新しい彼岸花スポット!伏見北堀公園での「みどりの会伏見桃山」の活動紹介
目次
2021年から彼岸花の植栽が始まったばかりの新しい彼岸花スポット「伏見北堀公園」をご存知でしょうか?伏見城の北堀跡に整備された6.6haの公園です。
伏見北堀公園では、ボランティア団体の「みどりの会伏見桃山」によって彼岸花の植栽が行われています。
2024年10月9日に会長の岡村祐介さんにお話しをうかがいました。
彼岸花が植えられているのは、伏見北堀公園の西側にある体育館と駐車場から東へ100mほど進んだところです。
みどりの会伏見桃山の活動紹介
16年前に会の活動と出会う
伏見北堀公園から5分くらいのところに住んでおり、趣味のマラソンのトレーニングのために公園内を走っていたのがみどりの会伏見桃山との出会いです。
会員たちが清掃活動を行っているのに興味を持ち、当時の会長に誘われて16年前に入会し、以来活動を続けてきました。
仕事がひと段落したこともあり、今年の春からは会長をつとめています。
もう70歳ですが、みんなからそうは見えないと言ってもらえます。
みどりの会伏見桃山のあゆみ
伏見北堀公園がオープンしたのは1995年のことです。
1997年に2人で活動を開始し、2000年には14名で「みどりの会伏見桃山」を設立し、京都市公園愛護協力会として伏見北堀公園の清掃活動を行ってきました。
正式には伏見北堀公園愛護協力会といい、京都市の公園の美化活動を行うボランティア団体である「公園愛護協力会」のひとつです。
今は40~80代の18名(うち女性4名)の会員がいます。私のように近隣住民が多いですが、遠方から車やバイクで通われる方もいます。
伏見北堀公園での活動
伏見北堀公園は6.6haもある大きな公園です。甲子園3つ分と言えばイメージしやすいでしょう。
公園内の除草や草刈り、ツツジの剪定、清掃活動などを行っています。もちろん本職の植木屋さんではありません。
伏見北堀公園だけでなく、近隣の桃陽総合支援学校での活動も行っています。
定例の活動日は、伏見北堀公園は第1・2日曜日、桃陽総合支援学校は第3・4日曜日です。だいたい毎回活動に参加するのは6~7名です。
定例日以外も、各自が毎日のように何らかの活動を行っています。
伏見北堀公園を中心とした豊かな自然
伏見北堀公園は、近くに伏見桃山城や桃山御陵があってぐるっと周回することもできます。
京都一周トレイルも公園内を通っています。
いずれはこれらの自然が豊かなところと伏見の酒蔵や十石舟と一緒に集客できたらいいなと考えています。
いずれはホタルを
10年くらい前に故障してほったらかしにされていたポンプがようやく修理されました。
ポンプによって伏見北堀公園内に水の流れが復活します。
今はよどんでいますが、きれいな水が復活したら、子供たちが水遊びできるようになります。
いずれはホタルを放流できたらと考えています。このあたりでホタルを見られるところはないので、ぜひ実現したいです。
伏見北堀公園以外での多彩な活動
その他、呉竹総合支援学校の職場体験実習として伏見北堀公園の周遊路清掃活動を受け入れたり、藤城小学校でのシイタケ植菌体験、大岩山展望所の保全活動などを行っています。
会員でもある龍谷大政策学部の谷垣ゼミの生徒や京都市国際交流協会の留学生の里山自然体験の受け入れも行っています。
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緑綬褒章など各所から活動が評価
これらの活動を評価され、過去には国土交通大臣や京都市教育委員会、京都市などから表彰を受けてきました。
20223年には内閣府から緑綬褒章を受章しました。
ボランティア活動がこのように評価されることは、やる気につながります。
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注:緑綬褒章は「長年にわたり社会に奉仕する活動(ボランティア活動)に従事し、顕著な実績を挙げた方」が授与対象になります。
いつもの早朝ゴミ拾い散歩をしている、伏見北堀公園を23年間にわたり、社会奉仕活動が認められ、令和5年春の褒章『緑綬褒章』を内閣府から頂きました。
『伏見北堀公園愛護協力会』通称(みどりの会伏見桃山)宛に褒状が届き、メンバーで記念撮影🤗
身に余る光栄の褒章です🤗#みどりの会伏見桃山 pic.twitter.com/477xP3v6JH
— 岡村祐介 (@okamura1954) May 31, 2023
彼岸花の植栽活動
2021年から彼岸花の植栽を開始
伏見北堀公園に彼岸花を植え始めたのは3年前です。
どうしても、活動が毎年毎年同じことの繰り返しになるので、新しいことを始めました。
京都の南の方にはあまり彼岸花の名所がなかったことも理由のひとつです。
彼岸花の前にはあじさいの植栽にも取り組んでおり、2019年から250株を植栽しています。
高知の彼岸花を植栽
私の実家は、高知県宿毛市にある彼岸花の名所の近くにあります。
ただ彼岸花が多すぎて葉で滑って危険ということで、斜面に生える彼岸花を間引いていると聞きました。
そこで、抜いた彼岸花を京都に送ってもらい、伏見北堀公園に植えることを思いつきました。
京都市にも相談の上、体育館から100mほどのところに彼岸花を植えることにしました。
実家の姉から30kgの彼岸花の球根を送ってもらい、伏見北堀公園に植えました。
3年やっているので、累計100kgの彼岸花を植えています。
白花彼岸花がメイン
彼岸花と言えば赤ですが、伏見北堀公園の彼岸花は白花彼岸花が多いのが特徴です。
赤い彼岸花と白花彼岸花が混じっていますが、球根を見てもどちらかは判別できません。
意図的に赤と白を植え分けているわけではなく、つぼみがふくらんでようやく赤か白かがわかります。
京都では赤と白の両方が咲く彼岸花スポットは少なく、しかも同時に両方が見頃を迎えることは珍しいです。
新しい彼岸花スポットとして、今後はここから体育館の通路脇に彼岸花を広げていきたいと考えています。
彼岸花の手入れ
彼岸花の球根は6月ごろに植え付けます。植え付けた年も少し咲きますが、分球してどんどん花が増えていきます。
植えて1年目、2年目、3年目のところは見てわかるでしょう。
同じように植えても、微妙な日当たりや土壌などの違いで育ち方には差が出ます。斜面のところも植えていますが、育ちはあまりよくありません。
彼岸花の世話は、腐葉土を少しまくのと雑草を刈り払うくらいです。放っておいても元気に育ちます。
腐葉土は、伏見北堀公園の清掃でたまった葉を使って作ったものです。
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彼岸花を見に訪れる人も
彼岸花の植栽を初めて3年がたち、だいぶ認知度もあがってきました。
今日も通りかかった近隣の方が「今年も彼岸花がきれいに咲いたな」と言ってくれました。
最近はSNSで伏見北堀公園の彼岸花を知ったという人の訪問も増えてきました。
SNSにアップしてもらうことで、さらに知られるようになりつつあります。
もっと多くの人に伏見北堀公園の彼岸花を知って欲しいと思います。
伏見北堀公園の彼岸花の見頃は、例年9月末から10月初めごろです。
2024年は本日10月9日が見頃のピークと例年より遅めです。
京都で彼岸花が有名な亀岡や大原と比べると少し遅い時期に彼岸花が咲きます。
みどりの会伏見桃山の運営
80代の方も活躍中
みどりの会伏見桃山の最高齢は85歳が2名います。今日も矢橋さんが来てますが、高齢の方ほど元気です。
さすがに危険な木の剪定は私が行っていますが、草刈りはプロ並みです。
活動した日は、倉庫横の紙に記載することになっています。私は雨の日以外はほとんど毎日活動しています。
他にもほぼ毎日活動している方もいますが、あえて名前は書かないようにしている方もいます。
みどりの会伏見桃山の会員は皆、いい人ばかりです。
じゅうぶんではない運営費用
京都市からは公園愛護協力会の報奨金として年間7万円もらってますが、とても足りません。いろんな道具も必要ですし、けがをしたときのための保険も必要です。
公益財団法人平和堂財団の夏原グラントなど、いろんな団体から助成を受けて活動しています。特に夏原グラントからは2022~24年度で計100万円以上を助成いただいています。
それでも足りない分は、会員が自腹を切っています。倉庫内の道具も私物がたくさんあります。
さいごに
みどりの会伏見桃山の活動と仕事以外はほとんど何もできないような日々を過ごしています。
でもいろんな人に喜んでもらえるのがとてもうれしいです。
私は伏見北堀公園を自分の庭みたいに思ってます。自分の庭だったら、一生懸命手入れをするのは当たり前でしょう。
そう言うと、みんなに、「すごく大きな庭ですね」と笑われます。
ぜひ、多くの方にみどりの会伏見桃山の活動を知って欲しいです。
岡村祐介会長のSNS
みどりの会伏見桃山の活動を広げるため、SNSも積極的に活用しています。
活動に関心がある方は、岡村会長までコンタクトを。
X(旧Twitter) 1,983フォロワー
Instagram 2,972フォロワー
YouTube チャンネル登録者数662人
矢橋行雄さんに聞く
みどりの会伏見桃山でも最高齢の矢橋さん(85)にお話しをうかがいました。
みどりの会伏見桃山には、岡村さんとほぼ同時期の15年前から活動してます。
もともとこういう仕事をしていたわけではありませんが、子どもの頃は家の農業の手伝いをしていたので、だいたいのことは何でもできます。
今の時期は服に種がついて大変です。ひとつひとつはがすのが大変。
お金をもらうのではなく、お金を払って活動する。こんなのは好きでないとやってられません。