フットハットがゆく【286】「BOX連鎖」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【286】「BOX連鎖」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2017年9月1日号の掲載記事です。

 

BOX連鎖

2017年8月15日(火)に、島津アリーナ京都に、山中慎介のボクシング世界戦を観戦に行きました。
結果は皆さんご存知の通り、4ラウンド衝撃のKO負け、具志堅用高の13回防衛記録に並ぶことはできず、でした。

 

ボクシングは相手を肉体的に痛めつけるスポーツなので、観る方も応援している選手が負けた時のショックは膨大です。選手の痛みまで感じるというか…。
負け試合でなかなか筆が進みませんので、前後に起こったエピソードを。
島津アリーナ京都には、タクシーで向かいました。
乗ったタクシーの座席の向かいに、「井岡弘樹」(元WBC世界ミニマム級王者、元WBA世界ライトフライ級王者)のステッカーが貼ってありました。運転手さんに、「井岡のファンなんですか?」と聞きますと、「いゃぁ、そういうわけではないんですが、井岡さんを乗せた時に、ステッカー貼っていいですか? と聞かれて、はいどうぞ、という前にもう貼ってはりました」とのことでした。
破天荒な性格の井岡さんらしいですね(笑)。
ちなみに僕と同い年です(48歳)。
ボクシング現役を引退した後も、ジムの会長として後進を育て(甥の井岡一翔を世界チャンピオンに育てる)、積極的に芸能活動も行ない、ボクシングの普及につとめ、こうやって京都のタクシーにもステッカーを貼り、昔のファンの思い出も喚起させる、あっぱれ井岡弘樹、と思って会場に行きますと、試合前のセレモニーで西日本ボクシング協会会長として井岡弘樹ご本人がリングに上がっていました。
うーん、人に言ってもあまりピンとこないこの偶然、僕だけは嬉しかったです(笑)。

 

試合の翌日、お盆もあり墓参りに行ったついでに、番組のロケ地を下見、鴨川デルタを歩いて見て回りました。
高野川と賀茂川が合流して鴨川となるこの三角地帯は、映画「パッチギ!」のクライマックス、集団ケンカシーンでも使われた場所。
2つの流れがぶつかり合う場所というのは、戦いの舞台としては最高です。
この場所で、ダンスバトルのシーンを撮りたいなと想像を巡らせつつ、デルタ地帯を去りました。
歩いて汗だく、百万遍付近の銭湯に入り、汗を流すことにしました。
僕は銭湯などのロッカーは、ファンのイチローの背番号51番をたいがい選びますが、あいてなければ自分の誕生日の11番を選びます。
そしてその銭湯の11番ロッカーには徳山昌守(元WBCスーパーフライ級王者)の、サイン入り写真が貼ってあったのです。
元世界チャンピオンがこの銭湯に来たんですね。しかも徳山は、映画「パッチギ!」にも出演していたんです。
続編の方ですから、鴨川デルタとは関係ないのですが、ボクシング世界戦を観たその翌日に、パッチギ! に思いを馳せているその時に、その関係者でありボクサーの徳山と同じロッカーを使って銭湯に入る! …人に言ってもあまりピンとこないこの偶然、僕だけは嬉しかったです(笑)。

 

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