MKタクシーの交通安全教育「警察官の安全運転講話」2011年度編

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MKタクシーの交通安全教育「警察官の安全運転講話」2011年度編

MKタクシーでは、毎月全営業所で各2回前後「全員業務集会」を開催しています。
全ドライバーが、いずれかの会に出席しなければなりません。
全員業務集会では、様々な来賓を招いての講話を賜っています。
今回は、2011年度の全員業務集会で行われた警察署の交通課警察官による安全運転講話を紹介します。

危険を予測し事故を防ぐ

2012年7月21日 宇治城陽営業所

運転は危険と隣り合わせです。事故を防ぐには、常に変化する状況を的確に判断し、危険予測を行わなければなりません。そのために大切な3つのポイントをお話しいたします。
1つ目は、前後左右に注意し、道路状況などの「情報を素早く的確にキャッチ」すること。2つ目は、人や車が来ないかを十分に注意して人と車の「存在を察知」すること。そして3つ目は、人や車が存在する場合、「相手の動きを予測」することです。
万が一でも死亡事故を起こしてしまった場合は大変なことになります。免停・免取の行政処分、億は超えるであろう損害賠償、そして7年以下の懲役の刑事処分がなされます。絶対に事故は起こさないように、危険予測に注意して安全運転をお願いします。

京都府宇治警察署 交通課 交通総務係 警部補

 

特に注意してほしい交通ルール

2012年7月25日 洛西営業所

西京署管内の事故は3割が国道9号線で、5割が細街路で起こっています。また、通勤・通学や帰宅の時間帯が8割を占めます。特に気をつけてほしいのは細街路での出合い頭。信号のない狭い交差点は、ただ減速だけでなく、すぐに止まれる速度で通過してください。
皆さんへのお願いが3つあります。まずは飲酒運転。一眠りしたから大丈夫と考えるのは安易です。下手をすれば逮捕、失職と悲惨な事態を招くことを自覚してください。次に自転車の運転。無灯火や2人乗りなどの違反は、以前は口頭注意でしたが、今は検挙の対象となります。ルールを守って“運転”してください。最後は駐停車です。縁石の黄色の実線は駐停車禁止場所です。携帯電話に出る時なども駐停車禁止場所は避けて車を停めるようにしてください。

京都府西京警察署 交通総務係長

 

1つ1つの確認作業がエラー・ミスを防ぐ

2012年7月25日 洛西営業所

交通事故を防ぐ対策として、ストレスを抱えたまま運転しないということが挙げられます。また、時間にゆとりを持つことも大事です。イライラや焦る気持ちは事故に繋がりやすく、心にも時間にも余裕を持って運転する必要があります。
人間はエラーやミスをする生き物です。エラーとは頭の中での計算の誤りで、ミスとは間違った判断や過失のことを指します。人間は、単調な作業ほど集中力が続かずエラーやミスを起こしやすく、1つのことに集中すると他のものが見えなくなるため、小まめにメモを取ることが大切です。運転でも同じで、指差し呼称のように1つ1つの確認作業がエラー・ミスを防ぎます。記憶は非常に曖昧なものなので、「やったつもり」にならないよう、確認作業を怠らないように注意しましょう。

京都府西京警察署 交通総務係長

 

安全運転のヒント

2012年7月26日 八幡営業所

皆さんは、車間距離をどのようにとっていますか。センターラインは一般道で5m間隔、高速道路では8m間隔で引かれています。急ブレーキをかけて止まるまでの停止距離は、時速40㎞では4の2乗を計算して16m、時速50㎞では5の2乗で25mと大体の距離が出せます。これらのことをヒントに安全な車間距離を保ってください。また、座席から車の先端までは約2mです。停車時の車間距離としては、前の車のタイヤと地面が見える程度が安全です。
西京署管轄で、今年度に入ってから1件の死亡事故がありました。バイク同士の事故で一方の運転者のヘルメットが脱げたのです。顎紐を留めていなかったのでしょう。一般的にはスピードオーバーの死亡事故が多いので、現在スピードの取り締まりを強化しています。

京都府八幡警察署 交通課長

 

性格やクセから事故防止の対策を

2012年7月28日 洛西営業所

路線別に交通事故の件数を見ると、圧倒的に住宅街が多く、慣れた道ほど油断大敵だということが分かります。特に夏休みや休日では私車が多くなり、周りを見ていない子どもも増えます。普段から営業車に乗られているプロドライバーの皆様でも、車体やパワーの違う私車に同じ感覚で乗ると危険です。プライベートでも慎重な運転を心掛けてください。
交通事故を防ぐために大事なのは、自分の性格やクセを客観的に見ることです。人間はミス(エラー)するものであり、交通事故のほとんどはそのミスやエラーが組み合わさって発生します。自分を客観的に見ることで、自分がどんなミスやエラーを起こしやすいのかを理解することで、どういうところに注意して運転すべきかの対策が立てましょう。

京都府西京警察署 交通課長

 

事故防止と想像力

2012年8月1日 八幡営業所

ドライバーの注意次第で防げたであろう交通事故は多く、一歩間違えれば凶器となりうる車の運転には多くの危険が潜んでいるということを、ドライバーはもっと理解する必要があります。様々な場面で、そこにどんな危険が潜んでいるかを想像することで事故は未然に防げます。よく耳にする「かもしれない運転」とは、正にそのことです。
相手のある事故の場合、自分だけでなく相手やその家族の人生までも狂わせてしまうことがあります。事故によって互いに幸せなことは1つもありません。事故直前に、その危険を想像できるかできないかで歩む人生が変わるかもしれないのです。
公道には、様々な人がそれぞれの目的を持って行き交っています。それゆえ相手の立場に立つ“思いやり”の精神が、とても大切なのです。

京都府八幡警察署 交通課 交通指導係 警部補

 

予測運転で防ぐ事故

2011年8月3日 西五条営業所

MK様では「安全運転3原則」を復唱し、意識づけられているようですが、警察にも「確実な運行前点検」「運転技術を過信しない」などの原則があり、私が特に注意すべきだと思うのは「自分に都合のよい予測運転をしない」ということです。相手が譲ってくれるだろう、止まってくれるだろう、という予測運転が、一瞬の判断を鈍らせ、事故を惹きき起こすのです。
しかし、逆に“不利な”予測運転は、事故を防ぐ効果があるかもしれません。つまり、相手は譲ってくれないだろう、止まってくれないだろうという、悪い方への予測をするということです。自分の都合ではなく、相手の動きを想像するのです。
タクシーは、お客様の命を預かる職業です。1人1人が使命感・危機感を持ち、事故の無い運転をお願いします。

京都府右京警察署 交通課長

 

意識を高めて安全運転を

2012年8月4日 伏見営業所

事故の発生原因を分析すると、まず「漫然運転」が挙げられます。死亡事故の約半分はこれが原因ですが、交通違反などとは異なり、個々人の意識レベルの問題ですので、車に載る時は『常に危険な乗り物に乗っているんだ』という自覚を持つことが必要です。その他の原因としては、誤った判断で進行してしまう信号無視、横断歩道での一時停止をしない歩行者妨害、速度超過、近年罰則が強化された飲酒運転などがありますが、いずれも「無理に進行しない」「一時停止を必ず守る」「法定速度内で走行する」「翌日勤務の場合は深酒を絶対しない」といった安全運転への意識を高めることが重要になります。
事故はいつ起こるか分かりません。起こった場合は救護措置、危険の防止、そして警察への届出を必ずお願いします。

京都府伏見警察署 交通課 交通総務係 警部補

 

交通事故の対策と継続

2012年8月8日 山科営業所

交通事故は、起きてしまえば良いことは1つもありません。いかに事故を減らしていくかが私たちの使命です。
皆様もご存知かと思いますが、最近はこどもや高齢者が関わる交通事故が多く発生しています。特に免許を持っていない高齢者は交通についての知識が薄く、反射材を配布したり安全教育を実施したりと事故防止の活動を行っています。
タクシーなどの交通機関は、第一に安全ありきのサービスを求められます。警察としては、事故を減らすために交通秩序を守るための取締り、危険な箇所を改善する交通環境整備、個人個人の事故に対する意識改革など様々なアプローチがありますが、難しいのはそれらの対策を継続していくことです。皆様も安全運転に対する高い意識を継続してください。

京都府東山警察署 交通課長

 

交通事故の背景にあるもの

2012年8月9日 西五条営業所

京都府下の死亡事故のうち、地域別では京都市内での発生が54・7%を占め、京都では車両相互の事故の割合が高くなっていますが、全国的には対歩行者の事故が多くなっています。対歩行者の事故の背景には、両者ともによる「きっと止まってくれるだろう」という思い込みがあります。
時間帯としては18時~20時、22時~24時が多く、約半数が高齢者です。朝方の車が少ない時間帯も事故が多く、慣れた道で「いつも大丈夫だし今日も大丈夫だろう」という油断が大きな事故を招きます。安全な道はないと思ってください。
“準高齢者”と呼ばれる55~60歳の事故も増えています。次第に判断力が鈍ってくる年代であり、若い頃に比べて判断力が鈍っていることを自覚し、注意して運転することが必要です。

京都府右京警察署 交通課 交通総務係長

 

事故の発生状況とその対策

2012年8月17日 山科営業所

京都府内で最も多く発生するは追突で、東山署管内のような渋滞の多い地区で特に多く起こります。脇見や漫然運転に気をつければ追突事故は防げます。
出会い頭事故で多いのは、自動車対自転車・バイクです。自動車側の心構えが非常に重要で、多段発進をしっかり実践することで事故を防げます。
大きな事故になりやすい正面衝突は、交通量が少なく単純な道で起こります。原因の多くは漫然運転・居眠りです。
事故の類型とは別に気にしたいのが、京都府内で事故死者の半数近くを占める高齢者の事故。高齢者事故の約8割が道路横断中に起こり、なかでも“もうちょっとで渡れる”所での事故が多いです。つまり自動車側にとっては“進行方向右側から渡ってくる高齢者”に要注意です。

京都府東山警察署 交通課 交通総務係長

 

警衛警護の仕事

2012年8月18日 上賀茂営業所

私たち警衛警護課は、俗に言うと「SP」のことで、要人を危害から守ることが仕事です。日本では警視庁・大阪府警・京都府警にのみ存在しています。
私たちの仕事は、実際に要人が来られた時点で9割は終わっています。何日も前から現場を調査し、自分が対象を攻撃する気になって危険を排除する環境を考えるのです。
「SP」「警衛警護」などというと物々しい印象ですが、私たちの目的は“要人が安全に、気持ちよくお帰りいただくこと”。ただし万が一の際は身を挺してでも、対象をお守りするのが私たちの役目です。そのためには体力や判断力もそうですが、最も重要なのは「責任感」。要人自身をお守りすることが、ひいては日本を守ることであると考え、誇りを持って仕事に励んでいます。

京都府警察本部 警備部 警衛警護課 課長補佐

 

交通安全教育「警察官の安全運転講話」シリーズ

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