フットハットがゆく【248】「トラトラトラ」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【248】「トラトラトラ」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2014年7月1日号の掲載記事です。

 

トラトラトラ

出張でハワイに行ってきました。自由日に真珠湾(パールハーバー)に観光に行きましたのでそのことを書きます。
11年前に、いちど戦艦アリゾナ跡地を訪れたのですが、今回は戦艦ミズーリと潜水艦ボーフィンも見学しました。

ツアー会社のパックで行ったので、その順に紹介します。
朝6時半に集合してバスで真珠湾へ。ワイキキから30分くらいです。
日本語ガイドさんの案内に従い、アリゾナ記念館の見学が始まります。
歴史館、資料館、映画館、慰霊施設などがあり、専用のヘッドセットを付けて、それぞれの場所で、番号を打ち込むと日本語の解説が聞けます。
慰霊施設へはボートで行くので、時間指定のチケットが必要で、それまで約1時間少々、歴史館、土産物店などを回って順番を待ちます。
太平洋戦争勃発の歴史的背景、日本軍の兵器、零戦の模型などを見つつ。…公園の端には潜水艦ボーフィンが停泊展示してあり、見学できます(有料)。
この潜水艦は対馬丸はじめ日本の商船を多く沈めた艦です。
商船を沈めて補給路を断つという作戦もわからなくもないですが、疎開の子どもたちが多数乗った船をばんばん沈めて行った場面を想像すると、何ともいえない気分になりますね。

ボートに乗って慰霊館に行く前に、映画館で20分ほどの映画を見ます。
零戦が攻めてきたときの映像や、戦艦アリゾナが爆撃を受けて大炎上する映像などを見ます。
それを見終わると、船に乗って湾内へ、戦艦アリゾナが沈没している真上に建てられた慰霊館へ渡ります。
とても厳かな雰囲気で、そこをアメリカ人と日本人が一緒に観光している絵は、平和の象徴でしょうか。
アリゾナからは今も重油がしみ出して、海面を少量の油が浮いています。
11年前もキレイに浮いていましたし、今回も浮いていました。これは「アリゾナの涙」といわれる、観光ポイントの一つになっていますが、海を汚染しているのではないか、実は観光用に少しずつオイルを浮かす装置が海面下にあるのではないか?などのうがった見方もありますが…。

アリゾナの見学が終わると、今度はシャトルバスに乗って5分ほどの、戦艦ミズーリを見て回ります。
ミズーリは湾岸戦争まで現役だった戦艦で、引退後真珠湾にて観光施設となりました。
ミズーリは、日本の降伏文書調印式が行われた艦であり、また特攻隊の攻撃痕を遺すことでも有名です。
主砲は、砲弾を37キロ先まで飛ばせるそうです。
ミサイルの時代になってからは、37キロという距離はべつだんすごくもないのですが、戦艦時代終焉間際までは大いに活躍したそうです。
硫黄島の攻撃にも参加しており、島の形が変わるほど砲弾を撃ち込まれた日本軍、ミズーリが噴いた炎で、何人の日本人が亡くなったのでしょうか。

このように真珠湾には6時間ほど滞在して、太平洋戦争の始まりと終焉を感じ取ることができます。
ワイキキビーチで日光浴ももちろんいいですが、日本人として一度は訪れておきたく、そして忘れてはいけないのが真珠湾ですね。
リメンバー パールハーバー…。

 

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