MKタクシーの交通安全教育「警察官の安全運転講話」2016年度編
目次
MKタクシーでは、毎月全営業所で各2回前後「全員業務集会」を開催しています。
全ドライバーが、いずれかの会に出席しなければなりません。
全員業務集会では、様々な来賓を招いての講話を賜っています。
今回は、2016年度の全員業務集会で行われた警察署の交通課警察官による安全運転講話を紹介します。
道路環境に応じて安全確認を
2016年7月21日 宇治城陽営業所
自転車の危険行為等に関する法改正の施行から1年。残念ながら取締りの対象となった方がいます。交通ルール改正や新しい道路の開通など環境が変われば、走り慣れた道でも運転は常に慎重にしてください。安全確認を誤ると脇見運転になります。例えば、見通しの悪い交差点での一時停止の交通規制は、停止線で必ず速度を0にして安全確認してほしい場所です。規制がなくても、見通しが悪いため一時停止することは事故防止につながります。正しく情報を集めて的確な判断をし、安全運転をお願いします。
また、事故捜査時に目撃者提供のドライブレコーダーの記録が犯人検挙に結びついた事例があります。運転を記録することで安全意識にもつながります。音声記録可能なものもあり、知り得た情報を詰め込んでください。
京都府宇治警察署 交通課 交通総務係 警部補
認知・判断・操作で事故を防ぐ
2016年7月26日 八幡営業所
毎年多くの交通事故が起こっていますが、八幡市内でも昨年5件の死亡事故が発生しました。しかし、多くの事故は防ぐことが可能です。
事故を防ぐために必要なのは、認知・判断・操作の3つです。まず「かもしれない」運転を心がけて常に周囲に注意を払い、いち早く飛び出しなどの危険を認知します。続いて、認知した危険に対して減速など危険回避のために最適な方法を選択する判断を行います。最後に、判断に基づいてブレーキを必要なだけ踏み込むなどの操作をします。この3つが揃って初めて事故を回避することができます。
いつ自分が当事者になるかわからないのが交通事故です。私が優先だから相手が道を譲ってくれるだろうと安易に考えることなく十分に注意し安全運転に努めてください。
京都府八幡警察署 交通課 交通指導係 巡査部長
基本の運転を忘れずに
2016年7月27日 上賀茂営業所
交通事故の原因は「認知・判断・操作」いずれかのヒューマンエラーによるものがほとんどです。事故を防ぐために、まず運転前は心の余裕を持つようにしてください。イライラすると運転にも表れます。自分の利き目とは逆方向にも気を配れるよう、注意力散漫にならないようにしましょう。
また、歩行者について知ることも大切です。特に高齢者が関わる事故が多発しています。よく起こるのが右から通過した車の陰で左の車に気付かず道路を横断して事故になるケース。少しの接触が重大事故に繋がる恐れがあるため、高齢者が視界に入った際は特に注意をしてください。夏休みに入り、子どもを巻き込む事故の危険性も高まっています。今一度発進前の周辺確認や操作確認など、基本の運転に立ち返るようお願いします。
京都府宇治警察署 交通課 総務係 巡査部長
速度を抑える!
2016年8月1日 伏見営業所
事故防止と被害軽減 のために一番大切なのは、速度を抑えることだと考えています。伏見署管内の交通事故多発路線は、国道1号線、国道24号線、外環状線、油小路通、府道京都守口線ですが、主にそういったところで速度の取締りも強化しています。
速度が上がれば、危険を感じてから車が止まるまでの停止距離が長くなります。時速20㎞のときの停止距離は約6m、時速40㎞のときは約17m、時速60㎞のときは約33m。速度が2、3倍になると、停止距離は単純に2、3倍ではなくもっと長くなります。また速度が上がれば、致死率が上がります。時速30㎞の事故時の致死率は約10%、時速50㎞の際は80%以上になります。ハンドルを握ったら、まず第一に速度に注意していただくようお願いします。
京都府伏見警察署 交通課長代理
交通事故が減少傾向
2016年8月2日 西五条営業所
今年に入り、京都府下における交通事故での死亡者数は去年に比べてとても少なくなっています。それは右京区だけ見ても同様で、交通事故自体も少なくなっており、このまま地域、警察、そしてドライバーの皆様と現状を維持していきたいと考えています。
なぜ交通事故が少なくなってきているかというと、昔と比べて道路整備が行き届き、信号も設置されたこと、一番影響があったと思われるのはバイクにヘルメット着用が義務化され、さらに運転手にシートベルト着用の義務化があったことです。ヘルメットとシートベルト、この2つが多くの人の命を救ってきたのです。
ドライバーの皆さんにとって、事故はとても身近なことです。このことをより意識してこれからも一緒に事故を減らしていきましょう。
京都府右京警察署 交通課長
危険を予測し事故回避を
2016年8月3日 山科営業所
山科署管内の今年の事故件数は前年比マイナス14.8%と減少傾向にあるものの、その内容は酒気帯び運転による轢(ひ)き逃げ死亡事故を含む悲惨なものとなっています。事故を防ぐためには、単に交通ルールを守るだけでなく、常にどこに危険が潜んでいるか考えながら運転する必要があります。
自分が標識を守って運転していたとしても、一時停止を無視した飛び出しがあるかもしれません。前方を走る大型車輛が急ブレーキをし、衝突してしまう可能性もあります。具体的な危険を予測しながら運転することで交通事故の多くは回避することができます。
見込み運転は一種のギャンブルと言えます。一人一人が安全確認をし、お互いが譲り合う運転を心がけてください。
京都府山科警察署 交通課長
安全運転のための3つのポイント
2016年8月4日 上賀茂営業所
京都市内・北区内とも昨年に比べ交通事故は減少していますが、北区内では対歩行者事故が増加しています。また、昨年は、高齢者が交通事故の当事者となる割合が、京都市内の中でも最も高いのが北区であり、重大事故につながることも懸念されました。
このような情勢の中、交通事故を防止するポイントの一つ目として「危険予測」、次に職場の皆様で「ヒヤリハットや危険情報等の共有」、最後に「制服を大切にしていただきたい」ことです。皆様は私個人ではなく、この警察官の制服を信用し話を聞いておられると思います。皆様もMKの制服を着て、MKの看板を背負い乗務しているのですから、プロのドライバーとしての誇りを持って、他のドライバーの模範となる運転をしていただきたいと思います。
京都府北警察署 交通課 交通総務係長
事故を起こさないために守るべきこと
2016年8月9日 山科営業所
交通事故を起こしてまった場合、法律により刑に処される刑事上の責任、免許取消など行政上の責任、被害者への賠償など民事上の責任と大きくは3つの責任に加え、家族や勤務先の会社にも影響が出てきます。
事故を起こさないためには次のことが重要です。まずは安全確認をしっかり行い、子どもの自転車の飛び出しなどにもいち早く気づきましょう。次に、脇見をせず運転に集中し、さらに適切な車間距離をとれば気づくのが遅れてもブレーキが間に合います。また、万が一の事故の際も速度を抑制することで生存率が高まります。そして、高齢者を見かけた際には一層注意してください。完璧な運転ができれば事故は起こりませんが、完璧な人間はいません。予測運転と譲り合いの心をもって運転してください。
京都府山科警察署 交通課長代理
交通事故について
2016年8月18日 伏見営業所
京都市での事故の特徴として、追突・脇見・出会い頭・サンキュー事故があります。なかでも、伏見営業所のある伏見区内では交差点での安全不確認の事故が多いです。一時停止で止まっていても安全確認が不足しています。交通ルールを守るだけでなく、しっかりと意味を考えて行っていただきたいと思います。
また、速度も交通事故と大きく関係します。事故が発生した場合時速30kmでは致死率約10%ですが、時速50kmでは致死率は80%以上にもなります。さらに、交通事故の第一当事者のうち約23%が過去5年で1回以上の速度超過で検挙されています。
何よりも速度を抑えることが安全に繋がり、万が一の場合にも被害が小さくなります。今一度ご自身の運転を見返していただければ幸いです。
京都府伏見営業署 交通課長