フットハットがゆく【153】「素ザンス!」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【153】「素ザンス!」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2008年3月16日号の掲載記事です。

素ザンス!

最近は『おバカキャラ』が流行っている。
クイズ番組などでおバカな解答をして爆笑を誘い、人気を得たものである。
例えば『本田技研』を「県の名前だと思っていた」といってみたり、尊敬する偉人は「徳川まい蔵!」といったりするのである。
本人はいたって真面目で素であるところがみそザンス。

ということで、今回は実際に僕が出会ったおバカさんたちを紹介したい。

打合せで、B子さんがうちに来た…。
僕の仕事場には水槽があり、そこでメダカとドジョウを飼っている。
B子さんは水槽を見るなり「熱帯魚ですか?」と聞いてきたので、「いや、メダカやねん」と答えた。
「へ~、メダカですか~」といった後、彼女はドジョウを指差し、「この細長いのもメダカですか?」と聞いてきた。
ドジョウは細長くてヒゲがあって、水底をはって泳ぐ、メダカとは似ても似つかぬ魚である。
いったい彼女の頭の中では、『メダカ』というカテゴリーがどのように設定されているのだろうか…。
「いや、これはメダカちゃうで」と僕がいうとB子さんは、「あ~…思い出しました、サヨリですね!」といった。
おいおいッ、確かにサヨリは細長いけど、あれは海の魚でしょ!

昔の会社の後輩、A君と映画の話をしていた時…。
「ルーカスに比べ、スピルバーグは『ジョーズ』や『ジュラシック・パーク』など、ドバッと血の出る演出が多い…」と僕がいうと、A君は、「スピルバーグはエゴイストですからね」といった。
僕は一瞬考え込んだ。エゴイストというと、自分勝手とか利己主義という意味である。それと出血量とどう関係があるのだろう?
…少し考えた末、「お前、エゴイストってどういう意味で使ってる?」と聞くと彼は、「エグいことが好きな人のことでしょ?」と真面目にいってきた。
ちゃうちゃう! 確かに「えぐい」を「えごい」っていう場合もあるけど、それとエゴイストはちゃうし!

現場のアシスタントに来ていたK子さんの話…。
K子さんはとにかくドジな子であった。
その子が、「私って本当にドジなんです。この前も大阪のなんばから電車で岸和田に行こうとして銀閣寺にいってしまったんです」
…その話を聞いたその場にいた全員がキョト~ン…何をどう間違えたら岸和田が銀閣寺になるのか?
岸和田は大阪のかなり南の方、銀閣寺は京都市の東の端、しかも電車は通っていないし、双方の距離は100キロ近く離れている。
詳しく聞くと、どうも『天王寺』というつもりが『銀閣寺』といってしまったようだ。
『寺』がついたらみな一緒か~ッ?
結局そのK子さんは、自分のドジ話を披露する時にもドジをして、意味不明な話を作り出したのである。

先日、A子さんからメールがあった時のこと…。
「塩見さん、『マイクロオフィス』の『ソフト』って持ってはります?」という内容だった。
少し悩んだが、こう返信した。「『マイクロソフト』の『オフィス』なら持ってますよ!」
…このやり取りのどこがおバカなのかは、パソコンユーザーならわかるはず!

 

スザンヌ 1986~ おバカキャラとして活躍する日本人の女性タレント。

スザンヌ 1986~ おバカキャラとして活躍する日本人の女性タレント。

 

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