フットハットがゆく【107】「聴衆力」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【107】「聴衆力」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2006年4月16日号の掲載記事です。

聴衆力

今回はテレビの視聴率について書いてみる。
細かい話は抜きにして、やじうま的にWEBで調べた視聴率を羅列してみたい。

まず、過去最高視聴率番組とは?
…1963年12月31日放送のNHK紅白歌合戦で、その視聴率はなんと81.4%。
バケモン的数字である。当時はパソコンやテレビゲームもないし、やはり庶民の娯楽といえば、テレビが第一だったのだろうと想像する。
60年代、70年代というのは、紅白の視聴率が軒並み70%以上を記録しており、紅白がいかに聴衆を惹き付ける力が強かったかがわかる。

紅白を除く視聴率の第2位は、1964年東京オリンピック
…女子バレー「日本vsソ連」は、66.8%。
第3位は、意外にも最近の数字で、先のサッカーワールドカップ日韓大会(’02)で、「日本vsロシア」が66.1%。
日露の戦いが視聴率2位、3位に来るとは…何か因縁でもあるのかな?
4位はまたまた昔(’63)に戻り、プロレスは力道山のデストロイヤー戦で64.0%。
5位にファイティング原田のボクシング世界戦(’66)、63.7%。
6位にあの有名な朝ドラ「おしん」(’83)62.9%と続く。

分野別の高視聴率を上げてみると、一般ドラマ1位が「積木くずし」(’83)で45.3%。
アクションドラマ1位が「太陽にほえろ!」(’79)で40.0%。
時代劇1位が「水戸黄門」(’79)で43.7%。

音楽番組(紅白、レコ大を除く)1位が「ザ・ベストテン」(’81)で41.9%。
アニメの1位は「ちびまる子ちゃん」(’90)が39.9%。
僅差の2位が「サザエさん」(’79)で39.4%。

邦画部門は宮崎アニメ「千と千尋の神隠し」(’03)が46.9%で1位。
洋画部門1位は、ぼくらの時代にはやった「ブッシュマン」(’83)で、40.4%。
クイズ番組では「クイズ面白ゼミナール」(’82)が42.2%で1位。
「クイズダービー」(’79)が40.8%で2位。

最近は「お笑いブーム」というけれど、昔のバラエティー番組には遠く視聴率は及ばない。
1位は「8時だヨ! 全員集合」(’81)で47.6%。
「欽ちゃんのどこまでやるの!」(’83)が42.0%で2位に続く。
ちなみに最近のバラエティ番組はどんなに人気があっても視聴率は20%前後だから、いかに昔の番組がすごかったか分かる。

ここ10年の年代別高視聴率で見てみる。
96年は高視聴率ベストテンの中に、大河ドラマ「秀吉」やアトランタ五輪の種目が並ぶ。
97年はワールドカップサッカーの予選が高視聴率を連発。
98年はそのワールドカップ(フランス)に初出場した日本の試合が紅白の視聴率を凌いだ。
99年はジャニーズの人気グループ「SMAP」の人気が急上昇し出演番組が高視聴率を記録。
2000年はシドニー五輪の種目が数字を取り日本人の五輪好きを証明。
02年はいわずと知れたサッカーワールドカップ日韓大会の試合がベストテンのうち9つを占めた。
03年はアニメ「千と千尋の…」が紅白を抜き、04年は紅白が再びトップに返り咲くも40%を切るという、視聴率分散傾向が進んだ。
05年は再びサッカーのワールドカップ予選が紅白を抜いて高視聴率を連発。
そして、06年…サッカーを破る聴衆力の革命戦士は現れるか?

長州力 1951~ 山口県出身のプロレスラー。ニックネームは「革命戦士」

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