フットハットがゆく【213】「特別編ハワイツアー2」|MK新聞連載記事

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フットハットがゆく【213】「特別編ハワイツアー2」|MK新聞連載記事

MKタクシーの車載広報誌であるMK新聞では、塩見多一郎さんのエッセイ「フットハットがゆく」を2001年11月16日から連載しています。
MK新聞2011年8月1日号の掲載記事です。

特別編ハワイツアー2

ダイヤモンドヘッド頂上からみたワイキキ

ダイヤモンドヘッド頂上からみたワイキキ

前回、京都の『B-TRIBE』ストリートダンス & ダブルダッチ・チームのハワイツアーの様子を紹介しました。
今回は、撮影担当だった僕個人のハワイ体験談を書きたいと思います。

序章…6月の頭に人生初の人間ドックに行きました。
その1週間ほどまえから咳がよく出るようになりまして、僕はのど風邪だと思っていました。
しかし、なかなか咳は止まる気配を見せず、そして人間ドックの結果が出る前に、ハワイツアーに旅立ちました。
ツアー仲間に迷惑がかからぬよう、しっかりマスクをつけて飛行機に乗り込みました。

関空からホノルルへは、夜発朝着フライト。
飛行機の中ではしっかり寝ておいた方がいいということで、大好きな赤ワインを何杯もおかわりして、寝酒にしてぐっすり眠ろうと思いました。
しかし、まわりの皆が寝静まった頃、急に吐き気を催しました。
自分の経験上、吐くほど飲んだつもりはなかったのですが、ついにのど元まで上がって来ました。
ぐっと飲み込んで我慢していたら、急に咳が出て鼻からゲロが吹き出しました。
そこから呼吸困難、窒息状態になり非常に苦しみましたが、結果的には無事でした。
鼻から出たワイン色のゲロもマスクでせき止められ、周りに迷惑をかけることもありませんでした。

ハワイではチームのパフォーマンスを撮ったり、観光の様子を撮ったりしました。
ある一日はチーム全員でダイヤモンドヘッドに上ろうということになり、僕もカメラを担いで一緒に上りました。
ダイヤモンドヘッドはオアフ島の象徴ともいえる山で、高さは300mもなく、登山道もありますので、観光客が大挙して押し寄せます。
本来なら上るのに1時間もかかりません。
しかし僕は登山途中で咳が止まらなくなり、しかも途中、急な階段の後に狭い洞窟がありまして、そこで完全に呼吸困難に陥りました。
このダイヤモンドヘッドは太平洋戦争時代、米軍の要塞みたいになっており、洞窟や登山道も軍が作ったもの。
ここが直接日本軍に攻撃されたわけではないけれど、頂上からは真珠湾も見えますし、やはりこの山自体がリメンバー・パールハーバー、日本人への怨念があり、それが僕に取り憑いて殺そうとしているのだ…目の前が真っ白にかすんで行く中で僕はそんなことを考えましたが、まわりの他の日本人観光客は、へらへらと平気な顔をして上っていました。

ホテルのプールでチームメイトと潜水競争したり、ノースショアの海岸でスコールから機材を守るために砂浜ダッシュしたり、そのたびに呼吸困難になって苦しい思いをしましたが、なんとか無事に帰国し、数日後に病院に行くと即入院!となりました。
自然肺気胸という肺に穴が開く病気で、左肺が完全にしぼんでおりました。
この状況で右もやられたら死ぬ!ということで即手術となりました。
あとから人間ドックの結果を見ると、ハワイに行く前から左肺がつぶれていたわけで、その際に御法度なものは、激しい運動、水泳、飛行機…。
知らなかったとはいえ、ハワイでは本当に危ない橋を渡っていたことになり冷や汗ものでした、はい。

ダイヤモンドヘッド

ダイヤモンドヘッド

 

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