉しく思いました。
残念なことに、何名かは亡くなっていました。
初めて聞いて、驚きつつ、当時の姿を忍びつつ…。

学年ごとのスピーチを頼まれましたので、当時のことを思い出して、酔った勢いも借りて大声でスピーチしました。
高校2年のときはレギュラーで、最終戦は伏見工戦。
ボロ負けして脳しんとうを起こし、一時的に片目が見えなくなりました。
高校3年の最終戦は当時伏工に並び二強といわれた東山高校戦。
相手のタックルがアゴに入って見事にアゴが外れて、それからしばらくめん類しか食えなくなりました。
そんな辛かった想い出を山盛り積み上げても、やっぱりラグビーを3年間まじめにやってよかったなと今も思っていること。
先生に毎日のように怒鳴られた、「集散を速く!」「フォローをしっかり!」「イーブンボールはすぐに拾って前進!」などという言葉は、ラグビーをやめて30年後の今も自分の行動の基本になっています。
…的なことをしゃべった気がします。

その後の二次会では当時の想い出が限りなくあふれ出ました。
京都の超名門、京都成章高校も、僕らの時代はまだ創立2年目くらいで、練習試合で50点くらい取って勝った記憶があります。
今や京都成章は全国区のラグビー強豪校…。
僕の母校鴨沂高校には…現在ラグビー部はないそうです。

一つおまけに嬉しかったことを…30年ぶりに会ったラグビー部の後輩から、「MKタクシーで新聞を見ましたよ! 塩見さんの名前を見て驚きました」と、いうセリフが、3、4件も聞けたこと。
長く続けていれば、知らずのうちに再会していることもあるんですね…

 

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