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清水寺「千日詣り」の夜間拝観でお盆の暮れゆく京都の絶景を見る

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京都のお盆の風物詩である、清水寺の「千日詣り(せんにちまいり)」。
一日のお参りで千日分のご利益があるとされます。
本堂の内々陣(ないないじん)まで入って特別に拝観することができ、夜間拝観である宵詣り(よいまいり)も行われます。
宵詣りは春秋の夜間拝観とは異なり、それほど混雑もせず、ゆっくり京都の夜景を楽しむこともできる、意外と穴場な行事です。 

取材日は2018年8月15日。

 

 

千日詣りとは

清水寺では、観音菩薩の功徳日(くどくび)の前後である8月9日から16日にかけて、一日で千日分の功徳があるという千日詣りが行われます。
期間中には普段は非公開の本堂内々陣にまでお参りすることができ、お盆期間の8月14日から16日には「宵詣り」として夜間拝観が行われます。

長期間行われる春と秋の夜間拝観と異なり、3日間だけの実施です。

千日詣りの概要

  • 開催期間 8月14日~16日(8月9日~13日は昼のみ))
  • 開催時間 18:30~21:00(昼は9:00~17:00)
  • 拝観料  400円 

千日詣りへ

夕闇迫るなか、清水坂を上る

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清水坂

日が沈み、闇が迫りつつあるなか、清水寺へと続く清水坂を上ります。
かなり蒸し暑い天候ですが、全開のお店から冷たい空気が流れ出し、涼しいところもあります。
意外と人の姿は少な目です。

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仁王門

清水寺への入口にあたる仁王門前にはけっこう多くの人が集まっていますが、春や秋の夜間拝観の比ではありません。

お盆の時期は、京都も他の大都市と同様に町全体の人が少な目です。お盆の時期の京都は案外穴場です。

古くから宵詣りとして夜間拝観の伝統のあった清水寺ですが、戦後すたれていた夜間拝観が復活したのは1992年です。

西門から見る、暮れゆく京都の絶景

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西門

1631年の再建の清水寺西門と、奥には三重塔です。西門は閉ざされており、くぐることはできません。
脇から裏へと回りこむことになります。

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西門から見る日の入りは見事ですが、既に沈んだあとで、暮れゆくお盆の京都のまちを西門越しに見下ろします。
ライトアップされた赤く浮かび上がる西門と暮れゆく京都の町が生み出す絶景です。
夏ならではのしっとりとした空気感が春や秋とは異なる美しさを醸し出してくれます。
夜間拝観とは言いますが、最も美しいのは夜間というよりは日が沈んで少したった「宵」だと思います。

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三重塔

1632年再建の三重塔。京都市街からは、本堂や舞台よりも目立つ清水寺のランドマーク的存在です
高さは31mあり、三重塔としては国内でも最大級です。「五重」である醍醐寺五重塔は38mなので、三重塔でありながら、それほど変わりません。

南部風鈴の涼やかな音を聞きながら本堂へ

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拝観受付を通り、清水寺本堂へ。拝観料は夜間も通常と変わらない400円です。
覆い屋で覆われた本堂の修復工事完成は2021年予定なので、まだしばらくはこのような姿が続きます。

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本堂へと向かう清水寺の回廊では、南部風鈴がたくさん吊るされています。
風になびいて涼しい音を響かせてくれます。

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南部鉄器でできた風鈴は、ガラス製の普通の風鈴とは異なり、高く澄んだ音がします。
最近は風鈴を使った行事も増えてきましたが、全く違う音です。

風鈴は8月1日から31日まで設置されているので、お盆や千日詣り期間以外でも楽しむことができます。東日本大震災からの復興を祈り、京都岩手県人会の方によって設置されています。

千日詣り限定!蝋燭で浮かび上がる内々陣の仏像群

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内々陣

お目当ての特別公開の本堂内々陣へ。
お寺の本堂は、本尊を安置する内陣と、参詣者が参拝する外陣(げじん)で構成されていることが多いですが、清水寺は内陣にさらに内々陣があります。
内々陣にまで入って参拝できるのはごく限られた人だけです。
そんな内々陣に入れる貴重な機会が千日詣りです。春や秋の夜間拝観では見ることができません。
もちろん内々陣の内部は撮影禁止です。

靴を脱いでビニール袋へ入れて内々陣へと入ります。
内々陣では、本尊が祀られた厨子の奥から前へと、時計回りに回ります。
内部にはたくさんの奉納された蝋燭が灯されており、かなり暑いです。扇風機はあるものの、冷房があるわけないので当然です。

いつもは遠くからしか見られない仏像群が目の前で見られます。
薄暗い境内で、厨子の前に並べられた二十八部衆の玉眼(ぎょくがん)だけがキラメキ、神秘的です。

水晶などを細工して仏像の目にはめ込む玉眼は、見た目が人の目のようになることを狙って鎌倉時代からはじまった技法です。
単に人の目に近いというだけでなく、薄暗い堂内で蝋燭の灯りを受けてギロリと輝くという効果があることが体験できます。

清水寺の秘仏の本尊は千日詣りでも非公開です。33年に一度の公開なので、次に公開されるのは2033年の予定です。
本尊が納められた厨子前に置かれたお前立ちの千手観音像はすぐ目の前で見ることができます。

この機会を逃すまいとじっくり仏像群を観賞する人と、さっと通り過ぎる人がきれいにわかれます。

注:2019年は厨子修復工事のため内々陣の公開はありません。

覆い屋にすっぽり覆われた清水の舞台

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舞台

内々陣を出て清水の舞台へ。ここからは通常拝観ルートです。
そういえば、工事がはじまってから清水寺の本堂へ来るのは初めてです。この光景を見るのも初めてです。

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舞台の全面が覆われているわけではなく、覆い屋の外側に出られる部分も一部残してあります。

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舞台が釘を使わずに建てられていることは有名ですが、覆い屋も木材のみで鉄骨などは使われていません。これも修理中の今だけの見どころです。修理が終わるのは2020年の予定です。
奥には京都市街の夜景も見えます。
来たときよりは随分闇が濃くなってきました。

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舞台を抜けるとすぐ左手は地主神社ですが、こちらは夜間拝観時は公開されておらず、入れません。

春や秋と異なり混雑とは無縁の夜間拝観

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観音慈光

千手観音菩薩の慈悲を表した青い光「観音慈光(かんのんじこう)」です。夜間拝観実施時のみ灯されます。
8月9日から16日という開催時期から、清水寺の千日詣りはお盆行事の一環のように考えてしまいますが、本来は別物のようです。

お盆は先祖供養の行事ですが、千日詣りは観音功徳日に関連する行事です。
もっとも、清水寺では宵詣りだけではなく、お盆の8月14日~16日には特別な法要も行っているので、全くの無関係ではないかもしれません。

京都では、他に愛宕山の「千日詣り」が有名です。
同じく一日で千日分の功徳が得られる行事ですが、清水寺の観音信仰ではなく地蔵信仰に基づくもので、由来は異なります。
愛宕山の千日詣りは今は7月31日に行われますが、もとは旧暦6月24日に行われていました。
24日は地蔵菩薩と愛宕権現の縁日です。

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清水寺の阿弥陀堂前からの定番の構図。
境内に入ったときはまだうす明るかったのが、すっかり夜へと変わりました。
青々としたモミジの海の向こう側に広がる、京都タワーなどの夜景を楽しめます。

春や秋の夜間拝観時は、舞台はぎっしりと人で埋まります。
覆い屋でわかりにくいですが、それほど多くの人はいません。

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夜間拝観時は子安の塔方面は立入禁止なので、音羽の滝方面へと階段を下ります。
下から見上げる舞台は覆い屋があるほうが高さが強調された迫力があります。

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子安の塔

下から見上げる三重塔と観音慈光。これも清水寺の定番構図のひとつです。
観音慈光が入る夜間拝観時に特に映えます。

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放生池畔のサルスベリから見た三重塔。
桜の季節は、ここから見た桜越しの三重塔が定番です。

これで清水寺境内を一周し、千日詣りの夜間拝観を終えました。

おわりに

春の桜シーズンや秋の紅葉シーズンに清水寺の夜間拝観に行った経験があるという方は多いでしょう。
そして素晴らしい夜景には感動しながらも、大混雑には辟易したという印象も強いと思います。

お盆に行われる千日詣りの宵詣りでは同じ夜間拝観でもそんな混雑の心配はいりません。
春や秋とはまた違う空気感のなか、青もみじのなかの夜景をゆっくり楽しむことができます。
仏像好きなら、蝋燭に浮かぶ内々陣の仏像群もイチオシです。

是非、清水寺の千日詣りへと足を運び、千日分の功徳をゲットしましょう。 

お盆の夜に行われる行事を効率的に回るには

千日詣りの宵詣りが行われる8月14日から16日にかけての夕方から夜には、京都の各地でお盆関連の行事が行われます。
有名なのは五山の送り火ですが、それ以外にも

  • 8/8~16 千本釈迦堂「六道詣り」
  • 8/9~16 壬生寺「盂蘭盆万灯供養会(うらぼんまんとうくようえ)」
  • 8/13~16 京都霊山護国神社「みたま祭」
  • 8/14~16 東大谷「万灯会(まんとうえ)」
  • 8/14~16 車折神社「万灯祭(まんとうさい)」
  • 8/15  「花背松上げ」
  • 8/16  「五山の送り火」
  • 8/16  「嵐山灯籠流し」
  • 8/16   広沢池「灯籠流し」

と盛りだくさんです。

限られた時間内に複数箇所を回ろうにも、この期間は地下鉄や市バスも休日ダイヤで通常より本数が少なくなっています。
点々と離れたスポットを効率的に移動するのに、何といっても効率的なのはやはりタクシーです。
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