フットハットがゆく【208】「41(よいち)2」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【208】「41(よいち)2」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2011年3月1日号の掲載記事です。

41(よいち)2

四条河原町で仕事を済ませまして、同じ四条通の地下鉄烏丸駅まで歩くことにしました。
約1㎞ほどの行程です。歩くといろいろ新しい店が目に入ってきて楽しいですね。
おお、ドトールコーヒーの横にスターバックスがあるんや~。ドラッグストアが2ブロックに1軒はある感じ。漫画喫茶も増えましたね。
さて、行程を3分の2ほど来たところで本屋に入り、本を1冊買いました。
店を出て再び四条通を歩いていると、また漫画喫茶が目に入りました。ほんと、多いですね。
そしてドラッグストアが…しかもさっき見たのと同じチェーン店。同じ通りに何軒も店を出すなんて、かなりの繁盛ですね。
そしてまたスタバとドトールが並んで登場。う~ん、このコーヒー戦争、ものすごいなぁ…。と思いつつ、四条河原町についてしまいました。僕は極度の方向音痴のため、本屋を出た後、同じ道を戻ってきてしまったんですね。自分の感覚では来た道を戻っているなんて思いもよらなかったので、同じ通りに同じ店が何軒もあるように錯覚したんです。

前回は、僕が41歳ゆえに、天然ぼけがますます発揮されてきた件を書きました。
方向音痴もますますひどくなってきて困ります。

仕事でとある場所に地下鉄で行きまして、初めての場所なので地図であらかじめ調べておきました。
駅の改札を出たら、乗ってきた地下鉄の進行方向と同じ方向に進むと目的地に着く、と、覚えておきました。
で、実際地下鉄をおりて地上に上がろうとしますと、階段がまっすぐではなく何度か曲がらなければいけないものでした。
曲がっているうちにどちらが乗ってきた地下鉄の進行方向だったか分からなくなりました。
そこで、僕はいいことを思いつきました。ちょうど雨模様でビニール傘を持っていましたので、再びホームまで降りて、進行方向を確認し、ビニール傘の先をその進行方向に向けました。
そのように傘を真横に持った状態で、階段を上がるわけです。階段が90度曲がれば、体は90度曲げますが、傘の向きはそのままにしておくのです。
そうやって階段を何回か曲がりつつ上っていったところ、角から出てきた人とぶつかりました。
こちらは傘の先を正面に向けて持っていたもんで、相手の腹にぐさっと刺さりました。まぁ刺さったというのは嘘ですが、危険だったことは確かです。
丁寧に謝った後、結局傘の向きが分からなくなりました。ので、再びホームまで降りまして、進行方向を確認。
傘を使うのは危険と分かったので、今度は普通に両手の人差し指を前に出して進むことにしました。
90度曲がると指は横向き、180度曲がると指を後ろに向けて歩くわけですが、端から見るとかなりいびつな格好ですね。
この方法も最後は、改札で切符をつかむ際に指の方向が分からなくなり、そんなこんなで遅刻しました。
いやはや的外れ。

 

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